3 / 36
人助けしたら、変な外人に気に入られました!あれ?
家を追い出されて両手に荷物(大量の本が入った袋)を抱えて字のごとく、私、郁美は路頭に迷っていた。
実子が見つかった途端、華麗な手のひら返しを両親に披露され、行く当てもなく彷徨っていた。
ホテルは泊まれないこともないけど、現金で諭吉が入っていたから。。。
でも、今後のことを考えたら少しでも節約したいのだ。どこか住み込みでこれからでも働ける場所がないかと、
夜の街に繰り出す心構えをして駅方面に歩いた。
時刻はすでに20時を回っていて、いくら真夏で日の出ている時間が長くなったとはいえ、この時間にはすでにお月様が主人公の空だった。
しかし、驚いたのはこの時間になってもビル街、飲み屋が立ち並んでいる通りなんかが近いからか、私のバイト先も目と鼻の先にあるが、会社帰りだろうかという人もいれば、今の私のように制服姿の人もいて、その人の数にも驚いた。
眠らない街のようだった。
多くの人とすれ違いながらも、まずはお風呂が入れるような、いや、この場合はそんな贅沢言わないからシャワーだけでも浴びられるような場所をキャッチしようと目を動かしていた。
すでにあの16年育った家を出て2時間は経過しており、その間歩きっぱなしだったのでさすがに腕がしびれてきていた。どこか休める場所をとキョロキョロしながら、裏道に入ってしまったようでビルの間の狭い通りだったからか、一気に人気が無くなり静まり返っていた。その空間が少しだけ怖く感じたが、それも最初だけで、地面に腰を下ろして思い荷物を手放すことができてやっと一息ついた。
安心したからか、お腹の虫が声を上げた。
「あ、そういえばジュースとお菓子あったんだ。」
誰も聞いていないので、羞恥心などなく鞄に入れていたジュースとお菓子を取り出して、お腹に入れた。
小袋になっているパウンドケーキとバウムクーヘンで、少し良いお店のものだったからかスーパーで買って食べる油っこいものとは違い、抹茶だったからか甘すぎずペロリと食べられた。
お腹を満たした後は、汗でべたつく体が気になりつつも何もすることがなくぼうっと空を見上げていた。
「Wait!!***!!」
近くから英語だろう響きの外国語が飛んできた。
ゆっくり休めていた体が即座に反応してしまった。
運よく自分の前を走り去ろうとする帽子をかぶり両手で鞄を抱える人の足を引っかけると、その人はそのままきれいに引かれたカエルのような姿で地面に転がった。
アニメのようなその光景に思わず噴き出した。
「テメエ、何しやがるんだ!!」
その人、男性だったようで、しかも結構柄悪いタイプだった。
後のことなど考えずに行動してしまったから、相手が逆上して襲い掛かってきた場合の対処法など持っているはずがなかった。ここで、漫画なら私は護身術なるもので倒すのだろうが、あいにく、小学校から今までそんなものに出会ったことなどないので、振りかぶった相手の大きな拳は受け入れるしかなく衝撃に備えて目を瞑った。
しかし、どういうわけか、その痛みは飛んでこなかった。
数秒しても痛みはないので、ゆっくりと目をあけて前を見ると、すでにあの柄悪い男性は気絶して横に倒れていた。その男の両手を縄で縛っているのはスーツの男性だった。まだ、20代ぐらいだろうか。
漫画ではヒーローポジション間違いなしの容姿だった。後ろ姿のみなので、本当にそうかは分からないけど、私には分かる。彼の背後から出るオーラはただ者ではないと。いや、普通の人かもしれないけど、その普通の基準は私の中での基準とは大きくかけ離れているだろう。
「Lady,are you ok?」
そして、私は今まで気付かなかったが、私の隣には目線を合わせるように片膝を付いた、金髪碧眼のザ・外国人の容姿をした美男子が声をかけてきた。
今度は聞き取れるほどの英語だったので、何度も頷いておいた。だが、私の成績はちょっと背伸びをして中の下だ。ここで流暢に会話できる英語力など備わっていない。
「オーケー。」
日本人独特のカタカナ英語で返答した。までは良かったけれど、ちょっと、気分的にもおかしかったのか、調子に乗って指を立ててしまったのだ。よく海外映画で見るシーンのように。
ただ、ここで、ミスったのが立てる指だった。調子に乗り過ぎた私が立てた指は親指ではなく、中指だった。
それに気づかず満面の笑みで立てたこの時の私は未来の私がいたら殴っていただろう。
そして、それを見たおそらくそこにいた外国人数人は嫌悪感を抱いただろう。
ただ、私の目には目の前の金髪碧眼、美男子外国人しか映っていなかったし、その人は笑みを浮かべたまま、立ち上がって私に手を差し出してきた。
「Can you stand?」
彼は私があの男性とぶつかって倒れていると思ったのだろうけど、その優しさは疲れている私には余計なお世話だった。
「結構です。私はただ、ここで休んでいただけですから。あの男性にぶつかったわけではありません。」
もう英語を話すのは面倒・・・いや、正直付いていけなくなり、バリバリ日本語で答えた。
そうすれば、言葉が通じないと思ってすぐに立ち去るだろうと考えたからでもあった。
いや、そうであってくれと思っていた。
しかし、事態は思わぬ方向に動いた。
「そうですか。それは失礼。」
立ち上がった彼はわざわざ私の隣に座って、次は日本語で話してきた。
クソ!顔の良い男は頭もいいのか!!神様は不公平だ!!
すでに女子らしい言葉など皆無で悪態を吐いていた。
「なぜ座るんですか?大丈夫なんですか?」
「まだ、君と話したいからだよ。時間のこと?大丈夫だよ。」
「いや」
そうじゃない、断じてあなたの時間なんて私にはどうでもいい。
私が気にしているのはその身に着けている高級そうなビジネススーツの方だ。
ここは地面で、都会でありゴミ拾いなどほとんどされていないからか、たばこやビールの空き缶が散乱していた。
そんな場所がきれいであるはずはなく、私の制服はまあ、今後着ることはほぼないだろうからいいけど、この男は違うだろう。
思わず彼のスーツとその整った巨匠の彫刻のような男性の顔を往復してしまった。
クスクス
それを見ていた男性の漏れでる声を無理やり抑えたような笑いが起こった。
「このスーツはクリーニングに出すから問題ないよ。君はどうしてここにいるの?学生じゃないの?
もしかして、そういうフリ?客待ち?家出中?」
次から次へと人のことを深掘りしようと質問の嵐だった。
そんな風に赤の他人に訊かれるのは、はっきり言って不快だった。
「ほっといてください!あなたには関係ないでしょ!」
だから、いつもなら決してでない荒んだ声が出た。それに驚いた顔をして瞬きをした彼を見て私自身も驚いた。
あの家から出て私は一皮むけたのかもしれない。
「いいから放っておいてください。私は別にあなたが気にするような人じゃありません。」
生きてる世界が違うと遠回しに言った。
いくらなんでも、ここまで言えばあきらめるだろうと思ったのだが、全く違う反応が返って来た。
彼はいきなり私の両肩に手を置いて自分の方を向かせたのだ。
キラキラと自分の宝物ができた少年のような笑顔を浮かべていた。
「君、気に入った。うちにおいで。いや、連れて帰る!!これ決定!」
その美男子外人はそう宣った。
どういうこと??
実子が見つかった途端、華麗な手のひら返しを両親に披露され、行く当てもなく彷徨っていた。
ホテルは泊まれないこともないけど、現金で諭吉が入っていたから。。。
でも、今後のことを考えたら少しでも節約したいのだ。どこか住み込みでこれからでも働ける場所がないかと、
夜の街に繰り出す心構えをして駅方面に歩いた。
時刻はすでに20時を回っていて、いくら真夏で日の出ている時間が長くなったとはいえ、この時間にはすでにお月様が主人公の空だった。
しかし、驚いたのはこの時間になってもビル街、飲み屋が立ち並んでいる通りなんかが近いからか、私のバイト先も目と鼻の先にあるが、会社帰りだろうかという人もいれば、今の私のように制服姿の人もいて、その人の数にも驚いた。
眠らない街のようだった。
多くの人とすれ違いながらも、まずはお風呂が入れるような、いや、この場合はそんな贅沢言わないからシャワーだけでも浴びられるような場所をキャッチしようと目を動かしていた。
すでにあの16年育った家を出て2時間は経過しており、その間歩きっぱなしだったのでさすがに腕がしびれてきていた。どこか休める場所をとキョロキョロしながら、裏道に入ってしまったようでビルの間の狭い通りだったからか、一気に人気が無くなり静まり返っていた。その空間が少しだけ怖く感じたが、それも最初だけで、地面に腰を下ろして思い荷物を手放すことができてやっと一息ついた。
安心したからか、お腹の虫が声を上げた。
「あ、そういえばジュースとお菓子あったんだ。」
誰も聞いていないので、羞恥心などなく鞄に入れていたジュースとお菓子を取り出して、お腹に入れた。
小袋になっているパウンドケーキとバウムクーヘンで、少し良いお店のものだったからかスーパーで買って食べる油っこいものとは違い、抹茶だったからか甘すぎずペロリと食べられた。
お腹を満たした後は、汗でべたつく体が気になりつつも何もすることがなくぼうっと空を見上げていた。
「Wait!!***!!」
近くから英語だろう響きの外国語が飛んできた。
ゆっくり休めていた体が即座に反応してしまった。
運よく自分の前を走り去ろうとする帽子をかぶり両手で鞄を抱える人の足を引っかけると、その人はそのままきれいに引かれたカエルのような姿で地面に転がった。
アニメのようなその光景に思わず噴き出した。
「テメエ、何しやがるんだ!!」
その人、男性だったようで、しかも結構柄悪いタイプだった。
後のことなど考えずに行動してしまったから、相手が逆上して襲い掛かってきた場合の対処法など持っているはずがなかった。ここで、漫画なら私は護身術なるもので倒すのだろうが、あいにく、小学校から今までそんなものに出会ったことなどないので、振りかぶった相手の大きな拳は受け入れるしかなく衝撃に備えて目を瞑った。
しかし、どういうわけか、その痛みは飛んでこなかった。
数秒しても痛みはないので、ゆっくりと目をあけて前を見ると、すでにあの柄悪い男性は気絶して横に倒れていた。その男の両手を縄で縛っているのはスーツの男性だった。まだ、20代ぐらいだろうか。
漫画ではヒーローポジション間違いなしの容姿だった。後ろ姿のみなので、本当にそうかは分からないけど、私には分かる。彼の背後から出るオーラはただ者ではないと。いや、普通の人かもしれないけど、その普通の基準は私の中での基準とは大きくかけ離れているだろう。
「Lady,are you ok?」
そして、私は今まで気付かなかったが、私の隣には目線を合わせるように片膝を付いた、金髪碧眼のザ・外国人の容姿をした美男子が声をかけてきた。
今度は聞き取れるほどの英語だったので、何度も頷いておいた。だが、私の成績はちょっと背伸びをして中の下だ。ここで流暢に会話できる英語力など備わっていない。
「オーケー。」
日本人独特のカタカナ英語で返答した。までは良かったけれど、ちょっと、気分的にもおかしかったのか、調子に乗って指を立ててしまったのだ。よく海外映画で見るシーンのように。
ただ、ここで、ミスったのが立てる指だった。調子に乗り過ぎた私が立てた指は親指ではなく、中指だった。
それに気づかず満面の笑みで立てたこの時の私は未来の私がいたら殴っていただろう。
そして、それを見たおそらくそこにいた外国人数人は嫌悪感を抱いただろう。
ただ、私の目には目の前の金髪碧眼、美男子外国人しか映っていなかったし、その人は笑みを浮かべたまま、立ち上がって私に手を差し出してきた。
「Can you stand?」
彼は私があの男性とぶつかって倒れていると思ったのだろうけど、その優しさは疲れている私には余計なお世話だった。
「結構です。私はただ、ここで休んでいただけですから。あの男性にぶつかったわけではありません。」
もう英語を話すのは面倒・・・いや、正直付いていけなくなり、バリバリ日本語で答えた。
そうすれば、言葉が通じないと思ってすぐに立ち去るだろうと考えたからでもあった。
いや、そうであってくれと思っていた。
しかし、事態は思わぬ方向に動いた。
「そうですか。それは失礼。」
立ち上がった彼はわざわざ私の隣に座って、次は日本語で話してきた。
クソ!顔の良い男は頭もいいのか!!神様は不公平だ!!
すでに女子らしい言葉など皆無で悪態を吐いていた。
「なぜ座るんですか?大丈夫なんですか?」
「まだ、君と話したいからだよ。時間のこと?大丈夫だよ。」
「いや」
そうじゃない、断じてあなたの時間なんて私にはどうでもいい。
私が気にしているのはその身に着けている高級そうなビジネススーツの方だ。
ここは地面で、都会でありゴミ拾いなどほとんどされていないからか、たばこやビールの空き缶が散乱していた。
そんな場所がきれいであるはずはなく、私の制服はまあ、今後着ることはほぼないだろうからいいけど、この男は違うだろう。
思わず彼のスーツとその整った巨匠の彫刻のような男性の顔を往復してしまった。
クスクス
それを見ていた男性の漏れでる声を無理やり抑えたような笑いが起こった。
「このスーツはクリーニングに出すから問題ないよ。君はどうしてここにいるの?学生じゃないの?
もしかして、そういうフリ?客待ち?家出中?」
次から次へと人のことを深掘りしようと質問の嵐だった。
そんな風に赤の他人に訊かれるのは、はっきり言って不快だった。
「ほっといてください!あなたには関係ないでしょ!」
だから、いつもなら決してでない荒んだ声が出た。それに驚いた顔をして瞬きをした彼を見て私自身も驚いた。
あの家から出て私は一皮むけたのかもしれない。
「いいから放っておいてください。私は別にあなたが気にするような人じゃありません。」
生きてる世界が違うと遠回しに言った。
いくらなんでも、ここまで言えばあきらめるだろうと思ったのだが、全く違う反応が返って来た。
彼はいきなり私の両肩に手を置いて自分の方を向かせたのだ。
キラキラと自分の宝物ができた少年のような笑顔を浮かべていた。
「君、気に入った。うちにおいで。いや、連れて帰る!!これ決定!」
その美男子外人はそう宣った。
どういうこと??
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
ダンジョン嫌いの元英雄は裏方仕事に徹したい ~うっかりA級攻略者をワンパンしたら、切り抜き動画が世界中に拡散されてしまった件~
厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
「英雄なんて、もう二度とごめんだ」
ダンジョン出現から10年。
攻略が『配信』という娯楽に形を変えた現代。
かつて日本を救った伝説の英雄は、ある事情から表舞台を去り、ダンジョン攻略支援用AI『アリス』の開発に没頭する裏方へと転身していた。
ダンジョンも、配信も、そして英雄と呼ばれることも。
すべてを忌み嫌う彼は、裏方に徹してその生涯を終える……はずだった。
アリスの試験運用中に遭遇した、迷惑系配信者の暴挙。
少女を救うために放った一撃が、あろうことか世界中にライブ配信されてしまう。
その結果――
「――ダンジョン嫌いニキ、強すぎるだろ!!」
意図せず爆増するファン、殺到するスポンサー。
静寂を望む願いをよそに、世界は彼を再び『英雄』の座へと引きずり戻していく。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!