137 / 204
5章 復讐は我にあり
5-60 お得なのは、中の人です
しおりを挟む
「‥‥‥‥こういう時は、入りにくいデス」
「入りにくいですわね」
‥‥‥フィーとペルシャが話していた丁度その時、扉の隙間からゼナとルルシアは中をうかがってそうつぶやいていた。
ゼナの方は教員への報告が終わり、ルルシアの方はフィーの体調不良を聞いて婚約者としても心配なので見に来たわけなのだが、丁度タイミングが悪かったらしい。
「というか、知り合いの違う姿を見ると動揺させられますネ。生徒会長としての姿などを見ていますが、別人のようなふるまいは流石に驚かさせられマス」
「同じ気持ちですわ。わたくしとしても、あのような彼女の姿は慣れないですわね」
記憶喪失な姿を見てまだ日も浅く、普段の姿を知っている者たちからすれば、今のペルシャの姿は驚かされるものだ。
特に、生徒会に所属していた面々や国としての付き合いで関わっていた者達が見れば同じような気持ちを抱くのは間違いないだろうし、記憶を失っただけでこうも性格が変わり果てるのはどういうことだとツッコミをいれたくなるだろう。
なお、魔剣ボンバードに関しては、こちらはこちらで現在機能を停止していた。
自身を忘れ去られているのがショックだったようで、記憶を思い出してもらうまで動かぬふりをするらしい。
同じ魔剣としては、ゼナは少々同情をしたが…‥‥自分だったらどうなるのか、考えたくもなかった。
「とは言え、あれがおそらくは、昔の彼女なのでしょウ。失っているからこそ、出たのかもしれまセン」
「え?わたくしは昔から知り合ってますけれども‥‥‥あんな姿は見たことが無いですわよ?」
「ええ、そうかもしれませんが、おそらくあれは会うよりも前のことでしょウ。メイドたるもの、主が人間関係で問題を起こすことが無いように関わることがある相手の過去をしっかりと調査しているのですガ、実はあの状態のデータはあるのデス」
ドルマリア王国の第3王女。爆裂姫だとかいろいろ言われているペルシャだが、産まれた時からそんな性格ではなかったことは、既に調査によって判明していた。
おそらくは王宮生活の中での貴族間の争い事や企み、謀、、その他色々と厳しい貴族としての世界を見てきたことで、本能的に自己防衛としてきちんと対応が出来るように性格を変えていったのだろう。
一応他にも調べると、第1、第2王女やその他王子たちも対外というか、こちらはこちらでまっくろくろすけの様な善人の類なのだろうけれどもどう考えても笑顔で血みどろの舞踏会を開きかけない性格をしているようだが、似ることはなかったらしい。いや、もしもそっち方面で性格が矯正されたのであれば‥‥‥それはそれで、惨劇が起こりかねないような気がしなくもない。
とにもかくにも、そんな生活を送っていたがゆえに、今のペルシャという人格で統合されたようだ。
だが、そんな作り上げてきた記憶が失われた今、本来の彼女の性格が表に出ているのだと推測はできる。
「‥‥‥これ、録画しておいて後で見せたら悶えそうですネ」
「知らない間に自分がやらかしていたら、それはそれで嫌ですものね」
「普段何かと立派そうな方なのですガ」
「これはこれで、面白そうな気がしますわね」
がしぃ!!
お互いに握手を握り交わし、余計な手を出さないようにしておく。
個人的なそれぞれの思いとしては、この状況は複雑なものが無いわけでもないのだが、普段のペルシャの姿を知る者同士としては好奇心の方が勝った様だ。
今ここに「乙女心があるけれども愉悦の方がちょっとだけ勝ってしまった同盟」が組まれたのであった。
「…‥‥とは言え、それでもご主人様の体調を考えるときちんとしないといけないメイドの性も出ますけれどネ。メイド魔剣たるもの、しっかりと治るように治療も施しましょウ」
「わたくしも、婚約者なのですから付き合っておきますわ」
‥‥‥まぁ、同盟が組まれたところで、それぞれしっかりとした事情もあるので、完全不干渉とまではいかないのであった。
「入りにくいですわね」
‥‥‥フィーとペルシャが話していた丁度その時、扉の隙間からゼナとルルシアは中をうかがってそうつぶやいていた。
ゼナの方は教員への報告が終わり、ルルシアの方はフィーの体調不良を聞いて婚約者としても心配なので見に来たわけなのだが、丁度タイミングが悪かったらしい。
「というか、知り合いの違う姿を見ると動揺させられますネ。生徒会長としての姿などを見ていますが、別人のようなふるまいは流石に驚かさせられマス」
「同じ気持ちですわ。わたくしとしても、あのような彼女の姿は慣れないですわね」
記憶喪失な姿を見てまだ日も浅く、普段の姿を知っている者たちからすれば、今のペルシャの姿は驚かされるものだ。
特に、生徒会に所属していた面々や国としての付き合いで関わっていた者達が見れば同じような気持ちを抱くのは間違いないだろうし、記憶を失っただけでこうも性格が変わり果てるのはどういうことだとツッコミをいれたくなるだろう。
なお、魔剣ボンバードに関しては、こちらはこちらで現在機能を停止していた。
自身を忘れ去られているのがショックだったようで、記憶を思い出してもらうまで動かぬふりをするらしい。
同じ魔剣としては、ゼナは少々同情をしたが…‥‥自分だったらどうなるのか、考えたくもなかった。
「とは言え、あれがおそらくは、昔の彼女なのでしょウ。失っているからこそ、出たのかもしれまセン」
「え?わたくしは昔から知り合ってますけれども‥‥‥あんな姿は見たことが無いですわよ?」
「ええ、そうかもしれませんが、おそらくあれは会うよりも前のことでしょウ。メイドたるもの、主が人間関係で問題を起こすことが無いように関わることがある相手の過去をしっかりと調査しているのですガ、実はあの状態のデータはあるのデス」
ドルマリア王国の第3王女。爆裂姫だとかいろいろ言われているペルシャだが、産まれた時からそんな性格ではなかったことは、既に調査によって判明していた。
おそらくは王宮生活の中での貴族間の争い事や企み、謀、、その他色々と厳しい貴族としての世界を見てきたことで、本能的に自己防衛としてきちんと対応が出来るように性格を変えていったのだろう。
一応他にも調べると、第1、第2王女やその他王子たちも対外というか、こちらはこちらでまっくろくろすけの様な善人の類なのだろうけれどもどう考えても笑顔で血みどろの舞踏会を開きかけない性格をしているようだが、似ることはなかったらしい。いや、もしもそっち方面で性格が矯正されたのであれば‥‥‥それはそれで、惨劇が起こりかねないような気がしなくもない。
とにもかくにも、そんな生活を送っていたがゆえに、今のペルシャという人格で統合されたようだ。
だが、そんな作り上げてきた記憶が失われた今、本来の彼女の性格が表に出ているのだと推測はできる。
「‥‥‥これ、録画しておいて後で見せたら悶えそうですネ」
「知らない間に自分がやらかしていたら、それはそれで嫌ですものね」
「普段何かと立派そうな方なのですガ」
「これはこれで、面白そうな気がしますわね」
がしぃ!!
お互いに握手を握り交わし、余計な手を出さないようにしておく。
個人的なそれぞれの思いとしては、この状況は複雑なものが無いわけでもないのだが、普段のペルシャの姿を知る者同士としては好奇心の方が勝った様だ。
今ここに「乙女心があるけれども愉悦の方がちょっとだけ勝ってしまった同盟」が組まれたのであった。
「…‥‥とは言え、それでもご主人様の体調を考えるときちんとしないといけないメイドの性も出ますけれどネ。メイド魔剣たるもの、しっかりと治るように治療も施しましょウ」
「わたくしも、婚約者なのですから付き合っておきますわ」
‥‥‥まぁ、同盟が組まれたところで、それぞれしっかりとした事情もあるので、完全不干渉とまではいかないのであった。
0
あなたにおすすめの小説
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる