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第二部
立ちはだかる試練 18
しおりを挟む「――理人、どうしておまえが、ここにいる?」
地を這うような低い声に、身体中が強張る。こんなに近くにいるのに、創介さんが遠く感じた。二週間前、笑顔で見送った時と全然違う。
「そんな風に睨まれる筋合いはないよ。弱り切っていた彼女を送って来ただけだ。それに――」
険しい表情をした創介さんに榊君が一歩近づく。
「こんな風に僕が彼女を助けるのが気に入らないなら、もっとちゃんとしろよ。こんなに彼女が追い詰められるまで放っておいて。あんたの言う守るって、なに?」
「――なんだと?」
「榊君、やめてっ!」
やめて。創介さんに、何も言わないで――。
強い眼差しで叫んだからか、榊君はすべてを飲み込むように顔を逸らした。
「……雪野、来いっ」
創介さんが私の腕を掴み上げ荒っぽくドアの鍵を開けると、私を部屋に押し込んだ。
「榊君、家まで送ってくれただけなの。本当に、それだけで」
掴んだ手の力が強くて痛い。閉じた扉に肩を強く押し付けられた。
見上げた先には、久しぶりに見る創介さんの顔。間近に見る創介さんの表情は、酷く歪んでいた。それでもまだ私は、取り繕おうとした。
「出張から帰って来るの来週のはずなのに、どうしたんですか? 帰って来るのなら連絡してくれれば――」
「何があった。何があったか言え!」
創介さんの身体から発せられる怒りに、身が竦む。
「理人には言えて、俺には言えないのか? 俺には、頼れないのか?」
違う。違うのに、どうしたらいいのか分からなくて、頭を何度も横に振る。
「どうして、俺に何も言わなかった? どうして黙っていたんだ!」
苦しげに吐かれた言葉に、息が止まる。
それは、どういう意味――?
創介さんが私の両肩を強く掴んだまま、その頭を俯かせた。創介さんの肩が微かに震えている。
どうして、創介さんは――。
「……昨日の明け方、雪野と電話で話した時、様子がおかしかったから神原に調べさせた」
それは、一体――。
ドクドクと心臓の鼓動が加速度的に早くなる。
「講演会でのことも聞いた。それに、幹部婦人たちとの会合でのことも――」
すべてが消えてなくなるような恐ろしい恐怖が身体中を駆け巡る。
「どうして、黙っていた!」
その声は切り裂くような怒号なのに、私を見つめる目はとても苦しそうだった。
「ご、ごめんなさい。創介さんに迷惑をかけるようなことしちゃったのに、報告しなくてごめんね。ごめんなさい」
創介さんは何を聞いたの? 創介さんの妻として恥ずかしい私のこと? 憐れむような目で見られた惨めな私――?
声が震えてしまう。
「俺のことなんかどうでもいい。おまえが辛い思いをしたんじゃないのか? 嫌な思いをしたんだろ」
まさか――?
嫌な予感がして、身体から血の気が引いて行く。
「……それで? それで、創介さん、出張中なのに、早く帰って来たの……?」
愕然とした心が、身体を冷たくして行く。
「大事なプロジェクトは……?」
自分のしてしまったことの大きさに、混乱する。そんなこと、創介さんにさせるつもりなかった。
私がいるから。私だから――。
創介さんはこんな風に仕事の途中で帰って来なければならなくなった。
もし、創介さんの奥さんが宮川凛子さんだったら――。
耳にしては傷付き、その度に跳ね返そうとして来た言葉。それが全部、線になって繋がって私の前に突きつけられる。
――仕事のことでも大変なのに、あなたのことも四六時中心配していなければならない。
「雪野!」
――苦しむあなたを見ていなければならない創介も、苦しいんじゃないかしら?
「創介さん、そんなの」
――宮川凛子さんほどの人を断って。
――あなたと結婚したせいで、関連会社になんか出向になった。
耳鳴りのようにいろんな人の声が重なって膨らんで、私の頭を埋め尽くす。それを振り払いたくて、頭を抱える。
「雪野っ」
痛いほどに掴まれていた肩から手のひらが離れる。次の瞬間、苦しいほどにきつく抱きしめられた。
「頼むから。俺に、全部話してくれ」
大きな手のひらが私をかき抱く。手も、腕も、目一杯身体を締め付けるから、呼吸もままならない。創介さんの香りに包まれているのに、私の身体は恐怖に震えて動けなかった。
「おまえが、この家で一人何を思っていたのかって、それを考えたら居ても立っても居られなくなった」
私の存在を確かめるように抱きしめるから、創介さんの苦しみが伝わって来るみたいで辛い。
「雪野、おまえの苦しみはおまえの口から聞きたいんだ」
創介さんの大きな身体に包まれているのに、哀しくて哀しくてどうしようもない。どうしようもなく哀しみだけが込み上げて来る。
「どうして、何も言わない……?」
絞り出すようにそう言ったかと思うと、何も言えずにいる私に苛立ったように私の頭を鷲掴むと唇を塞いだ。
「――んっ」
リビングの方から差し込んで来るあかりは、夕焼けからいつのまにか微かな白い筋になっている。怒りに満ちた口付けは、私たちを悲しみの中に堕として行く。何度も歯がかち合う。
「雪野……、答えろっ」
乱れた吐息と共に、掠れた声が吐き出された。荒っぽく強く腰を引き寄せられて 、首筋にあてがわれた創介さんの唇が強く私の肌を啄ばむ。
「や、やめて――」
「やめてほしければ、言え」
それは私を怒鳴りつけるものなのに。その声は泣いているようにも聞こえた。どれだけ創介さんが怒っているのか。どれだけ苦しんでいるのか。それが分かるから、余計に何も言えない。
「本当に、私は何とも思ってないんです、苦しいなんて思ってない……っ」
これから先も、創介さんの傍にいたい。だから、創介さんに心配なんかさせるわけにはいかない。
これ以上足枷になったら、私は創介さんの傍にいられない――。
「本当だよ。あれくらいのこと、平気だからっ!」
私が思わず叫んだ声に、創介さんが見せた表情――。
整っていたはずの前髪が一筋落ちて目にかかり、とても、哀しそうで。その表情に酷く胸が痛んだ。創介さんに、こんな顔をさせている。
「くそっ」
身体を反転させられると、ちぎられそうなほどに強い力で後ろから抱きしめられる。背中に触れる創介さんのスーツ越しの身体。耳にかかる吐息。鉄の扉に手を付く。必死で身体を支えようと、冷たい扉に手のひらを押し付けた。哀しくて涙ばかりが零れる。乱暴にされればされるほど、創介さんの哀しみが伝わって来る。
「雪野……っ」
中途半端にはだけた乱れた着衣のまま、創介さんがきつく身体を抱く。
「雪野、お願いだ。雪野――」
呻くように私の名前を何度も呼ぶ。
激しく身体を這う手のひらに、哀しいのに私からいつもと違う声が漏れる。創介さんに淫らに変えられた身体は、こんなに荒っぽく触れられているというのに、それが彼の手なら、簡単身体を火照らせる。この心も身体も、何年もかけて創介さんで埋め尽くされて。どうしようもないほどに、彼を求める身体になってしまっていた。そんな身体に作り替えられてしまったんだと思う。だから、こんなに哀しい行為でも、はしたなく乱れてしまう。
それでもやっぱり、創介さんはできないのだ。私を傷つけるようなことはできない。
いいのに――。
どんなに乱暴にしたって構わないのに。
「もっと抵抗しろよ。抵抗して、理人にではなく、俺に『辛かった』って言ってくれ。全部ぶちまけてくれ。俺にだけは、おまえの全部を見せてくれ。そうじゃないと、俺は――」
苦しそうにそう言うと、私を抱き上げた。あんなに乱暴に触れていたのに、嘘みたいに優しく抱きしめる。寝室のベッドに、私の身体を横たえるとすぐに創介さんが覆いかぶさって来た。
「俺の知らないところで、雪野が辛い目に遭って、苦しんで、」
何の抵抗もしない私の身体を創介さんが抱こうとしているのに、その行為はまるで創介さんが私にすがりついているみたいだった。
「それで、おまえが疲れ果てて――」
切羽詰まったように私の身体をまさぐるのに、その性急さが切なくて。私の目からはとめどなく涙があふれる。
「いつか、俺の元から去って行ったら――そう思うと、怖くて仕方なくて……っ」
いつもは優しく包み込むようなその腕が、今は、ただ私を離さまいとそれだけのために力が込められて。軋むように身体が痛い。心までもが締め付けられて痛くてたまらない。
「――苦しいんだ」
創介さんから吐き出されたその声が、私の胸に毒矢のように突き刺さり、痛みが広がって行く。
――創介も苦しいんじゃないかしら。
私が、苦しめている。寝室に満ちる薄闇が、私の心を締め付けて行く。
「……雪野」
会いたかった。早く、その腕で抱きしめてほしかった。ただ、それだけで良かったのに。どうして、こうなっちゃったんだろう――。
「雪野……っ」
創介さんの手のひらが何度も私の頬に触れ、止まらない涙を拭う。その指先があまりに優しいから、余計に涙が止まらない。
「おまえが苦しいと、俺も苦しい」
涙を拭いながら、創介さんが辛そうにそう言う。
「雪野……、何か、言ってくれ」
ブラウスの裾から入り込んだ手のひらが腰から滑って行く。私の身体の線をなぞるように触れた。その触れ方は私を確かめるようで。
「たった二週間で……っ」
呻いたようにそう言うと、創介さんが強く私を抱き上げた。その反動で腕がだらりと落ちる。
「大切なものを、壊したくないんだ。だから――」
創介さんが、震えている。私も、創介さんを壊したくない。
――創介のことを思うならどうするべきか。
分かっている。私だって、創介さんのことが大切だ。創介さんの家族が思うのに負けないくらい、たまらなく愛している。
一見怖そうで、少し強引なところもあるけれど、とても優しい人で。いつも私のことを大事にしてくれる。
なのに、私はあなたのためになれない。それって、こんなにも辛いことだったんだね――。
傍にいることしか出来ない自分。そんなこと結婚する前から分かっていた。一緒にいることが一番大事なんだって思っていた。
傍にいて、私は私なりに頑張ればいい――。
そう思っていたけれど。そんなに簡単なことではなかったのだ。
ただ私の身体から力なく垂れていた腕を上げ、創介さんの震える背中に回す。こんな風に、抱きしめられてその背中に手を回す時、いつもその背中の大きさを感じる。愛しい人の背中だ。その背中は、いつ見てもドキドキとしてしまう。
仕事に向かう創介さんの背中は、特別、かっこいい。そんな創介さんを支えたいのに、安心して仕事に打ち込めるように支えなければならないのに。支えになれないならせめて、足枷にはならないでいたかった。
「おまえのことが心配だ。心配でたまらない」
創介さんに心配をかけないために、黙っていればいいのだと思っていた。でも、結局、こうして創介さんに知られてしまう。どこからともなくその耳にも入ること。私が妻である限り、創介さんに心配をかけ続けて苦悩させてしまうのだ。創介さんが私を愛してくれればくれるほど、創介さんは苦しくなる。
創介さんが、丸菱のトップに立てなかったら――。
その時、私は、自分を責めるだろうか。自分を責めたところで、そんなこと何の意味もない。
――結婚して知った現実を、もう一度よく考えて。
それは、とても厳しかった。でも、結婚して知った現実は、厳しさだけじゃない。
創介さんの近くにいられた生活は、とても幸せで。創介さんと二人で暮らす生活は、想像していたよりもずっと楽しかった。創介さんの寝顔を見ることも、その日の始まりに一番に会えることも、並んで歯を磨いたりすることも、「ただいま」と言ってその日の終わりには私のところに帰って来てくれることも、全部、結婚して知った嬉しさで。だから、やっぱり、私は創介さんと一緒にいたい。
それが、たとえ、創介さんのためにならなくても――。
「愛してるんだ」
私も、愛してます――。
「おまえを、守りたい」
私が、言えることは――?
創介さん、ごめんなさい。
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