私はあなたの魔剣デス ~いや、剣じゃないよね、どう見ても違うよね?~

志位斗 茂家波

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5章 復讐は我にあり

5-39 悪意というのは、どこからでもにょっきり生えて

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―――ギュイイイイイイイイイイイイイン!!ドゴボゥ!!
「っと!ちょうど地下空間に突き当たったか!!」
「どうやらこの辺りが、話に出た地下室もとい地下実験場のようですネ」

 掘り進んだ結果、地下にあった空間に俺たちは辿り着き、周囲を見渡す。

 どうやらかなり地下の方にこの空間は作られていたようで、そこそこ深く掘ったようだ。


 それにこの空間はそれなりのサイズでもあるようで、結構広々とした作りだったのだろうが‥‥‥今は、あちこち植物の根っこが埋め尽くしており、地上で見るものよりも太く、血管のように内部で液体が流れているようで、ドクンドクンと脈をうっているようだ。

「気持ち悪いな‥‥‥ゼナ、本体は分かるか?」
「地下空間スキャン中‥‥‥あちらの方ですネ」

 ガトリング側面についていた刃を曲げ、方向を指し示してもらう。

 この根っこの大本の位置は、ここまで盛大に成長しているからこそ生命力にあふれているらしく、感知しやすいようだ。


【ジャゲェェェエ!!】
【オゴゲェェェェェ!!】

「おいおい、根っこからも何か生えてきたんだが」
「地下茎が動いているようですネ。でも、かまっている暇はありまセン」
「ああ、強行突破してさっさと終わらせるぞ」

 こんなことをしている間にも、地上ではこの怪植物たちが繁殖して襲っているはずだ。

 だからこそ、早期の駆除が求められ、襲い掛かって来る化け物のような地下茎をすぐに切り捨て、俺たちは大本を目指す。

「ゼナ、スピード重視で行くぞ!!」
「了解デス!!ソードウイングモードに切り替えマス!!」

 地下空間ではあるが、大きく作られているので翼を広げてとんでも邪魔にはならない。

 だからこそ、全速力で行くために飛んで行く。

ゴウゥゥゥッツ!!

 加速し、風を切って襲い掛かる化け物共を切り捨て、先に行く。

 正面以外のありとあらゆる方位から襲い掛かってくるようだが、こちらが身を回転させて突撃させることで対応可能であり、止めるすべはないだろう。






 そして進んだ先で、俺たちはようやく元凶を発見した。

「あれか…‥‥」

 大きな空間の奥深くにある、壁際に当時の実験で使用されていたらしい様々な装置。

 そのうちの一つに、この周囲の栄養を奪いまくったのか肥大化した種が存在しており、その中から周囲へ向かって根が広がっているようだ。

「あれが元凶デスネ。周辺のエネルギーを吸収し、自身の成長に利用‥‥‥植物としてはある意味正しい行動をしていますが、寄生をしているように見えますネ」
「何にしても、あれが原因ならすぐに駆除するのが良いだろう。まあ、周囲の攻撃から考えると容易くいかないだろうが、一点集中でつらぬいて破壊するぞ」
「了解デス」

 ジャギンっと音をたて、ノーマルソードに切り替え、その剣先を種へ向ける。

 的が大きいので狙いやすいが、できるだけ確実に葬れる場所を狙い、一点集中で攻撃を行う。


「でやぁぁぁぁ!!」

 ダァンッ!!っと思いっきり足を踏みしめ、地面が砕けるほどの力で突き進み、種へそのまま直撃し‥‥‥


ガァァァァン!!
「いっ!?」
「ッ!?」

 直撃したのだが、貫通しなかった。

 いや、ひびすら入っておらず、脅威的な硬さを見せ付ける。


「嘘だろ、硬すぎるだろ!!」
「硬度が相当あるようですね…‥‥このモードでは貫通力が足りないようデス」
「だったらほかのものだ!!ウイング、レッグ、ガトリング、ガントレット、スクリューなど試せばいいだけの話だ!!」

 次々と切り替え、強力な一撃を叩きこんでみたが、どれもこれも効果がない。

 あまりにも硬すぎて打ち付けるたびに痺れるし、びくともしなさすぎである。

「根っこが生えている場所を狙っても、貫ききれない‥‥‥どうなってんだ、この種」
「私の方が聞きたいほどデス。うう、刃こぼれが‥‥‥」

 全モードを試してみたが、太刀打ちできない硬さ。

 そのせいで刃部分がボロボロになってしまい、ゼナが痛そうな声をあげる。


【ゲシャシャシャシャシャ!!】
【ホンゲシャァァァ!!】
「うおっ!?そのうえ更に他のやつらも襲ってくるか!!」
「不味いデス。切断力が落ちすぎて、切り捨てられまセン!!」

 ボロボロになった刃も、魔剣ならば時間をかけて修復可能である。

 だがしかし、今すぐに再生とはいかず、どうやら全部が駄目になるまで待っていたらしい。

「ブレスを使おうにも、根が繋がり過ぎて大火事になりかねないし‥‥‥どうすればいいんだ」

 刃で切り裂けない状態なので、部分的に爪だけを竜化させて対応するが、らちが明かない。

 ゼナで切り裂けないなら爪でも無理だろうし、魔獣のようなものならば魔剣でないと駄目だろう。

 ないないづくしのこの状況、どうすれば好転するのだろうか。


『‥‥‥はははは!!困っているねぇ、愉快だねぇ、痛快だねぇ!!』
「うるさい笑うな馬鹿野郎!!…‥‥ん?今の、誰だ?」
「ご主人様、声の主‥‥‥今、種から聞こえまシタ」

 考え込んでいると、いらだつような声で笑い声が聞こえてくる。

 声の主を見れば、どうやら今、目の前の頑丈な種から響いていたが‥‥この声、聞き覚えがあるような。

「生体反応データ、合致確認。信じられないですガ…‥‥あの種、鬼畜喰われ学者と80%一致しシタ」
「なんだと!?」
『正解正解、ごめいとーう!!いやぁ、すぐに答えにたどり着いたねぇ!!』

 ゼナの言葉に驚かされ、正解だと種が、あの喰われたはずの元凶大魔神学者の声を出す。

 あれは確か、どこぞやの邪神にばくっと喰われたはずだが…‥‥一体、どうなっているんだ?


『んぅ?喰われていたはずなのに、おかしいなぁって顔しているねぇ!!いいねぇいいねぇ、でも答えまでは教えてあげないよ~ん!!』
「うわぁ、うざさが倍増しているな」
「…‥‥魂ごと喰われていたはずなので、復活はないとは思ったのですがどうなっているのでしょうカ」
『ははは、教えてあげないけど、一つ別の事を教えよう。君たちはここで、我が養分と成り果てる運命だという事を!!』

 腐れ外道学者がそう叫んだかと思えば、種から先ほどからでているものよりもさらに太い根っこが飛び出してきて、俺たちの周囲を囲んだ。


『いっただきまーす!!』
バリバリバリバリィ!!
「ぐっ、電撃か!?いや、違う、痺れたような感覚はないが…‥‥力が、抜ける」
「不味いです、ご主人様、私達の体力が吸われていマス!!」

 どうやら根っこで締め上げるとか物理的に搾り取るのではなく、俺たちの力を食っているらしい。

 どんどん体が重くなってきて、立つこともままならなくなってくる。

『ははははははあ!!うまいうまいうまい!!流石ドラゴンの生体エネルギーに魔剣のエネルギー!!どっちも凄まじいぐらい大きくておいしいねー!!』

 どういう理屈かは不明だが、植物の化け物になった影響かあいつの言語能力が落ちているように思える。

 でも、そんな事を考えている間にもどんどん力が抜けてくる。

「完全竜化で吹き飛ばし…‥‥駄目だ、竜化するだけの、力が‥‥‥」

 ぐらっとめまいがして倒れ込み、抵抗するだけの力が失われていく。

『うーん、デリィシャァス!!倒せると思って張り切っていたのに、この頑強なボディに歯が立たなくて、単純な吸収で倒されていくってのも無様すぎて、余計においしいおつまみとして食えるねぇ!!』

 全力でぶん殴ってやりたいほど煽って来るが、拳を握り締めるだけの力もない。

 ソードモードになっていたゼナもいつしか黙っており、動きを止めている。

 
 ああ、不味いのは分かっているのに、もう立つこともできない。

  こんなあっけなく終わりたくないのに、抵抗する力も吸われている。

    意識が、だんだん沈み込んで‥‥‥‥

「‥‥‥‥いや、こんなバカみたいなやつにアホみたいなやられ方でもしたら、死んでも死に切れるか馬鹿野郎!!」

 ぐぐぐっと力を振り絞り、ゼナの刃を俺の方へ向ける。

「ゼナ、かなりしんどいがやるぞ!!リスクがどう出るかはわからないが、抵抗ぐらいはできるはずだ!!」
「り、りょう、了解デス!!こんな外道にやられてたまりますカ!!ご主人様、やってくだサイ!!」
「わかっている!!」

 刃を思いっきり自分の体に突き立て、その痛みでまだ生きていることを実感させられる。

 そしてどろりと液体があふれ出し、周囲を一気に包み込んでいく。

 この刺して開放する行動、既に数回やっているけれども慣れないものだな…‥‥でも、逆転、させるだけの力を、どうか俺たちに…‥‥




――――――条件、達成。モード、チェンジ。

 リスク発動、消失‥‥‥『感情』。

 代償ヲ元ニ、肉体ノ再構成開始‥‥‥‥内部物質ヨリ補助確認。

 形態変化、融合開始‥‥‥‥魔剣エネルギー残量、増幅完了-----
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