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326 やり切るためにも、何にしても
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【ぐぎゃああああおあおおおおおおおおおおおおお!!】
‥‥‥咆哮を上げ、自身の存在を知らしめるかのように体を震わせ、翼を広げるバケモノ。
そのおぞましい容姿を考えると、ご主人様がすぐに名付けたその名が合っているように思えるだろう。
(…‥‥でも、この反応を私は知っていマス)
相手が光の矢を宙に浮かべ、周囲に無差別に解き放ち、皆で回避をしている中でノインはそう心でつぶやく。
自身のデータ内には、様々な生物の生体反応パターンが記録されており、元々インプットされている者から学習して確認できたものまで、幅広く存在している。
そしてその中で、目の前のバケモノは違うパターンを記録するかと思われていたが…‥‥酷い声帯ノイズの中で、かすかに拾えるものに既視感があった。
いや、違う。既視感と言うよりも、これは直接会ったことがある反応だ。
私がご主人様に召喚される前に出くわし、そして相手が行動に移す前に害ある者として処分を行ったはずの‥‥
「‥‥‥最下級神、いえ、今は堕ちた神々ですカ」
【ぐやあががががががああああああああああああああ!!】
私のつぶやきが聞こえたのか、いや、それとも復讐心を覚えているのか、攻撃がこちらへ向けられる。
初期の段階であれば危なかったが、今の自分はアップデートを繰り返しており、この程度であれば問題はない。
とはいえ、出てきたそのデータを見ると、これまでのフェイスマスクの異常な点に関して合点がいった。
‥‥‥かつて、より上位の存在を殺すために私を呼んでしまい、そして全滅した者たち。
あちらの都合による改造を施される前の正当防衛とではあるが、その結果として本来はあの場で存在そのものを失っていたはずだろう。
だがしかし、ろくでもないことしか思いつかなかった者たちだからか、自分達の消滅を受け入れなかったようだ。
それこそ、神であるからこそなし得た奇跡のような…‥‥復讐心によるその一心で一致し合い、混ざりあう事で消滅を逃れ、この世界に降り立ったのだろう。
それこそ、私がご主人様に出会うよりも前に‥‥‥いや、もしかするともっともっと、想像するよりも前にこの世界に降り立ち、準備をしてきたのだろう。
神であったが、既に神ならず。
けれども、人の身になることは拒絶し、それ以外のいかなる生物になるのも拒絶し、神へ戻る事を考えたのだろう。
でも、所詮は堕ちた者たちであり、混ざりあっても生き永らえるだけ…‥‥それこそ、ただの化け物として生涯を終えたのかもしれない。
けれども、そう考えるのは甘かった。
自分達を正当化し、虚栄を張り、そして愚かな考えを膨らませていったのだろう。
そして、自分達の神としての存在を取り戻せるようなものを作ろうと考え…‥‥そこで人の手を使うことにしたのかもしれない。
何しろ人の考えることは、時として何者も凌駕することがある。
それこそ、人知の範囲にいる存在だとしても、それこそ本当に奇跡のような確率で人知を超えるかのようなものを考えつく可能性があるのだから。
人知と言う時点で超えようが無いのかもしれないが、それでもやってみなくては分からない。
その挑戦心…‥‥いや、執拗な執着心とでも言うようなことだけは評価に値する。
その目的を果たすためにも組織を編成し、人知を超えた存在を作り上げる事を目的に入れたのだろう。
全ては自分達が神に戻るために、それこそ人知を超えた存在そのものが神に座すものと考えたゆえに。
だからこそ、普通の人ではありえないような多少手ほどきを…‥‥堕ちた最下級の神々とは言え、神であったものたちだから、色々とできたのだ。
化け物の創造‥‥‥生命の創造。常識を外れた魔道具やその他の道具‥‥‥神具というような類から堕ちるも、なしえる道具の創造。
堕ちてはいるがそれでも神であったが故に成しとげ、何もかも手助けをしつつ、その裏で自分たちのために動かしてゆく。
‥‥‥そして今、こうしてその技術の結晶を作り上げたのだろうが‥‥‥‥
「‥‥‥それでも、至らずデス」
データとしては、神がどの様なものなのかは知っているだろう。
自分の姉さんからもある程度の知己がいるのか、その他の神々がどのようなものなのかはわかっているのだが…‥‥断定しよう。目の前の化け物は神ではなく、名の通りのバケモノだと。
神になりそこなった者たちであり、それでいて生物にもあらず、言うのであれば災害そのもの。
例えるのであれば、以前のハザードのような…‥‥いや、それすらも凌駕した、真正のバケモノ。
「ノイン、考えこむよりも討伐に全力を尽くせ!!」
「っと、了解デス!!」
目の前の相手に深く考え込んでしまっていると、ご主人様がそう命じてきた。
ああ、主の命令に背くことは無い。私は彼のものなのだから。
いかにあなた方が堕ちた神々であり、最初には上位の者たちを倒すために、今は私への復讐心‥‥‥いや、その想いも自我も無くしたようなバケモノが求めようとも、あなた方が私を手に入れることは絶対に無い。
「とはいえ、それなりにやれるようになっている点は驚きですネ」
下級の神々としていた時は、初期の全力を受けきれずに全滅したはずである。
けれども今は、私の実力も上がっているのに、まだ討伐し切れないとなると、相手の実力も上がっているのだろう。
既に数時間も戦闘していたようで、皆の疲労が見え始めてくる。
各国の兵士たちも弓矢や剣で、バケモノからの攻撃を耐え凌ぎつつ、反撃をしているが、それでもバケモノはバケモノと言うべきか、未だに疲労の眼すら見えない。
ザシュッ!!
「っ…‥‥!!」
飛んできたバケモノの攻撃手段の一つか、それがかすめて切り裂いてゆく。
ある程度の強化をしたメイド服も裂いたようだが、それだけではあるまい。
最初こそ何もないようにただ暴れまわったバケモノだが、徐々にその思考がクリアになって来たのか、それともこの戦闘の間に内部で変化をし続けているのか、こちらの攻撃にも耐性を付けたように見え始める。
火にあぶられても燃え盛らず、氷で凍結せず、木々で養分を吸い取られない。
斬撃は薄く裂きつつ、槍で貫かれつつ、鎌で抉られても、徐々に傷が浅くなってゆく。
「‥‥再生能力向上、耐久性上昇ですカ」
計算するだけでも、本来であれば数十、いや、数百、数万年もかかるような進化を行っているのかもしれない。
それこそ、バケモノが神へ至るために、自身を高めるために利用しているかのようにも見えるだろう。
「魔導砲残弾0、エネルギーガトリング並びにフェイクエクスカリバーも使用不可能」
ビービーっと自身の内部で、武器が尽きていく様子が表示され、できることが失われていく。
こうしている間にもバケモノは猛威を徐々に振るい始め、次々に攻撃を繰り出し、防ぎきれなくなってくる。
「‥対神武装破損、対邪神宝具無効を確認」
メイドとしての嗜みである程度の武装をそろえつつも、それでも使う機会はないかなと思っていたものも、どんどん使えなくなる。
そうしている間にも、バケモノはより多くの攻撃を放ち、徐々にこちらの兵たちも削がれていく。
ああ、駄目か…‥‥計算する限りもうこちらの手立てはない。
あのバケモノの力は既に大きく膨らみ、こちらの攻撃もことごとく無力化されている。
あれほどまでに育つ前に、その時点で手を打つべきだったのだろうが…‥‥悔やんでも仕方が無いだろう。
「ぎゃああああああ!!」
「ひやああああああ!」
「ひげぶっ!?」
…‥‥もう少し、悲鳴を上げるならば良いのが無いのか言いたいが、どうしようもない。
叩きつけられ、埋められ、ふっ飛ばされていく。
一人、一人とまた倒れていき…‥‥勝機は見えないだろう。
姉さんに助けを求めるべきか?いや、私の武装が全て駄目になったところを見ると、通用しない可能性もあるし、そもそも世界が違っている。
おおきな干渉は避けるべきだろうし…‥‥あちらはあちらで大事なものがあり、こちらへそう手を出すこともできない。
うん、でもNGワードあたりをめがけて行ってくれたなら、それはそれで可能性が無きにしも非ずだが…‥‥あのバケモノは世界を越えることだけはできないだろうし、向かう意味も無い。
もう私は子供でもなく、一人の、一人前のメイド。
であればもう、頼る事もせずに‥‥‥‥メイドたるもの、諦めるという言葉も使い時によっては禁じ、成しとげるまでである。
「ノイン、だいじょうぶか?」
「問題ないデス」
ふと、そう考えているとご主人様が気にかけてくれましたが…‥‥うん、まだ大丈夫デス。
武器が通用しないなら素手で、手が駄目なら足で、足が駄目ならそれこそ全身で。
やれることはとことんやれますから。
けれども、情けなく思うのは‥‥‥‥ご主人様にも傷があることぐらいでしょうか。
私たちからちょっとやったとはいえ、それでも皆を愛してくださっているご主人様だからこそ、その心が悲鳴を上げ始めているのを分かっています。
皆が地に伏して倒れてゆく姿に傷つくのは、メイドたるもの、ご主人様の心を守るべきというところで失格です。
‥‥‥でも、もう嘆いてもいられない。
既に周囲は負け戦の空気となり、バケモノはバケモノとなり、けれども神へ至れない。
いや、バケモノであるがゆえにバケモノであり、そこから上へ向かえず…‥‥それをどこかで悟っていながらも、その憤りをすべてにぶつけているのでしょう。
―――損傷重度、メインシステム火災発生、ERROR、ERROR、ERROR…‥‥
私の体もまた、既に悲鳴を上げ、やれることが失われていく。
でも、その中でも逆転の一点は逃さないように考え抜き‥‥‥‥そして、一つの方法を見つけだす。
「…‥‥ご主人様、しばし、私に暇をくだサイ」
「‥‥‥こんな時に何を言っているんだよ!!」
「いえ、ほんのわずかな間だけでいいのデス。一時的ですが、その方法があったのデス」
メイドたるもの、メイドであるがゆえに、主へ誠心誠意、仕える者である。
ゆえに、その想いも何もかもをすべてそこへ振り切っているのだが‥‥‥‥だからこそ、制限されるところもあるのだ。
と言うか、主なしの状況の方が怖ろしいような気もするのですが‥‥‥‥うん、それは気にしないでおきましょう。母さんの考えることは分かりませんから。と言うか、本気でわからない。
「一時的に、フリーモードに移行すれば、全力を出すことが可能になりマス。メイドたるもの、まずは主を得るために全力で‥‥‥‥どのような障害も、必ずぶちのめすためにデス」
「それメイドの定義として何か間違ってないかな?」
「間違っていませんヨ」
血を流しながらでも、ツッコむのは良くないデス。
ええ、メイドである私としても、それは色々とツッコミどころがあるのは自覚してます。
でも、だからこそこの手段が使えるでしょうし‥‥‥‥一度離れたとしても…‥‥
「…‥‥それでもご主人様は、私を仕えさせてくれるでしょウ?ご主人様…‥‥いいえ、ディー」
「…‥‥ああ、わかった。ノイン、お前は今から俺の召喚獣ではないし、メイドでもない、暇を出そう。」
召喚士と召喚獣は繋がりがあるだろう。
召喚によって、其の繋がりがうまれるが…‥‥実は、いつでも切り離すことが可能でもある。
まあ、契約して召喚獣にできる例がある時点でその契約を切る事も、そして契約でなくとも繋がりを切る手立てぐらいわかっているものらしい。
それでも、召喚獣は基本的に召喚士に一体であり‥‥‥‥一生をかけて共に居るので、切ること自体がほとんどない。
だからこそ、この機会は本当に見る事も体験することもなく‥‥‥‥やる手立てすら、普通は思いつかないのかもしれない。
ゆえに、今、私の覚悟を聞いてご主人様は繋がりを絶った。
繋がっていた、その温かかった感覚が途切れ、私のコアからご主人様との関係が切れたことを知らせるメッセージが出る。
そしてジワリと、私の体が透け始めたが‥‥‥‥無理もないだろう。召喚獣としての契約が切れた以上、私はこの世界の者ではないから退去させられるのだから。
この世界に本来いてはいけない者、それを考えるのであればあのバケモノと私は同じなのかもしれない。
けれども、違うのであれば‥‥‥‥あのバケモノは自分のためだけに、何もかも欲望のために尽くすのみであり、私はご主人様へ尽くすことなのかもしれない。
「主従関係解除、退去措置確認。‥‥‥‥最終セーフティーロック、解除」
ガゴンっと炉心の方で大きな音が鳴り、急速に巨大なエネルギーが発生していくのが理解できる。
主がなくなったからこそ、主を得るまでに自衛する機能が働き‥‥‥‥だからこそ、目の前の強大なバケモノへの対抗として対応しているのだ。
じゅわああああっと音を立て、やや無理をした稼働を行っているのが分かる。
これをやれば、再びご主人様…‥‥いえ、ディーに呼び出されるまで、私は動けなくなるだろう。
それで良いのだ。また私は、彼のために働けるのだから。
メイドとして働き、共に過ごし、付き添っていく。
私は私として尽くすためにも、切れたとしてもメイドたるもの、永遠に尽くすのである。
「‥‥‥‥最終兵装ロックも解除。目標、バケモノ」
腕が変形し、この時だけに取りだされる自衛兵装が取り出される。
それは一つの大きな大砲であはあるが、魔導砲ともレールガンとも違う、全力をぶつけるだけの砲。
ここに抱いた思いも、この世界で過ごした日々も‥‥‥‥そして、ディーとの愛を、詰め込んで。
「それでは、メイドたるもの‥‥‥いえ、それすらなくなったものですが、それでもあえて言いましょう。『メイドたるもの、ごみ掃除はしっかりと』デス」
かちりと引き金を引けば、強力なエネルギーが放出され、一気に地面を抉り、バケモノへ、いえ、ごみめがけて吹っ飛んでいく。
かわすこともできないだろう。いえ、ゴミが動けるわけが無いだろう。これはその除去のために出したに過ぎないのだから。
反動で私の体も同時に後方へ吹っ飛ぶが、消え失せていく今、何処かにぶつかってしまうこともあるまい。
「‥‥‥ディー、しばしの暇を楽しませていただきマス」
「‥‥‥ああ、だがすぐに呼び直すからな!!」
「ハイ、楽しみに待っていマス♪」
吹っ飛びながらもそうつぶやいた言葉が聞こえたのか、ディーがそう叫んでくれる。
ああ、思ったよりもメイドではない時間は、短いかもと思いつつも…‥‥最後にバケモノにエネルギーが着弾して消え失せた光景よりも、私はディーの姿を精いっぱい全メモリー内に焼きつけさせ、消え失せるのであった‥‥‥‥
…‥‥短い暇、少しだけなのは残念に思う自分もいますけれどネ。だってずっと、一生懸命だったし‥‥‥‥でも、これも悪くはないかも…・‥‥デス‥‥‥
‥‥‥咆哮を上げ、自身の存在を知らしめるかのように体を震わせ、翼を広げるバケモノ。
そのおぞましい容姿を考えると、ご主人様がすぐに名付けたその名が合っているように思えるだろう。
(…‥‥でも、この反応を私は知っていマス)
相手が光の矢を宙に浮かべ、周囲に無差別に解き放ち、皆で回避をしている中でノインはそう心でつぶやく。
自身のデータ内には、様々な生物の生体反応パターンが記録されており、元々インプットされている者から学習して確認できたものまで、幅広く存在している。
そしてその中で、目の前のバケモノは違うパターンを記録するかと思われていたが…‥‥酷い声帯ノイズの中で、かすかに拾えるものに既視感があった。
いや、違う。既視感と言うよりも、これは直接会ったことがある反応だ。
私がご主人様に召喚される前に出くわし、そして相手が行動に移す前に害ある者として処分を行ったはずの‥‥
「‥‥‥最下級神、いえ、今は堕ちた神々ですカ」
【ぐやあががががががああああああああああああああ!!】
私のつぶやきが聞こえたのか、いや、それとも復讐心を覚えているのか、攻撃がこちらへ向けられる。
初期の段階であれば危なかったが、今の自分はアップデートを繰り返しており、この程度であれば問題はない。
とはいえ、出てきたそのデータを見ると、これまでのフェイスマスクの異常な点に関して合点がいった。
‥‥‥かつて、より上位の存在を殺すために私を呼んでしまい、そして全滅した者たち。
あちらの都合による改造を施される前の正当防衛とではあるが、その結果として本来はあの場で存在そのものを失っていたはずだろう。
だがしかし、ろくでもないことしか思いつかなかった者たちだからか、自分達の消滅を受け入れなかったようだ。
それこそ、神であるからこそなし得た奇跡のような…‥‥復讐心によるその一心で一致し合い、混ざりあう事で消滅を逃れ、この世界に降り立ったのだろう。
それこそ、私がご主人様に出会うよりも前に‥‥‥いや、もしかするともっともっと、想像するよりも前にこの世界に降り立ち、準備をしてきたのだろう。
神であったが、既に神ならず。
けれども、人の身になることは拒絶し、それ以外のいかなる生物になるのも拒絶し、神へ戻る事を考えたのだろう。
でも、所詮は堕ちた者たちであり、混ざりあっても生き永らえるだけ…‥‥それこそ、ただの化け物として生涯を終えたのかもしれない。
けれども、そう考えるのは甘かった。
自分達を正当化し、虚栄を張り、そして愚かな考えを膨らませていったのだろう。
そして、自分達の神としての存在を取り戻せるようなものを作ろうと考え…‥‥そこで人の手を使うことにしたのかもしれない。
何しろ人の考えることは、時として何者も凌駕することがある。
それこそ、人知の範囲にいる存在だとしても、それこそ本当に奇跡のような確率で人知を超えるかのようなものを考えつく可能性があるのだから。
人知と言う時点で超えようが無いのかもしれないが、それでもやってみなくては分からない。
その挑戦心…‥‥いや、執拗な執着心とでも言うようなことだけは評価に値する。
その目的を果たすためにも組織を編成し、人知を超えた存在を作り上げる事を目的に入れたのだろう。
全ては自分達が神に戻るために、それこそ人知を超えた存在そのものが神に座すものと考えたゆえに。
だからこそ、普通の人ではありえないような多少手ほどきを…‥‥堕ちた最下級の神々とは言え、神であったものたちだから、色々とできたのだ。
化け物の創造‥‥‥生命の創造。常識を外れた魔道具やその他の道具‥‥‥神具というような類から堕ちるも、なしえる道具の創造。
堕ちてはいるがそれでも神であったが故に成しとげ、何もかも手助けをしつつ、その裏で自分たちのために動かしてゆく。
‥‥‥そして今、こうしてその技術の結晶を作り上げたのだろうが‥‥‥‥
「‥‥‥それでも、至らずデス」
データとしては、神がどの様なものなのかは知っているだろう。
自分の姉さんからもある程度の知己がいるのか、その他の神々がどのようなものなのかはわかっているのだが…‥‥断定しよう。目の前の化け物は神ではなく、名の通りのバケモノだと。
神になりそこなった者たちであり、それでいて生物にもあらず、言うのであれば災害そのもの。
例えるのであれば、以前のハザードのような…‥‥いや、それすらも凌駕した、真正のバケモノ。
「ノイン、考えこむよりも討伐に全力を尽くせ!!」
「っと、了解デス!!」
目の前の相手に深く考え込んでしまっていると、ご主人様がそう命じてきた。
ああ、主の命令に背くことは無い。私は彼のものなのだから。
いかにあなた方が堕ちた神々であり、最初には上位の者たちを倒すために、今は私への復讐心‥‥‥いや、その想いも自我も無くしたようなバケモノが求めようとも、あなた方が私を手に入れることは絶対に無い。
「とはいえ、それなりにやれるようになっている点は驚きですネ」
下級の神々としていた時は、初期の全力を受けきれずに全滅したはずである。
けれども今は、私の実力も上がっているのに、まだ討伐し切れないとなると、相手の実力も上がっているのだろう。
既に数時間も戦闘していたようで、皆の疲労が見え始めてくる。
各国の兵士たちも弓矢や剣で、バケモノからの攻撃を耐え凌ぎつつ、反撃をしているが、それでもバケモノはバケモノと言うべきか、未だに疲労の眼すら見えない。
ザシュッ!!
「っ…‥‥!!」
飛んできたバケモノの攻撃手段の一つか、それがかすめて切り裂いてゆく。
ある程度の強化をしたメイド服も裂いたようだが、それだけではあるまい。
最初こそ何もないようにただ暴れまわったバケモノだが、徐々にその思考がクリアになって来たのか、それともこの戦闘の間に内部で変化をし続けているのか、こちらの攻撃にも耐性を付けたように見え始める。
火にあぶられても燃え盛らず、氷で凍結せず、木々で養分を吸い取られない。
斬撃は薄く裂きつつ、槍で貫かれつつ、鎌で抉られても、徐々に傷が浅くなってゆく。
「‥‥再生能力向上、耐久性上昇ですカ」
計算するだけでも、本来であれば数十、いや、数百、数万年もかかるような進化を行っているのかもしれない。
それこそ、バケモノが神へ至るために、自身を高めるために利用しているかのようにも見えるだろう。
「魔導砲残弾0、エネルギーガトリング並びにフェイクエクスカリバーも使用不可能」
ビービーっと自身の内部で、武器が尽きていく様子が表示され、できることが失われていく。
こうしている間にもバケモノは猛威を徐々に振るい始め、次々に攻撃を繰り出し、防ぎきれなくなってくる。
「‥対神武装破損、対邪神宝具無効を確認」
メイドとしての嗜みである程度の武装をそろえつつも、それでも使う機会はないかなと思っていたものも、どんどん使えなくなる。
そうしている間にも、バケモノはより多くの攻撃を放ち、徐々にこちらの兵たちも削がれていく。
ああ、駄目か…‥‥計算する限りもうこちらの手立てはない。
あのバケモノの力は既に大きく膨らみ、こちらの攻撃もことごとく無力化されている。
あれほどまでに育つ前に、その時点で手を打つべきだったのだろうが…‥‥悔やんでも仕方が無いだろう。
「ぎゃああああああ!!」
「ひやああああああ!」
「ひげぶっ!?」
…‥‥もう少し、悲鳴を上げるならば良いのが無いのか言いたいが、どうしようもない。
叩きつけられ、埋められ、ふっ飛ばされていく。
一人、一人とまた倒れていき…‥‥勝機は見えないだろう。
姉さんに助けを求めるべきか?いや、私の武装が全て駄目になったところを見ると、通用しない可能性もあるし、そもそも世界が違っている。
おおきな干渉は避けるべきだろうし…‥‥あちらはあちらで大事なものがあり、こちらへそう手を出すこともできない。
うん、でもNGワードあたりをめがけて行ってくれたなら、それはそれで可能性が無きにしも非ずだが…‥‥あのバケモノは世界を越えることだけはできないだろうし、向かう意味も無い。
もう私は子供でもなく、一人の、一人前のメイド。
であればもう、頼る事もせずに‥‥‥‥メイドたるもの、諦めるという言葉も使い時によっては禁じ、成しとげるまでである。
「ノイン、だいじょうぶか?」
「問題ないデス」
ふと、そう考えているとご主人様が気にかけてくれましたが…‥‥うん、まだ大丈夫デス。
武器が通用しないなら素手で、手が駄目なら足で、足が駄目ならそれこそ全身で。
やれることはとことんやれますから。
けれども、情けなく思うのは‥‥‥‥ご主人様にも傷があることぐらいでしょうか。
私たちからちょっとやったとはいえ、それでも皆を愛してくださっているご主人様だからこそ、その心が悲鳴を上げ始めているのを分かっています。
皆が地に伏して倒れてゆく姿に傷つくのは、メイドたるもの、ご主人様の心を守るべきというところで失格です。
‥‥‥でも、もう嘆いてもいられない。
既に周囲は負け戦の空気となり、バケモノはバケモノとなり、けれども神へ至れない。
いや、バケモノであるがゆえにバケモノであり、そこから上へ向かえず…‥‥それをどこかで悟っていながらも、その憤りをすべてにぶつけているのでしょう。
―――損傷重度、メインシステム火災発生、ERROR、ERROR、ERROR…‥‥
私の体もまた、既に悲鳴を上げ、やれることが失われていく。
でも、その中でも逆転の一点は逃さないように考え抜き‥‥‥‥そして、一つの方法を見つけだす。
「…‥‥ご主人様、しばし、私に暇をくだサイ」
「‥‥‥こんな時に何を言っているんだよ!!」
「いえ、ほんのわずかな間だけでいいのデス。一時的ですが、その方法があったのデス」
メイドたるもの、メイドであるがゆえに、主へ誠心誠意、仕える者である。
ゆえに、その想いも何もかもをすべてそこへ振り切っているのだが‥‥‥‥だからこそ、制限されるところもあるのだ。
と言うか、主なしの状況の方が怖ろしいような気もするのですが‥‥‥‥うん、それは気にしないでおきましょう。母さんの考えることは分かりませんから。と言うか、本気でわからない。
「一時的に、フリーモードに移行すれば、全力を出すことが可能になりマス。メイドたるもの、まずは主を得るために全力で‥‥‥‥どのような障害も、必ずぶちのめすためにデス」
「それメイドの定義として何か間違ってないかな?」
「間違っていませんヨ」
血を流しながらでも、ツッコむのは良くないデス。
ええ、メイドである私としても、それは色々とツッコミどころがあるのは自覚してます。
でも、だからこそこの手段が使えるでしょうし‥‥‥‥一度離れたとしても…‥‥
「…‥‥それでもご主人様は、私を仕えさせてくれるでしょウ?ご主人様…‥‥いいえ、ディー」
「…‥‥ああ、わかった。ノイン、お前は今から俺の召喚獣ではないし、メイドでもない、暇を出そう。」
召喚士と召喚獣は繋がりがあるだろう。
召喚によって、其の繋がりがうまれるが…‥‥実は、いつでも切り離すことが可能でもある。
まあ、契約して召喚獣にできる例がある時点でその契約を切る事も、そして契約でなくとも繋がりを切る手立てぐらいわかっているものらしい。
それでも、召喚獣は基本的に召喚士に一体であり‥‥‥‥一生をかけて共に居るので、切ること自体がほとんどない。
だからこそ、この機会は本当に見る事も体験することもなく‥‥‥‥やる手立てすら、普通は思いつかないのかもしれない。
ゆえに、今、私の覚悟を聞いてご主人様は繋がりを絶った。
繋がっていた、その温かかった感覚が途切れ、私のコアからご主人様との関係が切れたことを知らせるメッセージが出る。
そしてジワリと、私の体が透け始めたが‥‥‥‥無理もないだろう。召喚獣としての契約が切れた以上、私はこの世界の者ではないから退去させられるのだから。
この世界に本来いてはいけない者、それを考えるのであればあのバケモノと私は同じなのかもしれない。
けれども、違うのであれば‥‥‥‥あのバケモノは自分のためだけに、何もかも欲望のために尽くすのみであり、私はご主人様へ尽くすことなのかもしれない。
「主従関係解除、退去措置確認。‥‥‥‥最終セーフティーロック、解除」
ガゴンっと炉心の方で大きな音が鳴り、急速に巨大なエネルギーが発生していくのが理解できる。
主がなくなったからこそ、主を得るまでに自衛する機能が働き‥‥‥‥だからこそ、目の前の強大なバケモノへの対抗として対応しているのだ。
じゅわああああっと音を立て、やや無理をした稼働を行っているのが分かる。
これをやれば、再びご主人様…‥‥いえ、ディーに呼び出されるまで、私は動けなくなるだろう。
それで良いのだ。また私は、彼のために働けるのだから。
メイドとして働き、共に過ごし、付き添っていく。
私は私として尽くすためにも、切れたとしてもメイドたるもの、永遠に尽くすのである。
「‥‥‥‥最終兵装ロックも解除。目標、バケモノ」
腕が変形し、この時だけに取りだされる自衛兵装が取り出される。
それは一つの大きな大砲であはあるが、魔導砲ともレールガンとも違う、全力をぶつけるだけの砲。
ここに抱いた思いも、この世界で過ごした日々も‥‥‥‥そして、ディーとの愛を、詰め込んで。
「それでは、メイドたるもの‥‥‥いえ、それすらなくなったものですが、それでもあえて言いましょう。『メイドたるもの、ごみ掃除はしっかりと』デス」
かちりと引き金を引けば、強力なエネルギーが放出され、一気に地面を抉り、バケモノへ、いえ、ごみめがけて吹っ飛んでいく。
かわすこともできないだろう。いえ、ゴミが動けるわけが無いだろう。これはその除去のために出したに過ぎないのだから。
反動で私の体も同時に後方へ吹っ飛ぶが、消え失せていく今、何処かにぶつかってしまうこともあるまい。
「‥‥‥ディー、しばしの暇を楽しませていただきマス」
「‥‥‥ああ、だがすぐに呼び直すからな!!」
「ハイ、楽しみに待っていマス♪」
吹っ飛びながらもそうつぶやいた言葉が聞こえたのか、ディーがそう叫んでくれる。
ああ、思ったよりもメイドではない時間は、短いかもと思いつつも…‥‥最後にバケモノにエネルギーが着弾して消え失せた光景よりも、私はディーの姿を精いっぱい全メモリー内に焼きつけさせ、消え失せるのであった‥‥‥‥
…‥‥短い暇、少しだけなのは残念に思う自分もいますけれどネ。だってずっと、一生懸命だったし‥‥‥‥でも、これも悪くはないかも…・‥‥デス‥‥‥
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