憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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77 ツッコミ力は一夜にしてならず

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…‥‥家に無事に帰って来たのは良いのだが、妹がちょっとノインたちに対して警戒している。

 まぁ、無理もないだろう。ツッコミどころが満載なのは、言うまでもないのだから。

「兄ちゃん、今絶対にツッコミどころが多いから、そのツッコミどころをすべて当てて、いってみれば良いとか思わなかった?」
「前半は思っていた」

 何にしても、無事に家に帰宅できたのは良いのだが‥‥‥

「そう言えば母さん、父さんに報告しに行かないか?」
「ええ、そうしましょう」

 この場にいない、俺の父。

 と言っても、理由はあるのだが‥‥‥

「ご主人様の父親ですカ。どのような方なのでしょうカ?」
「うん、まぁ‥‥‥姿を見ることは無いけどね」








‥‥‥村のはずれにある、色々な神を祭っているらしい小さな教会。

 その横にあるお墓の内、一つの墓の前に僕らは集まった。

「‥‥‥なるホド。ご主人様の父親は既に‥‥‥」
「ああ、他界したんだ」

 数年前に、不慮の事故で父さんは逝ってしまった。

 不慮の事故というか、何かとツッコミどころ満載な死に方で…‥‥いや、思い出すのはやめておこう。色々と喜劇と悲劇が入り混じった、なんかおかしな星の元に生まれたような死に方だったからな。

「お父さん、ほら今日はあなたの息子が無事になりたかった召喚士の職業を得て、召喚獣たちを連れてきたわよ」

 母さんがそう言いながら、そっと摘んできた花を添える。

 あの父さんが、もし生きていれば、ノインたちを見ればそれは色々とやらかすような‥‥‥うん、なんだろう、逝かれたのは悲しいけど、逝ってしまってそれはそれでよかったかもしれないと思う、複雑な心境である。

「マスターのお父様‥‥‥生きているうちに出会えなかったのは、残念ですわね」
「主殿の父上は既にいないのでござるか」
「‥‥‥‥ふむ」
「グゲェ」

 全員で手を合わせ、綺麗に墓を磨いた後で、すぐに家に戻る。

 長くいたとしても、父さんがあそこにいるわけでもない。

 でも、やはりいたという証と、報告ぐらいはしたくなるんだよね‥‥‥‥アンデッド化していない時点で、成仏している可能性が大きいけどね。

 いや、していたとしても、あの父さんそういう類が駄目だったはずだよなぁ…‥‥なっていたら、多分速攻で気絶しているか、昇天してすぐに消え失せるかのどっちかだろう。

「なるほどのぅ‥‥‥完全に逝っているようじゃな」
「ゼネ、そういうのがわかるのか?」
「当り前じゃ。儂は今でこそナイトメア・ワイトじゃが、死体を動かす死霊術ぐらいは心得ておる。そのため、ちょっと死体関係の状態について他では見えぬものを見る事もできるのじゃが‥‥‥」

 そう言いながら、ゼネはぐるりと墓地全体を見渡した。

「‥‥‥ここは良い所じゃな。皆がしっかり故人を偲び、弔い、祈っておるのじゃろう。どの魂も綺麗に逝っておるし、その想いも届いているはずじゃ」
「そっか」

 なんというか、こういう時に専門家的な存在がいるのは良いのかもしれない。

 雰囲気は少々壊されるかもしれないが、心残りなく逝っているようであれば良いのだろう。

「現在進行形で、踊っている霊もおるしのぅ」
「そっか‥‥‥いや、ちょっと待て!?」

 なんかさらっとホラーとコメディが混ざったような気がするんだが!?





 それはそうとして、墓での報告も済ませたので、後は特に何もない。霊の方はゼネが色々やって強制成仏させたので問題ない。あれは星になったのだ…‥‥かっ飛ばされて。

 夏季休暇終わるまで、宿題も多くあれどもゆっくり滞在できるので、のんびりと過ごせればいいだろう。

 墓地を後にした後、俺はノインたちに村の案内をすることにした。

「って、セラも付いてこなくてよかったんだけど」
「兄ちゃんと一緒なのだし、私も案内するのー!」

 まぁ、久しぶりに会えたんだし、家族として一緒にいる方が良いのだろう。

 そう思いつつ、がしっと服の裾をつかむ妹に、ほんのりと温かい気持ちを抱くのであった。











(…‥‥兄ちゃんをこの人たちと一緒にだけさせないようにしないとね!)

 ディーが妹のくっつきぶりに兄としてほんわかと暖かな気持ちでいたが、セラの方はそうではなかった。

 村内を兄とめぐるのは良いのだが、一緒にいるこの召喚獣たちは油断ができない。

 いや、あっちの、学園の方にいる間はどうだったのか分からないけれども、村の中にいる間は目を離さないようにしたいのである。

 何しろ、彼女の兄の召喚獣は美女だらけであり、うかうかしていると兄を完全に取られかねないと妹心ながらそう思ったのである。

 油断せずに、警戒を忘れずに、兄のためにという想いでセラはついていく。
 
 ついでに、学園での詳しい話が聞けないかと、後で一緒に帰って来ているはずであろうバルンに対して交渉を試みよう脅して強制的にと、考えるのであった…‥‥

‥‥‥妹という立場は、何かと活用できるのである。そう、小さいながらもその分視線も変えやすく、色々と見つけやすいのだから。

 相手は油断していることが多く、タンスの隙間、布団の下、机の裏…‥‥何かと弱みを見つけるには都合のいい立場でもあった。


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