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299 こうなるのはわかっていたのかもしれないが
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「‥‥‥‥何故、増えたのー‥‥」
「えっと‥‥‥そこまでショックか?」
「ショックも何も、驚愕しすぎて何も言えないのー!!お兄ちゃん、本当に何をやらかしているのー!!」
「あらあら、可愛らしい娘が増えたようで、嬉しいわねぇ」
ぷんすこと怒る妹に対して、伝えても驚かずににこやかに答える母さん。
まだ休暇中なので村に戻って来たのだが…‥‥ちょっと起きたことを伝えても、その反応に差が見られるだろう。
「なんというか、義妹の反応の方が一般的だというのが分かるニャ」
「流石義母様…‥‥彼の器の元になるようなおおらかさが見えるわね」
ついでに結ばれたことで、ルナティアとアリスも一緒に来たのだが、その反応を見て二人は苦笑を浮かべる。
うん、我が母ながらおおらかすぎるとは思うんだよなぁ…‥‥すごいなぁ、母さん。
「ご主人様の母だけに、ただ者ではないですよネ」
「まぁ、父さんとのなれそめを聞くと予想できたけどな」
何にしても、お付き合いなどに関しての話は家族の了承を得られたので問題はないだろう。
一応、ルナティアやアリスの方の家族にも連絡したのだが、返答によればむしろOKだとか。
「前々から、実は相談していたりしたのニャ」
「とはいえ、わたくしのほうは家の事情もあるので‥‥‥もうちょっと、片付けることもあるのよね」
立場的には俺は城伯だが、アリスの場合はガランドゥ王国の王女という立場であり、今もなおごたごたしている現状。
そこに話が行き成り入ったとしても、横やりが来る可能性もあるのだとか。
「ついでに言うのであれば、この動きのせいで別のが増えるかもしれまセン」
「というと?」
「私達とご主人様が結ばれた‥‥‥そういう情報が広まれば、当然狙う動きが出ると予想されるからデス」
…‥‥ディーの立場は城伯ではあるが、それでも召喚獣たちの力を見れば、相当強力な物がある。
ゆえに、国としてはどうしても手に入れたいところがありつつも、そう簡単に手出しができないというか、扱いに対して慎重深く出ていたところがあるが…‥‥
「アリスもそうですが、ルナティアも元は他国の者。ガランドゥ王国に森林国の者で、そう考えるとこの国や帝国、またその他の国々がご主人様を手中に収めるためにも手を出してくる可能性が大きくなるのデス」
賄賂とかハニートラップなども考えられていたが、現状この情報が広まればハニートラップを仕掛けてくるところが多くなる可能性がある。
そもそも、国だけが見ているのではなく、他の貴族家などがしっかりと見ている可能性があり、さらに細かい争いが起こりうる可能性があるのだとか。
「後はそうじゃな‥‥‥組織の問題もあるのぅ。御前様への攻撃手段に、儂らの方を狙う可能性が大きくなるかのぅ」
組織フェイスマスクの問題もまだ解決しているわけでもなく、今までに狙われた例もある。
そこから考えると、家族としての枠組みが増えるのであれば、人質狙いなどで襲ってくる可能性も出てくるのだとか。
「…‥‥何かと周囲から、当分の間面倒事がやってこないとも限らないのか…‥‥」
一口に付き合うと宣言しても、周囲からの動きに当分警戒しないといけないことになる。
大きな面倒事になったなぁとは思うが‥‥‥‥まぁ、やってしまったものは仕方がない。
何かと来るのであれば、それらに対してきちんと返さねばいけないだろうし、場合によっては反撃する前にどうにか潰したほうがいい。
「何にしても、しばらく忙しくなりそうだけど…‥‥やるしかないか」
疲れそうではあるが、将来的な事を見据えるのであればどんどん来るに対して応対して、無理なく過ごせるようにした方がいい。
やってしまった責任もあるし、きちんと対応を考えることにするのであった…‥‥
「ところで、家族の連絡だと顔を見せに来て欲しいとあるのニャ」
「あ、わたくしの方もありますわね」
‥‥‥まずは、この休暇の間に彼女達の親と会う必要があるかな。
「ついでに私の方もありますネ。母さんが主と共に一度顔を見に来るようデス」
ついでに何かさらっと、またとんでもない事を告げないでくれないかなノイン。交際をする上での覚悟をしているのに、何でその覚悟を軽々と乗り越えそうな人の来訪予定を告げるんだよ。
ディーが彼女達の親との顔合わせに対してどのように対応するべきかと頭を悩ませ始めていた丁度その頃。
王城の方ではその交際の知らせを受け、王子たちは悩んでいた。
「‥‥‥うーん、まぁ大体予想できていたというか、可能性はあったけれどね」
「先を越されたような気がするが…‥‥この報告を見て、どう思う、ミウ」
「‥‥‥‥なんかこう、思いっきり先手を取られたというか、盛大にだまし討ちにあった気がする…‥‥」
ずーんっと目の前で机に伏しているミウを見て、グラディもゼノバースも溜息を吐く。
ある程度は想うところがあったのだろうが、それをまだそう深く考えていないところでのディーの交際話を聞いて、落ち込むとは‥‥‥
「‥‥‥想いって無自覚だと何もないけど、いざ自覚するとこうも落ち込むんだね」
「妹のこの姿は痛ましいが…‥‥今のタイミングで、直ぐに手を出してくれないかと言う事が出来ないな」
タイミングを逃したようで、まだチャンスはあるかもしれないけれども、彼の交際相手の中に一国の王女が加わってしまったので、下手にこのまま嫁がせようにも国の力関係もあるせいで少々難しい。
ついでに情報によれば、ゼオライト帝国で現在、ガランドゥ王国の残されていた王子と帝国の女王が交際を始めており、順調になっているが‥‥‥この様子だとガランドゥ王国にディーが流れそうであり、国同士の力関係がやや崩れかねない。
「ついでに森林国の娘も一緒なので、そっちの方にもあり…‥‥何というか、ややこしいな。せめて一人を愛してくれればまだ楽だったがな」
「それはそれで、問題になりそうな気がするけど‥‥‥‥とりあえず、こうなってくると色々と面倒だよね」
一応、今のところとある計画が国王から伝わっており、それが実行されれば今の国同士のバランスなどは綺麗に保たれ、問題が起きることは無いはずである。
でも、それはあくまでもその事情をよく知っている王国や森林国、帝国だけであり…‥‥そんなことを知らないような他の国々が手を出してくる可能性があるのだ。
この交際情報を広めれば、自分達にもチャンスがあると思って、面倒な手段を使ってくる国々も予想でき、それらに対応しなければいけないだろう。
「面倒事製造機なのかと、ディー君に一度言ってやりたくなったね」
「まぁ、それは同意するが、面倒事を解決することで功績にもなっているからなぁ‥‥‥難しい話だ」
悪い感情は無いのだが、こうもあちこちへ影響を与えるのは少し疲れるのやめてほしい。
なので、わずかな反撃として、この間開けられた大穴の利用工事に関して、ディーに押し返すことを決定したのであった‥‥‥‥
「まぁ、若干私怨が混ざっているけどね。僕らだって婚約者がいるのに、そんなに甘く出来ないもん」
「後はまぁ、妹が突っ込みにくくなったその苦労を、ちょっとは分かってもらわないとな」
「…‥‥機会はあると思うけれども、それまで待つことになる分、しっかりと受け止めてもらいたい‥‥‥でも、わたしだとちょっと弱いのかな‥‥‥自分自身を見直して、少しばかり変えようかな‥‥?」
「えっと‥‥‥そこまでショックか?」
「ショックも何も、驚愕しすぎて何も言えないのー!!お兄ちゃん、本当に何をやらかしているのー!!」
「あらあら、可愛らしい娘が増えたようで、嬉しいわねぇ」
ぷんすこと怒る妹に対して、伝えても驚かずににこやかに答える母さん。
まだ休暇中なので村に戻って来たのだが…‥‥ちょっと起きたことを伝えても、その反応に差が見られるだろう。
「なんというか、義妹の反応の方が一般的だというのが分かるニャ」
「流石義母様…‥‥彼の器の元になるようなおおらかさが見えるわね」
ついでに結ばれたことで、ルナティアとアリスも一緒に来たのだが、その反応を見て二人は苦笑を浮かべる。
うん、我が母ながらおおらかすぎるとは思うんだよなぁ…‥‥すごいなぁ、母さん。
「ご主人様の母だけに、ただ者ではないですよネ」
「まぁ、父さんとのなれそめを聞くと予想できたけどな」
何にしても、お付き合いなどに関しての話は家族の了承を得られたので問題はないだろう。
一応、ルナティアやアリスの方の家族にも連絡したのだが、返答によればむしろOKだとか。
「前々から、実は相談していたりしたのニャ」
「とはいえ、わたくしのほうは家の事情もあるので‥‥‥もうちょっと、片付けることもあるのよね」
立場的には俺は城伯だが、アリスの場合はガランドゥ王国の王女という立場であり、今もなおごたごたしている現状。
そこに話が行き成り入ったとしても、横やりが来る可能性もあるのだとか。
「ついでに言うのであれば、この動きのせいで別のが増えるかもしれまセン」
「というと?」
「私達とご主人様が結ばれた‥‥‥そういう情報が広まれば、当然狙う動きが出ると予想されるからデス」
…‥‥ディーの立場は城伯ではあるが、それでも召喚獣たちの力を見れば、相当強力な物がある。
ゆえに、国としてはどうしても手に入れたいところがありつつも、そう簡単に手出しができないというか、扱いに対して慎重深く出ていたところがあるが…‥‥
「アリスもそうですが、ルナティアも元は他国の者。ガランドゥ王国に森林国の者で、そう考えるとこの国や帝国、またその他の国々がご主人様を手中に収めるためにも手を出してくる可能性が大きくなるのデス」
賄賂とかハニートラップなども考えられていたが、現状この情報が広まればハニートラップを仕掛けてくるところが多くなる可能性がある。
そもそも、国だけが見ているのではなく、他の貴族家などがしっかりと見ている可能性があり、さらに細かい争いが起こりうる可能性があるのだとか。
「後はそうじゃな‥‥‥組織の問題もあるのぅ。御前様への攻撃手段に、儂らの方を狙う可能性が大きくなるかのぅ」
組織フェイスマスクの問題もまだ解決しているわけでもなく、今までに狙われた例もある。
そこから考えると、家族としての枠組みが増えるのであれば、人質狙いなどで襲ってくる可能性も出てくるのだとか。
「…‥‥何かと周囲から、当分の間面倒事がやってこないとも限らないのか…‥‥」
一口に付き合うと宣言しても、周囲からの動きに当分警戒しないといけないことになる。
大きな面倒事になったなぁとは思うが‥‥‥‥まぁ、やってしまったものは仕方がない。
何かと来るのであれば、それらに対してきちんと返さねばいけないだろうし、場合によっては反撃する前にどうにか潰したほうがいい。
「何にしても、しばらく忙しくなりそうだけど…‥‥やるしかないか」
疲れそうではあるが、将来的な事を見据えるのであればどんどん来るに対して応対して、無理なく過ごせるようにした方がいい。
やってしまった責任もあるし、きちんと対応を考えることにするのであった…‥‥
「ところで、家族の連絡だと顔を見せに来て欲しいとあるのニャ」
「あ、わたくしの方もありますわね」
‥‥‥まずは、この休暇の間に彼女達の親と会う必要があるかな。
「ついでに私の方もありますネ。母さんが主と共に一度顔を見に来るようデス」
ついでに何かさらっと、またとんでもない事を告げないでくれないかなノイン。交際をする上での覚悟をしているのに、何でその覚悟を軽々と乗り越えそうな人の来訪予定を告げるんだよ。
ディーが彼女達の親との顔合わせに対してどのように対応するべきかと頭を悩ませ始めていた丁度その頃。
王城の方ではその交際の知らせを受け、王子たちは悩んでいた。
「‥‥‥うーん、まぁ大体予想できていたというか、可能性はあったけれどね」
「先を越されたような気がするが…‥‥この報告を見て、どう思う、ミウ」
「‥‥‥‥なんかこう、思いっきり先手を取られたというか、盛大にだまし討ちにあった気がする…‥‥」
ずーんっと目の前で机に伏しているミウを見て、グラディもゼノバースも溜息を吐く。
ある程度は想うところがあったのだろうが、それをまだそう深く考えていないところでのディーの交際話を聞いて、落ち込むとは‥‥‥
「‥‥‥想いって無自覚だと何もないけど、いざ自覚するとこうも落ち込むんだね」
「妹のこの姿は痛ましいが…‥‥今のタイミングで、直ぐに手を出してくれないかと言う事が出来ないな」
タイミングを逃したようで、まだチャンスはあるかもしれないけれども、彼の交際相手の中に一国の王女が加わってしまったので、下手にこのまま嫁がせようにも国の力関係もあるせいで少々難しい。
ついでに情報によれば、ゼオライト帝国で現在、ガランドゥ王国の残されていた王子と帝国の女王が交際を始めており、順調になっているが‥‥‥この様子だとガランドゥ王国にディーが流れそうであり、国同士の力関係がやや崩れかねない。
「ついでに森林国の娘も一緒なので、そっちの方にもあり…‥‥何というか、ややこしいな。せめて一人を愛してくれればまだ楽だったがな」
「それはそれで、問題になりそうな気がするけど‥‥‥‥とりあえず、こうなってくると色々と面倒だよね」
一応、今のところとある計画が国王から伝わっており、それが実行されれば今の国同士のバランスなどは綺麗に保たれ、問題が起きることは無いはずである。
でも、それはあくまでもその事情をよく知っている王国や森林国、帝国だけであり…‥‥そんなことを知らないような他の国々が手を出してくる可能性があるのだ。
この交際情報を広めれば、自分達にもチャンスがあると思って、面倒な手段を使ってくる国々も予想でき、それらに対応しなければいけないだろう。
「面倒事製造機なのかと、ディー君に一度言ってやりたくなったね」
「まぁ、それは同意するが、面倒事を解決することで功績にもなっているからなぁ‥‥‥難しい話だ」
悪い感情は無いのだが、こうもあちこちへ影響を与えるのは少し疲れるのやめてほしい。
なので、わずかな反撃として、この間開けられた大穴の利用工事に関して、ディーに押し返すことを決定したのであった‥‥‥‥
「まぁ、若干私怨が混ざっているけどね。僕らだって婚約者がいるのに、そんなに甘く出来ないもん」
「後はまぁ、妹が突っ込みにくくなったその苦労を、ちょっとは分かってもらわないとな」
「…‥‥機会はあると思うけれども、それまで待つことになる分、しっかりと受け止めてもらいたい‥‥‥でも、わたしだとちょっと弱いのかな‥‥‥自分自身を見直して、少しばかり変えようかな‥‥?」
応援ありがとうございます!
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