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組織との決着で章
閑話 ‥‥‥影の王の記憶
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……昔、ある国のとある田舎にて、その男は生まれた。
その男は、前世と呼ばれる世界の記憶を有していたのだが…‥‥生憎ながら、その記憶を活かせることはなかった。
なぜならば、その前世の世界の常識をやろうとしても、それはこの世界とはどこかで異なる。
すべてを同じにしようとして、押しつけようとしても…‥‥結局は何処かで齟齬が生じ、うまくいかないのだ。
実はその男以外にも、過去に似たような人物たちはおり、その者たちは異なる世界の差を理解し、それをきちんと合うように改良したりしたのだが‥‥‥‥その男だけは、その努力をしなかった。
何故、こうもうまくいかないのか。
生前のライトノベルや、漫画、アニメなどではうまくいったではないか。
そもそも、こうやって前世の知識を持っていること自体が特別で、ハーレムになったり、チートや物凄い権力などを得られるのではないだろうか。
そう考えていたがゆえに、何もかも傲慢になり、結局は大成しなかった。
…‥‥そして、その傲慢さにトドメを出す出来事があった。
それは、「叡智の儀式」である。
この叡智の儀式によって、人々は魔導書を得るか得られないかが決まり、そして得られた場合、魔法を扱うことができる。
その男はその情報を得ると、もしかするとこの儀式で自分は魔導書を得られるかもしれない……いや、それどころか何か特別なものを得られるかもしれないという期待を抱いたのだ。
そう、この儀式こそが自分にふさわしく、ここから己の素晴らしい未来が始まると疑わずに信じて…‥‥その結果、彼は儀式によって絶望を得た。
魔導書は出ず、同時期に受けた者たちは得て、彼だけ取り残されたのだ。
たとえ得られなくとも、差別はされることがなく、其のまま普通に過ごす人生を彼は歩めたかもしれないが…‥‥「自分は何か、前世の知識があるから特別だ」という想いを抱いていた彼に取っては、この事は許しがたい事であった。
このままでは何もできず、前世の知識も意味がない。
一生を、このまま平凡な生活を過ごすかもしれないと彼は考え‥‥‥‥拒絶したのだ。
自分は特別な存在のはずだ、これは何かの間違いだ、ソウダ、アイツラガ、魔導書ヲ奪ッタンダ…‥‥
何度も何度も心で繰り返し疑問の声を上げるうちに、彼自身は歪んでいく。
だが、どうすればいいのか?
…‥‥無いのであれば、作ればいいのではなかろうか?
何をだ?…‥‥チートとか、そういったものになれる‥‥‥そう、その望みを叶えるような魔導書を。
そして彼は、その考えに基づいて実行し始めた。
幸いと言うか、魔導書を得られなかった者たちが他にもいたので、その者たちに魔導書を人工的に作らないかと誘うことができ、次第に大きな組織を創り出せた。
無いのであれば、作ればいい。
魔導書を持てないのであれば、持てるようにすればいい。
…‥‥だが、世の中そう都合よくいかず、次第に彼らの心は歪んでいき…‥‥徐々に恐ろしいことに手を出していった。
魔導書を作りたいのに、製法は分からないし、時間も自分が活きている間は足りないのではないか?
ならば、寿命を延ばすか?それとも人ならざる力を他の手段から得るか?
その案を実行するには、費用が足りなくないか?
…‥‥ならば、何処か大きな資金源を確保……ソウダ、権力者、国ヲ利用スレバイイ。
その案が出た途端、すぐさまそれらは実行された。
そして、その利用する国に選ばれたのは…‥‥過去のグレイモ王国である。
「永遠の命を、魔導書を、凄まじい力を得られるかもしれない」
そう話題に出し、国そのものに協力するように彼らは要請し、それらは受け入れられた。
欲深き人たちのせいと言うべきかもしれないが、潰れて良い村から人を攫い、孤児院から引き取って実験に使い…‥‥とにかくいろいろな非道なる行いが横行した。
そしてそれと共に、その実験を行われた被害者たち‥‥‥‥そう、今のフェイカーの元となるような組織が産まれ、彼らはその者たちを潰していったのだ。
そして、その男はすべてを裏切り、そのフェイカーの元となるような組織に入り込んだ。
組織内では国に復讐するために動く者たちがおり、実験も色々とおこなわれている。
むしろ、こちらの方がより自由に研究できるのではないかと思い、禁忌とも言うべきものに彼らは手を付けて言った。
…‥‥そしてある時、その男はある発明をした。
人工生命体…‥‥いわゆるホムンクルスという類で有ろうか。
寿命を延ばす考えの延長線上で、ふと思いついたのが、身体のダメになった部分の交換。
そのために、その交換用の肉体を作ろうと思いたち、成功したのだ。
けれども、その人工生命体は、ある時組織から抜け出し、行方不明となってしまった。
まぁ、結果として、衰えてきた彼に取っては、自身の体を若返らせるヒントを得たのだから問題はなかった。
とにもかくにも、月日が流れていくうちに、フェイカ―は徐々に規模を大きくしていった。
しかし、過去に大きな過ちを犯したグレイモ王国は一新され、そしてフェイカ―を危険視し始めた。
その事に、その男は気が付き‥‥‥‥そして、ある計画を立てた。
「そうだ、裏切ってしまおう」
フェイカ―の情報を彼は自らを偽って密告し、国に潰させた。
なぜそうしたのかと言えば、密告した際にもらえた懸賞金を元手にして…‥‥自分にとって都合のいい組織にしようと考えたからだ。
そしてそれから数日後、組織は壊滅し、偽って裏切った彼は生き延びた。
…‥‥それからさらに月日が経過し、彼は再びフェイカーを立て直す。
一度壊れた組織で、新たに再建しようと逃げ延びていた者たちを勧誘し、また実験に使われた被害者たちも誘い、国への復讐ができると告げ、引き入れていったのである。
そして現在、大きな組織になったが‥‥‥‥ある日、彼はある情報を得てしまった。
かつて、自分が焦がれ、そして得られなかった力。
黄金の魔導書という、ふざけたような存在を手にし、自分の無しえなかった理想を体現したような人物がいるという情報を。
その情報を得て、彼は憎悪に、いや、それすらも凌駕するような激しい怒りを得た。
そのうえ、調べて見れば‥‥‥‥どうやら自分と同じような転生者でもあるしく、己が手に入れられなかった栄光や力、その他諸々を持って居たのだ。
…‥‥その時から、彼はその人物を…‥‥ルースを狙い始めた。
彼に組織のものを仕向け、潰すように。
己が望み、得られなかった者を得た物を、認められない人物を消すように。
そして、その人物が持つすべてを奪うために‥‥
その男は、前世と呼ばれる世界の記憶を有していたのだが…‥‥生憎ながら、その記憶を活かせることはなかった。
なぜならば、その前世の世界の常識をやろうとしても、それはこの世界とはどこかで異なる。
すべてを同じにしようとして、押しつけようとしても…‥‥結局は何処かで齟齬が生じ、うまくいかないのだ。
実はその男以外にも、過去に似たような人物たちはおり、その者たちは異なる世界の差を理解し、それをきちんと合うように改良したりしたのだが‥‥‥‥その男だけは、その努力をしなかった。
何故、こうもうまくいかないのか。
生前のライトノベルや、漫画、アニメなどではうまくいったではないか。
そもそも、こうやって前世の知識を持っていること自体が特別で、ハーレムになったり、チートや物凄い権力などを得られるのではないだろうか。
そう考えていたがゆえに、何もかも傲慢になり、結局は大成しなかった。
…‥‥そして、その傲慢さにトドメを出す出来事があった。
それは、「叡智の儀式」である。
この叡智の儀式によって、人々は魔導書を得るか得られないかが決まり、そして得られた場合、魔法を扱うことができる。
その男はその情報を得ると、もしかするとこの儀式で自分は魔導書を得られるかもしれない……いや、それどころか何か特別なものを得られるかもしれないという期待を抱いたのだ。
そう、この儀式こそが自分にふさわしく、ここから己の素晴らしい未来が始まると疑わずに信じて…‥‥その結果、彼は儀式によって絶望を得た。
魔導書は出ず、同時期に受けた者たちは得て、彼だけ取り残されたのだ。
たとえ得られなくとも、差別はされることがなく、其のまま普通に過ごす人生を彼は歩めたかもしれないが…‥‥「自分は何か、前世の知識があるから特別だ」という想いを抱いていた彼に取っては、この事は許しがたい事であった。
このままでは何もできず、前世の知識も意味がない。
一生を、このまま平凡な生活を過ごすかもしれないと彼は考え‥‥‥‥拒絶したのだ。
自分は特別な存在のはずだ、これは何かの間違いだ、ソウダ、アイツラガ、魔導書ヲ奪ッタンダ…‥‥
何度も何度も心で繰り返し疑問の声を上げるうちに、彼自身は歪んでいく。
だが、どうすればいいのか?
…‥‥無いのであれば、作ればいいのではなかろうか?
何をだ?…‥‥チートとか、そういったものになれる‥‥‥そう、その望みを叶えるような魔導書を。
そして彼は、その考えに基づいて実行し始めた。
幸いと言うか、魔導書を得られなかった者たちが他にもいたので、その者たちに魔導書を人工的に作らないかと誘うことができ、次第に大きな組織を創り出せた。
無いのであれば、作ればいい。
魔導書を持てないのであれば、持てるようにすればいい。
…‥‥だが、世の中そう都合よくいかず、次第に彼らの心は歪んでいき…‥‥徐々に恐ろしいことに手を出していった。
魔導書を作りたいのに、製法は分からないし、時間も自分が活きている間は足りないのではないか?
ならば、寿命を延ばすか?それとも人ならざる力を他の手段から得るか?
その案を実行するには、費用が足りなくないか?
…‥‥ならば、何処か大きな資金源を確保……ソウダ、権力者、国ヲ利用スレバイイ。
その案が出た途端、すぐさまそれらは実行された。
そして、その利用する国に選ばれたのは…‥‥過去のグレイモ王国である。
「永遠の命を、魔導書を、凄まじい力を得られるかもしれない」
そう話題に出し、国そのものに協力するように彼らは要請し、それらは受け入れられた。
欲深き人たちのせいと言うべきかもしれないが、潰れて良い村から人を攫い、孤児院から引き取って実験に使い…‥‥とにかくいろいろな非道なる行いが横行した。
そしてそれと共に、その実験を行われた被害者たち‥‥‥‥そう、今のフェイカーの元となるような組織が産まれ、彼らはその者たちを潰していったのだ。
そして、その男はすべてを裏切り、そのフェイカーの元となるような組織に入り込んだ。
組織内では国に復讐するために動く者たちがおり、実験も色々とおこなわれている。
むしろ、こちらの方がより自由に研究できるのではないかと思い、禁忌とも言うべきものに彼らは手を付けて言った。
…‥‥そしてある時、その男はある発明をした。
人工生命体…‥‥いわゆるホムンクルスという類で有ろうか。
寿命を延ばす考えの延長線上で、ふと思いついたのが、身体のダメになった部分の交換。
そのために、その交換用の肉体を作ろうと思いたち、成功したのだ。
けれども、その人工生命体は、ある時組織から抜け出し、行方不明となってしまった。
まぁ、結果として、衰えてきた彼に取っては、自身の体を若返らせるヒントを得たのだから問題はなかった。
とにもかくにも、月日が流れていくうちに、フェイカ―は徐々に規模を大きくしていった。
しかし、過去に大きな過ちを犯したグレイモ王国は一新され、そしてフェイカ―を危険視し始めた。
その事に、その男は気が付き‥‥‥‥そして、ある計画を立てた。
「そうだ、裏切ってしまおう」
フェイカ―の情報を彼は自らを偽って密告し、国に潰させた。
なぜそうしたのかと言えば、密告した際にもらえた懸賞金を元手にして…‥‥自分にとって都合のいい組織にしようと考えたからだ。
そしてそれから数日後、組織は壊滅し、偽って裏切った彼は生き延びた。
…‥‥それからさらに月日が経過し、彼は再びフェイカーを立て直す。
一度壊れた組織で、新たに再建しようと逃げ延びていた者たちを勧誘し、また実験に使われた被害者たちも誘い、国への復讐ができると告げ、引き入れていったのである。
そして現在、大きな組織になったが‥‥‥‥ある日、彼はある情報を得てしまった。
かつて、自分が焦がれ、そして得られなかった力。
黄金の魔導書という、ふざけたような存在を手にし、自分の無しえなかった理想を体現したような人物がいるという情報を。
その情報を得て、彼は憎悪に、いや、それすらも凌駕するような激しい怒りを得た。
そのうえ、調べて見れば‥‥‥‥どうやら自分と同じような転生者でもあるしく、己が手に入れられなかった栄光や力、その他諸々を持って居たのだ。
…‥‥その時から、彼はその人物を…‥‥ルースを狙い始めた。
彼に組織のものを仕向け、潰すように。
己が望み、得られなかった者を得た物を、認められない人物を消すように。
そして、その人物が持つすべてを奪うために‥‥
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