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王国漫遊編
幕間:アルティ×ドロシー
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アルティ=クローバー。
大賢者の称号を与えられた、国内…否、世界トップクラスの魔法使い。
そんな国家級戦力が悠々と旅をしていることにも驚きだけど、もっと驚きなのは、そんな大賢者を侍らせている女がいることだ。
「はー…行き交う女の人全員からおっぱい揉んでって懇願されたい…」
リコリス=ラプラスハート。
才色兼備の自他共に認める絶世の美少女。
なのは…まあ認める。
けどこいつがまあ欲望にはひたすら忠実で、自由が服を着て歩いているみたいな女。
旅を初めて数日。
この身でしかと思い知らされている。
「パンツってさ、履いてるのを確認するまでは履いてるか履いてないかわかんないわけよ。つまり今この瞬間、アルティとドロシーがノーパンな可能性も捨てきれないわけで」
こんな性欲の塊みたいな奴、我ながらよくもまあ好きになったものだわ。
惚れた方が負けとはよく言ったものね。
「すやぁ…むにゃむにゃ…。おセッセ参勤交代…すや…」
ある晩。
リコリスが眠った後、アタシはアルティに訊いた。
「あんたはなんでリコリスのこと好きになったの?」
「ぷふっ!!けほ、ごほっ!!な、なにを急に!」
飲んでいた水を盛大に吹き出した。
「いや、見てればわかるわよ。あんたもリコリスのことが好きってことくらい。親友だからとかじゃなくて、ちゃんと恋愛として好きでしょ?」
「それはその…そのとおりですけど」
焚き火に当てられた熱以上に顔を真っ赤にする。
可愛いわねこの子。
「で、きっかけはなんだったの?」
「そんなの聞いてどうするんですか」
「人間には恋バナっていう文化があるんでしょ?恋バナをすると友情が深まるって姉さんが言ってたわ」
「偏った文化を…。まあ…強いて言うなら、出逢ったときから好きでしたよ。一緒な街に暮らしていたわけではなく、会えるのはたまにで。子どもの頃はしょっちゅう、会いたい会いたいって泣いていました。寂しいのはもちろんでしたが、きっと好きな人と離れ離れになるのが嫌だったんだと思います」
それからアルティは、リコリスに助けられた話をした。
魔物の群れに一人立ち向かっていく子どもの話。
話を聞いているときは、まるで夢物語のように信じられなかったけど。
話すアルティの顔は、まるで英雄譚を読む子どものようでもあり、恋する乙女のそれでもあった。
「本当に好きなのね。けどいいの?」
「何がですか?」
「アタシも本気で好きなのよ?リコリスのこと」
「はあ…」
「独り占めしたいとか、そういうことは思わないのって訊いてるんだけど」
「リコの寵愛は私一人の身には余りますからね。けど、私が彼女の一番なのだけは譲りません」
愛人も娼婦も受け入れる。
しかし正妻は譲らない。
これは紛れもない王妃の器だ。
皇族以上に、上に立つ者の定めと品格を理解している。
大賢者にまで上った女が飾り物であるはずもないというわけね。
「いい女ねあんた」
「どうも」
あわよくばアタシがリコリスの一番になってやろう、なんて考えてたけど、難しいというより無理ねこれは。
例えるなら領域のようなもの。
アルティには許容出来る領域があり、境界線の外なら何をしても咎めない。
だけど不躾に境界線を越えようものなら……考えただけで恐ろしくなる。
「ところで」
「?」
「好きってことはヤりたいってことよね?」
「ぶっふぁ!!げほげほっ!!なななな、なに、バカなこと言ってるんです!!」
「違うの?」
「違ッ……わ、なくはない…です、けど……」
「あんたも18歳なら初心ってわけじゃないでしょ?あいつ程じゃないにせよ性欲だってあるわけでしょ?それに好きなら何も問題ないじゃない。ちょっと二人で夜這いしましょ」
「夜這…ッ?!?!」
「リコリスって自分からはあれこれ言うけど、責められると案外弱いじゃない。二人でマウント取ってやったら、さぞいい気分になれると思うんだけど」
「マウント…」
「想像してみなさい」
『ちょいちょいちょい…なーんで腕縛られてんのかなぁ…』
『こうでもしないと、あんた逃げるでしょ。ヘタレだから』
『逃げるわけないじゃん私は全ての女性を愛するために生まれてきたスーパー美少女…ひゃあん!』
『フフ、なにがちょっと触っただけなのにいい声出るじゃない』
『貴様…んァッ!アルティ…』
『こんなに硬くして…まさか喜んでるんですか?顔をだらしなく蕩けさせて…いつもの強気なリコはどこへ行ったんです?』
『ほら、聴こえるでしょ?こんなにピチャピチャ言わせて恥ずかしくないの?変態♡』
『ひッ…!んんぅ…!』
『ビクビクしちゃって可愛いですね。ちゃんとおねだり出来たら、もっと気持ちいいことしてあげますよ。変態さん♡』
『ひゃう…ら、らめぇ…♡』
『自分の口で言いなさい、どうしてほしいのか。ね、ドスケベ淫乱女♡』
『どうしてほしいんですか、リコ♡』
『は、ァァ…め、めちゃくちゃに、して…くだしゃい…♡』
「なーんて事に」
「ぶっふ!!」
「鼻血?!!ちょっと?!アルティ?!!湯水の如く溢れ出てるわよ?!ふざけたアタシが言うのもアレだけど昨今の人間ってこんなに性への耐性低いわけ?!!今第二次性徴始まったの?!!」
「ずびばぜ…刺激が…刺激が強…ぐふっ」
「アルティ?!アル、アルティ――――――――!!!」
この子はあたたかく見守ってあげよう。
アタシはそう心に誓ったのであった。
大賢者の称号を与えられた、国内…否、世界トップクラスの魔法使い。
そんな国家級戦力が悠々と旅をしていることにも驚きだけど、もっと驚きなのは、そんな大賢者を侍らせている女がいることだ。
「はー…行き交う女の人全員からおっぱい揉んでって懇願されたい…」
リコリス=ラプラスハート。
才色兼備の自他共に認める絶世の美少女。
なのは…まあ認める。
けどこいつがまあ欲望にはひたすら忠実で、自由が服を着て歩いているみたいな女。
旅を初めて数日。
この身でしかと思い知らされている。
「パンツってさ、履いてるのを確認するまでは履いてるか履いてないかわかんないわけよ。つまり今この瞬間、アルティとドロシーがノーパンな可能性も捨てきれないわけで」
こんな性欲の塊みたいな奴、我ながらよくもまあ好きになったものだわ。
惚れた方が負けとはよく言ったものね。
「すやぁ…むにゃむにゃ…。おセッセ参勤交代…すや…」
ある晩。
リコリスが眠った後、アタシはアルティに訊いた。
「あんたはなんでリコリスのこと好きになったの?」
「ぷふっ!!けほ、ごほっ!!な、なにを急に!」
飲んでいた水を盛大に吹き出した。
「いや、見てればわかるわよ。あんたもリコリスのことが好きってことくらい。親友だからとかじゃなくて、ちゃんと恋愛として好きでしょ?」
「それはその…そのとおりですけど」
焚き火に当てられた熱以上に顔を真っ赤にする。
可愛いわねこの子。
「で、きっかけはなんだったの?」
「そんなの聞いてどうするんですか」
「人間には恋バナっていう文化があるんでしょ?恋バナをすると友情が深まるって姉さんが言ってたわ」
「偏った文化を…。まあ…強いて言うなら、出逢ったときから好きでしたよ。一緒な街に暮らしていたわけではなく、会えるのはたまにで。子どもの頃はしょっちゅう、会いたい会いたいって泣いていました。寂しいのはもちろんでしたが、きっと好きな人と離れ離れになるのが嫌だったんだと思います」
それからアルティは、リコリスに助けられた話をした。
魔物の群れに一人立ち向かっていく子どもの話。
話を聞いているときは、まるで夢物語のように信じられなかったけど。
話すアルティの顔は、まるで英雄譚を読む子どものようでもあり、恋する乙女のそれでもあった。
「本当に好きなのね。けどいいの?」
「何がですか?」
「アタシも本気で好きなのよ?リコリスのこと」
「はあ…」
「独り占めしたいとか、そういうことは思わないのって訊いてるんだけど」
「リコの寵愛は私一人の身には余りますからね。けど、私が彼女の一番なのだけは譲りません」
愛人も娼婦も受け入れる。
しかし正妻は譲らない。
これは紛れもない王妃の器だ。
皇族以上に、上に立つ者の定めと品格を理解している。
大賢者にまで上った女が飾り物であるはずもないというわけね。
「いい女ねあんた」
「どうも」
あわよくばアタシがリコリスの一番になってやろう、なんて考えてたけど、難しいというより無理ねこれは。
例えるなら領域のようなもの。
アルティには許容出来る領域があり、境界線の外なら何をしても咎めない。
だけど不躾に境界線を越えようものなら……考えただけで恐ろしくなる。
「ところで」
「?」
「好きってことはヤりたいってことよね?」
「ぶっふぁ!!げほげほっ!!なななな、なに、バカなこと言ってるんです!!」
「違うの?」
「違ッ……わ、なくはない…です、けど……」
「あんたも18歳なら初心ってわけじゃないでしょ?あいつ程じゃないにせよ性欲だってあるわけでしょ?それに好きなら何も問題ないじゃない。ちょっと二人で夜這いしましょ」
「夜這…ッ?!?!」
「リコリスって自分からはあれこれ言うけど、責められると案外弱いじゃない。二人でマウント取ってやったら、さぞいい気分になれると思うんだけど」
「マウント…」
「想像してみなさい」
『ちょいちょいちょい…なーんで腕縛られてんのかなぁ…』
『こうでもしないと、あんた逃げるでしょ。ヘタレだから』
『逃げるわけないじゃん私は全ての女性を愛するために生まれてきたスーパー美少女…ひゃあん!』
『フフ、なにがちょっと触っただけなのにいい声出るじゃない』
『貴様…んァッ!アルティ…』
『こんなに硬くして…まさか喜んでるんですか?顔をだらしなく蕩けさせて…いつもの強気なリコはどこへ行ったんです?』
『ほら、聴こえるでしょ?こんなにピチャピチャ言わせて恥ずかしくないの?変態♡』
『ひッ…!んんぅ…!』
『ビクビクしちゃって可愛いですね。ちゃんとおねだり出来たら、もっと気持ちいいことしてあげますよ。変態さん♡』
『ひゃう…ら、らめぇ…♡』
『自分の口で言いなさい、どうしてほしいのか。ね、ドスケベ淫乱女♡』
『どうしてほしいんですか、リコ♡』
『は、ァァ…め、めちゃくちゃに、して…くだしゃい…♡』
「なーんて事に」
「ぶっふ!!」
「鼻血?!!ちょっと?!アルティ?!!湯水の如く溢れ出てるわよ?!ふざけたアタシが言うのもアレだけど昨今の人間ってこんなに性への耐性低いわけ?!!今第二次性徴始まったの?!!」
「ずびばぜ…刺激が…刺激が強…ぐふっ」
「アルティ?!アル、アルティ――――――――!!!」
この子はあたたかく見守ってあげよう。
アタシはそう心に誓ったのであった。
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