185 / 204
6章 悪意と善意、トラブルメーカーと苦労人
6-15 迫りくるは、欲望の軍団
しおりを挟む
‥‥‥暗雲を吹き飛ばし、出てきたのは巨大なドラゴンのようでそうではない化け物の姿。
だが、角のうずき具合からするとおそらくは無関係という事もないと予想できるし、まだ雨を降らせていた暗雲を吹き飛ばしただけで、状況が好転したわけでもない。
「むしろ、余計にやばいものの姿を見る羽目になるとはな…」
「暗雲自体が、一種のレーダーをジャミングする存在になってたようですネ。内部の方のスキャンが出来ていませんでしたが、まさかこんなものがあるとは、ちょっと私の想像の斜め上に行かれましたネ」
「斜め上じゃなかったら?」
「普通に化け物の類かなト。大体、人を化け物に変えるような雨を降らせるようなものなんて、何かしらの化け物がバックに居なければ無理だと思いますからネ」
割と正論と言えば正論である。
誰かが薬品を捲くための隠れ蓑にしていた可能性も否めなくもないが、あんな化け物をどんどん生産する光景を見続けるとなると、まともな精神の持ち主ではないだろうし、そう考えると何かもっとヤバめの化け物が背後にいてもおかしくはなかったが‥‥それでも、巨大なドラゴンの姿に近い化け物には驚かされる。
「ジャミングが無くなったのでスキャンできましたが…これ、えげつないデスネ。外道でもドン引きの状態デス」
「どういうことだ?」
「…ドラゴンの培養した肉を利用しているようデス。しかも、以前の狂竜戦士やフィリアとはまた違うような状態のようですが、それらよりもはるかに魔獣を取り込ませ、無理やり融合させているような‥‥」
ゼナの言葉からして、相当不味いことをやらかしている輩がいることがうかがえる。
なお、ドラゴンの培養肉に関しては過去の例とは違って、違うものが使用されているようだ。
「そんな都合よくほいほいと他のドラゴンの血肉なんてあるのか?」
「目撃例なども集めてみましたが…多分、無いデスネ」
どこからやってきたのか、誰が作ったのかはともかく、目の前のあの巨大な化け物は人為的に作られたものであるならば、静観はできないだろう。
そもそも、こんな異常事態を引き起こしている時点で人々に対して滅茶苦茶害ある存在になるだろうし、魔獣を含めているのであれば更に悪意溢れる生命への脅威になるのがうかがえる。
「ゼナ、竜魔剣の状態に!!相手がドラゴンだろうと、魔獣ならば一番効果的なのは魔剣だ!!」
「了解デス!!」
完全竜化で相手に劣るサイズとは言え、巨大なドラゴンの姿にこちらはなり、ゼナを巨大な竜魔剣の状態に姿を変えさせる。
相手がいくら強大な敵とは言え、魔獣と混ざっているのであれば魔獣の部分で、魔剣が効果的だろうが‥‥その考えは、そう容易くいくことはないらしい。
【オグォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!】
「どわぁっ!?」
「きゃあっ!?」
全速力で飛行し、魔剣を突き立てようとした瞬間、巨大な魔獣のドラゴンが咆哮を上げる。
それもただの大声ではなく、相当強力な衝撃波のようなものを発していたようで、近づく前にふっ飛ばされてた。
ドォォォォォォォン!!
「あだだだ…なんじゃこりゃ、声自体が武器になっているのかよ」
「軽く10キロはふっ飛ばされたようデス」
「それでも、視認できる巨体か…恐ろしいな」
ふっ飛ばされて地上に不時着し、体を起こす。
衝撃自体が強かったようで、ビリビリと痺れたような感覚を味わされただろう。
そしてそこそこふっ飛ばされたが、それでも視認できるだけの巨大な体には、流石に少しは畏怖を抱かされる。
【グォォォォォォォ!!】
「しかもこちらに頭を向けて、更に追撃か!!」
「現時点で、一番火力ある相手がご主人様と私と判断されたようデス!!」
二度目の咆哮をまともに受ける馬鹿はおらず、咆哮が届く前に飛び上がると、墜落現場の地面が一気に抉れていった。
どうやらある程度の衝撃の指向性は変えられるようで、こちらだけを狙い撃ちに出来るらしい。
まぁ、威力が大きすぎるせいで一点集中とはいかず、音を使った攻撃ゆえに明らかに広範囲の攻撃になっているのだが‥‥その、交わしづらいことこの上ない。
「ただの巨体じゃ大きな的になってしまうだけだ!!『人竜変化』からの『エンジェリングソードモード』にチェンジだ!!機動力で相手をかく乱させるぞ!!」
「了解デス!!」
ドラゴンの身体から圧縮し、人の身に集中させてサイズを大きく縮小させる。
それと同時に金色の銀のリングを出現させ、飛行時の機動力を底上げする。
「広範囲攻撃だろうと、その範囲から逃げきってしまえば当たらねぇよ!!攻撃の合間にこちらが仕掛けてやる!!」
飛行軌道も一定の状態にせず、カクカクとした不規則な軌道になるように行い、そう簡単に狙い定められないようにしつつ、相手の死角になりそうな場所へ攻撃を打ち込む。
「リングにブレスを通して、集中状態で焼ききるぞ!!『ブレスレーザーショット』!!」
「リング高速回転、収束状態に移行させマス!!」
目の前の方に飛行の補助を担っていたリングが移動し、その中にブレスを吹き込む。
すると吹き込まれたブレスがリングの回転に巻き込まれ、ねじれて細くなり、超高熱のレーザーになってドラゴン魔獣へ飛んでいく。
一直線に逸れることなく、そのまま直撃を‥‥
バァァァン!!
「うそ!?」
「直撃寸前で、防がれました!!」
光線と化していたブレスが、まさかの直撃前に何かにぶつかったように弾かれて霧散する。
「確認中、把握完了!!あのドラゴン魔獣の体表近くに、エネルギーの流れを確認!!膨大なドラゴンとしての力が自然と防壁を精製し、自動的に防いでいたようデス!!」
「そんなことをしているのかよ!?」
ドラゴンの生み出すエネルギーは確かに強大なものらしいが、目の前のドラゴン魔獣から生成される量は桁違いにすさまじいらしく、その余った分が表面を覆い、かなり強固な防壁と化しているらしい。
貫くにはその防壁を突き破るだけのエネルギーが必要になるが、今の攻撃で弾かれたとなると、相当なものが必要になることが容易に予想できるだろう。
「そんな高威力の攻撃、できないんだが!?グラビティで使える重力玉とかで剥がすことはできるか?」
「計算しましたが、無理ですネ。各方面にブラックホールクスラスのものを作製したとしても、マイナスする分を楽々と補われてしまうようデス。また、現在のご主人様や私の力であれを貫けるものを持ち合わせていまセン。火力不足デス!!」
考えたら魔剣士たちの一斉攻撃で暗雲を吹き飛ばせたが、あのドラゴン魔獣に対して何もダメージを与えていないように見えていたのだが、それはこの防壁が大きな役割を果たしていたという事になる。
魔剣の攻撃をいくつも用意して、なおかつ高威力のドラゴンの攻撃で厳しいとなると…手を出すのは無理という事になる。
【オグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
「っと、何だ?音による衝撃‥いや、違う!!まさか!?」
咆哮を再び上げられ、また衝撃波が来るのかと思って回避行動をとろうとしたが、違うものであるとすぐに俺は見ぬいた。
この行動、間違いない。魔獣が色々と融合しているようだけれども、その根幹にドラゴンが存在しているのであれば、扱えてもおかしくはなかったが、それでもこんな攻撃をこちらに向けるというのか!?
「ゼナ、全力回避行動!!竜魔法で、ぶっといのが来るぞ!!」
「了解デス!!」
全力で離れようと動くのだが、既に照準が合わせられていることを感じ取る。
何とか回避できるように動くのは、出来る限り周囲への被害を出さないように、せめてもの抵抗しかならないことも分かっているが、なるべきやれることをやらなければいけない。
キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!
わかる、ドラゴンだからこそ、今放たれようとしている竜魔法がどれだけのものなのか。
俺自身も使えそうなものなのだが、流石に経験や力が少ないせいか、届くようなものはない。
だからこそ、まともな直撃も十分不味いと分かっているのだ。
今の攻撃を避けたとしても、この場から俺たちだけが逃げても意味はない。
「直撃前に、竜魔法こちらも展開!!空間接続、距離…計算している暇もねぇ!!ゼナ、飛んだ先でどうなるか分からんから、俺が動けないようなら動かしてほしい!!意識があればの話だけどな!!」
「分かりました!!せめて、より安全を確保できるように、接続からの補助もしておきマス!!」
どんどんたまっていく相手の攻撃準備前に、こちらの魔法の用意をしておく。
防御が出来ないのであれば、一時的にこの場から離脱することが出来る竜魔法で、どうにか逃れるしかない。
けれども初めて使うものだし、相手の攻撃が来る前に使えないので、直撃する中で作動するだろうが‥‥イチかバチかの賭けしかない。
【グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
咆哮を上げ、ドラゴン魔獣が見つめる先は、俺たち。
そして、同時に周囲一帯にまばゆい光を感じ取り、先ほどの俺たちの攻撃よりも桁違いの熱量が襲い掛かるのを感じ取り、声にならない激痛が走る。
「竜魔法『強制空間転移』発動!!」
声にならない激痛が走っていても、辛うじて魔法のほうは声が出たらしい。
その瞬間、先ほどまであった熱量諸共一緒に周囲の空間が歪んだことを感じ取り、なおかつあの巨大なドラゴン魔獣の周囲までも覆えたことを感じ取る。
「強制的な、超大型空間転移だ!!全員どこに飛ぶのか正直わからんが、時間稼ぎ程度になるだろうが、これでこの場から一旦消し飛びやがれ!!」
もちろん、相手の攻撃やドラゴン魔獣と一緒に飛ぶのだが、これ全部を無理やり移動させる時点で、相当力を使用するため、転移後にかなりのダメージが来るのが目に見えている。
けれども、この場で状況が好転しない以上、少しは問題を先送りにして時間を稼げるのであればマシだと思いつつ、意識を奪われてしまうのであった‥‥‥
だが、角のうずき具合からするとおそらくは無関係という事もないと予想できるし、まだ雨を降らせていた暗雲を吹き飛ばしただけで、状況が好転したわけでもない。
「むしろ、余計にやばいものの姿を見る羽目になるとはな…」
「暗雲自体が、一種のレーダーをジャミングする存在になってたようですネ。内部の方のスキャンが出来ていませんでしたが、まさかこんなものがあるとは、ちょっと私の想像の斜め上に行かれましたネ」
「斜め上じゃなかったら?」
「普通に化け物の類かなト。大体、人を化け物に変えるような雨を降らせるようなものなんて、何かしらの化け物がバックに居なければ無理だと思いますからネ」
割と正論と言えば正論である。
誰かが薬品を捲くための隠れ蓑にしていた可能性も否めなくもないが、あんな化け物をどんどん生産する光景を見続けるとなると、まともな精神の持ち主ではないだろうし、そう考えると何かもっとヤバめの化け物が背後にいてもおかしくはなかったが‥‥それでも、巨大なドラゴンの姿に近い化け物には驚かされる。
「ジャミングが無くなったのでスキャンできましたが…これ、えげつないデスネ。外道でもドン引きの状態デス」
「どういうことだ?」
「…ドラゴンの培養した肉を利用しているようデス。しかも、以前の狂竜戦士やフィリアとはまた違うような状態のようですが、それらよりもはるかに魔獣を取り込ませ、無理やり融合させているような‥‥」
ゼナの言葉からして、相当不味いことをやらかしている輩がいることがうかがえる。
なお、ドラゴンの培養肉に関しては過去の例とは違って、違うものが使用されているようだ。
「そんな都合よくほいほいと他のドラゴンの血肉なんてあるのか?」
「目撃例なども集めてみましたが…多分、無いデスネ」
どこからやってきたのか、誰が作ったのかはともかく、目の前のあの巨大な化け物は人為的に作られたものであるならば、静観はできないだろう。
そもそも、こんな異常事態を引き起こしている時点で人々に対して滅茶苦茶害ある存在になるだろうし、魔獣を含めているのであれば更に悪意溢れる生命への脅威になるのがうかがえる。
「ゼナ、竜魔剣の状態に!!相手がドラゴンだろうと、魔獣ならば一番効果的なのは魔剣だ!!」
「了解デス!!」
完全竜化で相手に劣るサイズとは言え、巨大なドラゴンの姿にこちらはなり、ゼナを巨大な竜魔剣の状態に姿を変えさせる。
相手がいくら強大な敵とは言え、魔獣と混ざっているのであれば魔獣の部分で、魔剣が効果的だろうが‥‥その考えは、そう容易くいくことはないらしい。
【オグォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!】
「どわぁっ!?」
「きゃあっ!?」
全速力で飛行し、魔剣を突き立てようとした瞬間、巨大な魔獣のドラゴンが咆哮を上げる。
それもただの大声ではなく、相当強力な衝撃波のようなものを発していたようで、近づく前にふっ飛ばされてた。
ドォォォォォォォン!!
「あだだだ…なんじゃこりゃ、声自体が武器になっているのかよ」
「軽く10キロはふっ飛ばされたようデス」
「それでも、視認できる巨体か…恐ろしいな」
ふっ飛ばされて地上に不時着し、体を起こす。
衝撃自体が強かったようで、ビリビリと痺れたような感覚を味わされただろう。
そしてそこそこふっ飛ばされたが、それでも視認できるだけの巨大な体には、流石に少しは畏怖を抱かされる。
【グォォォォォォォ!!】
「しかもこちらに頭を向けて、更に追撃か!!」
「現時点で、一番火力ある相手がご主人様と私と判断されたようデス!!」
二度目の咆哮をまともに受ける馬鹿はおらず、咆哮が届く前に飛び上がると、墜落現場の地面が一気に抉れていった。
どうやらある程度の衝撃の指向性は変えられるようで、こちらだけを狙い撃ちに出来るらしい。
まぁ、威力が大きすぎるせいで一点集中とはいかず、音を使った攻撃ゆえに明らかに広範囲の攻撃になっているのだが‥‥その、交わしづらいことこの上ない。
「ただの巨体じゃ大きな的になってしまうだけだ!!『人竜変化』からの『エンジェリングソードモード』にチェンジだ!!機動力で相手をかく乱させるぞ!!」
「了解デス!!」
ドラゴンの身体から圧縮し、人の身に集中させてサイズを大きく縮小させる。
それと同時に金色の銀のリングを出現させ、飛行時の機動力を底上げする。
「広範囲攻撃だろうと、その範囲から逃げきってしまえば当たらねぇよ!!攻撃の合間にこちらが仕掛けてやる!!」
飛行軌道も一定の状態にせず、カクカクとした不規則な軌道になるように行い、そう簡単に狙い定められないようにしつつ、相手の死角になりそうな場所へ攻撃を打ち込む。
「リングにブレスを通して、集中状態で焼ききるぞ!!『ブレスレーザーショット』!!」
「リング高速回転、収束状態に移行させマス!!」
目の前の方に飛行の補助を担っていたリングが移動し、その中にブレスを吹き込む。
すると吹き込まれたブレスがリングの回転に巻き込まれ、ねじれて細くなり、超高熱のレーザーになってドラゴン魔獣へ飛んでいく。
一直線に逸れることなく、そのまま直撃を‥‥
バァァァン!!
「うそ!?」
「直撃寸前で、防がれました!!」
光線と化していたブレスが、まさかの直撃前に何かにぶつかったように弾かれて霧散する。
「確認中、把握完了!!あのドラゴン魔獣の体表近くに、エネルギーの流れを確認!!膨大なドラゴンとしての力が自然と防壁を精製し、自動的に防いでいたようデス!!」
「そんなことをしているのかよ!?」
ドラゴンの生み出すエネルギーは確かに強大なものらしいが、目の前のドラゴン魔獣から生成される量は桁違いにすさまじいらしく、その余った分が表面を覆い、かなり強固な防壁と化しているらしい。
貫くにはその防壁を突き破るだけのエネルギーが必要になるが、今の攻撃で弾かれたとなると、相当なものが必要になることが容易に予想できるだろう。
「そんな高威力の攻撃、できないんだが!?グラビティで使える重力玉とかで剥がすことはできるか?」
「計算しましたが、無理ですネ。各方面にブラックホールクスラスのものを作製したとしても、マイナスする分を楽々と補われてしまうようデス。また、現在のご主人様や私の力であれを貫けるものを持ち合わせていまセン。火力不足デス!!」
考えたら魔剣士たちの一斉攻撃で暗雲を吹き飛ばせたが、あのドラゴン魔獣に対して何もダメージを与えていないように見えていたのだが、それはこの防壁が大きな役割を果たしていたという事になる。
魔剣の攻撃をいくつも用意して、なおかつ高威力のドラゴンの攻撃で厳しいとなると…手を出すのは無理という事になる。
【オグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
「っと、何だ?音による衝撃‥いや、違う!!まさか!?」
咆哮を再び上げられ、また衝撃波が来るのかと思って回避行動をとろうとしたが、違うものであるとすぐに俺は見ぬいた。
この行動、間違いない。魔獣が色々と融合しているようだけれども、その根幹にドラゴンが存在しているのであれば、扱えてもおかしくはなかったが、それでもこんな攻撃をこちらに向けるというのか!?
「ゼナ、全力回避行動!!竜魔法で、ぶっといのが来るぞ!!」
「了解デス!!」
全力で離れようと動くのだが、既に照準が合わせられていることを感じ取る。
何とか回避できるように動くのは、出来る限り周囲への被害を出さないように、せめてもの抵抗しかならないことも分かっているが、なるべきやれることをやらなければいけない。
キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!
わかる、ドラゴンだからこそ、今放たれようとしている竜魔法がどれだけのものなのか。
俺自身も使えそうなものなのだが、流石に経験や力が少ないせいか、届くようなものはない。
だからこそ、まともな直撃も十分不味いと分かっているのだ。
今の攻撃を避けたとしても、この場から俺たちだけが逃げても意味はない。
「直撃前に、竜魔法こちらも展開!!空間接続、距離…計算している暇もねぇ!!ゼナ、飛んだ先でどうなるか分からんから、俺が動けないようなら動かしてほしい!!意識があればの話だけどな!!」
「分かりました!!せめて、より安全を確保できるように、接続からの補助もしておきマス!!」
どんどんたまっていく相手の攻撃準備前に、こちらの魔法の用意をしておく。
防御が出来ないのであれば、一時的にこの場から離脱することが出来る竜魔法で、どうにか逃れるしかない。
けれども初めて使うものだし、相手の攻撃が来る前に使えないので、直撃する中で作動するだろうが‥‥イチかバチかの賭けしかない。
【グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】
咆哮を上げ、ドラゴン魔獣が見つめる先は、俺たち。
そして、同時に周囲一帯にまばゆい光を感じ取り、先ほどの俺たちの攻撃よりも桁違いの熱量が襲い掛かるのを感じ取り、声にならない激痛が走る。
「竜魔法『強制空間転移』発動!!」
声にならない激痛が走っていても、辛うじて魔法のほうは声が出たらしい。
その瞬間、先ほどまであった熱量諸共一緒に周囲の空間が歪んだことを感じ取り、なおかつあの巨大なドラゴン魔獣の周囲までも覆えたことを感じ取る。
「強制的な、超大型空間転移だ!!全員どこに飛ぶのか正直わからんが、時間稼ぎ程度になるだろうが、これでこの場から一旦消し飛びやがれ!!」
もちろん、相手の攻撃やドラゴン魔獣と一緒に飛ぶのだが、これ全部を無理やり移動させる時点で、相当力を使用するため、転移後にかなりのダメージが来るのが目に見えている。
けれども、この場で状況が好転しない以上、少しは問題を先送りにして時間を稼げるのであればマシだと思いつつ、意識を奪われてしまうのであった‥‥‥
0
あなたにおすすめの小説
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる