憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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178 変える時もあるようだが

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「…‥‥これはこれでどうなんだろうか」
「んー‥‥‥まぁ、悪くはないとは思いマス」

‥‥期末テストの結果が貼りだされ、各採点基準での結果が貼りだされている寮の掲示板。

 その前にて、ディーはその貼りだされているものの中で、中間時には不安であった特殊な採点結果の部分が変更されていることに対して複雑な表情を浮かべていた。


 中間時には、「やらかし力」という新しい採点基準での結果が貼りだされていたが、どうやらそのやらかし力に対して一部の生徒たちからの要望を受け、名称及び採点基準を変更。

 その結果として生まれた、新しい採点基準のランキング名は…‥‥


「『インパクト力』‥‥‥って、すごい分かりにくいような、分かりやすいような、意味不明な様な‥‥普通に『衝撃力』とかで言えば良いような気がするのだが」
 
 名称とか採点基準の変更によって、新しく生まれたのは『インパクト力』。

 それは「生徒が学園に与えた様々な影響」に関しての採点基準。

 新しい料理を生み出したり、医学を発展させたり、ダンジョンで一日で幾つモンスターを授業内で討伐できたか、などの功績を数値化して表した日々の積み重ねによる功績の結果を表したもののようだ。

 テストの結果では一概には図れないために、テストの合間分にあった出来事で積み重ねる類のようだが‥‥‥‥

「おお、マイロードが思いっきり上位ではないか!!しかもぶっちぎりの!」
「桁数、明かに二桁程、群を抜いているよ!!」


 明らかにおかしい数値が出されているというか、トップ10までしか出ていないのに、2位との差が圧倒的過ぎるというか‥‥‥何だろう、この採点結果。

 なお、2位に関しては同率で生徒会長ゼノバース副生徒会長グラディが入っており、どうやら学年の違いすらも関係なく、間ごとの功績評価を行う仕組みのようであった。

‥‥‥「やらかし力」って付くよりはよかったのだろうか?いや、でも一応国の王族を抜かしているのもなぁ。

「あと思いっ切り、流石に後学期の中間からの方で身に覚えはないんだけど」
「あれじゃないですカネ?組織の研究所発見」
 
 あ、普通にあったわ。それ確かに功績になるか。でもまぁ、流石にこんなことはそうそうないだろうし、このトップも今回限りだと思いたい。

 なお、生徒会長たちの特典理由は、王族だからとかではなく、こっちはこっちで王子としての責務をきちんと果たしつつ、王位継承権争いで優位に立てるように努力した結果でもあるようだ。

 どっちが王に付くのかは分からないが‥‥‥この分だと他国に留学している王女・第3王子の影が薄くなりそうな‥‥‥それも見越してか?







 とにもかくにも、期末の結果としては、それを除いては満足度は高い。

 座学の方はどれもこれも上位は取れているし、体育系とのテストの部分もそれなりに向上しており、学科ごとの特殊採点も上位ではある。

 一つだけ上位になれなかったのはあるが‥‥‥

「召喚獣の水泳能力に関しては面子的にどうしようもなかったよな」
「ダンジョン内にプールを作るのは意外でしたが…‥‥まぁ、それぞれの水中対応能力を知れたのでよかったでしょう」

 ノインが水中ジェットとやらを使おうとしたけど、流石にそれは反則だった。というか、普通この寒い季節に泳がせるのか?

 まぁ、夏でもないのに彼女達の水着姿を見れたのは良かったかもしれない。普段隠れているレイアの大きいものとかで他の召喚士が失血死寸前になったり、アナスタシアがうっかりテンション上げたまま氷結させちゃって、なんとか寒さ対策をしつつ泳ぎの用意をしていたリザが氷像と化すアクシデントもあったけどね。

 救助後、リザがぼそりと「夏になったら仕返しするでありんす‥」とつぶやいていたのは、怖かったので聞かなかったことにしよう。‥‥‥蛇って、そう言えば執念深いとか聞くことがあるけど、彼女はどうなんだろうか。

 


「何にしても、期末も終わったし…‥‥あとは終業式からの冬期休暇か」

 正確に言うと、雪が降り積もる期間を超え、次の新入生たちの入ってくる入学式よりも少々前までの間なので、冬季というにはちょっとズレているかもしれない。

 でも、まとめて言った方が楽な様なので、それで良いか。

「実家に帰るにしても、手紙を送ったけど大丈夫かなぁ?母さんたちに驚かれないのだろうか?」
「御前様のご家族じゃしなぁ‥‥‥大丈夫な気しかしないのぅ」
「主殿のご家族なら、大丈夫そうでござるよ」

 そう言われても、やっぱりちょっと不安ではある。

 とはいえ、決心はついているし、不安はあれどもふっ飛ばす勢いでどうにかすればいいか。

 うん、世の中勢いとノリでどうにかなる事もあったりなかったりするし、根性であったほうにしてやればいいだけの話だ。

「ああ、そうだマイロード。どのぐらいの距離で駆け抜けられるか見たいし、私が馬車を引っ張っていこうか?」
「ん?‥‥‥それもありか」

 普通の馬ではなくレイアが牽引すれば、かなりの速度は出そうである。

 とはいえ、彼女にやってもらうとすれば卒業後の方が良いだろうな‥‥‥今はまだ学生だし、速攻で故郷に付くよりものんびり過ごしてついた方が良いからな。

 何にしても、帰郷までもう少し。

 流石に雪が降り積もっていく中だと、たいした騒ぎは起きないだろうなぁ…‥‥‥









‥‥‥ディーがそう思っている丁度その頃。

 仮面の組織の方でも動きはあった。

「…‥‥ここを廃棄処分か?」
「ああ、どうやら見つかりそうだからな。爆破処分するそうだ」

 とある地中の奥深く、そこにあった施設内にて、仮面をつけた者たちが後片付けをしながらしゃべっていた。

「研究所の一つが占拠され、内部資料がごそっと盗られ、あちこちで摘発されているらしいからな‥‥‥ここもその一つだし、手が入る前に全てを別へ移せと上からの指令だ」
「うわぁ、面倒だなぁ。せっかくここの地下暮らしにも慣れていたのに」
「仕方が無い事だ。だが、悪い事でもあるまい。今度はより良い環境の施設に異動らしいからな」
「それもそうか」

 地下に作られる施設が多いとはいえ、環境によっては条件が最悪な場所もある。

 地盤が緩くて沈下しかけたり、マグマだまりが近くに出来上がって溶岩に呑まれかけたり、挙句の果てには大量のキノコに占領されるような場所もある。

 そんな中で、この施設の方は地下水が通っており、純粋で綺麗な水がいつでも飲めるという良い環境であり、実験にも使用できたのだが‥‥‥いかんせん、ちょっと湿り気が多かった。

「そうだ、実験体共はどうする?」
「それらは全部、この施設の痕跡もなくすために、爆破処分に巻き込んでしまうらしいな」

 よっと箱詰めされた資料を持ち上げ、仮面の者の一人がそう答える。

「もったいないなぁ。せっかくいいデータが手に入って来たのに‥‥‥」
「とはいえ、数体ほどしかできていないからな。ああ、材料にしようと入れた野生のモンスターもまとめてらしいぞ」
「マジか。あの水槽のやつらもか…‥‥東の方にある刺身料理とかにして捕食処分とか無しか?」
「なしだ。9割以上が毒ありだ」

 その返答にがっくりとうなだれる者もおりつつ、食べる気もなかったのでどうでも良いなと思う者もいる中で、片付けは順調に進んでいく。

「さてと、後はこのまま爆破用の爆薬を仕掛けて行けば、完了だな」
「しかし、この地下で爆破して大丈夫なものかなぁ?地盤沈下とかで滅茶苦茶怪しまれるような気がするのだが」
「安心しろ。隠蔽用の置換爆弾で、爆破と同時に瞬時に内部に圧縮した土塊が膨れ上がって、ここに建設されたものが無かったようにしてくれる優れものだからな」

 痕跡もできるだけ残さないようにするために開発された、特殊な爆弾。

 それがあるなら大丈夫かと思いつつ、あちこちへ彼らは仕掛けていく。


 仕掛け終えた後、爆破スイッチを押して確認した後、仮面の組織は自分たちの痕跡を消しつつ、別の場所へ移動するのであった…‥‥

‥‥‥水槽の水が地下水から供給されており、そこから逃げ出した影があった事にも気が付かずに。
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