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146 思い通りにいかないのは身に染みており
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「…‥‥はぁぁぁ‥‥‥昼間のあれもそうだったけど、楽しみ疲れた‥‥‥」
‥‥‥学園祭中にゼネの妹襲撃事件があったけれども無事に退け、その後は無事に楽しめた夕暮時。
学園祭自体は一日で終わるわけでもなく、3日間ほどは行い、最後には後夜祭…‥‥各学科の出店で利用した看板などを燃やして大規模なキャンプファイヤーを起こし、その周囲で踊るまでは暇はないのだ。
とはいえ夕暮時には流石に一時的に閉鎖され、学園内には客は消え失せ、生徒や教師の方々が、一時的な後片付けを行う。
「一応、罠の方を見てきたでござるが、現状まだ動きは無いでござるよ」
「それなら良いんじゃけどなぁ‥‥‥儂が近づけば封印が解けかねぬし、もっと厳重にしたいところなのじゃが…‥‥」
ばささっと翼を羽ばたかせて降りて来たルビーの言葉に、ゼネがそう口にする。
ゼネの妹及びなんか同類っぽい者たちは現在、都市外に作られた罠にかかり中であり、そうそう抜け出すことはできないはずだ。
だが、彼女いわくそれでも安心できないようで、より強固な封印を施したいのだとか。
「とはいえ、大掛かりなものをしようにも材料とかはないし‥‥‥日に日に丁寧に埋め立てていくぐらいか」
「それが一番現実的ですネ。掘り起こされないようにしておきましょウ」
まぁ、その相手は神聖国のトップでもあるらしいが、その事情は知らん。
あの恐怖の押しかけ妹ぶりを見ると、村に帰って俺の妹の方に安心を求めたくなる。いや本当に、俺の妹があれじゃなくてよかった…‥‥ああ、一応生徒会の面々には報告済み。事後処理に関しては復活予想があるので現状放置で良いようだが…‥‥
「国際問題にならないのかと尋ねたら、密入国に近いからお咎め無しっぽいのは良かった」
「むしろ、妹たちを国際的に逮捕して管理下に置いてくれんかのぅ…‥‥」
とにもかくにも、今日は皆疲れた状態。
遊びつくしたし、本日は早めに寝る気なのか、既に全員寮の湯に入浴し終え、髪を乾かし中である。
「ふわぁ‥‥‥欠伸が出てきたというか、俺も眠いな」
「わたくしも眠いですわね…‥‥罠のために全力を尽くし過ぎましたわ」
「グゲェグ」
「…‥‥」
「あ、何か静かだなと思ったら、アナスタシアが立ったまま寝ていたでありんす」
立ったまま寝るって器用だな‥‥‥‥あ、本当だ、寝息立てているというか、目を開けて寝ているぞコイツ。それどうやってやるのか、後で聞いてみたいところである。
「色々疲れましたし、私も今夜はシャットダウンして意識を落としますネ」
「儂も、たまにはぐっすり寝た方が良いんじゃろうなぁ‥‥‥いや、死体が眠るのは意味わからんかもしれぬが」
普段眠ることはそうない組も、どうやら昼間のごたごたで精神的に疲れていたようだ。
ひとまず全員眠気が押し寄せてきたようなので、寮室へ入り、それぞれの自室にこもる。
あのゼネの妹襲撃さえなければ良かったが…‥‥それでも楽しめたから良しとするか。
「それじゃ、皆お休み」
がちゃりと各自扉を閉め、それぞれの寝室に入り込むのであった‥‥‥‥
「…‥‥御前様、ちょっと良いかのぅ」
「‥んぅ?」
真夜中、熟睡していたところで、ふと誰かに俺は起こされた。
室内は暗いが、窓から照らす月明かりで、それが誰なのかすぐに分かる。
「ゼネ、どうした?」
そこにいたのは、寝間着かつナイトキャップを被ったゼネ。
様子を見るに、さっきまでは寝ていたようなのだが‥‥‥何やら様子がおかしい。
「‥‥‥ちょっと油断というべきか、侵入者じゃ」
「何?」
「ナイトメア・ワイト言うだけあって夢関連にも敏感ではあるのじゃが…‥‥夢に関して、夢魔が入り込もうとしていたのじゃ」
「!」
その言葉に、眠かった目がすぐに覚めた。
真剣な表情で、嘘は言って居ない。
そしてその内容がどれだけ重要そうなのかという事も物語っている。
「夢魔だと?」
「儂よりも夢の専門家というべき相手じゃが…‥‥幸い、早期に気が付けたので結界を張り、侵入を拒めた。じゃが、この夢魔おかしいのじゃ」
「というと」
「何者かが動かした痕跡がある。召喚士の召喚獣という類でもないが、それに近い関係を感じるのじゃ」
ゼネいわく、本来は特に寝る必要もないが、今日ばかりは疲れたのでぐっすりと眠ろうとした。
そんな中で、ふとモンスターとしての勘としてか、夢魔の反応をキャッチし、すぐさま目を覚まして入り込めないようにしたのだとか。
「夢魔は夢の者‥‥‥ゆえに、夢から侵入が可能じゃから、施錠していようが関係なかったようじゃ」
「その夢魔は今どうなっている?」
「結界ついでに厳重に拘束させてもらったのじゃ」
報告してきた現時点で、既に捕縛完了。
種類を探ってみると、どうも淫魔の類にはいるインキュバスだそうで、通常のものは女性に憑りつく話が有名であり、娼館ではなく男娼館などを営み、生活している者たちもいるそうだが…‥‥今回の捕縛された者は野生ではなく、何者かの指示を受けた者のようだ。
「こやつじゃよ」
そう言って、彼女の部屋に案内されてみれば、確かにそこに夢魔は囚われていた。
夢から無理やり引きずりだしたそうで、逃れられないように魔法で拘束している。
…‥‥けれども、これってインキュバスというよりか…‥‥
「ふわはなせぇぇえ!!受けた命令をまだ果たせていないのだから放せぇぇぇぇ!!」
じたばたともがくのは、インキュバス…‥‥のはず。
童話とか、有名な淫魔の話とかで聞くようなイメージでは、サキュバス・インキュバス共に美女や美男子というものが想像しやすい。
だが、目の前のインキュバスは方向性が間違っていた。
確かに、美しさを考えるのであれば、そのような言葉もあるだろう。
だが、イメージをものの見事に粉砕するような肉体美というか、もりもりマッチョの筋肉だるまとは、誰が予想できたのだろうか。
「‥‥‥ゼネ、これ本当にインキュバス?」
「間違いないのじゃ」
「ふぉぉぉぉぉお!!そこの女!!この我がお主に憑りつくように言われているのだから、大人しく憑りつかせろぉぉぉぉぉ!!」
じたばたと暴れ、もがき、叫ぶインキュバス。
筋肉もりもりだるまが暴れる様は暑苦しいというか、インキュバスのイメージを粉砕するには十分すぎる代物であった。
‥‥‥ああ、でもイメージと違いすぎる面々って、そうそう珍しくもないか。なんか俺の感覚が壊れてきたような気がしなくもないが、どうしたものか。
それはさておき、色々と騒がしいので他の面子も続々と目を覚まし、この状況を説明し、理解した。
そして全員、俺同様にインキュバス関連のイメージはある程度持っていたらしいが…‥‥
「‥‥‥うん、これは無いですわね」
「一部にしか、需要無さそうでござるよなぁ」
「グゲェ」
「わっちの場合は、元蛇故に蛇っぽいのを想像したのでありんすが‥‥‥無いでありんすなぁ」
「暑い、煩い」
「データ該当無シ。亜種というか、詐称ものだと推測しマス」
ノインが一番ひどい事を言って居るような気がしなくもないが、どうもこの筋肉だるまがインキュバスなのは間違いないらしい。
「ゼネ、モザイク」
「了解なのじゃ」
流石に暴れまわる筋肉だるまというのは見苦しい所もあり、姿がモザイクになる幻術をかけてもらう。
見たくないものを自主規制としてモザイクにできる魔法…‥‥便利だなぁ。
「で、真夜中に現れ、騒いでいるコイツどうしようか」
さっきから放せ放せと騒ぎまくっているが、こいつの目的はどうやらゼネを狙っていたようである。
さっき思いっ切り口に出していたし、こちらとしては夜中に起こされる元凶となったこいつをフルボッコにしたい、ついでに淫魔のイメージを粉砕された恨みもあるので、よりボッコボコにしたい。
とはいえ、ここで消すのは簡単かもしれないが…‥‥
「話にならないし、一旦仮死状態にしてやれ、リザ」
「了解でありんす」
「な、そこの蛇女何をし、」
「えいでありんす」
「ぐっばぁぁぁっぁぁあぁああああああ!?」
「…‥‥さてさて、これで情報を抜き取れるのぅ」
「魂を引っこ抜き、無理やり情報を取るのもどうかと思うが‥‥‥まぁ、静かだからいいか」
こちらの説得に応じてくれたインキュバス。
少々あぶくを吐き、色々と青ざめつつ、女の敵だからかノインたちによってさらに厳重に縛り上げられ、口から色々と抜け出しており、魂らしいものをゼネがアイアンクローをかけて握っていた。
その中身の情報をゼネが抜き取ると、予想通りというか、仕向けてきた奴らの情報が判明した。
「やはり、儂狙いの奴じゃな…‥‥」
「しかも、召喚したのは召喚士ではなく、使い捨ての召喚陣…‥‥組織製のか」
「どこにでもいるというか、面倒な方々ですネ」
情報によれば、このインキュバスはゼネを狙っている一派が呼びだした夢魔。
召喚獣とは異なり、非常に迷惑な仮面の組織の奴らが生み出した召喚陣で呼び出されたやつであり、3つの指示を受けていたらしい。
一つ目の指示が、まずはゼネに憑りつくこと。インキュバスというのもあり、女性であるゼネに憑りつける可能性はあった。
二つ目の指示は、夢で良いように依存させまくった後、彼女をその一派の元まで誘導すること。
自らきてもらえれば、無駄な労力もいらず、色々と利用できると考えたのだろう。
そして三つ目の指示に関してだが…‥‥こちらは既に、別の事で使われていた。
「へ?自分たちを淫夢に陥らせるようにした?」
「そのようじゃな。普通それはサキュバスに頼むと思うのじゃが…‥‥ほほぅ、このインキュバス、どうやら男性も対象にできる類だったようじゃな」
探り出してみると、ゼネを狙った一派はこのインキュバスを呼び出し、彼女を手に入れようと画策していた。
そこで2つ目までなら思いついたがそれで十分となり、けれども一つ余るのはもったいないと思い、その一つをこの際インキュバス任せにしたようである。
命令自体は呼び出したその一派が命じるのだが、三つ目をそのインキュバスが自ら望んだものにして良いという指示を貰ったので…‥‥いける口であったインキュバスは、見事にそれを利用して、自分にも得ができるようにしちゃったようである。
「しかも、儂を襲う前に既に実行済みか…‥‥うわぁ、確認しに向かいたくないのぅ」
「何その地獄」
ゼネ狙いの一派は頭が悪かったのか、それともインキュバスの方が一枚上手であったか…‥‥盛大な自爆だったようだ。
組織の方の、召喚士なしでの召喚陣とか驚くところはあるが、それよりもインパクトはあるだろう。
というか、夢魔を呼べる召喚陣であれば、別にインキュバスで無くとも…‥‥
「普通に精神支配できるような、強力な奴であればまだ勝ち目があったのかもなぁ」
「いや、意味ないじゃろうな。術式が解析できたが、これは術者の技量に思いっきり左右するようじゃ」
一回きりの召喚陣らしいが、使う術者の技量によって呼び出せる夢魔の質も変動するらしく、ある程度種族の指定はできれども、今回使用したやつの技量が低すぎたためにこんな筋肉マッチョのもりもりマンが出てきちゃたらしい。
一部では需要がありそうだが…‥‥イメージを粉砕するインキュバスはどうなんだろうか。
「亜種でもなく、下級すぎるだけのようじゃのぅ。これが仮に呼び出す術者が御前様であれば、それこそ傾国の淫魔レベルが出て危かったかもしれぬがのぅ」
「名を残すものですと、アルプやエンプーサとかデス」
「いや、流石にできないと思うんだけど」
異界の召喚士って職業を持つけど、流石にそこまで御大層な物が出せるとは思わない。
ノインやアナスタシアのような無茶苦茶な例はあるけれども‥‥‥流石に淫魔を狙う気はない。リリスは仲間に近いらしいけれども、アレはどっちかと言えばペット枠に近いからな。
流石に夢魔のような類の召喚獣を呼ぶ気はない。絶対に面倒さがさらに増すだろうし、胃への負担が過去最大になってついに穴が空くかもしれないからな。
とにもかくにも、居場所も突き止めたようなので、夜に目が覚めたついでに縛り上げに向かうことにした。
抵抗されたら大変だったかもしれないが、幸いというべきか既にインキュバスの手によって骨抜きにされているようなので問題は無いだろう。
しいて言うのであれば…‥‥
「このインキュバスとかどうしようか」
「命令遂行しないと、解除されないようですが‥‥‥‥ああ、でも術者を仮死状態にすれば行けるようですネ」
「睡眠妨害、相手、容赦無し。冷凍睡眠、させる?」
「ついでに煩かったでござるし、このインキュバスも種族として終えさせるでござるか?」
「…‥‥一応、捕縛状態で、術者の方にやった方が良いかもな」
このインキュバスも、考えて見れば呼び出され、その命令に従っていただけの存在。
迷惑をかけられたが、そもそもの元凶がいるだろうし、このまま放置して良いだろう。
施すのであれば、その召喚した本人とその愉快な仲間たちにしてあげれば良いだろうし、今夜はまだ眠れなさそうである。
「でもこの件、ゼネの妹がいなくてよかったな」
「ああ、それもそうかもしれぬのう…‥‥」
昼間の暴れっぷりを見てよく理解させられるが、あの妹の場合ゼネに対して害しようとした存在を絶対に許さないだろう。
しかも、未遂だったとはいえ性的な意味合いで襲わせようとしたことに関しては確実に虎の尾を踏むレベルであり、ただでさえ化け物じみた雰囲気を纏っているというのに、新しい化け物を生み出しかねない。
…‥‥あれ?そう考えると今夜、結構危なかったのではなかろうか。
ふとそのことに気が付きつつも、未然に防げたので考えないようにし、俺たちは捕縛のために寮を出て向かうのであった…‥‥
‥‥‥そして。ディーのその予想は当たっていた。
というか、郊外に設置された罠の奥底で封じられていた者が、その騒動を予見できなかったか?否である。
ただでさえ人離れした嗅覚で位置をつかんだというのに、その嗅覚を活かして騒動を知ったのであればどうなるのか…‥‥
バキィッツ!!
深夜に、奥底で封じられていた氷塊が砕け散り、人が這いあがり始める。
一人、また一人と抜け出し、力が抜けているはずなのに壁に手をめりこませ、爪を突き立て、一歩ずつ上がっていく。
未遂で事件は終わったようだが…‥‥それでも彼女達にとって非常に大切であり、その存在を害そうとした者たちは盛大に虎の尾を踏んでしまったようだ。
「お、お、おおおおおおおおお姉様ぁぁぁぁぁあ!!」
「「「お姉様ぁぁぁぁぁぁあ!!」」」
罠から這い上がり、彼女達が大声を上げてそう咆哮し、ぐるんと体全体を目的地の方角へ向ける。
力が抜けているのでまともに立てないが、それでも手足を根性で使えば何とでもなる。
「今、今、今、害そうとした者たちをしばきたおしますわぁぁぁぁ!!」
「「「ああああああああああ!!」」」
‥‥‥‥この場で目撃する者がいたのであれば、どこのホラーだとツッコミを入れただろう。
けれども生憎、入れる人はおらず、抑える者たちもいない。
ディーたちが解決したその一方で、獣たちが解放され、更に暴走していたのだから…‥‥‥
ガシャガシャと手足をせわしなく動かし、彼女達は狂気じみた動きで向かい始める。
ああ、この先に待つのは彼女達にとっての幸福か、あるいは別の者にとっての恐怖なのか‥‥‥どっちにしても、変わらないだろう。
闇夜に紛れて、彼女達はただその場所へ向けて、疾走するだけである‥‥‥‥
‥‥‥学園祭中にゼネの妹襲撃事件があったけれども無事に退け、その後は無事に楽しめた夕暮時。
学園祭自体は一日で終わるわけでもなく、3日間ほどは行い、最後には後夜祭…‥‥各学科の出店で利用した看板などを燃やして大規模なキャンプファイヤーを起こし、その周囲で踊るまでは暇はないのだ。
とはいえ夕暮時には流石に一時的に閉鎖され、学園内には客は消え失せ、生徒や教師の方々が、一時的な後片付けを行う。
「一応、罠の方を見てきたでござるが、現状まだ動きは無いでござるよ」
「それなら良いんじゃけどなぁ‥‥‥儂が近づけば封印が解けかねぬし、もっと厳重にしたいところなのじゃが…‥‥」
ばささっと翼を羽ばたかせて降りて来たルビーの言葉に、ゼネがそう口にする。
ゼネの妹及びなんか同類っぽい者たちは現在、都市外に作られた罠にかかり中であり、そうそう抜け出すことはできないはずだ。
だが、彼女いわくそれでも安心できないようで、より強固な封印を施したいのだとか。
「とはいえ、大掛かりなものをしようにも材料とかはないし‥‥‥日に日に丁寧に埋め立てていくぐらいか」
「それが一番現実的ですネ。掘り起こされないようにしておきましょウ」
まぁ、その相手は神聖国のトップでもあるらしいが、その事情は知らん。
あの恐怖の押しかけ妹ぶりを見ると、村に帰って俺の妹の方に安心を求めたくなる。いや本当に、俺の妹があれじゃなくてよかった…‥‥ああ、一応生徒会の面々には報告済み。事後処理に関しては復活予想があるので現状放置で良いようだが…‥‥
「国際問題にならないのかと尋ねたら、密入国に近いからお咎め無しっぽいのは良かった」
「むしろ、妹たちを国際的に逮捕して管理下に置いてくれんかのぅ…‥‥」
とにもかくにも、今日は皆疲れた状態。
遊びつくしたし、本日は早めに寝る気なのか、既に全員寮の湯に入浴し終え、髪を乾かし中である。
「ふわぁ‥‥‥欠伸が出てきたというか、俺も眠いな」
「わたくしも眠いですわね…‥‥罠のために全力を尽くし過ぎましたわ」
「グゲェグ」
「…‥‥」
「あ、何か静かだなと思ったら、アナスタシアが立ったまま寝ていたでありんす」
立ったまま寝るって器用だな‥‥‥‥あ、本当だ、寝息立てているというか、目を開けて寝ているぞコイツ。それどうやってやるのか、後で聞いてみたいところである。
「色々疲れましたし、私も今夜はシャットダウンして意識を落としますネ」
「儂も、たまにはぐっすり寝た方が良いんじゃろうなぁ‥‥‥いや、死体が眠るのは意味わからんかもしれぬが」
普段眠ることはそうない組も、どうやら昼間のごたごたで精神的に疲れていたようだ。
ひとまず全員眠気が押し寄せてきたようなので、寮室へ入り、それぞれの自室にこもる。
あのゼネの妹襲撃さえなければ良かったが…‥‥それでも楽しめたから良しとするか。
「それじゃ、皆お休み」
がちゃりと各自扉を閉め、それぞれの寝室に入り込むのであった‥‥‥‥
「…‥‥御前様、ちょっと良いかのぅ」
「‥んぅ?」
真夜中、熟睡していたところで、ふと誰かに俺は起こされた。
室内は暗いが、窓から照らす月明かりで、それが誰なのかすぐに分かる。
「ゼネ、どうした?」
そこにいたのは、寝間着かつナイトキャップを被ったゼネ。
様子を見るに、さっきまでは寝ていたようなのだが‥‥‥何やら様子がおかしい。
「‥‥‥ちょっと油断というべきか、侵入者じゃ」
「何?」
「ナイトメア・ワイト言うだけあって夢関連にも敏感ではあるのじゃが…‥‥夢に関して、夢魔が入り込もうとしていたのじゃ」
「!」
その言葉に、眠かった目がすぐに覚めた。
真剣な表情で、嘘は言って居ない。
そしてその内容がどれだけ重要そうなのかという事も物語っている。
「夢魔だと?」
「儂よりも夢の専門家というべき相手じゃが…‥‥幸い、早期に気が付けたので結界を張り、侵入を拒めた。じゃが、この夢魔おかしいのじゃ」
「というと」
「何者かが動かした痕跡がある。召喚士の召喚獣という類でもないが、それに近い関係を感じるのじゃ」
ゼネいわく、本来は特に寝る必要もないが、今日ばかりは疲れたのでぐっすりと眠ろうとした。
そんな中で、ふとモンスターとしての勘としてか、夢魔の反応をキャッチし、すぐさま目を覚まして入り込めないようにしたのだとか。
「夢魔は夢の者‥‥‥ゆえに、夢から侵入が可能じゃから、施錠していようが関係なかったようじゃ」
「その夢魔は今どうなっている?」
「結界ついでに厳重に拘束させてもらったのじゃ」
報告してきた現時点で、既に捕縛完了。
種類を探ってみると、どうも淫魔の類にはいるインキュバスだそうで、通常のものは女性に憑りつく話が有名であり、娼館ではなく男娼館などを営み、生活している者たちもいるそうだが…‥‥今回の捕縛された者は野生ではなく、何者かの指示を受けた者のようだ。
「こやつじゃよ」
そう言って、彼女の部屋に案内されてみれば、確かにそこに夢魔は囚われていた。
夢から無理やり引きずりだしたそうで、逃れられないように魔法で拘束している。
…‥‥けれども、これってインキュバスというよりか…‥‥
「ふわはなせぇぇえ!!受けた命令をまだ果たせていないのだから放せぇぇぇぇ!!」
じたばたともがくのは、インキュバス…‥‥のはず。
童話とか、有名な淫魔の話とかで聞くようなイメージでは、サキュバス・インキュバス共に美女や美男子というものが想像しやすい。
だが、目の前のインキュバスは方向性が間違っていた。
確かに、美しさを考えるのであれば、そのような言葉もあるだろう。
だが、イメージをものの見事に粉砕するような肉体美というか、もりもりマッチョの筋肉だるまとは、誰が予想できたのだろうか。
「‥‥‥ゼネ、これ本当にインキュバス?」
「間違いないのじゃ」
「ふぉぉぉぉぉお!!そこの女!!この我がお主に憑りつくように言われているのだから、大人しく憑りつかせろぉぉぉぉぉ!!」
じたばたと暴れ、もがき、叫ぶインキュバス。
筋肉もりもりだるまが暴れる様は暑苦しいというか、インキュバスのイメージを粉砕するには十分すぎる代物であった。
‥‥‥ああ、でもイメージと違いすぎる面々って、そうそう珍しくもないか。なんか俺の感覚が壊れてきたような気がしなくもないが、どうしたものか。
それはさておき、色々と騒がしいので他の面子も続々と目を覚まし、この状況を説明し、理解した。
そして全員、俺同様にインキュバス関連のイメージはある程度持っていたらしいが…‥‥
「‥‥‥うん、これは無いですわね」
「一部にしか、需要無さそうでござるよなぁ」
「グゲェ」
「わっちの場合は、元蛇故に蛇っぽいのを想像したのでありんすが‥‥‥無いでありんすなぁ」
「暑い、煩い」
「データ該当無シ。亜種というか、詐称ものだと推測しマス」
ノインが一番ひどい事を言って居るような気がしなくもないが、どうもこの筋肉だるまがインキュバスなのは間違いないらしい。
「ゼネ、モザイク」
「了解なのじゃ」
流石に暴れまわる筋肉だるまというのは見苦しい所もあり、姿がモザイクになる幻術をかけてもらう。
見たくないものを自主規制としてモザイクにできる魔法…‥‥便利だなぁ。
「で、真夜中に現れ、騒いでいるコイツどうしようか」
さっきから放せ放せと騒ぎまくっているが、こいつの目的はどうやらゼネを狙っていたようである。
さっき思いっ切り口に出していたし、こちらとしては夜中に起こされる元凶となったこいつをフルボッコにしたい、ついでに淫魔のイメージを粉砕された恨みもあるので、よりボッコボコにしたい。
とはいえ、ここで消すのは簡単かもしれないが…‥‥
「話にならないし、一旦仮死状態にしてやれ、リザ」
「了解でありんす」
「な、そこの蛇女何をし、」
「えいでありんす」
「ぐっばぁぁぁっぁぁあぁああああああ!?」
「…‥‥さてさて、これで情報を抜き取れるのぅ」
「魂を引っこ抜き、無理やり情報を取るのもどうかと思うが‥‥‥まぁ、静かだからいいか」
こちらの説得に応じてくれたインキュバス。
少々あぶくを吐き、色々と青ざめつつ、女の敵だからかノインたちによってさらに厳重に縛り上げられ、口から色々と抜け出しており、魂らしいものをゼネがアイアンクローをかけて握っていた。
その中身の情報をゼネが抜き取ると、予想通りというか、仕向けてきた奴らの情報が判明した。
「やはり、儂狙いの奴じゃな…‥‥」
「しかも、召喚したのは召喚士ではなく、使い捨ての召喚陣…‥‥組織製のか」
「どこにでもいるというか、面倒な方々ですネ」
情報によれば、このインキュバスはゼネを狙っている一派が呼びだした夢魔。
召喚獣とは異なり、非常に迷惑な仮面の組織の奴らが生み出した召喚陣で呼び出されたやつであり、3つの指示を受けていたらしい。
一つ目の指示が、まずはゼネに憑りつくこと。インキュバスというのもあり、女性であるゼネに憑りつける可能性はあった。
二つ目の指示は、夢で良いように依存させまくった後、彼女をその一派の元まで誘導すること。
自らきてもらえれば、無駄な労力もいらず、色々と利用できると考えたのだろう。
そして三つ目の指示に関してだが…‥‥こちらは既に、別の事で使われていた。
「へ?自分たちを淫夢に陥らせるようにした?」
「そのようじゃな。普通それはサキュバスに頼むと思うのじゃが…‥‥ほほぅ、このインキュバス、どうやら男性も対象にできる類だったようじゃな」
探り出してみると、ゼネを狙った一派はこのインキュバスを呼び出し、彼女を手に入れようと画策していた。
そこで2つ目までなら思いついたがそれで十分となり、けれども一つ余るのはもったいないと思い、その一つをこの際インキュバス任せにしたようである。
命令自体は呼び出したその一派が命じるのだが、三つ目をそのインキュバスが自ら望んだものにして良いという指示を貰ったので…‥‥いける口であったインキュバスは、見事にそれを利用して、自分にも得ができるようにしちゃったようである。
「しかも、儂を襲う前に既に実行済みか…‥‥うわぁ、確認しに向かいたくないのぅ」
「何その地獄」
ゼネ狙いの一派は頭が悪かったのか、それともインキュバスの方が一枚上手であったか…‥‥盛大な自爆だったようだ。
組織の方の、召喚士なしでの召喚陣とか驚くところはあるが、それよりもインパクトはあるだろう。
というか、夢魔を呼べる召喚陣であれば、別にインキュバスで無くとも…‥‥
「普通に精神支配できるような、強力な奴であればまだ勝ち目があったのかもなぁ」
「いや、意味ないじゃろうな。術式が解析できたが、これは術者の技量に思いっきり左右するようじゃ」
一回きりの召喚陣らしいが、使う術者の技量によって呼び出せる夢魔の質も変動するらしく、ある程度種族の指定はできれども、今回使用したやつの技量が低すぎたためにこんな筋肉マッチョのもりもりマンが出てきちゃたらしい。
一部では需要がありそうだが…‥‥イメージを粉砕するインキュバスはどうなんだろうか。
「亜種でもなく、下級すぎるだけのようじゃのぅ。これが仮に呼び出す術者が御前様であれば、それこそ傾国の淫魔レベルが出て危かったかもしれぬがのぅ」
「名を残すものですと、アルプやエンプーサとかデス」
「いや、流石にできないと思うんだけど」
異界の召喚士って職業を持つけど、流石にそこまで御大層な物が出せるとは思わない。
ノインやアナスタシアのような無茶苦茶な例はあるけれども‥‥‥流石に淫魔を狙う気はない。リリスは仲間に近いらしいけれども、アレはどっちかと言えばペット枠に近いからな。
流石に夢魔のような類の召喚獣を呼ぶ気はない。絶対に面倒さがさらに増すだろうし、胃への負担が過去最大になってついに穴が空くかもしれないからな。
とにもかくにも、居場所も突き止めたようなので、夜に目が覚めたついでに縛り上げに向かうことにした。
抵抗されたら大変だったかもしれないが、幸いというべきか既にインキュバスの手によって骨抜きにされているようなので問題は無いだろう。
しいて言うのであれば…‥‥
「このインキュバスとかどうしようか」
「命令遂行しないと、解除されないようですが‥‥‥‥ああ、でも術者を仮死状態にすれば行けるようですネ」
「睡眠妨害、相手、容赦無し。冷凍睡眠、させる?」
「ついでに煩かったでござるし、このインキュバスも種族として終えさせるでござるか?」
「…‥‥一応、捕縛状態で、術者の方にやった方が良いかもな」
このインキュバスも、考えて見れば呼び出され、その命令に従っていただけの存在。
迷惑をかけられたが、そもそもの元凶がいるだろうし、このまま放置して良いだろう。
施すのであれば、その召喚した本人とその愉快な仲間たちにしてあげれば良いだろうし、今夜はまだ眠れなさそうである。
「でもこの件、ゼネの妹がいなくてよかったな」
「ああ、それもそうかもしれぬのう…‥‥」
昼間の暴れっぷりを見てよく理解させられるが、あの妹の場合ゼネに対して害しようとした存在を絶対に許さないだろう。
しかも、未遂だったとはいえ性的な意味合いで襲わせようとしたことに関しては確実に虎の尾を踏むレベルであり、ただでさえ化け物じみた雰囲気を纏っているというのに、新しい化け物を生み出しかねない。
…‥‥あれ?そう考えると今夜、結構危なかったのではなかろうか。
ふとそのことに気が付きつつも、未然に防げたので考えないようにし、俺たちは捕縛のために寮を出て向かうのであった…‥‥
‥‥‥そして。ディーのその予想は当たっていた。
というか、郊外に設置された罠の奥底で封じられていた者が、その騒動を予見できなかったか?否である。
ただでさえ人離れした嗅覚で位置をつかんだというのに、その嗅覚を活かして騒動を知ったのであればどうなるのか…‥‥
バキィッツ!!
深夜に、奥底で封じられていた氷塊が砕け散り、人が這いあがり始める。
一人、また一人と抜け出し、力が抜けているはずなのに壁に手をめりこませ、爪を突き立て、一歩ずつ上がっていく。
未遂で事件は終わったようだが…‥‥それでも彼女達にとって非常に大切であり、その存在を害そうとした者たちは盛大に虎の尾を踏んでしまったようだ。
「お、お、おおおおおおおおお姉様ぁぁぁぁぁあ!!」
「「「お姉様ぁぁぁぁぁぁあ!!」」」
罠から這い上がり、彼女達が大声を上げてそう咆哮し、ぐるんと体全体を目的地の方角へ向ける。
力が抜けているのでまともに立てないが、それでも手足を根性で使えば何とでもなる。
「今、今、今、害そうとした者たちをしばきたおしますわぁぁぁぁ!!」
「「「ああああああああああ!!」」」
‥‥‥‥この場で目撃する者がいたのであれば、どこのホラーだとツッコミを入れただろう。
けれども生憎、入れる人はおらず、抑える者たちもいない。
ディーたちが解決したその一方で、獣たちが解放され、更に暴走していたのだから…‥‥‥
ガシャガシャと手足をせわしなく動かし、彼女達は狂気じみた動きで向かい始める。
ああ、この先に待つのは彼女達にとっての幸福か、あるいは別の者にとっての恐怖なのか‥‥‥どっちにしても、変わらないだろう。
闇夜に紛れて、彼女達はただその場所へ向けて、疾走するだけである‥‥‥‥
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異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
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リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
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魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
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異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
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【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
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かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
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【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
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枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
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99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
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