憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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248 すぐ近くに潜むもの

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‥‥‥ゼネの妹の仲間の一人から得た情報によって、この空間からの脱出経路は確保できた。

 そもそも、この空間に入るすべが無ければあの液体を操れなかっただろうし、ゼネの妹たちの事だからじぶんたちの目で確認するために見に来ている可能性がある。

 だからこそ、侵入経路が存在しており、それを逆に利用すれば脱出経路となるのだが…‥‥


「二度とこんなことをやらかさぬように、脱出後に滅しに行きたいのじゃが」
「そうした方が良いだろうな」

 脱出したところで、また同じような手を使われてここに放り込まれては意味がない。

 やらかさないようにかつ、ちょっかいをかけないようにして欲しい。

 なので、脱出が出来たら丁寧なフルボッコ話し合いの場を設ける事を決めつつ、先へ俺たちは進んだ。


 あちこちの角で曲がり、突き進み、滑って上って‥‥‥

「というか、経路が複雑なんだが」
「割と作り込まれているようですけれども…‥‥あちこちに別室の入り口らしい物もありますわね」
「入らぬ方が良いようじゃぞ?何かと仕掛けられているようじゃからな」

 トラップ部屋なのかと納得しっつも、進むのに時間がかかる。

 さっきの液体スライムの道は抜けたとはいえ、壁と似た材質の床になっており、歩くたびにぐにゅぎびょうっと形容しがたい感触が伝わり、歩くにくくなっているのだ。

 なので自然と疲労がたまるようなのだが‥‥‥一応、計算上は外はまだ夜中らしい。

 中と外で、時間の流れが違うようにもしているようだが、この技術をもっと別のところに生かせなかったのだろうかと思う。


「とはいえ、リリスの箱の中だと歩く必要はないが…‥‥リリスは疲れてないか?」
「グゲェ」

 大丈夫だよというようにぐっと指を立てるリリス。

 その他の面子も大丈夫だというが、よく見ればちょっと汗をかいているようにも見える。

…‥‥やっぱり、歩きにくさで全員疲労していないか?

 まぁ、ルンの場合は鞘に収まった剣の状態で浮いているから疲労は無そうだが…‥‥

「‥‥‥全員、一旦休憩するか?歩き疲れて襲撃でもあったらやばいからな」
「ご主人様がそう言うのであれば、休憩いたしましょウ」

 ふぅっと全員息を吐くようにして、一旦この場で休憩を取ることにした。

 なお、安全のために周囲にトラップを仕掛けつつ、ごそごそと取り出した椅子とベッドに各自が腰かけ、寝そべり、リザのマッサージを受ける。

「ぬぅ、全員足に無駄な力が入るようでありんすな‥‥‥よっと」
「ひぎゃぁ!?」
「あとこっちの方も、体のバランスゆえか、尻尾の付け根部分に‥‥‥」
「ニャああああ!?」
「っと、わっちの方も‥‥‥んっ、蛇行歩行でありんすが、自分自身も凝っているでありんすな」

 自分にもかけつつ、全員の疲労を回復させるためにリザがマッサージを行うが…‥‥どうやら、思ったよりも全員疲れていたようだ。

 疲労していると激痛があるツボを確認のために押され、あられもない断末魔を上げているが‥‥‥艶めかしいようで、激痛の酷さにちょっと恐怖を抱く。

「というかゼネ、後どのぐらいで脱出できそうなんだ?」
「そうじゃな…‥っ、そこはちょっと痛いのじゃが‥‥‥記憶を見る限りじゃと、あと2時間は歩けば空間を出入りするための出入り口につながるはずじゃな。こやつの記憶の道のりをさかのぼっているコースである事を確認しているし、間違っていないか注意もしているのじゃが、大丈夫そうじゃ」
「あとここも、ちょっと凝っているでありんすね」
「ほげのじゃ!?}

 ぐりりぃっと足裏のツボを押され、悶絶するゼネ。

 話している最中にも容赦ないなぁっと思いつつ、脱出までの時間を考える。

「確か、外での1分がここでの1時間だし…‥‥外だとあと2分程度かぁ‥‥‥」
「一応データも収集してますし、後でどうにか再利用したいですネ。時間の大幅なずれを起こせる空間は、他にも応用が可能ですからネ」

 休憩ついでに腕を変形させ、計測機器を出してあちこちに刺して確認しつつ、ノインがそうつぶやく。

「でも、2時間もかかるのは大変だぜ‥‥‥歩くよりも、泳ぐ方が早いのになぁ」
「足になるぶん、動きがちょっとやりにくい部分でもありんすかね?こことかも盛大に疲労が‥‥‥」
「ひっげぇ!?」

 膝の裏をぐりっとやられ、ティアが悶絶する。

 なんというか、相当な激痛っぽいのがうかがえてしまうなぁ…‥‥あ、水をかけてサメの尾びれが出たところでそこの付け根も容赦なくぐりぐりしたな、今。

「んー‥‥‥あ、そう言えばゼネ、一つ聞いて良いだろうか?」
「レイア、どうしたのじゃ?」
「いや、ここ別に歩かなくとも道さえ合っていればそこを突き進めばいいのだろう?」
「そうじゃが?」
「だったら、リリスに全員入って、某が背負って駆け抜ければ良い話しのような気がするのだが…‥‥どうだ?」
「…‥それもそうじゃった」
「というか、そこに気が付けばよかった」

 馬車は流石に通路の幅では狭くなりそうだが、リリスの箱を背負って駆け抜けてもらう分には問題ないはず。

 それに、そっちの方が明らかに早いからな…‥‥

「あ、でもレイアの足腰に負担がかからないか?ここの歩きにくさはかなりあると思うが‥‥‥」
「この程度大丈夫だぞ、マイロード。岩山を駆け抜けるよりも、まだマシだからな」

 レイア曰く、ぐねぎゅねっと言い表しがたい感触の足場だが、それでも素早く足を動かせば問題ないようだ。

 むしろ、微妙な反発力を逆に生かして足を速く動かし、より素早い突破が可能になるのだとか。

「それに…‥‥ゼネ、お前の話だとアレ・・の効果は時間が経つと出てくるのだろ?さっさと洗い落とすためにも、時間を掛けられないからな」
「そうじゃな…‥‥時間的には、あと3時間はなんとか持つと思うのじゃが…‥‥何かあっても困るからのぅ」
「アレってなんだ?」
「「御前様(マイロード)には秘密じゃ(だ)」」

 尋ねてみたら揃ってそう返答されたが、どうやらあの耳をふさいでいた間にやっていた会話内容に関わることらしい。

 深入りはせずに、休憩を早めに終え、さっさとその案を実行するのであった…‥‥

「ところでありんすけど、レイア。足場のバランス感覚は取れているようでありんすけど、腰と肩に負担があるのが見えるでありんすよ。よっと」
「ぎゃあああああああああ!?」



「…‥‥なんかさっきから、激痛による断末魔しか上がってないなぁ。リザのマッサージってそう言うのだっけ?」
「回復しやすいツボを押しているようデス。普通の痛みの無いツボもあるようですが、効果を考えると速攻性を今回は選んでいるようでスシ‥‥‥」
「ノイン、そちらの足の方も疲れているでありんすよ」
「イイッツ!?」

…‥‥考えたら、メイドゴーレムやアンデッドなどに強烈な痛みを感じさせるツボを押せる彼女が、この中で一番強いのではなかろうか?ふと、俺はそう思ったが…‥‥うん、気にしないでおこう。最近ツッコミ力が落ちているし、ルナティアたちに任せた方が楽だからな。

 あ、でもそこでひっくり返って痙攣しているな…‥‥ツッコミ役召喚獣が欲しくなりそうである。

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