37 / 204
2章 吹く風既に、台風の目に
2-26 用意はしっかり、対策も入念に
しおりを挟む
海の部へ向かう時期が近付くと、その用意をする生徒たちが増えてくる。
「かと言って、泳いで遊ぶ時間があっても沖からどんどんやってくる可能性も考えると、楽しむことはそこまでできないかもしれないのに、水着を買う人も多いな」
「海以外にも川や湖での戦闘時に、身軽になれるものとして優秀らしいですからネ。普通の衣服なんかよりもよっぽど頑丈な類が多いのデス」
放課後、王都内の市場が並ぶ通りを歩いているのだが、あちこちの店ではこの時期の魔剣士たちの動きを見越してなのか、海用の品々を置いている様子がうかがえる。
ビーチバレー用のボールだったり、攻撃転換用に棘が射出できるようになっていたり、ビーチフラッグ用の旗かと思えば、目くらましようの煙幕機だったり‥‥‥何かおかしいような気がしなくもないが、対策をしっかり立てられるような道具が多いだろう。
俺たちもまた同様に、海へ向かうからこその必要なものを買うためにここに来たのだが‥‥‥今回は、ゼナの案内を受けていた。
「それでゼナ、ワールド・メイド・ゼワ商会にも海用の道具があるのか?」
「ありますヨ。商会はあちこちに出店しつつ、時期に合わせて品々も変えてますし、この時期ならば確実に入手が可能なのデス。しかも私はそこの会員でもありますからネ。SSSランクはまだちょっとお高いですが、SSランクぐらいならばかなりの割引優遇も受けますし、良い品がそろっているので十分なのデス。‥‥‥XXXランクは、ちょっと危険なので入手できませんけれどネ」
「さらっと物騒な予感がするものを出してほしくないのだが」
とにもかくにも、案内されて辿り着いたのは、小さな一軒家のような店。
だがしかし、その内部は外観よりも明らかに物凄く広くなっており、色々とツッコミどころが満載な状態になりつつ…‥‥
「そして会員の中でも、特別な『ブラックカード』があれば、この奥へ進めるのデス」
「本当に何をどうしたらこんなところに入れるようになるんだよ…‥‥」
‥‥‥噂を聞くと、この商会に入れるのはほんの一握りの者たちだけであり、そこに並ぶ品々は市場に並ぶ物とはけた違いの物が多いらしい。
そしてさらに限られた特別な会員に対してのサービスもあるようで、どれだけお金を積もうとも、そうやすやすと入れないような商会らしいのに、ここにノンストップで入れるこのメイドは何なのか。
考えていても切りがないし、答えも出ないだろうから買い物の方に意識を向けるとして、ゼナの言う通り良い品がそろっていた。
「高品質、高性能…‥‥同じようなものが市場にあるかもしれないけれども、素人目でもかなり上質すぎるものが並んでいると分かるこの場所は何なのか」
「商会ですヨ?」
「いや、そういう意味じゃない」
何にしても選ぶにしても、色々と豊富なのが驚いた。
たかが水着と思うようなものでも、様々な機能が付いていたりする。自動修復だとか、自己フィットだとか、気分で色が変わるとか…‥‥いや、最後のはどういう理屈なのか。
とは言え、そこまで俺はモノを選ぶのに迷うことはない。こういう時は直感で選べばいいし、泳げつつも海での戦闘も考えてしっかりと機能性も見て選べばいいだけの話なのだから。
だからさっと選ぶことは出来たのだが‥‥‥問題はゼナの方だった。
「むぅ‥‥‥メイド用のメイド水着が並びましたが、迷いますね…‥‥恐るべし、ワールド・メイド・ゼワ商会」
「なんでメイド用のメイド水着とやらが普通の水着よりも種類が多いんだよ?」
普通の水着が5~10種類ぐらいかと思ったら、こっちの水着は100種からスタートしているとはこれいかに。
しかも、さらに細かい分類がされており、防水・防弾・防爆・防火・防触手‥‥‥‥最後のは何だろうかとツッコミを入れたい。
「ご主人様は、どちらが良いと思われマスか?いえ、この中のどれが一番いいと思いますカ?」
「そんなことを言われても、これは流石に選びきれないぞ?」
種類が多すぎるというのも、考えものだ。即座に判断したいが、色々と高機能すぎるのも多い。‥‥なんでこの技術力を、他の水着に活かせなかったのかなぁ?
仕方がないので、大雑把に良さそうだとまだ何とか思えるものをいくつか選び、試着してもらうことにした。
こういう売り場にはお約束の試着室はしっかり用意されており、その中にゼナが入る。
「覗いても良いですヨ?というのはお約束なのでしょうカ」
「いや、全然お約束でもないからな?誰から聞いた、そんな話」
「本から得ましタ。友人が貸してくれたドラマものデス」
「誰だよその友人…‥‥」
「影の人と言う感じですカネ。後ろ暗い事がある人には、面白おかしな話がちょうどいい清涼剤になるようデス」
‥‥‥彼女の友人関係、そう言えばあまりよく知らないな。普段全員と戦闘したりするけど、まともに話す友人っているのかな?
そう思いつつも、試着室へゼナが入るのを見てふと気が付いたことがあった。
「あれ?ちょっと待って、自然な流れに沿っていたけれども、今選んだ水着の数々で選べなかったら、他のものも試すんだよね?」
「そうですガ?」
「いつ、終わるんだ‥‥‥?」
試着して選んでほしいというけれど、数が多い。適当に決める事もできなくはないが、彼女がそれで納得しているのかと言われるとし辛いし…‥‥もしかして俺、やらかした?
自ら踏み入れてしまった果ての無い路地裏だと、今更ながら気が付くのであった…‥‥いや、もうちょっと早く気が付けよ、自分。
‥‥‥フィーがゼナの試着に対して、一応健全な年ごろの男子としてドギマギさせられているその頃。
とある屋敷の中にて、話し合いの場が設けられていた。
「‥‥‥手のものが、大体潰されたか。これはこれは、むしろ何かがあるという事を宣言しているも同様だろう」
「そうでございますな。せっかく邪魔ものがいない安らぎを得ているというのに、次代が出ているかもしれない可能性が出ていることを示しているのでしょう」
「まったくだ。あの青薔薇の娘がいなくなって、やりやすくなっているというのに…‥いや、あの娘はその気も無かったのだろうに、いるだけでやらかしていたのは腹立たしく思っていたからな」
「歩けば密売人を見つけ出し、駆け抜ければ盗人を轢き倒し、全力で進めば尻尾切りどころか下半身すらもぎ取って…‥‥なぜあれが、姫という名称が付いたのかが、本当に疑問でしたなぁ」
「「「‥‥‥それも確かに、そうだな」」」
嫌な思い出というか、去ってほしいという想いが強かったあの時を思い出して、そのせいで今晩の夢の中に出て苦しめてくるのかと思うと気持ちが沈みこむ。
一応悪党という自覚はあるのだが、善人悪人に関わらずにやらかしていた彼女の存在は、いなくなったいまもなお出てくるのだ。
「とはいえ確定でもないだろうが、可能性があるならば潰すべきだ」
「確定したらそれはそれでだが、いなくなってくれたほうが好都合」
「留学制度で他の国のものもいますが‥‥‥まぁ、関係なく潰せばいいでしょう。将来的に邪魔になるのが目に見えるのであれば、事前に潰せば問題もないですからなぁ」
くはははっと、昔の嫌すぎる思い出を振り払うかのように笑いながら彼らは悪事を企んでいく。
‥‥‥だがしかし、知らないだろう。手のものの大半がとっくの前に裏切っていることを。
というかそもそも、敵対した時点で人生を終わらされるのが分かっているのであれば、悪党の手のものだとしても己の命が大事なので即座に売り渡す。
いや、売り渡す前に業火が包み込む前に逃げるべきだという意見も出ており、わずかながらも密かに手駒が失われていくのを、彼らは知らないのであった…‥‥
「なんで今もなお、あの亡霊がちらつくのか」
「いや本当に、それが辛いところで…‥‥はかりごとがバレて捕らえられた仲間には、不眠症を患っているものもいますからなぁ」
「かと言って、泳いで遊ぶ時間があっても沖からどんどんやってくる可能性も考えると、楽しむことはそこまでできないかもしれないのに、水着を買う人も多いな」
「海以外にも川や湖での戦闘時に、身軽になれるものとして優秀らしいですからネ。普通の衣服なんかよりもよっぽど頑丈な類が多いのデス」
放課後、王都内の市場が並ぶ通りを歩いているのだが、あちこちの店ではこの時期の魔剣士たちの動きを見越してなのか、海用の品々を置いている様子がうかがえる。
ビーチバレー用のボールだったり、攻撃転換用に棘が射出できるようになっていたり、ビーチフラッグ用の旗かと思えば、目くらましようの煙幕機だったり‥‥‥何かおかしいような気がしなくもないが、対策をしっかり立てられるような道具が多いだろう。
俺たちもまた同様に、海へ向かうからこその必要なものを買うためにここに来たのだが‥‥‥今回は、ゼナの案内を受けていた。
「それでゼナ、ワールド・メイド・ゼワ商会にも海用の道具があるのか?」
「ありますヨ。商会はあちこちに出店しつつ、時期に合わせて品々も変えてますし、この時期ならば確実に入手が可能なのデス。しかも私はそこの会員でもありますからネ。SSSランクはまだちょっとお高いですが、SSランクぐらいならばかなりの割引優遇も受けますし、良い品がそろっているので十分なのデス。‥‥‥XXXランクは、ちょっと危険なので入手できませんけれどネ」
「さらっと物騒な予感がするものを出してほしくないのだが」
とにもかくにも、案内されて辿り着いたのは、小さな一軒家のような店。
だがしかし、その内部は外観よりも明らかに物凄く広くなっており、色々とツッコミどころが満載な状態になりつつ…‥‥
「そして会員の中でも、特別な『ブラックカード』があれば、この奥へ進めるのデス」
「本当に何をどうしたらこんなところに入れるようになるんだよ…‥‥」
‥‥‥噂を聞くと、この商会に入れるのはほんの一握りの者たちだけであり、そこに並ぶ品々は市場に並ぶ物とはけた違いの物が多いらしい。
そしてさらに限られた特別な会員に対してのサービスもあるようで、どれだけお金を積もうとも、そうやすやすと入れないような商会らしいのに、ここにノンストップで入れるこのメイドは何なのか。
考えていても切りがないし、答えも出ないだろうから買い物の方に意識を向けるとして、ゼナの言う通り良い品がそろっていた。
「高品質、高性能…‥‥同じようなものが市場にあるかもしれないけれども、素人目でもかなり上質すぎるものが並んでいると分かるこの場所は何なのか」
「商会ですヨ?」
「いや、そういう意味じゃない」
何にしても選ぶにしても、色々と豊富なのが驚いた。
たかが水着と思うようなものでも、様々な機能が付いていたりする。自動修復だとか、自己フィットだとか、気分で色が変わるとか…‥‥いや、最後のはどういう理屈なのか。
とは言え、そこまで俺はモノを選ぶのに迷うことはない。こういう時は直感で選べばいいし、泳げつつも海での戦闘も考えてしっかりと機能性も見て選べばいいだけの話なのだから。
だからさっと選ぶことは出来たのだが‥‥‥問題はゼナの方だった。
「むぅ‥‥‥メイド用のメイド水着が並びましたが、迷いますね…‥‥恐るべし、ワールド・メイド・ゼワ商会」
「なんでメイド用のメイド水着とやらが普通の水着よりも種類が多いんだよ?」
普通の水着が5~10種類ぐらいかと思ったら、こっちの水着は100種からスタートしているとはこれいかに。
しかも、さらに細かい分類がされており、防水・防弾・防爆・防火・防触手‥‥‥‥最後のは何だろうかとツッコミを入れたい。
「ご主人様は、どちらが良いと思われマスか?いえ、この中のどれが一番いいと思いますカ?」
「そんなことを言われても、これは流石に選びきれないぞ?」
種類が多すぎるというのも、考えものだ。即座に判断したいが、色々と高機能すぎるのも多い。‥‥なんでこの技術力を、他の水着に活かせなかったのかなぁ?
仕方がないので、大雑把に良さそうだとまだ何とか思えるものをいくつか選び、試着してもらうことにした。
こういう売り場にはお約束の試着室はしっかり用意されており、その中にゼナが入る。
「覗いても良いですヨ?というのはお約束なのでしょうカ」
「いや、全然お約束でもないからな?誰から聞いた、そんな話」
「本から得ましタ。友人が貸してくれたドラマものデス」
「誰だよその友人…‥‥」
「影の人と言う感じですカネ。後ろ暗い事がある人には、面白おかしな話がちょうどいい清涼剤になるようデス」
‥‥‥彼女の友人関係、そう言えばあまりよく知らないな。普段全員と戦闘したりするけど、まともに話す友人っているのかな?
そう思いつつも、試着室へゼナが入るのを見てふと気が付いたことがあった。
「あれ?ちょっと待って、自然な流れに沿っていたけれども、今選んだ水着の数々で選べなかったら、他のものも試すんだよね?」
「そうですガ?」
「いつ、終わるんだ‥‥‥?」
試着して選んでほしいというけれど、数が多い。適当に決める事もできなくはないが、彼女がそれで納得しているのかと言われるとし辛いし…‥‥もしかして俺、やらかした?
自ら踏み入れてしまった果ての無い路地裏だと、今更ながら気が付くのであった…‥‥いや、もうちょっと早く気が付けよ、自分。
‥‥‥フィーがゼナの試着に対して、一応健全な年ごろの男子としてドギマギさせられているその頃。
とある屋敷の中にて、話し合いの場が設けられていた。
「‥‥‥手のものが、大体潰されたか。これはこれは、むしろ何かがあるという事を宣言しているも同様だろう」
「そうでございますな。せっかく邪魔ものがいない安らぎを得ているというのに、次代が出ているかもしれない可能性が出ていることを示しているのでしょう」
「まったくだ。あの青薔薇の娘がいなくなって、やりやすくなっているというのに…‥いや、あの娘はその気も無かったのだろうに、いるだけでやらかしていたのは腹立たしく思っていたからな」
「歩けば密売人を見つけ出し、駆け抜ければ盗人を轢き倒し、全力で進めば尻尾切りどころか下半身すらもぎ取って…‥‥なぜあれが、姫という名称が付いたのかが、本当に疑問でしたなぁ」
「「「‥‥‥それも確かに、そうだな」」」
嫌な思い出というか、去ってほしいという想いが強かったあの時を思い出して、そのせいで今晩の夢の中に出て苦しめてくるのかと思うと気持ちが沈みこむ。
一応悪党という自覚はあるのだが、善人悪人に関わらずにやらかしていた彼女の存在は、いなくなったいまもなお出てくるのだ。
「とはいえ確定でもないだろうが、可能性があるならば潰すべきだ」
「確定したらそれはそれでだが、いなくなってくれたほうが好都合」
「留学制度で他の国のものもいますが‥‥‥まぁ、関係なく潰せばいいでしょう。将来的に邪魔になるのが目に見えるのであれば、事前に潰せば問題もないですからなぁ」
くはははっと、昔の嫌すぎる思い出を振り払うかのように笑いながら彼らは悪事を企んでいく。
‥‥‥だがしかし、知らないだろう。手のものの大半がとっくの前に裏切っていることを。
というかそもそも、敵対した時点で人生を終わらされるのが分かっているのであれば、悪党の手のものだとしても己の命が大事なので即座に売り渡す。
いや、売り渡す前に業火が包み込む前に逃げるべきだという意見も出ており、わずかながらも密かに手駒が失われていくのを、彼らは知らないのであった…‥‥
「なんで今もなお、あの亡霊がちらつくのか」
「いや本当に、それが辛いところで…‥‥はかりごとがバレて捕らえられた仲間には、不眠症を患っているものもいますからなぁ」
1
あなたにおすすめの小説
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる