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帰宅したら、事件です
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自分の容姿に違和感はあれど、両親も親戚も優しかったのでそれほど気にも留めず、高校入学と同時に親の了承をもぎ取り、どうにかアルバイトを始めた。
よくあるファミレスなどのチェーン店での配膳を思い浮かべるかもしれないけど、私が始めたのはビルの清掃員。
人と接するのが苦手な私でもできそうだと思って実際にしてみたら、なんとも嵌ってしまった。
元々きれい好きっていうのもあったんだけど、トイレも喫煙室の掃除なんかの一般的に毛嫌いされそうな場所は平気だし、むしろ、そういう汚い場所をきれいにするのが楽しかった。だから、週4日で入っている。
友人いないかって、同じように働いているおばちゃんたちには心配されるけど、学校でいじめとかには一切あったことがないし、話す友人のような存在もいないことはない。
ただ、そういうのって、基本的に笑顔で頷いておけば乗り越えられるからね。私、そういう方が疲れないから。
そう考えるとおばちゃんたちに心配されていることは合っているような気もするけど、私はこれで満足している
あとは、平穏無事に社会人になって生活できれば十分さ!
なーんて、考えていたんだけど。
・・・・・甘かった。過去の自分を殴りたい。
そんな余裕こいてんじゃねーよ!!
ってね。
バイトから帰ってきて、家の玄関を開いた時から違和感はあった。
まず、家の扉の前に袋に包まれた本だと分かる山ができていた。
次に、いつも玄関まで出てきて、「あかえり」って声をかけてくれる母がいなかった。
極めつけは、玄関に見覚えのないブラウンのパンプスが1足とまだ夕方で平日の水曜日であるはずのない、父の仕事用の靴があった。
父のは分かるけれど、ブラウンのパンプスは本当に分からなかった。
私が通う県立高校は特に指定された靴がなかったので、スニーカー登校のためこんなお洒落な靴を持っていない。
母はパンプスは基本赤とかピンクとか青とか、そんな明るい色ばかりだから、母のでもない。
これには??を浮かべた。修羅場?とか思ったけど、玄関にいても聞こえるほどに灯が漏れ出ているリビングの方から聞こえるのは、楽しそうな笑い声だった。
「すごいわね。美緒」
「ああ、英知学園なんて、名門じゃないか。それも、特待生だなんて。」
「そんなことはありません。ただ、努力していただけで。」
「そんな謙遜しなくていいじゃない。本当にすごいわ。その努力が素晴らしいのよ。」
「そうだぞ。」
なんて、謙遜する聞き覚えのない女子を両親が揃って賞賛していた。声からするに、まだ10代、私ぐらいの女子だと思われるけど。
とりあえず、学校の後にバイトで懸命に掃除をして疲れたので、早くリビングに行ってご飯食べようと思い、
リビングのドアを開けた。
すると、私の登場に驚いた顔をした両親と両親の容姿のどこかしかは似たパーツを持つ美少女がソファに座っていて両親2人に囲まれていた。
「ただいま。」
「郁美。」
微妙な空気が流れる中、私はいつも通り声をかけたんだけど、父が困ったように私を呼んだ。
それには嫌な予感しかしなかった。むしろ、ここで何言われるか予想つかない方がおかしいよね。
ちなみに、母はいつものようにのんびりしており、美少女はこちらに好奇な視線を向けていた。
「あのさ、この子が俺たちの本当の子供だったんだ。施設に今までいたんだが、最近バザーで会ってからなんか気になっていてさ。そうして、先日DNA検査して俺たちの子供ってわかったんだ。名前は美緒というんだ。」
「相原美緒です。」
平然と挨拶する彼女の神経を疑ったが、それよりも照れくさそうにする父、いや、元父はどういう心境なのか、私が聞いてみたい。
「そういうことなの。だから、郁美ちゃん、あなたにはこの家を出てもらうことになったの。ごめんね。」
「ああ、そういうことだ。すでに荷物は邪魔になったから棚や机なんかの家具は処分して書籍なんかは外に置いてあっただろう?今日、有給とって分別したんだ。荷物が少なくて助かったけど。」
はー、疲れたっとわざとらしく元父は肩をポンポンと叩いて、元母と彼らの実子らしい美緒が労わるように彼の左右の肩を叩いていた。これが自分に関係ないのなら、微笑ましい家族シーンだっただろう。
だが、私には彼らをそんな気分で見ている余裕などなかった。
いやいや、そんなこと突然言われても、まだ、未成年者の私に住む場所も生活能力もあるはずがないだろう!!
ここまで面倒みたんなら、せめてあと1年半は面倒みろや!!
叫びたいが叫べなかった。これが、今まで外面だけで乗り越えてきた自分のせいだろう。ため息が出た。
「じゃあ、郁美。元気でね。」
「元気でね。」
「さようなら、郁美さん。」
3人にそう言われれば、リビングを出て行くしかないだろう。
そのまま家を出て扉の前で頭を抱えた。
「これからどうしようかな。」
こんな急展開は予想外すぎる!!
誰もこんなの望んでない!!
というか、あの親、いや、元両親の手のひら返しに脱帽
大人としてどうなの!?最低!!
一通り愚痴を心の中で言ったところで、現実に戻った。
所持金は今月のバイト代が入っていないが、通帳と印鑑はとりあえず鞄の中なので貯めた150万ほどあった。
次に食べる物は掃除バイト先でもらったお土産のお菓子が入っていて、ジュースももらったからそれで何とか今晩は凌げるはず
問題は住む場所だった。
季節は夏。野宿でも何とかなるだろうが、汗かいてこのまま寝たら完全に風邪コースまっしぐら。
しかし、未成年で身元も定かじゃない、自分を住まわせてくれる所なんてありはしないだろう。
それに、籍を抜かれたとしたら学校も通えないかもしれない。
問題は横に置いてある本の山より高く積まれているだろう。
必死に集めたのにな・・・麻雀漫画の巨匠、アカ〇
その本を両手に抱えて、鞄を持ち、日が沈んだ夜の街を歩いた。
よくあるファミレスなどのチェーン店での配膳を思い浮かべるかもしれないけど、私が始めたのはビルの清掃員。
人と接するのが苦手な私でもできそうだと思って実際にしてみたら、なんとも嵌ってしまった。
元々きれい好きっていうのもあったんだけど、トイレも喫煙室の掃除なんかの一般的に毛嫌いされそうな場所は平気だし、むしろ、そういう汚い場所をきれいにするのが楽しかった。だから、週4日で入っている。
友人いないかって、同じように働いているおばちゃんたちには心配されるけど、学校でいじめとかには一切あったことがないし、話す友人のような存在もいないことはない。
ただ、そういうのって、基本的に笑顔で頷いておけば乗り越えられるからね。私、そういう方が疲れないから。
そう考えるとおばちゃんたちに心配されていることは合っているような気もするけど、私はこれで満足している
あとは、平穏無事に社会人になって生活できれば十分さ!
なーんて、考えていたんだけど。
・・・・・甘かった。過去の自分を殴りたい。
そんな余裕こいてんじゃねーよ!!
ってね。
バイトから帰ってきて、家の玄関を開いた時から違和感はあった。
まず、家の扉の前に袋に包まれた本だと分かる山ができていた。
次に、いつも玄関まで出てきて、「あかえり」って声をかけてくれる母がいなかった。
極めつけは、玄関に見覚えのないブラウンのパンプスが1足とまだ夕方で平日の水曜日であるはずのない、父の仕事用の靴があった。
父のは分かるけれど、ブラウンのパンプスは本当に分からなかった。
私が通う県立高校は特に指定された靴がなかったので、スニーカー登校のためこんなお洒落な靴を持っていない。
母はパンプスは基本赤とかピンクとか青とか、そんな明るい色ばかりだから、母のでもない。
これには??を浮かべた。修羅場?とか思ったけど、玄関にいても聞こえるほどに灯が漏れ出ているリビングの方から聞こえるのは、楽しそうな笑い声だった。
「すごいわね。美緒」
「ああ、英知学園なんて、名門じゃないか。それも、特待生だなんて。」
「そんなことはありません。ただ、努力していただけで。」
「そんな謙遜しなくていいじゃない。本当にすごいわ。その努力が素晴らしいのよ。」
「そうだぞ。」
なんて、謙遜する聞き覚えのない女子を両親が揃って賞賛していた。声からするに、まだ10代、私ぐらいの女子だと思われるけど。
とりあえず、学校の後にバイトで懸命に掃除をして疲れたので、早くリビングに行ってご飯食べようと思い、
リビングのドアを開けた。
すると、私の登場に驚いた顔をした両親と両親の容姿のどこかしかは似たパーツを持つ美少女がソファに座っていて両親2人に囲まれていた。
「ただいま。」
「郁美。」
微妙な空気が流れる中、私はいつも通り声をかけたんだけど、父が困ったように私を呼んだ。
それには嫌な予感しかしなかった。むしろ、ここで何言われるか予想つかない方がおかしいよね。
ちなみに、母はいつものようにのんびりしており、美少女はこちらに好奇な視線を向けていた。
「あのさ、この子が俺たちの本当の子供だったんだ。施設に今までいたんだが、最近バザーで会ってからなんか気になっていてさ。そうして、先日DNA検査して俺たちの子供ってわかったんだ。名前は美緒というんだ。」
「相原美緒です。」
平然と挨拶する彼女の神経を疑ったが、それよりも照れくさそうにする父、いや、元父はどういう心境なのか、私が聞いてみたい。
「そういうことなの。だから、郁美ちゃん、あなたにはこの家を出てもらうことになったの。ごめんね。」
「ああ、そういうことだ。すでに荷物は邪魔になったから棚や机なんかの家具は処分して書籍なんかは外に置いてあっただろう?今日、有給とって分別したんだ。荷物が少なくて助かったけど。」
はー、疲れたっとわざとらしく元父は肩をポンポンと叩いて、元母と彼らの実子らしい美緒が労わるように彼の左右の肩を叩いていた。これが自分に関係ないのなら、微笑ましい家族シーンだっただろう。
だが、私には彼らをそんな気分で見ている余裕などなかった。
いやいや、そんなこと突然言われても、まだ、未成年者の私に住む場所も生活能力もあるはずがないだろう!!
ここまで面倒みたんなら、せめてあと1年半は面倒みろや!!
叫びたいが叫べなかった。これが、今まで外面だけで乗り越えてきた自分のせいだろう。ため息が出た。
「じゃあ、郁美。元気でね。」
「元気でね。」
「さようなら、郁美さん。」
3人にそう言われれば、リビングを出て行くしかないだろう。
そのまま家を出て扉の前で頭を抱えた。
「これからどうしようかな。」
こんな急展開は予想外すぎる!!
誰もこんなの望んでない!!
というか、あの親、いや、元両親の手のひら返しに脱帽
大人としてどうなの!?最低!!
一通り愚痴を心の中で言ったところで、現実に戻った。
所持金は今月のバイト代が入っていないが、通帳と印鑑はとりあえず鞄の中なので貯めた150万ほどあった。
次に食べる物は掃除バイト先でもらったお土産のお菓子が入っていて、ジュースももらったからそれで何とか今晩は凌げるはず
問題は住む場所だった。
季節は夏。野宿でも何とかなるだろうが、汗かいてこのまま寝たら完全に風邪コースまっしぐら。
しかし、未成年で身元も定かじゃない、自分を住まわせてくれる所なんてありはしないだろう。
それに、籍を抜かれたとしたら学校も通えないかもしれない。
問題は横に置いてある本の山より高く積まれているだろう。
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