Powerful Summer

崎矢梨斗

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 プールサイドに腰を下ろし膝までを水につけたヒロヤの元に、アユムは引き寄せられた。
「ふたりで出かけたって聞いて、様子を見に来たらコレだからな」
 顎を捕らわれ上向かされると、ヒロヤが薄っすらと笑んでみせた。
「舐めて」
 静かな声が容赦なく行為を促す。
「…………」
 アユムはゴクリと咽喉を鳴らした。緊張と羞恥に頬が赤く染まる。
 海外ブランドの仕立てのいい綿パンの前を開いて示され、アユムはおずおずとそれに従った。
 ヒロヤのモノを取り出し口に含む。
「ん……っ……、……ふ……」
 口の中で徐々に形を変えていくモノに、アユムは懸命に舌を這わせた。
「美味そうにしゃぶるのな」
 少し拗ねた風な口振りとなったリョータの手が、アユムの肌をまさぐる。
「……んうッ……、や……ッ……」
 思わず上げかけたアユムの頭は、ヒロヤの手に押し戻された。
「ふ……う……っ、……んん……ッ」
 アユムの口から喘ぎともつかない息が洩れる。
 リョータの手が感じやすい肌を撫で、アユムの身体はビクビクと跳ねてしまう。
 ふたりがかりで攻められると、いつだってアユムは逆らえなかった。
 成り行きのまま流されるようにして始まった関係だから、付き合っているという意識は互いにない。
 アユムが並み居る誘いを全て断るのは、このふたりの相手をするだけでいっぱいいっぱいだからで、フリーだということになっているのは単に相手がふたりもいるなどと言ってまわる気にはなれないからだ。
 誰に隠すつもりもなくなぜか知られずにいる関係は、かれこれ1年ほど続いている。
 リョータの手がアユムのモノを嬲り始めた。
「んんッ、……ん……っ……」
 堪らずアユムは腰を揺らめかす。
 先刻からリョータの手に弄ばれ反応をみせていた半身は、さらなる刺激に熱をおびすっかり勃ちあがっていた。
「ふ……ん……、んん……ッ……」
 リョータのもう一方の手がアユムの後ろにも悪戯を仕掛けてくる。
 双丘の狭間をつついて擽った後、指の1本が中まで入り込んできた。
「んふ……う……っ……」
 指はすぐに早い動きとなって、中をぐちゃぐちゃに掻きまわす。
 最初のチリッとした痛みもすぐに忘れた。
 前を後ろを同時に弄られて、気の遠くなるような快感にアユムは身悶える。
「ん……ん……んん……っ」
 嫌々と首を振った拍子にヒロヤのモノが口を外れた。
 顔を僅かに後ろへ向け「やめて」と訴えようとしたアユムの中に、リョータは指を抜いて自身を埋め込んでくる。
「ヒッ」
 綻ぶ襞を掻き分けズルリともぐりこんでくる楔に、アユムは弾けるように背を撓らせた。
「ああぁぁぁ―――!」
 高い声があがる。
「ヒ……ッ……、あっ……ああぁぁ……ッ」
 腰が掴まれ背後からきつく突きこまれた。
 脳にまで快感が突き抜けていく。
 堪らなくて、アユムは頭を打ち振った。
 さらさらと音をたて揺れる髪を、ヒロヤの手が優しい仕種で撫でる。
「声も表情も絶品だな、アユム」
 甘く囁く口調は穏やかなのに、意地悪な指はアユムの乳首をきつく抓んだ。
「や……ッ……ああ……ッ……」
 与えら続ける快感に赤く尖った乳首はひどく敏感になっている。キュッと捻るように抓まれては堪ったものではない。
「やめ……ッ、……離し……っ……あっ、……あくッ……」
 電流とも似た痺れが脊椎を駆け昇る。
「く……う……ッ……、……あ……っ……あうぅ……ッ」
 前に気を取られたところを大きく突きこまれ、頭の中が真っ白になった。
「んう……ッ……あ、あ、……ああぁぁ―――ッ」
 奥深くまで貪られ背が反り返る。
 絶頂感に抗いようもなく、アユムは昇りつめていた。
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