憧れの召喚士になれました!! ~でも、なんか違うような~

志位斗 茂家波

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357 平穏を望むための造りはしっかりと

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…‥‥ゆっくりと月日が流れ、いつの間にか卒業する年まで来ていた。

 学年を上げ、生徒会長の座はしっかりと後に譲り渡しつつ、卒業する時に備えて準備を積み重ねる一年となる。


「そのついでに国の運営方法や開拓案なども色々と出てきたのはいいけれども…‥‥何でだろう、生徒会長の座は無くなったのに忙しいのだが」
「あちこちの国から協定や条約、その他諸々のお誘いなどに関する手紙が届いていますからネ」
「ある程度は監査しているのじゃけど、愚か者もちゃっかり混ざろうとしているのは嫌じゃなぁ」
「こういう権力に関しては、狙う輩はどこの世界にもいるものなのだ」

 室内で書類の山にディーが埋もれている中で、そのつぶやきにノインたちは返答をする。

 国を与えられたとはいえ、普通はそこまで関心を持つ様な者たちはいない。

 若い国々が出来たとしても、成長を続ける国になるとは限らないし、若い国ならば自分たちのところよりも力が無いと思うからだ。

 だがしかし、その条件にディーが入った場合、認識は変わってしまう。

 いきなりできた国とは言え、その国主となる者を見ると放置できないからだ。

 明らかに強力な召喚獣たちに、主要な国々との関わり、未知の技術。

 後半が思いっきりノイン関連なものがあるとは言え‥‥‥それでも未知の国であり、普通の者が営むようなものでないのであれば注目されるのも当然である。

 さらに言えば、国の政治を行うのは卒業時からとは言え…‥‥実はすでに、国内の情勢が変わりつつあることを周辺の国々は敏感に感じ取っているのだ。

「まぁ、わたくしが植物の成長や実りに影響してますし」
「規制なしで豊穣の力も使えるのだ」
「それに、あっちこっちで様々な改造が施せるので理想的な状態に仕上げるのももう間もなくデス」

「‥‥‥全員が本気を出せば、そうなるよな」

 なんというか、俺の召喚獣たちの場合やらかそうと思えばいつでもやらかせた。

 なので今回、思いきって全員で一気にやって見たらどうなるのかという実験も兼ねて任せて見た部分もあったのだが…‥‥想定以上にちょっと行き過ぎたのである。

 実りを豊かにすることに関しては、植物専門でのカトレアや豊穣の力も持つスルーズの手によって農作物などが一気に品質・収穫量などが向上。

 水に関してはティアやアナスタシアが動き、大地を駆け巡るレイアや上空から見渡した状態を的確に伝えられるルビーやセレナイトが動いて連絡を取り合っての地形づくりに励みつつ、大地の地脈とかそういうところをリザが的確について国の基礎的な部分を底上げしていく。

 ゼネは浄化で大地を癒したり清めたり、リリスは宝石を使っての特産品を作ったり、ルンは切断能力を活かして開拓の邪魔になるような大岩などをバッサリとぶった切ったり…‥‥召喚獣たち全員での国内改造を施してしまったのである。

 なお、全体的なバランスとしてノインが各自の能力を活かせる配置を提案して俺と協議し合い、全員どこでどうすればいいのかという指示を出したのもあるけれども…‥‥まさか、一気にここまでやらかせるとは思っていなかった。


「半ば無理やり与えられたとはいえ、それなりに体裁を整えたかったからなぁ…‥‥でも、やり過ぎるとそれはそれで目を付けられそうなのが面倒なところだ」
「大丈夫デス。きちんとそのあたりも考え、国防なども重点的に製作に入れてますからネ」

 攻めることはしないけれども、その分守りは固めておきたい。

 豊かな国な分、そこに良からぬ思いを抱いて狙う輩が出てくるだろうし、対策を立てておきたいのだ。

 なので実は、国の各地に防衛拠点となるような要塞や、秘密裏に設置している罠などによって防衛を考えているが…‥‥守る方が、攻めるよりも大変だったりする。

 そのため、守りを攻めに回したらどうなるのかと思う点もあるが、それはやらないでおこう。

 そもそも攻められないように、外交にも気を回さないとなぁ‥‥‥

「そのあたりは、ミウたちに聞けばいいか」

 出来る限りのことはして、平穏無事に過ごせる国にしたい。

 世界を見て回りつつも、自国が駄目になっては意味もないからな‥‥‥‥ある程度しっかりと形を作らないとね。

 そう思いつつも、やるべき書類の山を見るとちょっと屈したくなる気持ちも出てしまうのであった…‥‥


「ところでご主人様、国名はまだでしょうカ?」
「卒業時に発表するよ。国名候補としては色々と考えたけど…‥」

…‥‥考えると迷ってしまう。召喚獣たちを初めて召喚する時は、その名前が自然と頭の中に浮かんではっきりと決められるのに、それ以外の事だとなぜこうも決まらなくなりやすいのだろうか。
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