大東亜架空戦記

ソータ

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連合国軍参戦

第116話 夜間空襲

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日本海軍とドイツ海軍の艦隊決戦は既に5時間に及んでいた。
その中で日本軍は戦艦武蔵など、多数艦艇をを失いながらもドイツ海軍、戦艦シャルンホルストなど、敵主力戦艦に多大なるダメージを与えていた。

「連合艦隊より入電!」
「なんと言ってる」
「離脱シ、夜明ケヲ待チ航空戦力ニテ敵艦隊ヲ攻撃、之ヲ殲滅セヨ」
「この状況で敵から離れろと!?我らは今同航戦で真横で撃ち合っているのだぞ!?」
「赤城より入電!」
「今度はなんだ!」
「我之ヨリ搭乗員ヲ選出シ、敵艦隊ヘノ夜間攻撃ヲ敢行ス、第一艦隊司令長官代理ノ許可ヲ頂キタシ」
「どいつもこいつも....勝手にしろ!俺はもう知らん!」
「小柳閣下...」
「赤城に返信、必ずや成功せしめよ。以上」
「はっ!」

赤城艦長太田実中将は現在傘下にある空母13隻に搭乗員の選抜を行い、攻撃隊を編成せよと下命、
しかし第六航空戦隊、第七航空戦隊はこれを拒絶、夜間攻撃に反対した。
そこで赤城航空参謀、淵田美津雄大佐が第六航空戦隊司令官城島中将に直談判を行う。
「夜間攻撃などやるだけ無駄である」
「本命は夜明け後の攻撃です!ここで重要なのは戦闘中の打撃艦隊を敵から引き離すことです!どうかご協力を!」
「では今回出撃し、帰還できなかったものは無駄死にと言うのだな?」
「そんなことは申しておりません!優先度の話をしとるのです!」
「淵田大佐」
「は、はい」
「貴様も攻撃隊を率いた軍人だ、夜間攻撃がどれだけ難しいことかわかっているだろう」
「薄暮攻撃と違い、空母を発艦すれば頼りにできる明かりなど何も無くただ真っ暗な夜空を眺め進みます。しかし今は隊長機には電探が付いております。従来よりは生還率も上がるものと心得ます」
「歴戦の攻撃隊長が言うのであれば間違いないのであろう。」
「では、」
「しかし我々は今回の攻撃には参加出来兼ねる」
「....了解致しました。太田中将には私からご説明差し上げます。」
「すまぬ。」

「そうか。やはり参加せぬか。」
「では空母9隻での攻撃になりますか」
「ああ。」
「揚羽を抜いて8隻です。」
「戦闘機隊は捻出できるだろう」
「揚羽は先程の艦隊直掩にて戦闘機数機を失い稼動機体が20機程との報告が来ています。夜明け後の攻撃を見据えれば温存するのが妥当と進言致します」
「そうか。淵田航空参謀に従おう、各艦に通達、出撃は30分後二一〇〇」
「はっ、そのように」
「頼む」

「山本大佐」
「菅野か」
「夜間戦闘に出撃されるのですか」
「もちろんだ、制空隊長が行かんでどうする」
「俺も行きます、2番につけてください」
隆雄は菅野の言葉に驚いた。
宮田もこの言葉に目をまん丸にしている
「菅野大尉!お言葉ではありますが2番は自分です!お譲りすることはお断りさせていただきます!」
「山本大佐」
「宮田の言う通りだ、お前には2番機ではなく2中隊を任せる、お前のストライプは黄色だから夜間でも目立つ、お前の部下もその方が安心するだろう」
「分かりました。宮田中尉すまなかった」
そう言い残すと菅野はスタスタと戻っていく
その後出撃メンバーが発表され、それぞれが自機に乗り込む。
そして丁度21時に隆雄の烈風が動き出す
赤城、加賀、蒼龍、飛龍、奄美、瑞鶴、葛城、瑞鷹の8隻から発進した攻撃隊約120機が打撃部隊の元へ向かう

「攻撃隊長友永、我先導ス」
「制空隊、了解」
 攻撃隊の友永少佐が先行し戦闘機隊はそれを追いかける形になった。
1時間半もすると艦上攻撃機流星のレーダーに艦影が映り始める
「よし捉えた。各隊進路そのまま」
そして出撃から2時間と5分がたった22時05分、攻撃隊の襲撃が始まる。
このときドイツ艦隊も航空隊の接近にレーダーで捉えていたものの夜間であるため敵が目視で確認できず対処が遅れていた。
Z31駆逐艦が射撃を始め、そこに他の艦艇も機銃による射撃を行うが効果は見られない。
日本艦隊も航空隊の攻撃開始と同時に砲撃をやめており、既に空母部隊の方向へと転進していた。
「ほんとに来ましたな」
「太田くんの度量に天晴れだ」

「撃て撃て!」
「敵が見えない!どこにいる!」
日本艦隊が砲撃を辞めていることに気付かないほどにドイツ軍の集中は航空隊に張り付けられている
「まさか本当に航空夜間攻撃をする国があるのか。」
「都市部への攻撃なら理解できますが艦隊攻撃など...」
「これが日本か...被害は」
「未だ報告は来ておりません」
「そうか。見張り員、目視で確認できる被害はあるか」
「いえ、爆発などはまだありません」
「そうか。」
ドイツ艦隊は探照灯を照射し、日本軍機を捉え始めるが、日本軍もまたその照射された探照灯に向かって突撃していく
航空魚雷初弾は最初に日本軍機を発見したZ31駆逐艦であった。
やはり駆逐艦相手には日本軍の四式航空酸素魚雷は強力でたった2発の命中弾のみで爆散。
他にもプリンツ・オイゲンにも3発命中、駆逐隊による攻撃を受けていたのもあり、速力が大幅に低下していた。
「一方的にやられているだけなのか!?」
直後戦艦ヒットラーの艦尾から衝撃が走る。
「なんだ!?」
「敵機が激突!大した損害はありません!」
「そ、そうか。」
結果的にこの日本軍の夜間航空攻撃はドイツ軍に対して駆逐艦3隻撃沈、プリンツ・オイゲン中破、リュッツオウ小破のみと軽微なものしか与えられなかったが、本題である打撃艦隊の離脱は果たせたのであった。

「俺たちの本題はここからだぞ」
「どう帰るか...ですな」
航空隊は今戦闘空域より離脱し、真っ暗闇の中を進んでいる。
「現在地は大体わかるが....」
「我々の家はどこでしょうな」
「電文を使えばわかるでしょうが」
「敵に傍受されたらどうするんだ。」
「敵さんも夜間攻撃なんてしないでしょう」
「万が一があっても困る」
「確かに」
「ん、彗星隊が外れていきますな」
友永少佐搭乗の流星に1機の彗星が近づいてくる
そしてその彗星はピッタリと横にくっついた。
「手信号ですね、我に続け、ですって」
「あちらさん艦隊の場所がわかんのかね」
「行きますか?」
「おうさ」
「よーそろ」
そして1時間半後航空隊は艦隊上空へ到着、任務を果たした。
未帰還機12機、流星隊8機、彗星隊4機と少数の犠牲ですんだ事に皆は安堵した。
時刻は既に午前1時を回っており、整備隊はすぐに燃料や弾薬の補給、被弾しすぐには使えない機体を下げ予備機を出してくるという作業をしていた。
「落下傘お預かりします」
整備員が駆け寄ってくる
「いやいい、近くで置いといて後ですぐにつける」
「か、かしこまりました」
夜明けまであと5時間ほどである為搭乗員は飛行服のまま仮眠をとる。

そして午前6時、総員起こしとなり、搭乗員は飛行甲板へ急いだ
甲板へついて驚いたのは既に打撃艦隊と合流し第一艦隊、第三艦隊の連合艦隊へと元通りになっていたことであった。
今回の作戦には第六航空戦隊、第七航空戦隊もしっかり参加し、揚羽など温存していた戦力も投入し大規模航空攻撃となる。
そして午前6時半、第1次攻撃隊300機が発艦、一路ドイツ艦隊を目指す。
このときドイツ艦隊は切り離した空母艦隊と未だ合流できておらず日本軍攻撃隊が到着するまでの間に合流できるかできないかの瀬戸際であった。
そのため戦闘機での迎撃準備に少し手間どっていた。
「早く行かねぇと日本が来るぞ」
「出すだけ出してあとから送ってくればいいものを。」
パイロット達はざわついていた。
もちろん艦橋でも一悶着起きており、幹部らが言い合いを続けていた。
「とにかく発艦だけは済ませておかねば!」
「日本機と違い我々の戦闘機は航続距離が短い!燃料の問題があるのだ!」
「ならば早く戦艦部隊に座標を送らせろ!今更バレたところで何も変わらんだろう!」
「もしまだ日本軍が戦艦部隊の座標を正確に把握しきれていなかったらどうする!案内するようなものだろう!?」
この時点での時刻は午前6時50分
この5分後に日本軍艦隊からは第二次攻撃隊約250機が出撃した。

午前7時40分、日本軍攻撃隊の電探にドイツ艦隊が映り込む。
さらに午前7時58分、第二次攻撃隊の電探でもドイツ艦隊を捕捉する。
このとき第一次攻撃隊が捕捉したのはドイツ軍戦艦部隊であり、第二次攻撃隊が捕捉したのは空母部隊である。
第一次攻撃隊隊長は赤城所属友永少佐、第二次攻撃隊隊長は生駒所属嶋崎重和中佐であり、午前8時丁度に第一次攻撃隊が打撃部隊に襲撃を始めた。
第一次攻撃隊の初弾は戦艦ティルピッツへの四式航空酸素魚雷三本命中であった。
しかしティルピッツも流星3機を撃墜と必死に抵抗を続ける。
戦闘機を含め300機の敵機に囲まれ航空戦力がない打撃部隊は圧倒的に不利な状況での戦闘を強いられる。
結果的には戦艦ティルピッツ、バイエルン、ヴュルテンベルク、重巡洋艦アドミラル・ヒッパー、プリンツ・オイゲン、軽巡洋艦ニュルンベルク、駆逐艦6隻が轟沈、戦艦バーデン、重巡洋艦ドイッチュラント、ブリュッヒャー、リュッツオウが中破、戦艦ヒットラー、モルトケが小破であった。
この時点で打撃艦隊に残された艦艇は、

戦艦:ヒットラー、モルトケ、バーデン
重巡洋艦: ブリュッヒャー、リュッツオウ、ドイッチュラント、アドミラル・シェーア
軽巡洋艦: ケーニヒスベルク、カールスルーエ、ケルン、ミュンヘン、コミューン
駆逐艦3隻

計15隻であった。
そして、無傷の艦艇は0である。

午前8時10分、第二次攻撃隊が空母部隊に対して攻撃を開始、迎撃機による反撃により日本軍攻撃隊も損害を被る。
その中を掻い潜り敵艦隊に最初に到達したのは第六航空戦隊攻撃隊長嶋崎中佐であった。
嶋崎中佐搭乗の一式艦攻による空母パリへの攻撃が初弾となる。
パリは魚雷5発を左舷中央に受け、あっという間に海底へ消えていった。
さらにスターリングラード、ペーター・シュトラッサーへも魚雷が次々と命中、ペーター・シュトラッサーは魚雷5発を受けながらも何とか耐え抜いたがスターリングラードは4発目が燃料庫に誘爆、真っ二つに折れ、轟音を起てながら海底へと消えていく。
しかしそのペーター・シュトラッサーにも艦上爆撃機彗星が襲いかかる。
「茅野、用意」
「了解」
大澤大尉搭乗の彗星は狙いを炎上しているものの未だに航行を続けているペーター・シュトラッサーに定め、急降下の進路に入る。
「1中隊突撃」
『了解』
2番機以降の僚機からも返答が返ってくるとすぐに大澤機が突っ込んでいく。
彗星に搭載されているアツタ四三型エンジンが轟音を起てながら速度を上げていく。
「エアブレーキ展開、展開、灯」
グンッと機体の速度が落ちる。
「爆倉庫解放、投下!」
直後バチバチッという音が機体のあちこちから聞こえてくる。
「なんだ!」
「敵機!」
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