Powerful Summer

崎矢梨斗

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 ゆっくりと緩慢だった動きが激しさを増してくる。
「う……あ……っ」
 下からなんども突き上げられて、アユムは背を撓らせた。
 ぞくぞくする。
 息が乱れて苦しいほどなのに、熱くなった身体はもっと刺激を欲しがって揺らいだ。
 最奥をぐりっと抉られて、無意識に中のモノを締め付けてしまう。
「あ……っ……ああっ、あ、あ」
 張り詰め今にも達してしまいそうな半身も、リョータの口腔に嬲られる。あまりの快感に身体中が総毛立った。
 小刻みに全身が震える。
 開かされた脚がつま先まで撓った。
 震える腰を大きく揺さぶられる。
「はう……ん……っ……、あッ……あう……っ」
 激しい突き上げに意識が朦朧とした。
 身体の奥の深い部分が疼いて、アユムは自分からも動かずにいられなくなる。
 腰を振り、快感を貪る。
 眩暈のような強すぎる悦楽に、嗚咽交じりの喘ぎを洩らす。
「あ、あ、あ……、ヒッ……う……」
 跳ねる腰を掴まれて強く引き下ろされた。同時に下から大きく突き上げられ、アユムは全身を硬直させる。
 ビクビクと痙攣を繰り返す身体に、熱い欲望が叩きつけられた。
「ひあッ……あうぅ……!」
 どうしようもなく乱れる。
「ダ……メ……っ」
 昂ぶりきったモノをきつく吸われ、こみあげる射精感に限界を越えた。
「やあぁぁ―――ッ」
 ガクガクとのたうつ。
 激しすぎる悦楽に身悶えながら、アユムはリョータの口に白濁を解き放ち果てていた。



 リョータの背におぶさって、暗い夜道を帰る。
 ヒロヤかリョータかどちらの家に行くかで少しもめたようだったが、結局ヒロヤの家の離れに向かうということで話しはついたらしい。
 どちらでも構わないけどとアユムはぼんやり思う。
 濡れた服が気持ち悪い。
 どうやら家には帰してもらえそうにないが、せめて服は着替えさせて欲しいなとうっすら考えた。
 全部脱いでしまったほうが早いのかも知れないけれども。
「白い着物とか良くないか?」
 ふたりの会話が小さくアユムの耳にも届く。
「きっとアユム似合うぜ。チラッと生足とか見えたりすんの」
 着替えの話しかと思ったら、どうやら肝試し当日の衣装のようだ。
 どうせそれも脱がされるハメになるんだろと自棄(やけ)のように思いながら、アユムはリョータの背に揺られ眠りの淵をたゆたうのだった。

                           *END*
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