野獣に餌付けしてしまったらしい

ハル

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新天地での生活

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 色んなものがごちゃまぜになっている。
 人種、宗教、国籍、性別
 だからこそ、多様な分野で飛び抜けた開発ができ、街が発展し続けているのかもしれない。
 そんな国にやって来て早1週間画経ち、意外にも馴染んでしまっている。近くのスーパーに行くとご近所さんに声をかけられるほどに。
 仕事も日本にいた時とノウハウはほとんど変わらない。その時よりも、高度な部分があるので手間なく進められているかもしれない。こちらでの上司、日系であることで選ばれたニックは気さくに仕事で困ったことを相談しやすく、周囲からも信頼されているのは見ていてよく分かる。

 職場もまた街同様に多様な人が在籍しており、彼らを見ていると自分が持っていると思っていた何もかもが曖昧になった私は落ち着いてしまう。だから、この国に来て思ったほど早く馴染んだのだろう。

「イヅキ、ミーティングするよ!」
「OK」

 ニックに言われてパソコンを持ち移動する。
 少しだけ思い出に浸っていたので慌てる。そんなことをしている場合ではないのに。私はここでもキャリアウーマンとして彼らに認知されつつあるので、それをさらに強くしないといけないのだから。

 海外に来ても私の癒やしは変わらず、スマホの画面越しに見る湊君だ。声があの人を手の上で動かしながら笑っている少し憎らしい男だとしても関係ない。私は湊君の声だけでなく、性格や仕草に癒やされているのだから。

「相変わらず湊君はかっこいい。」

 会社が借りてくれたマンションの一室は壁が日本よりも厚いのか、隣の音が全く聞こえないので、より動画を楽しめる。それに、WiFiも使い放題なので私にとっては最高の環境といえる。ちなみに、家賃は常駐している会社が持っており、私は水道光熱費を払うのみだ。日本と違って高いのだけど、家賃に比べたら微微たるものである。

 職場と自宅の往復は変わらないけど、日本にいた頃と同じように満足な生活を送っている。その証拠に、こっちに来てすでに少し太ってしまった。

「洋服が入らなくなったら考えないと。」

 私はお腹の脂肪をつまみながらため息をつく。
 この国に来て食生活は激変したことが原因だと自覚がある。まず、肉を食べる日が多くなり、テイクアウトのお店はどれもこれも糖と脂肪、塩分が多いメニューばかりだ。それがまた私の味覚を刺激し、美味に感じさせて依存させている。野菜の料理と言えば、サラダは確かにあるのだけど日本料理のように煮物やおひたしなんかの茹でたものはない。だから、サラダも食べるのが飽きるともうポテトも野菜だと自分を納得させて食べなくなってしまい、その分、唐揚げの量が多くなり負のスパイラルが完成する。

 これも海外に来たから体験できることだと自分の体型の変化とともに楽しんでいる。
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