憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
53 / 373

51 まぁ、これもある意味テストと言えばテストなのか

しおりを挟む
…‥‥中間試験、前座というべき座学の面でのテスト。

 当日までにディーは今までの勉強を振り返りつつ、自分の苦手な科目などが無いかを確認し、内容を振り返っていく。

 歴史、数学、諜報系のための潜入方法手段、他職業との連携方法、召喚士としての職業の活かし方‥‥‥その他諸々、学んできたこと全ての復習ではあるが、量が多い。

 これでまだ中間であり、夏の長期休暇というべき時には期末テストがある事を考えると、その時にはさらに量が積み重なっていると思え、やや気が重くなる。

 むしろ、テストなんて受けて何になるのだろうかとも思い始めつつも、休日であってもそのテストの時まで復習は続けつつ‥‥‥



「‥‥‥っと、ご主人様、この計算のうち3,4,10が間違えてますネ。計算式はこれで…‥」
「マスター、そろそろお疲れですわよね。目の疲労に聞く果物を今、生産してますわ」
「主殿、頭を使いすぎると暑くなると思って、羽ばたきの風で冷やしているが、いかがでござろうか?」
「御前様、この方法の内、これとこれはちょっと間違えているようじゃ。ここはこの手法が‥‥‥」

「…‥‥何だろう、この状況」

‥‥‥ノイン、カトレア、ルビー、ゼネ。彼女達の支援受けた状態のこの環境、ツッコミどころがあるような無いような。

 いやまぁ、嬉しい事は嬉しいとは思う。

 計算間違いなど教師面ではノインが、環境を整える面ではカトレア、ルビーが、手法系統はナイトメア・ワイトという種族だけあって、様々な方法を持っているらしいゼネが、各自適任すぎる。

 勉強体制としてはかなり良いと言えばいいのだが…‥‥むしろこれで、良い点数が取れなければ色々と申し訳なくなりそうで、プレッシャーが強くなっているような気がする。

「居心地も良いけど‥‥‥ちょっと尽くされ過ぎているような気がするのは気のせいだろうか?」
「そうですカ?召喚獣の身であれば、ご主人様のために尽くすのは当たり前だとは思いマス」
「わたくしも同意見ですわね」
「拙者としては、できれば勉学系よりも体を動かす系統の方がやりやすいでござるけどなぁ‥‥‥その方面が活かしにくいゆえに、できる面で頑張っているだけでござるよ」
「儂としては、御前様に良い点数を取ってほしい親心的なものがあるのじゃけどね。‥‥‥にしても、歴史の方に他国のものもあるけど、少々違うのぅ。一部、改竄して都合よくされているようじゃな」

 なんかさらっと言われたような気がするが、それは聞かなかったことにしよう。

 全員俺が良い点数を取れるようにしてくれているのだし、深く考えない方が良いか。

「この調子なら、座学面は良いけど…‥‥他が気になるよな」
「それはまだ、分かりまセン。先ほど、職員室の方へ潜入しましたが、まだまだ作成中のようでシタ」
「影の方へ潜み、探って見たのじゃが相当悩んでいるようじゃな。今年の召喚獣学科の方は、儂たちのような者がおるし、どの様なテストをすべきかで、胃を数か所痛めた人がおったのじゃ」

 どうやら彼女達を召喚したことで、召喚士学科のテストがどうもややこしくなりそうで、問題を考えにくいらしい。

 教師陣がうんうんと唸りながら作成しているようで、その苦悩の原因となった側としては、非常に申し訳ない気持ちになるのであった。

「‥‥‥あれ?でも今朝から全員、ここにいたよな?ノイン、ゼネ。二人ともいつ見に行ったんだ?」
「ご主人様が集中しておられる間に、素早く見に行きまシタ」
「儂の場合はちょいちょいっと幻術などを使用して見たのじゃ」
「あ、職員室に鉢植えの植物などもあるので、それを利用すればわたくしも探れますわね」
「拙者は外から飛んで、見る事もできるのでござる!」

‥‥‥あー、うん。なんというか、既に職員室全体を見る事ができているのか。

 将来的に諜報などで他国へ向かうとしたら、各自のその調査能力は非常に生かせそうである。

 でもそれって、下手したらカンニング扱いとかされないよね?テストを受ける前に問題を見て、先に答えを用意してしまうのもズルな気がするんだけど。








「おおぅ、ようやく、ようやく定まりそうだ…‥‥」
「長く、苦しい会議であったが…‥‥これでもう、良いんじゃないかな」

‥‥‥ディーが召喚獣たちの能力に関して、不正を疑われそうな可能性に危惧していたころ、職員室横、教師用の会議室では、教師たちが皆笑顔になっていた。

 各学科独自のテスト方法についての、判断基準や点数調整、内容などについての議論があり、長くかかってはいたのだが、今、ようやくその会議が終焉を迎えたのである。

「職業ごとに、そのやれることも変化するし、できれば妥当なところでやりたいが‥‥‥」
「どうしようもない所は、妥協するしかありませんからな。まぁ、例年よりも倒れた教員数は少ない事は、良い事でしょう」
「質の方は悪化しているようだけどね。血反吐は去年はいなかっただろ」
「ああ、学園長が逃亡されてたしな‥‥‥あの人、バーサーカーの職業でもあるはずなのに、こういう事では素早く動き、即座に離脱できているのはおかしいと思う」

 何にしても、各学科ごとの詳細な基準方法や点数の導き出し方、内容の細かな調整など、出来上がったそれらのテストのためのものをみれば、嬉しさで騒ぎたくもなるだろう。

 だが、騒ぐのであればテストの後であり、今は教師という立場として生徒たちへテストという壁を用意し、突破してもらいたいが、その為の力をより見せてもらわなければいけないのだ。

「さてさて、後は内容をまとめたこの魔道具をセットして、各自に配布して‥‥‥」


 テストのための内容などをまとめ上げた、魔道具。

 教員たち用に用意され、様々な記録が詰め込まれたそれを、別の装置にセットし、出力しようとした‥‥‥その時であった。

「‥‥あれ?ちょっと待ってください」
「ん?どうした?」
「これ、何時から記録していましたっけ?すでに記録停止状態ですが‥‥‥」
「あははは、記録はこまめに取っていただろう?最後の方まできちんとやっていただろう!」
「‥‥‥それ、記録用の中身が抜けているんですが、記録できましたっけ?」
「「「「「「え?」」」」」」


…‥‥この記録用の道具は、その中身がなければただの中身の無い空っぽなもの。
 
 セットされていなければ、当然記録用に動かしたとしても、当然中身は全て流れ出している。

 慌てて教師たちが確認し直すと、その中身は会議室の方に置かれていた。

 ただし、中身を見ると…‥‥序盤部分だけ。

 
 どうやら序盤、動作確認のために動かしていたのだが、その時についうっかり中身も確認のために外して、セットし忘れていたのである。

「「「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」」


 教師陣、会議内容を思い出しつつ、再度きちんと取り直すということになり、全員絶叫を上げるのであった…‥‥
しおりを挟む
感想 771

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。 ※この作品は、カクヨムでも掲載しています。

【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ

O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。 それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。 ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。 彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。 剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。 そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

処理中です...