龍悲

上原武重

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白虎

アキラ 生

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 その森の中には人ならざるものがいる。それは、はるか昔より語り継がれ世代を歴てその血は濃くなってゆく。そのものは、空と大地とを分け共に歩むとき、一本の矢をつがえ点を恨むもの、それが人であり、また白虎、龍人、おそらくその他にも、多くの種族がいるのだろう。我々人間は己が存在を全てと思い込んでいる。しかし、鳥も獣も、人も、人ならざるもの全ても、全てが生きている。アキラはそれを、証明していた。
 アキラ「分かれ。」

 たけし「なにを」

 アキラはそれ以上は語らなかった。

この世界に来て、武の中に新しい気持ちが生まれ始めていた。それは、学校でも、親にも、麻美にも教わってないなにか。それを、武は知ろうとしていた。
 アキラ「武…共に行くか?地獄へ?」

 武はその旅の目的を見つけようとしていた。
平凡な中学生だった頃の記憶も今やそこそこで、ほとんどの記憶がみゆきとあってからのもの。武は、そのすべてを受け入れずにいていた。麻美だろうか、何かが障害となりそのすべてを受け入れずにいる。

 武「麻美…みゆきちゃん…」
  「俺は…どうすればいい…と多分聞きたいのだろう。」
    焚き火を消して…

 アキラとみゆき、そして武の3人は、森を抜ける決心をしていた。森をヌケレば、三人を隠すものはない、つまり、敵からまる見えということだ。  
 たけし「いこう…アキラ…」
 たけしの言葉は「お前を信じる」と言っていたのだろう…。
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