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2章 吹く風既に、台風の目に
2-22 いろいろはしょっている人もいたり
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「という訳で、本日から留学しに来た生徒たちを紹介するぜぇぇぇぇ!!」
ジャララァァン!!っと魔剣エレキギール豪快に鳴らしながら、学園長がそう口にすると、昨日到着してきたらしいレードン王国、ミルガンド帝国、そしてファルン神聖国の、各国から来た留学生たちが壇上に上がった。
本日は快晴の中、学園の運動場に生徒たちが集められ、全校集会が行われていた。
既に生徒会長から話を聞いていたとはいえ、他国の学生を見るのは初めてだろう。
「レードン王国から来ました、ラドール・ウォン・グラン・レードンです」
「ミルガンド帝国から来た、カイゼル・ハールド・グラン・ミルガンドだ」
「ファルン神聖国からの、ヘラです。どうぞ、よろしく」
それぞれ出身国とフルネームを名乗ったが、名前からして王国、帝国の二名はどちらも王族関係なのがうかがえるだろう。それぞれ極端に長身と筋肉があるが…‥‥うん、まぁ気にすることはない。
そしてファルンからの方は、短いので同じような平民出身系なのかなと思いたいが、こちらはこちらで何やら質素のように見せかけて、日の光に反射してキラキラとする衣服を着ており、何となくただの衣服を着ていない時点でこちらも何かあるようにしか思えない。
「‥‥‥どう考えても、トラブルの火種ご一行様が来たとしか思えないデス」
ぼそっとつぶやいたゼナの言葉に、俺も同意するのであった。
とにもかくにも、早々に紹介されたとはいえ、それぞれ学年は実はバラバラで、全員が同級生になることはない。交換留学のような形で他の生徒も向かったようだが、最初から全員一年で来るわけでもないのだろう。
綺麗にバランス分けされたというか、1~3年に一人ずつ振り分けられたようだが…‥‥
「案の定、留学生の方に意識を向けて質問攻めをしている人が多いなぁ‥‥‥」
「主に女子生徒の方が多いデス」
この学年に来たのは、レードンから来たラドール。
きらびやかな金髪をふぁさっと撫であげ、黄色い声があちこちで挙がっているようだが、男子生徒たちにとっては面白くないだろう。
まぁ、俺も男子だけど…‥別に良いかな。ゼナがいるのもあるけれども、あれは流石に勘弁願いたい。
「ねぇねぇ、ラドールさんってレードン王国の出身だよね!!」
「あっちの国ってどういう感じ?いったら教えてくれないなぁ?」
「好きな人とかいるの?身分を考えると婚約者もいるの?」
「ああ、いい、いいわぁ!創作意欲が掻き立てられるわぁ!!」
一部おかしいような発言が混ざっていた気がするが、それを除くとしても質問攻めは大変そうだ。この学園、暗黙の了解での部分があるとは言え、基本的に身分を気にせずに気軽にしやすいのだが、そのせいでこうも狩りをしているような光景を見ると同情したくなるかもしれない。回答しようと動いても、すぐさま質問が飛び出てきて何もできなくなっているしね。
「何だろう、こんな女性の一面を見たくなかったと思う人が多そう」
「時として、人は人に惹かれすぎるのデス‥‥‥まぁ、私は興味ありませんガ」
「そうなのか?」
「ハイ。ご主人様に仕える身なのもありますが、知り合いの方が顔面偏差値が高いのもいますので、そんなに気にすることも無いのデス」
ゼナの交友関係、どうなっているんだろうか。このメイド魔剣、謎を増やしていく気なのか。
とにもかくにも、各学年にそれぞれ新しい人が入りつつ、今後の学園生活で賑わいが当分絶えることはないだろうと思うのであった‥‥‥
「ん?」
「どうしたのデス?」
「いや、一瞬ラドールと目が合った気がしたけれども‥‥‥気のせいか」
なんかこう、助けを求めるような目じゃなくて、何かを確認しているように見えたけれども…‥他国の人が気になる要素ってあるかな?あ、ゼナがいるか。
「…‥‥おおぅ、質問攻めは疲れたね」
「ははは、こちらもいきなり喰らったが、なかなか大変だった‥‥‥なんでああも知りたがる人が多いのやら。フルネームから貴族として地位を察して、狙ってきた奴もいるかな」
「それもあるかもね‥‥‥まぁ、それはさておき、こっちで見たけど、全然わからん。やっぱり、直接ソレを触ってもらうしかないんじゃないかな?」
‥‥‥質問攻めの光景も終わり、落ち着いてきた深夜。
男子寮の一角、眠れぬ者たちが眠気を求めるまで気ままに彷徨ったりする一室にて、集まる者たちがおり、その中でも本日この場に初めて訪れた二人が話し合っていた。
「そうか‥これを使えば確かに一発で分かるが、知らぬ奴がいきなり差し出してきたのを、普通に手に取る馬鹿はいないだろ」
「それもそうか。ああ、出来れば近くによって話しかけて調べたかったなぁ‥‥‥質問攻めのせいで全然時間が取れなかったよ」
「流石、異性への効果が高い魔剣をもつ魔剣士…‥‥でも、精神が強い奴には効きにくいという難点と、そもそも今回知りたい相手が同性で意味ないよねぇ」
「誰だよこの人選したの!!じじぃかばばぁか!!」
「どっちもかもね。お互い結構喧嘩をしていた国と聞いているけれど、今だと普通に孫自慢張り合い大会を開催するからなぁ‥‥‥」
お互いに苦労するところが分かるのか、思わずぽんっと肩を叩き、慰め合う。
色々と苦労する立場なのに、まさか今になってまたこうも面倒事が出てくるとは思わなかったのだ。
「とりあえず、交換留学の方も楽しみつつ、お互いの上に頼まれた者同士として協力し合おう」
「できれば明日は、質問攻めを受けたくない‥‥‥そもそもこれが祖国でバレたら、今度こそ殺される‥‥‥」
「‥ん、まぁ、がんばれ。こっちは上の学年だからちまちまとしか動けないから、君が希望の星だ」
「希望も何も、見えないんだが」
ある意味哀れな気がしなくもないが、ちょうど都合よくいたのだからしょうがない事である。
そんな言葉で済まされることではないとは思うが、彼等は彼らなりに物凄く苦労して現状を受け入れつつ、どうにかするために動くしかないのであった…‥‥
「しかし、神聖国の方でも同じタイミングで来たようだが‥‥‥あっちはあっちで怪しいよなぁ。3年の方になったとは言え、疑いたくなるんだが」
「そう言えば、かの国で売れている恋愛本が…‥‥もしかして、彼女単純な目的しかないのでは?」
ジャララァァン!!っと魔剣エレキギール豪快に鳴らしながら、学園長がそう口にすると、昨日到着してきたらしいレードン王国、ミルガンド帝国、そしてファルン神聖国の、各国から来た留学生たちが壇上に上がった。
本日は快晴の中、学園の運動場に生徒たちが集められ、全校集会が行われていた。
既に生徒会長から話を聞いていたとはいえ、他国の学生を見るのは初めてだろう。
「レードン王国から来ました、ラドール・ウォン・グラン・レードンです」
「ミルガンド帝国から来た、カイゼル・ハールド・グラン・ミルガンドだ」
「ファルン神聖国からの、ヘラです。どうぞ、よろしく」
それぞれ出身国とフルネームを名乗ったが、名前からして王国、帝国の二名はどちらも王族関係なのがうかがえるだろう。それぞれ極端に長身と筋肉があるが…‥‥うん、まぁ気にすることはない。
そしてファルンからの方は、短いので同じような平民出身系なのかなと思いたいが、こちらはこちらで何やら質素のように見せかけて、日の光に反射してキラキラとする衣服を着ており、何となくただの衣服を着ていない時点でこちらも何かあるようにしか思えない。
「‥‥‥どう考えても、トラブルの火種ご一行様が来たとしか思えないデス」
ぼそっとつぶやいたゼナの言葉に、俺も同意するのであった。
とにもかくにも、早々に紹介されたとはいえ、それぞれ学年は実はバラバラで、全員が同級生になることはない。交換留学のような形で他の生徒も向かったようだが、最初から全員一年で来るわけでもないのだろう。
綺麗にバランス分けされたというか、1~3年に一人ずつ振り分けられたようだが…‥‥
「案の定、留学生の方に意識を向けて質問攻めをしている人が多いなぁ‥‥‥」
「主に女子生徒の方が多いデス」
この学年に来たのは、レードンから来たラドール。
きらびやかな金髪をふぁさっと撫であげ、黄色い声があちこちで挙がっているようだが、男子生徒たちにとっては面白くないだろう。
まぁ、俺も男子だけど…‥別に良いかな。ゼナがいるのもあるけれども、あれは流石に勘弁願いたい。
「ねぇねぇ、ラドールさんってレードン王国の出身だよね!!」
「あっちの国ってどういう感じ?いったら教えてくれないなぁ?」
「好きな人とかいるの?身分を考えると婚約者もいるの?」
「ああ、いい、いいわぁ!創作意欲が掻き立てられるわぁ!!」
一部おかしいような発言が混ざっていた気がするが、それを除くとしても質問攻めは大変そうだ。この学園、暗黙の了解での部分があるとは言え、基本的に身分を気にせずに気軽にしやすいのだが、そのせいでこうも狩りをしているような光景を見ると同情したくなるかもしれない。回答しようと動いても、すぐさま質問が飛び出てきて何もできなくなっているしね。
「何だろう、こんな女性の一面を見たくなかったと思う人が多そう」
「時として、人は人に惹かれすぎるのデス‥‥‥まぁ、私は興味ありませんガ」
「そうなのか?」
「ハイ。ご主人様に仕える身なのもありますが、知り合いの方が顔面偏差値が高いのもいますので、そんなに気にすることも無いのデス」
ゼナの交友関係、どうなっているんだろうか。このメイド魔剣、謎を増やしていく気なのか。
とにもかくにも、各学年にそれぞれ新しい人が入りつつ、今後の学園生活で賑わいが当分絶えることはないだろうと思うのであった‥‥‥
「ん?」
「どうしたのデス?」
「いや、一瞬ラドールと目が合った気がしたけれども‥‥‥気のせいか」
なんかこう、助けを求めるような目じゃなくて、何かを確認しているように見えたけれども…‥他国の人が気になる要素ってあるかな?あ、ゼナがいるか。
「…‥‥おおぅ、質問攻めは疲れたね」
「ははは、こちらもいきなり喰らったが、なかなか大変だった‥‥‥なんでああも知りたがる人が多いのやら。フルネームから貴族として地位を察して、狙ってきた奴もいるかな」
「それもあるかもね‥‥‥まぁ、それはさておき、こっちで見たけど、全然わからん。やっぱり、直接ソレを触ってもらうしかないんじゃないかな?」
‥‥‥質問攻めの光景も終わり、落ち着いてきた深夜。
男子寮の一角、眠れぬ者たちが眠気を求めるまで気ままに彷徨ったりする一室にて、集まる者たちがおり、その中でも本日この場に初めて訪れた二人が話し合っていた。
「そうか‥これを使えば確かに一発で分かるが、知らぬ奴がいきなり差し出してきたのを、普通に手に取る馬鹿はいないだろ」
「それもそうか。ああ、出来れば近くによって話しかけて調べたかったなぁ‥‥‥質問攻めのせいで全然時間が取れなかったよ」
「流石、異性への効果が高い魔剣をもつ魔剣士…‥‥でも、精神が強い奴には効きにくいという難点と、そもそも今回知りたい相手が同性で意味ないよねぇ」
「誰だよこの人選したの!!じじぃかばばぁか!!」
「どっちもかもね。お互い結構喧嘩をしていた国と聞いているけれど、今だと普通に孫自慢張り合い大会を開催するからなぁ‥‥‥」
お互いに苦労するところが分かるのか、思わずぽんっと肩を叩き、慰め合う。
色々と苦労する立場なのに、まさか今になってまたこうも面倒事が出てくるとは思わなかったのだ。
「とりあえず、交換留学の方も楽しみつつ、お互いの上に頼まれた者同士として協力し合おう」
「できれば明日は、質問攻めを受けたくない‥‥‥そもそもこれが祖国でバレたら、今度こそ殺される‥‥‥」
「‥ん、まぁ、がんばれ。こっちは上の学年だからちまちまとしか動けないから、君が希望の星だ」
「希望も何も、見えないんだが」
ある意味哀れな気がしなくもないが、ちょうど都合よくいたのだからしょうがない事である。
そんな言葉で済まされることではないとは思うが、彼等は彼らなりに物凄く苦労して現状を受け入れつつ、どうにかするために動くしかないのであった…‥‥
「しかし、神聖国の方でも同じタイミングで来たようだが‥‥‥あっちはあっちで怪しいよなぁ。3年の方になったとは言え、疑いたくなるんだが」
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