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2章 吹く風既に、台風の目に
2-11 たまには他者の視点も見てみると
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‥‥‥第3王女として世に生まれつつ、私は王族としての道を放棄することを決めていた。
華やかな貴族の世界は、うらやむ者も多いのかもしれないが、その世界には様々な思惑が入り混じり、きれいごとだけでは済まない混沌とした世界も混じっている。
だからこそ、私はその世界には向いていない。兄や姉ならば腹黒さゆえに渡り歩くことはできるが、真っ直ぐに突き進んでしまうこの身ではいつか身を滅ぼしてしまうだろう。
ゆえに、魔剣を手にした時から私は家を出る事を目標として、魔剣士としての腕を磨いていた。
切り付けた箇所を爆発させ、その特性を制御すれば様々なものに応用でき、活かしていく様からいつしか爆撃の姫と呼ばれるようになったが‥‥‥その姫という呼称は、王家から出た時に無くしてほしい。というか、恥ずかしい…‥‥私だって女だから、もうちょっとこう可愛い感じのものが無かったのだろうか。
それはさておき、先代生徒会長から押し付けられた生徒会長という立場になっていた今年、新たな新入生の中で面白そうな噂が聞こえて来た。
「メイドの魔剣?メイドが魔剣を持っているのかい?」
「いえいえ、違うようです」
「魔剣そのものが、メイドとなっているのか、メイドそのものが魔剣というか…‥‥言い方は変わらないというかややこしいけれども、面白そうな魔剣がいたぞなぁ」
新入生たちのチェックリストに目を通しつつ、何やら生徒会の中で話題に出てきた。
どうやら前例に無いような、生きた魔剣のようなものを所有することになった新入生のようだが‥‥‥
「‥‥‥こうやって対峙してみると、メイドの方の噂も聞いていたとはいえ、それなりに鍛えているようだね」
「一応、ゼナに勝つことを目標にしているからな。…‥‥まだ勝ててないが」
「ああ、うん、なんかゴメン」
都合が良いというか、最近少し呑まれ気味になっている様子が気になっていたガーミックが、生徒たちをひっとらえて模擬戦を仕掛けているという情報を聞き、場に駆け付けてみればそこに彼はいた。
あのゼナというメイドの姿は見えないが、どうやら彼の右手にある剣、いや、ガトリングモードとやらの姿になっているようだ。
そして彼が、メイド魔剣の所有者であるフィーという少年か…‥‥大空のような青い髪色に、真っ赤な宝石のような目の色をしているようで、正反対の色合いでありながらもアンバランスではない。
ただ、しいて言うのであればちょっと幼い見た目に近いというか…‥‥うん、成長すればおそらく兄のようになるかもしれないけど、歳とのバランスがあっていないんじゃないかな?
「気を取り直して、一つ言っておこう。魔剣での模擬戦だが、ルールは先ほどと同じ、私に一太刀でも入れられたら君の勝利という事にする。君の敗北条件は、降参するだけで良いから好きなだけ攻撃もして良いだろう」
「そして勝利したら、俺たち全員無罪放免ってことで良いんだよな?」
「そうだね。とは言え、それだけだと君の方の利益はあまりないし‥‥‥そうだね、もしも勝利出来たら、学園の中での待遇で、色々と優遇を約束しよう。立場の乱用は好まないが、こういう時ぐらいならいいからね」
「具体的には?」
「自主訓練用の施設、上級生用のものを開放。また、学食の方では特別メニューの利用優先権、あとは少々予算に限界はあるが、定期的なお小遣いの支給かな」
「なるほど‥‥‥うん、こちらにデメリットも少ないし、やろう」
少々やる気を上げさせてもらったが、どうやら意味はあった様だ。
まぁ、敗北したらガーミックによる反省文地獄が待ち受けているだけあって、彼よりも背後で応援している男子生徒たちの方が気迫の高まりを感じさせられるだろう。‥‥‥彼は無罪っぽいけど、何人か確実に有罪だろうしそこは改めて確認しよう。
とにもかくにも、お互いに模擬戦を了承し合い、戦場に立つ。
審判としてはガーミックにゆだねるとして、戦闘のために構える。
(…‥‥ひとまずは、軽く様子見からかな)
メイドの方の強さは以前から聞いていたが、彼本人の強さはどのようなものなのかは分からない。
けれども、構えからして素人のものでもないし、魔剣の扱いをある程度把握しているようだ。
ならば、こちらはその実力を戦いの中で引き出させ、今の状態を見ることにしよう‥‥‥でも、内心少しワクワクしているのは内緒である。
「それでは…‥‥はじめぇ!!」
――――――――――
「それでは…‥‥はじめぇ!!」
ガミガミさんの合図と共に、俺は素早くガトリングモードになっているゼナを構え、生徒会長に狙いを定めた。
遠距離からの弾幕攻撃を張ることが可能なモードとは言え、冷却処理とやらがまだまだらしく、長くは使えないからこそ最初の手数で動きを見せてもらう。
「ゼナ、いくぞ!!」
「了解デス。装填完了、掃射しマス」
引き金を引くとともに、砲身が回転を始め、エネルギー弾とやらが撃ちだされ始める。
一つ一つの威力は小さい方だが、それでも魔獣の肉体を貫通できる実績があるので馬鹿にはならない。
とは言え、並みの魔獣であればこれで簡単に対処ができそうなものなのだが‥‥‥生徒会長に対しては、簡単な話しにはならなかった。
ザンッ!!ボボボボボボン!!
剣を一振りしたかと思えば、生徒会長の目の前で爆発が発生し、弾幕がそれに巻き添えになって防がれてしまう。
魔剣『ボンバード』、生徒会長の持つその剣は切り付けた個所を爆発させられるという話は聞いていたが、目の前に弾幕があったとは言え、何も無い空間を切るだけで爆発は起きないはず。
それなのに、起きたという事は…‥‥
「生徒会長、まさか空気も対象にできるのか?」
「厄介ですネ‥‥‥爆発威力が、エネルギー弾を防ぎきれるほどの規模デス」
何も爆発させる対象は、固体でなくてもいいらしい。
自由自在に切ることができさえすれば、後は爆発を引き起こせる。それが認識としては正しいのかもしれない。
ただ、切ってすぐにではなく微妙にタイムラグはあったので、ある程度の任意で出来るのか、それともそのラグを計算しているのかは今のやり取りだけでは分からない。
「ゼナ、ソードモードに変えろ!!爆発を覚悟で接近戦で見るぞ!!」
「了解デス」
ガゴンっと音がして砲身が消え失せ、いつもの剣の姿に切り替わる。
とは言え、真正面から攻めるだけでは格好の的になりかねないので、ここはアレを使う。
「瞬歩!!」
ゼネ直伝というか、彼女の素早い動きを観察しつつ試していくうちに、自然と手に入れた「一瞬で距離を詰める」だけの単純な技。
生憎ながら未だに完璧ではなく、ゼナの方がさらに素早く動けるために意味をなさないのだが、彼女でない相手ならば通用するかもしれない。
「むっ!素早い!!」
しかし、そんな目論見も生徒会長相手だけあって見ぬかれたようで、高速で回り込んだはずなのに防がれてしまう。
ガギィンドッゴォォォォン!!
「ぶつかり合うだけで、爆発するのかよ!!」
「こっち側には爆風が来ないけれどね!!自分も巻き添えになってしまったら意味もないし、これでもちょっとは抑えているよ!!」
爆発の衝撃で後方にふっ飛ばされつつ、なんとか態勢を立て直す。
瞬歩を連続して扱うも、単なる高速攻撃では見抜かれるようだ。
「ふふふ、結構素早いし力も強いようだけど、これで終わりってことも無いよね?」
「無い!!まだまだ手段は数多く持っておくものだからな!!」
というか、出せる手が多くないとゼナに勝つことができない。
数を増やし、やり方を工夫し、どうにか勝利をつかむために鍛練は欠かしていないし、まだまだ勝負始まったばかりだ。
生贄にされたような形だが、見返りもあるのならば無駄死にする気はない。
だからこそ、この学園生活での模擬戦の中で、修得したものをここでぶつけさせてもらおう…‥‥
華やかな貴族の世界は、うらやむ者も多いのかもしれないが、その世界には様々な思惑が入り混じり、きれいごとだけでは済まない混沌とした世界も混じっている。
だからこそ、私はその世界には向いていない。兄や姉ならば腹黒さゆえに渡り歩くことはできるが、真っ直ぐに突き進んでしまうこの身ではいつか身を滅ぼしてしまうだろう。
ゆえに、魔剣を手にした時から私は家を出る事を目標として、魔剣士としての腕を磨いていた。
切り付けた箇所を爆発させ、その特性を制御すれば様々なものに応用でき、活かしていく様からいつしか爆撃の姫と呼ばれるようになったが‥‥‥その姫という呼称は、王家から出た時に無くしてほしい。というか、恥ずかしい…‥‥私だって女だから、もうちょっとこう可愛い感じのものが無かったのだろうか。
それはさておき、先代生徒会長から押し付けられた生徒会長という立場になっていた今年、新たな新入生の中で面白そうな噂が聞こえて来た。
「メイドの魔剣?メイドが魔剣を持っているのかい?」
「いえいえ、違うようです」
「魔剣そのものが、メイドとなっているのか、メイドそのものが魔剣というか…‥‥言い方は変わらないというかややこしいけれども、面白そうな魔剣がいたぞなぁ」
新入生たちのチェックリストに目を通しつつ、何やら生徒会の中で話題に出てきた。
どうやら前例に無いような、生きた魔剣のようなものを所有することになった新入生のようだが‥‥‥
「‥‥‥こうやって対峙してみると、メイドの方の噂も聞いていたとはいえ、それなりに鍛えているようだね」
「一応、ゼナに勝つことを目標にしているからな。…‥‥まだ勝ててないが」
「ああ、うん、なんかゴメン」
都合が良いというか、最近少し呑まれ気味になっている様子が気になっていたガーミックが、生徒たちをひっとらえて模擬戦を仕掛けているという情報を聞き、場に駆け付けてみればそこに彼はいた。
あのゼナというメイドの姿は見えないが、どうやら彼の右手にある剣、いや、ガトリングモードとやらの姿になっているようだ。
そして彼が、メイド魔剣の所有者であるフィーという少年か…‥‥大空のような青い髪色に、真っ赤な宝石のような目の色をしているようで、正反対の色合いでありながらもアンバランスではない。
ただ、しいて言うのであればちょっと幼い見た目に近いというか…‥‥うん、成長すればおそらく兄のようになるかもしれないけど、歳とのバランスがあっていないんじゃないかな?
「気を取り直して、一つ言っておこう。魔剣での模擬戦だが、ルールは先ほどと同じ、私に一太刀でも入れられたら君の勝利という事にする。君の敗北条件は、降参するだけで良いから好きなだけ攻撃もして良いだろう」
「そして勝利したら、俺たち全員無罪放免ってことで良いんだよな?」
「そうだね。とは言え、それだけだと君の方の利益はあまりないし‥‥‥そうだね、もしも勝利出来たら、学園の中での待遇で、色々と優遇を約束しよう。立場の乱用は好まないが、こういう時ぐらいならいいからね」
「具体的には?」
「自主訓練用の施設、上級生用のものを開放。また、学食の方では特別メニューの利用優先権、あとは少々予算に限界はあるが、定期的なお小遣いの支給かな」
「なるほど‥‥‥うん、こちらにデメリットも少ないし、やろう」
少々やる気を上げさせてもらったが、どうやら意味はあった様だ。
まぁ、敗北したらガーミックによる反省文地獄が待ち受けているだけあって、彼よりも背後で応援している男子生徒たちの方が気迫の高まりを感じさせられるだろう。‥‥‥彼は無罪っぽいけど、何人か確実に有罪だろうしそこは改めて確認しよう。
とにもかくにも、お互いに模擬戦を了承し合い、戦場に立つ。
審判としてはガーミックにゆだねるとして、戦闘のために構える。
(…‥‥ひとまずは、軽く様子見からかな)
メイドの方の強さは以前から聞いていたが、彼本人の強さはどのようなものなのかは分からない。
けれども、構えからして素人のものでもないし、魔剣の扱いをある程度把握しているようだ。
ならば、こちらはその実力を戦いの中で引き出させ、今の状態を見ることにしよう‥‥‥でも、内心少しワクワクしているのは内緒である。
「それでは…‥‥はじめぇ!!」
――――――――――
「それでは…‥‥はじめぇ!!」
ガミガミさんの合図と共に、俺は素早くガトリングモードになっているゼナを構え、生徒会長に狙いを定めた。
遠距離からの弾幕攻撃を張ることが可能なモードとは言え、冷却処理とやらがまだまだらしく、長くは使えないからこそ最初の手数で動きを見せてもらう。
「ゼナ、いくぞ!!」
「了解デス。装填完了、掃射しマス」
引き金を引くとともに、砲身が回転を始め、エネルギー弾とやらが撃ちだされ始める。
一つ一つの威力は小さい方だが、それでも魔獣の肉体を貫通できる実績があるので馬鹿にはならない。
とは言え、並みの魔獣であればこれで簡単に対処ができそうなものなのだが‥‥‥生徒会長に対しては、簡単な話しにはならなかった。
ザンッ!!ボボボボボボン!!
剣を一振りしたかと思えば、生徒会長の目の前で爆発が発生し、弾幕がそれに巻き添えになって防がれてしまう。
魔剣『ボンバード』、生徒会長の持つその剣は切り付けた個所を爆発させられるという話は聞いていたが、目の前に弾幕があったとは言え、何も無い空間を切るだけで爆発は起きないはず。
それなのに、起きたという事は…‥‥
「生徒会長、まさか空気も対象にできるのか?」
「厄介ですネ‥‥‥爆発威力が、エネルギー弾を防ぎきれるほどの規模デス」
何も爆発させる対象は、固体でなくてもいいらしい。
自由自在に切ることができさえすれば、後は爆発を引き起こせる。それが認識としては正しいのかもしれない。
ただ、切ってすぐにではなく微妙にタイムラグはあったので、ある程度の任意で出来るのか、それともそのラグを計算しているのかは今のやり取りだけでは分からない。
「ゼナ、ソードモードに変えろ!!爆発を覚悟で接近戦で見るぞ!!」
「了解デス」
ガゴンっと音がして砲身が消え失せ、いつもの剣の姿に切り替わる。
とは言え、真正面から攻めるだけでは格好の的になりかねないので、ここはアレを使う。
「瞬歩!!」
ゼネ直伝というか、彼女の素早い動きを観察しつつ試していくうちに、自然と手に入れた「一瞬で距離を詰める」だけの単純な技。
生憎ながら未だに完璧ではなく、ゼナの方がさらに素早く動けるために意味をなさないのだが、彼女でない相手ならば通用するかもしれない。
「むっ!素早い!!」
しかし、そんな目論見も生徒会長相手だけあって見ぬかれたようで、高速で回り込んだはずなのに防がれてしまう。
ガギィンドッゴォォォォン!!
「ぶつかり合うだけで、爆発するのかよ!!」
「こっち側には爆風が来ないけれどね!!自分も巻き添えになってしまったら意味もないし、これでもちょっとは抑えているよ!!」
爆発の衝撃で後方にふっ飛ばされつつ、なんとか態勢を立て直す。
瞬歩を連続して扱うも、単なる高速攻撃では見抜かれるようだ。
「ふふふ、結構素早いし力も強いようだけど、これで終わりってことも無いよね?」
「無い!!まだまだ手段は数多く持っておくものだからな!!」
というか、出せる手が多くないとゼナに勝つことができない。
数を増やし、やり方を工夫し、どうにか勝利をつかむために鍛練は欠かしていないし、まだまだ勝負始まったばかりだ。
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