オレンジ色の春

猫山くれは

文字の大きさ
2 / 6

鮮やかな夏

しおりを挟む
丁度梅雨も終わり、7月も後半に差し掛かった。満天の青空、所々に見える真っ白な積乱雲、うるさいぐらいのセミの鳴き声、たまに聞こえる鳥のさえずり、ギラギラと照らしている太陽。
現在の気温は32℃、猛暑と言えるだろう。
「あ~暑い~涼しい場所に行きたい~」
僕は扇風機の前でだらしなく声を出している。
「そろそろ海の日だし、海行っちゃう??」
なつが言った。
いいね、海行って、花火見て、ゲームして、夏を満喫した後に終わってない課題を一気に終わらせる。学生の風物詩といっても過言ではないだろう。
「明後日が海の日だから明後日!行こ!」
と言い、なつもそれを了承した。
2日経ち、海に行く日になった。
海の日ということもあり、朝に来たはずだが早くも人でいっぱいだ。
なつが人酔いしてしまうので多いところを避けて場所を選んだ。
荷物を置き、海に入る。
「「つめたっ!!!」」
綺麗なハモリになった。
「「ハモんなし!!!」」
また被った。ここまで綺麗にハモる人はそうそういないだろう。
「あの孤島まで競走な!」
僕が言うと、なつは
「毎年負けてるのにまだやるんだ?いいよ、私勝つし?………負けた方がかき氷奢りね!」
言葉の最後らへんで既になつは飛び出していた。僕は追いつけず少し遅れたスタートになる。
結果は…言うまでもないだろう。
「はい!かき氷あざっ!」
帰りはゆっくりと泳いだ。
かき氷と言えばみんなは何味を想像するだろう?僕はレモンだ。あの甘酸っぱい感じがなんともたまらない。
「まだぁ~?もう溶ける~」
なつがだらしなく横たわりウザイくらいに声をかけてくる。それを無視し注文したかき氷を待つ。
「はい、買ってきた」
「ナイス!」
なつは受け取り次第すぐにかきこんでいる。まぁ、キーンとなるのはお約束だ。
全く、頭がいいのか悪いのか。
時間は経ち、もう夕方と言っていい時間になった。そろそろ帰ろう。
体をシャワーで流し、着替える。
バスに乗り、後方に座る。
バス停を2つ過ぎたあたりで不意に肩に感触がある。
なつは全力ではしゃいでいたから疲れたのだろう、隣を横目に見ると寝ていた。
「次は~終着点~○○です~」
パッと起きた、いつの間にやら僕も寝ていたようだ。ここは目的のバス停から3つほど離れた場所だ。街の方では3つ分と言うと近いだろうが、田舎での1つ1つの間には1キロ、2キロぐらいの間隔がある。
しかし、お金も今日使う分しか持っていなかったため、余りがほとんどない。
なつを起こし、とりあえずバスを降りる。
結果、駅で飲み物を買い、歩くことを選択した。
長い道のりになってしまったが、なんとか家まで帰った。まだ夏休みに入って1日目、まだ時間はいっぱいある。思い出に残る1年になりそうだ。
帰る途中にアサガオを見つけた。
夕焼け空に負けることなく鮮やかで凛とした濃い青色だった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

貴方なんて大嫌い

ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...