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293 逆恨みする者と逆恨みされる者
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「ゴルゴッホォォォォン!!」
スパーキングコングファイターが盛大に雄たけびを上げ、全力で殴りかかってくる。
ディーは装備品のジェットブーツでギリギリのところでかわしつつ、敵の攻撃を観察する。
…‥‥電撃を利用しての素早い攻撃を行うパワーファイターなモンスター。
だが、電撃で動かしているのは無理やりに近いので、どこかでその反動が来る可能性がある。
それを待って逃げ続けるのもいいのだが‥‥‥相手のスタミナなどを考えると、常人以上にたっぷりとあり、なおかつ逆恨みによる嫉妬や怨嗟などで動いているのであれば、体の状態なんてものは考えずに攻撃しているだろう。
「となると、やっぱり逃げ続けるだけじゃダメか」
かと言って、ノインたちの攻撃な通じない相手なので、自分一人でやるしかない。
彼女達のサポートも受けられるだろうが、下手に巻き添えにさせるのも不味いだろうし、何よりも逆恨みの原因が彼女達に囲まれていることだから、共に行動させればそれだけでより激高して攻撃の手を倍増させる危険性がある。
「だったらまずは、単純にパワー勝負!!」
「ゴルゴホホン!!」
素早くガントレットを取り出し、殴りかかって来た拳に対して正面からぶつかり合う。
ドッガァァァァン!!
ぶつかり合った衝撃で周囲に衝撃波が舞うが、相手との体格差ゆえに、多少は押される可能性はあった。
けれども、こちとらノインの装備品を装着しているのであり、この程度では撃ち負けない。
「とはいえまともにやるわけもない!!ドリルモード!!」
拳にぶつかり合っているガントレットが音声入力と共に変形し、拳の形状が回転するドリルへと変形した。
となると、当然ぶつかっていた拳に…‥‥
ギュリリリリリリリッ!!
「ゴルゴッギャァァン!?」
回転するドリルが見事に突き刺さり、スパーキングコングファイターの片腕を砕ききった。
その痛みに悲鳴を上げ、バックステップで距離を取ったが、まずは相手の拳を封じることはできただろう。
「ギャガギャガ、ゴルッゴッホォォォォォォン!!」
痛む拳で怒りが増したのか、やや泣きわめいていたスパーキングコングファイターがさらに怒りの表情を強め、その辺の壁や床を叩き割り、破片をぶん投げてきた。
怒り狂っていても冷静に判断するだけの知性はまだあるようで、直接攻撃は危険と考え、間接的な攻撃に変えてきたようだ。
しかも、ただの破片を投げてきているのではなく、自身の体内の電撃をどうやってか纏わりつかせ、物理的に電撃を纏った破片にしているらしい。
「っと、まともに当たるわけにもいかないな」
無理やり筋肉を動かすレベルの電撃であれば、直撃するのも不味いだろう。
装備品の強化スーツは絶縁体も利用して電撃を通さないように改良しているようだが、破片だけでもものすごい速度で飛んでくるので、何にしても直撃してはいけない。
なので、相手が遠距離間接攻撃をしてくるのであれば、こちらも答えれば良い。
「この手ならば、これだな」
腕時計を操作し、内蔵されている装備品を選択すると、両足に四角い箱のような物が装着された。
その箱のふたが左右に開けば多くの穴が開いており…‥‥
「遠距離攻撃の破片ならば、これで十分だ!」
脳内指示感知式速射ミサイルポッドとやらを起動させれば、その穴からは大量の小型ミサイルが射出され、スパーキングコングファイターへ襲い掛かる。
「ゴルゲッホォォォン!?」
破片を砕き、貫き、着弾してくる大量の小型ミサイル。
生憎ながら連射性能を重視したせいで威力はやや控えめになっているとノインが言っていたが、弾幕を張るにはこれほど適した装備もないだろう。
機関銃などもあるのだが、それよりもちょっと威力が高いからね。とは言え、この程度ではへこたれないのか、土煙が舞い上がりつつもスパーキングコングファイターは攻撃に耐え、まだまだ応戦してくる様子。
小型ミサイルには最初こそ撃たれ続けていたが、直ぐになれたのか破片を手に持って武器にして、撃ち落としたりして持ちこたえたている様子。
「それにしても、こうやって見ると不思議だな‥‥?」
相手の攻撃はこちらに通じるが、奴は異性の攻撃は通じない。
アナスタシアの氷や、ルビーの火炎放射、リリスの宝石投擲などははじき返す。
そしてノインやルンの攻撃も通じなかったが…‥‥ノインの攻撃という点で、ちょっと疑問に思った。
この装備品って彼女の造りだした武器なのに、彼女自身が似たような兵装を使用しても通じなかったのに、俺が使うと通じている。
作成者がノインなのに、俺が使って通じるのであれば、例えばルンも彼女の攻撃が通じなかったが、彼女の本体である剣を俺が握って攻撃を仕掛けた場合、それは果たしてどうなるのか?
また、性別によって対応が異なるが…‥‥果たして、相手の性別を変えるような一撃をした際には、その後の判定はどうなるのか。
こうやって対峙してみれば、色々と疑問が浮かぶ相手だが‥‥‥まぁ、今はそんなことを考える意味も無いだろう。
逆恨みで攻撃されているし、何よりも万が一にでも俺を亡き者にしたら、今度はノインたちを奴が狙う可能性が大きい。
そう考えると非常に腹が立つというか…‥‥消し飛ばしたほうが良い気がしてくる。
「ま、そろそろこちらも武器で殴りかかりに行くか」
相手の攻撃を見て、そこから攻撃するだけでは意味がない。
逆恨みされる理由はあるが、そんな逆恨みで殺そうとしてくる輩には容赦はしない。
なのでここは、ノインが用意してくれている装備品で、普段使わないような類で盛大にやってやろう。
「チャクラム、大鎌、トゲトゲ付きガントレットにビームサー‥‥っと、これが使えるか」
ミサイルを連射しつつ、選び出して手に持った武器はモーニングスターと呼ばれるような、鎖鎌の鎌が棘付きの鉄球になったような武器だ。
ただし、ただの棘のある鉄球ではなく、毒草やらその他毒物がしみ込んだ強烈さを増すポイズンモーニングスターという魔改造品である。
…‥‥何でこんな物騒な物があるのかと言えば、タフな相手をより早く倒せるようにしたらしいが‥‥‥うん、物理攻撃だけで相当な威力がありそうなのに、毒を付与する必要があったのかと疑問に思う。
「とりあえずぶん回してっと」
ミサイルで相手の攻撃を食い止めている間に、ガントレットでしっかりと鎖の先を握って飛ばさないようにして、遠心力を付けるためにぶん回し始める。
ぶぉんぶぉんっと回転し始め、勢いを増すモーニングスター。
「ゴルゴッホォォォン!」
音が聞こえてきたことで、相手もこちらの動きと何で攻撃をするのかということに気が付いたようで、素早く駆けだしてきた。
モーニングスターの欠点は、攻撃後に隙がある。
投げ飛ばした鉄球を戻すまでに時間があり、ミサイルが連射され続けていても我慢して突撃すれば、一撃を食らわせることができると思ったのだろう。
とはいえ、そんな思惑はこちらも分かっている。
だからこそ、わざと大振りな攻撃を選んだが…‥罠を仕掛けていることに相手は気が付くのか?
「何にしても、引き付けて‥‥‥‥ここだぁ!!」
罠も用意済みだが、そのためにもまずは勢いを付けたモーニングスターの鉄球を、相手に向かってぶん投げた。
遠心力でより強い力が加わっており、回している時以上にぶっ飛んでいく鉄球。
だいぶ近いところで狙ったが、やはりスパーキングコングファイターはその攻撃をかわし、ミサイルの雨あられを受けながらも突撃してきた。
もう、この程度の小さな攻撃は無視して攻撃できるといいたいのだろう。
ドリルで砕かれた拳ではなく無事な方の拳を振り上げ、怒りの籠った目で睨みつけながらも、勝利を確認したかのように笑みを浮かべる。
ああ、攻撃の隙が大きくてこれでようやく倒せると考えたが…‥‥残念だ。やはり、罠に気が付かなかったのか。
相手の拳が飛んできて、こちらの体へ直撃し‥‥‥‥そしてそのまま何もなかったかのように空振りをした。
「ゴルッホォン!?」
確かに今目の前にいたはずなのに、何故か当たらなかった拳。
そして改めて見れば、そこに俺の姿が無い事に気が付き、驚愕のあまり目を見開いて混乱する。
無理もない。最初から俺はそこで攻撃しているのではないのだから。
弾幕に紛れて姿を消しつつ、ずれた場所に体を投影していただけなのだから。
…‥‥ノイン御手製「超光学迷彩」および「立体映像投射機」…‥‥早い話が、ただの偽物の映像に見事にかかった。
そしてその映し出されていた体の近くに俺の体はあるのだが‥‥‥相手はわざわざ、ミサイルの攻撃を受けながらもやって来てくれたのだし、その努力に敬意を表して最大火力を至近距離でぶち込んでやろう。
混乱しているやつに正解を見せるかのように、姿を現し、出した巨大な大砲の砲口をスパーキングコングファイターの口の中へ照準を合わせる。
はっきりと目視して何をしようとしているのかを理解して逃げようとしたようだが、もう遅い。
「発射」
かちりと引き金を引けば、砲口から猛烈な勢いで溶岩そのものが放出された。
これはリザの自室にある溶岩風呂に使っていたものを応用した装備らしく、正式名称はひねりもない「溶岩砲」。
ただしその量は風呂に使う量を凌駕し、スパーキングコングファイターの体内へ猛烈な勢いで流し込まれて、体の内側から焼いていく。
相手がいくら頑強で素早いパワーファイターなスパーキングコングファイターのとはいえ、モンスターであり生身の存在。
ゆえに、内部からの灼熱地獄は流石に効いたようで、悲鳴を上げるも声帯すら融解済み。
…‥‥我ながらかなりえげつない手段だったが、無理もないかと思う。
スパーキングコングファイターの習性から行けば、俺を倒せばノインたちに襲い掛かる気だっただろうし‥‥‥それが許せなかったのだから。
ああ、そうか。単純に俺は、逆恨みされたことに加えて、彼女達に対して危害を加えようとした相手に怒りを覚えていたのか。
そう思うとこの手段をとった事には何の不思議な事もなく、そのまま容量がいっぱいになるまで入れ続けるのであった…‥‥
「というかこれ、熱がすごい!!どこからこんなに溶岩を出しているんだよこれ!?」
「ああ、内部で高熱を発しつつ、後方のホースで地面を採掘してそれを溶岩に換えているだけデス」
‥‥‥まさかの産地直送(?)溶岩であった。
スパーキングコングファイターが盛大に雄たけびを上げ、全力で殴りかかってくる。
ディーは装備品のジェットブーツでギリギリのところでかわしつつ、敵の攻撃を観察する。
…‥‥電撃を利用しての素早い攻撃を行うパワーファイターなモンスター。
だが、電撃で動かしているのは無理やりに近いので、どこかでその反動が来る可能性がある。
それを待って逃げ続けるのもいいのだが‥‥‥相手のスタミナなどを考えると、常人以上にたっぷりとあり、なおかつ逆恨みによる嫉妬や怨嗟などで動いているのであれば、体の状態なんてものは考えずに攻撃しているだろう。
「となると、やっぱり逃げ続けるだけじゃダメか」
かと言って、ノインたちの攻撃な通じない相手なので、自分一人でやるしかない。
彼女達のサポートも受けられるだろうが、下手に巻き添えにさせるのも不味いだろうし、何よりも逆恨みの原因が彼女達に囲まれていることだから、共に行動させればそれだけでより激高して攻撃の手を倍増させる危険性がある。
「だったらまずは、単純にパワー勝負!!」
「ゴルゴホホン!!」
素早くガントレットを取り出し、殴りかかって来た拳に対して正面からぶつかり合う。
ドッガァァァァン!!
ぶつかり合った衝撃で周囲に衝撃波が舞うが、相手との体格差ゆえに、多少は押される可能性はあった。
けれども、こちとらノインの装備品を装着しているのであり、この程度では撃ち負けない。
「とはいえまともにやるわけもない!!ドリルモード!!」
拳にぶつかり合っているガントレットが音声入力と共に変形し、拳の形状が回転するドリルへと変形した。
となると、当然ぶつかっていた拳に…‥‥
ギュリリリリリリリッ!!
「ゴルゴッギャァァン!?」
回転するドリルが見事に突き刺さり、スパーキングコングファイターの片腕を砕ききった。
その痛みに悲鳴を上げ、バックステップで距離を取ったが、まずは相手の拳を封じることはできただろう。
「ギャガギャガ、ゴルッゴッホォォォォォォン!!」
痛む拳で怒りが増したのか、やや泣きわめいていたスパーキングコングファイターがさらに怒りの表情を強め、その辺の壁や床を叩き割り、破片をぶん投げてきた。
怒り狂っていても冷静に判断するだけの知性はまだあるようで、直接攻撃は危険と考え、間接的な攻撃に変えてきたようだ。
しかも、ただの破片を投げてきているのではなく、自身の体内の電撃をどうやってか纏わりつかせ、物理的に電撃を纏った破片にしているらしい。
「っと、まともに当たるわけにもいかないな」
無理やり筋肉を動かすレベルの電撃であれば、直撃するのも不味いだろう。
装備品の強化スーツは絶縁体も利用して電撃を通さないように改良しているようだが、破片だけでもものすごい速度で飛んでくるので、何にしても直撃してはいけない。
なので、相手が遠距離間接攻撃をしてくるのであれば、こちらも答えれば良い。
「この手ならば、これだな」
腕時計を操作し、内蔵されている装備品を選択すると、両足に四角い箱のような物が装着された。
その箱のふたが左右に開けば多くの穴が開いており…‥‥
「遠距離攻撃の破片ならば、これで十分だ!」
脳内指示感知式速射ミサイルポッドとやらを起動させれば、その穴からは大量の小型ミサイルが射出され、スパーキングコングファイターへ襲い掛かる。
「ゴルゲッホォォォン!?」
破片を砕き、貫き、着弾してくる大量の小型ミサイル。
生憎ながら連射性能を重視したせいで威力はやや控えめになっているとノインが言っていたが、弾幕を張るにはこれほど適した装備もないだろう。
機関銃などもあるのだが、それよりもちょっと威力が高いからね。とは言え、この程度ではへこたれないのか、土煙が舞い上がりつつもスパーキングコングファイターは攻撃に耐え、まだまだ応戦してくる様子。
小型ミサイルには最初こそ撃たれ続けていたが、直ぐになれたのか破片を手に持って武器にして、撃ち落としたりして持ちこたえたている様子。
「それにしても、こうやって見ると不思議だな‥‥?」
相手の攻撃はこちらに通じるが、奴は異性の攻撃は通じない。
アナスタシアの氷や、ルビーの火炎放射、リリスの宝石投擲などははじき返す。
そしてノインやルンの攻撃も通じなかったが…‥‥ノインの攻撃という点で、ちょっと疑問に思った。
この装備品って彼女の造りだした武器なのに、彼女自身が似たような兵装を使用しても通じなかったのに、俺が使うと通じている。
作成者がノインなのに、俺が使って通じるのであれば、例えばルンも彼女の攻撃が通じなかったが、彼女の本体である剣を俺が握って攻撃を仕掛けた場合、それは果たしてどうなるのか?
また、性別によって対応が異なるが…‥‥果たして、相手の性別を変えるような一撃をした際には、その後の判定はどうなるのか。
こうやって対峙してみれば、色々と疑問が浮かぶ相手だが‥‥‥まぁ、今はそんなことを考える意味も無いだろう。
逆恨みで攻撃されているし、何よりも万が一にでも俺を亡き者にしたら、今度はノインたちを奴が狙う可能性が大きい。
そう考えると非常に腹が立つというか…‥‥消し飛ばしたほうが良い気がしてくる。
「ま、そろそろこちらも武器で殴りかかりに行くか」
相手の攻撃を見て、そこから攻撃するだけでは意味がない。
逆恨みされる理由はあるが、そんな逆恨みで殺そうとしてくる輩には容赦はしない。
なのでここは、ノインが用意してくれている装備品で、普段使わないような類で盛大にやってやろう。
「チャクラム、大鎌、トゲトゲ付きガントレットにビームサー‥‥っと、これが使えるか」
ミサイルを連射しつつ、選び出して手に持った武器はモーニングスターと呼ばれるような、鎖鎌の鎌が棘付きの鉄球になったような武器だ。
ただし、ただの棘のある鉄球ではなく、毒草やらその他毒物がしみ込んだ強烈さを増すポイズンモーニングスターという魔改造品である。
…‥‥何でこんな物騒な物があるのかと言えば、タフな相手をより早く倒せるようにしたらしいが‥‥‥うん、物理攻撃だけで相当な威力がありそうなのに、毒を付与する必要があったのかと疑問に思う。
「とりあえずぶん回してっと」
ミサイルで相手の攻撃を食い止めている間に、ガントレットでしっかりと鎖の先を握って飛ばさないようにして、遠心力を付けるためにぶん回し始める。
ぶぉんぶぉんっと回転し始め、勢いを増すモーニングスター。
「ゴルゴッホォォォン!」
音が聞こえてきたことで、相手もこちらの動きと何で攻撃をするのかということに気が付いたようで、素早く駆けだしてきた。
モーニングスターの欠点は、攻撃後に隙がある。
投げ飛ばした鉄球を戻すまでに時間があり、ミサイルが連射され続けていても我慢して突撃すれば、一撃を食らわせることができると思ったのだろう。
とはいえ、そんな思惑はこちらも分かっている。
だからこそ、わざと大振りな攻撃を選んだが…‥罠を仕掛けていることに相手は気が付くのか?
「何にしても、引き付けて‥‥‥‥ここだぁ!!」
罠も用意済みだが、そのためにもまずは勢いを付けたモーニングスターの鉄球を、相手に向かってぶん投げた。
遠心力でより強い力が加わっており、回している時以上にぶっ飛んでいく鉄球。
だいぶ近いところで狙ったが、やはりスパーキングコングファイターはその攻撃をかわし、ミサイルの雨あられを受けながらも突撃してきた。
もう、この程度の小さな攻撃は無視して攻撃できるといいたいのだろう。
ドリルで砕かれた拳ではなく無事な方の拳を振り上げ、怒りの籠った目で睨みつけながらも、勝利を確認したかのように笑みを浮かべる。
ああ、攻撃の隙が大きくてこれでようやく倒せると考えたが…‥‥残念だ。やはり、罠に気が付かなかったのか。
相手の拳が飛んできて、こちらの体へ直撃し‥‥‥‥そしてそのまま何もなかったかのように空振りをした。
「ゴルッホォン!?」
確かに今目の前にいたはずなのに、何故か当たらなかった拳。
そして改めて見れば、そこに俺の姿が無い事に気が付き、驚愕のあまり目を見開いて混乱する。
無理もない。最初から俺はそこで攻撃しているのではないのだから。
弾幕に紛れて姿を消しつつ、ずれた場所に体を投影していただけなのだから。
…‥‥ノイン御手製「超光学迷彩」および「立体映像投射機」…‥‥早い話が、ただの偽物の映像に見事にかかった。
そしてその映し出されていた体の近くに俺の体はあるのだが‥‥‥相手はわざわざ、ミサイルの攻撃を受けながらもやって来てくれたのだし、その努力に敬意を表して最大火力を至近距離でぶち込んでやろう。
混乱しているやつに正解を見せるかのように、姿を現し、出した巨大な大砲の砲口をスパーキングコングファイターの口の中へ照準を合わせる。
はっきりと目視して何をしようとしているのかを理解して逃げようとしたようだが、もう遅い。
「発射」
かちりと引き金を引けば、砲口から猛烈な勢いで溶岩そのものが放出された。
これはリザの自室にある溶岩風呂に使っていたものを応用した装備らしく、正式名称はひねりもない「溶岩砲」。
ただしその量は風呂に使う量を凌駕し、スパーキングコングファイターの体内へ猛烈な勢いで流し込まれて、体の内側から焼いていく。
相手がいくら頑強で素早いパワーファイターなスパーキングコングファイターのとはいえ、モンスターであり生身の存在。
ゆえに、内部からの灼熱地獄は流石に効いたようで、悲鳴を上げるも声帯すら融解済み。
…‥‥我ながらかなりえげつない手段だったが、無理もないかと思う。
スパーキングコングファイターの習性から行けば、俺を倒せばノインたちに襲い掛かる気だっただろうし‥‥‥それが許せなかったのだから。
ああ、そうか。単純に俺は、逆恨みされたことに加えて、彼女達に対して危害を加えようとした相手に怒りを覚えていたのか。
そう思うとこの手段をとった事には何の不思議な事もなく、そのまま容量がいっぱいになるまで入れ続けるのであった…‥‥
「というかこれ、熱がすごい!!どこからこんなに溶岩を出しているんだよこれ!?」
「ああ、内部で高熱を発しつつ、後方のホースで地面を採掘してそれを溶岩に換えているだけデス」
‥‥‥まさかの産地直送(?)溶岩であった。
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