271 / 339
卒業までの間で章
244話
しおりを挟む
…‥‥人の欲望というものは、時として予想外の事を引き起こす。
あらかじめ分かっていればまだいいが、そのあらかじめの前提にある予想を凌駕する究極の馬鹿がいたら、それこそどうしようもない。
ゆえに、防ぎようのないような事もあり‥‥‥‥
「‥‥‥そして、目の前に黄金の状態で固まった連中がそれか」
【ピッギャコケィ!】
ぷんぷんと、機嫌を悪くしているのか通常の1.4倍ほど体を膨らませて不満そうになくマロの前には、見事な黄金の像が出来上がっていた。
一部かじられているが、不味かったのか吐き出された後もある。あ、頭頂部カッパになったやつもいるなぁ‥‥‥。
マロが黄金化ブレスを吐けるようになって今日で1週間ほどたった今日、休日だったので適当に寮から出て都市内を歩いていたのだが…‥‥
【ピコギャッス?】
と、マロが何か首を傾げてとててと路地裏へ走っていった。
何かあったのかなと思い、追いかけてみると、どう見ても悪人顔のチンピラ共がマロの前に立ちふさがって、ナイフを手に襲い掛かろうとして…‥‥ルースが手を出す前にマロが動いて、チンピラ共は見事に返り討ちにあったのである。
なお、このブレスは普通のコカトリスが吐く石化のブレスを受けたときに、治すための薬でも効果があるようなので、一応生きて返すことはできる…‥‥はず。
とはいえ、マロを狙った犯行なのは明白なので、あの黄金像になった人たちが意識を戻すのは、おそらく連行された先であろう。
……そして数日後、黄金像と化して連行されていったチンピラ共は、引き渡されたところでしっかり自白したのであった。
「‥‥‥つまり、何処かでマロの黄金化ブレスを知った輩が、送り込んできたチンピラたちだったか」
「まぁ、大体予想通りというか、本当にそんなことをする馬鹿がいるとは思わなかったわね」
「人の欲望と言うのは、予想外な事もあるらしいけれどねぇ」
―――――一応、犯人ハ調査済ミダヨ。
バトの送り込んだ妖精部隊の調査によれば、案の定というか、チンピラ共を送り込んできたのはどこぞやの貴族家の長男らしい。
ゲルマー侯爵家の長男らしいが…‥‥聞いたことがない。
「なんでそんなやつがマロを狙うんだ?」
「一般的に、貴族家は長男による世襲が多いからと言うのがあるわね」
まぁ、その跡継ぎの能力によって変わる事もあるが、基本的に長男が次期当主となる事が多い。
で、今回のその貴族家の長男は、次期当主になれた可能性があったそうだが…‥‥何と言うか自滅して次期当主の座が閉ざされていたらしいのだ。
「自滅って‥‥‥もしかして、不貞とか、賭博とか、犯罪とかあったのか?」
―――――主様、正解!ソレ全部デスヨ。
バトの妖精部隊の調べによれば、まさに絵にかいたようなレベルだったらしい。
婚約者がいたのに自らの不貞で婚約破棄をした。
その婚約者はその長男がいた貴族家の資金難を援助するための政略的な意図で婚約されていたそうで、その覇気によって援助が打ち切りとなった上に、それまでの持参金などの返金を求められた。
さらに、その長男は浪費癖というか、賭博にはまって借金を抱え、その借金を返すために違法薬物の愛倍を行って裏ルートで取引もしていたそうだ。
これらすべてが表に出ると、貴族家としても不味いからばれないように隠蔽しつつ、その長男は次期当主から外し、まだ幼いけれどもまともな次男を次期跡継ぎにしたのだとか。
で、現在その長男はゲルマー侯爵家の離れの屋敷にて軟禁に近い状態で、更生すれば社交界への復帰なども望めたそうなのだが‥‥‥
「どうやってか、マロの情報を聞いて、そのブレスが金になると思って、裏ルートを築いていた時のつながりで、チンピラ共を雇ったのか……」
「というか、ここまで詳細がバレている時点で隠蔽できている物なのかしら?」
―――――正直ナ話、アッケナイレベルデ簡単ニ判明シチャッタ。
さほど労力も使わずに、ちょっとはたいてみたような物だったが‥‥‥出るわ出るわの醜聞まみれだったらしい。ひどすぎるというか、貴族社会の情けない闇を見たような気が、一同はしたのであった。
「でも、そんな裏ルートでのつながりがあったとはいえ、そんなどう考えてもダメな奴にチンピラが従うのか?」
「ああ、なるほど。そこでマロか」
「ん?レリアはわかったのか?」
「うん。考えてみるとマロのブレスで黄金ができるのならば、それを売り払って資金に当てようとしたんじゃないかな?」
手に入れる前提で話を進めていたという事のようだが‥‥‥捕らぬ狸の皮算用という言葉のようだ。
狸じゃなくてコカトリスだし、そもそもマロを捕らえるのにチンピラを使った時点で物凄く舐めているとしか思えないが…‥‥可愛いけれども、モンスターだからね。
とはいえ、マロを狙ったことは許せることではない。
例え、情報不足過ぎて程度の低いチンピラしか雇えないようなはした金だけの、捕らぬ狸の皮算用しかできない、自らの自滅で道を失いまくり、破滅への道しかないような超馬鹿が相手だとしても…‥‥
「いや、いちいち気にするほど得もないかもしれないけれど…‥‥やっぱり同じような馬鹿が出る可能性を考えるなら、一度徹底的にやった方が良いかな?」
「賛成ね。ルース君ではなくそのペットを狙った犯行ですが……でも、将来的に家族になるのならば」
「徹底的にやって損はないなぁ」
―――――ウフフフフフフフフフフフフ
…‥‥この日、一つの侯爵家の長男の運命は定まってしまった。
全貴族にとって、ルース及びその家族などに手を出してはならないと言う理由の、良い例となってしまうという運命に‥‥‥‥
あらかじめ分かっていればまだいいが、そのあらかじめの前提にある予想を凌駕する究極の馬鹿がいたら、それこそどうしようもない。
ゆえに、防ぎようのないような事もあり‥‥‥‥
「‥‥‥そして、目の前に黄金の状態で固まった連中がそれか」
【ピッギャコケィ!】
ぷんぷんと、機嫌を悪くしているのか通常の1.4倍ほど体を膨らませて不満そうになくマロの前には、見事な黄金の像が出来上がっていた。
一部かじられているが、不味かったのか吐き出された後もある。あ、頭頂部カッパになったやつもいるなぁ‥‥‥。
マロが黄金化ブレスを吐けるようになって今日で1週間ほどたった今日、休日だったので適当に寮から出て都市内を歩いていたのだが…‥‥
【ピコギャッス?】
と、マロが何か首を傾げてとててと路地裏へ走っていった。
何かあったのかなと思い、追いかけてみると、どう見ても悪人顔のチンピラ共がマロの前に立ちふさがって、ナイフを手に襲い掛かろうとして…‥‥ルースが手を出す前にマロが動いて、チンピラ共は見事に返り討ちにあったのである。
なお、このブレスは普通のコカトリスが吐く石化のブレスを受けたときに、治すための薬でも効果があるようなので、一応生きて返すことはできる…‥‥はず。
とはいえ、マロを狙った犯行なのは明白なので、あの黄金像になった人たちが意識を戻すのは、おそらく連行された先であろう。
……そして数日後、黄金像と化して連行されていったチンピラ共は、引き渡されたところでしっかり自白したのであった。
「‥‥‥つまり、何処かでマロの黄金化ブレスを知った輩が、送り込んできたチンピラたちだったか」
「まぁ、大体予想通りというか、本当にそんなことをする馬鹿がいるとは思わなかったわね」
「人の欲望と言うのは、予想外な事もあるらしいけれどねぇ」
―――――一応、犯人ハ調査済ミダヨ。
バトの送り込んだ妖精部隊の調査によれば、案の定というか、チンピラ共を送り込んできたのはどこぞやの貴族家の長男らしい。
ゲルマー侯爵家の長男らしいが…‥‥聞いたことがない。
「なんでそんなやつがマロを狙うんだ?」
「一般的に、貴族家は長男による世襲が多いからと言うのがあるわね」
まぁ、その跡継ぎの能力によって変わる事もあるが、基本的に長男が次期当主となる事が多い。
で、今回のその貴族家の長男は、次期当主になれた可能性があったそうだが…‥‥何と言うか自滅して次期当主の座が閉ざされていたらしいのだ。
「自滅って‥‥‥もしかして、不貞とか、賭博とか、犯罪とかあったのか?」
―――――主様、正解!ソレ全部デスヨ。
バトの妖精部隊の調べによれば、まさに絵にかいたようなレベルだったらしい。
婚約者がいたのに自らの不貞で婚約破棄をした。
その婚約者はその長男がいた貴族家の資金難を援助するための政略的な意図で婚約されていたそうで、その覇気によって援助が打ち切りとなった上に、それまでの持参金などの返金を求められた。
さらに、その長男は浪費癖というか、賭博にはまって借金を抱え、その借金を返すために違法薬物の愛倍を行って裏ルートで取引もしていたそうだ。
これらすべてが表に出ると、貴族家としても不味いからばれないように隠蔽しつつ、その長男は次期当主から外し、まだ幼いけれどもまともな次男を次期跡継ぎにしたのだとか。
で、現在その長男はゲルマー侯爵家の離れの屋敷にて軟禁に近い状態で、更生すれば社交界への復帰なども望めたそうなのだが‥‥‥
「どうやってか、マロの情報を聞いて、そのブレスが金になると思って、裏ルートを築いていた時のつながりで、チンピラ共を雇ったのか……」
「というか、ここまで詳細がバレている時点で隠蔽できている物なのかしら?」
―――――正直ナ話、アッケナイレベルデ簡単ニ判明シチャッタ。
さほど労力も使わずに、ちょっとはたいてみたような物だったが‥‥‥出るわ出るわの醜聞まみれだったらしい。ひどすぎるというか、貴族社会の情けない闇を見たような気が、一同はしたのであった。
「でも、そんな裏ルートでのつながりがあったとはいえ、そんなどう考えてもダメな奴にチンピラが従うのか?」
「ああ、なるほど。そこでマロか」
「ん?レリアはわかったのか?」
「うん。考えてみるとマロのブレスで黄金ができるのならば、それを売り払って資金に当てようとしたんじゃないかな?」
手に入れる前提で話を進めていたという事のようだが‥‥‥捕らぬ狸の皮算用という言葉のようだ。
狸じゃなくてコカトリスだし、そもそもマロを捕らえるのにチンピラを使った時点で物凄く舐めているとしか思えないが…‥‥可愛いけれども、モンスターだからね。
とはいえ、マロを狙ったことは許せることではない。
例え、情報不足過ぎて程度の低いチンピラしか雇えないようなはした金だけの、捕らぬ狸の皮算用しかできない、自らの自滅で道を失いまくり、破滅への道しかないような超馬鹿が相手だとしても…‥‥
「いや、いちいち気にするほど得もないかもしれないけれど…‥‥やっぱり同じような馬鹿が出る可能性を考えるなら、一度徹底的にやった方が良いかな?」
「賛成ね。ルース君ではなくそのペットを狙った犯行ですが……でも、将来的に家族になるのならば」
「徹底的にやって損はないなぁ」
―――――ウフフフフフフフフフフフフ
…‥‥この日、一つの侯爵家の長男の運命は定まってしまった。
全貴族にとって、ルース及びその家族などに手を出してはならないと言う理由の、良い例となってしまうという運命に‥‥‥‥
0
あなたにおすすめの小説
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
セントフェアファクス皇国徒士家、レイ家の長女ラナはどうしても持参金を用意できなかった。だから幼馴染のニコラに自分から婚約破棄を申し出た。しかし自分はともかく妹たちは幸せにしたたい。だから得意の槍術を生かして冒険者として生きていく決断をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる