青春日記~禁断の恋だとしても、忘れられない日常を綴ります~

いちごみるく

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10月に入り、いよいよ受験前の色んな準備が進んできている。

毎週末のように模試を受けているため、菜摘さんと会う機会がグッと減ってしまった。

だけど菜摘さんも最近体調が優れないと言っていたので、土日も家でゆっくり休んで欲しい気持ちもあった。


僕は菜摘さんに会えない寂しさを紛らわすかのように、今まで以上に勉強ばかりしていた。

その成果が出て、今のところどの予備校の模試を受けてもA判定を出すことができている。

ここから気を抜かないで努力し続ければ、もしかしたら菜摘さんと同じ中学に進学できるかもしれない。

菜摘さんが僕の志望校の教員になることはまだ確定していないけれど、今、採用に向けて色々と動いているとは聞いた。

僕は学校生活でも菜摘さんと過ごせることを期待しながら、今の時期を乗り越えていこうとしている。


「なあ隼。まさかと思うけど菜摘さんって子供いるのか?」


ある日の昼休み。

僕が机に向かっていると、村上くんが突然話しかけてきた。

「え!?子供??……いないはずだけど…」

「あー。じゃあ親戚の子か何かか?前にゲーセン行ったらさ、菜摘さんと俺らと同じくらいの年の女の子が遊んでたんだよ。」

「もしかしてその子、菜摘さんの姪じゃないかな?歳の離れたお姉さんがいて、その娘さんをたまに面倒見ているって言ってたよ。」

「なんだ姪かぁ。」

「そもそも……僕たちと同い年くらいなら、菜摘さんは14歳でその子を産んだことになるよ。」

「そっかそれもそーか。普通はあり得ないもんな、その歳で親になるなんて。」


確かに村上くんの言う通り、自分が14歳になった時のことを想像すると、親になっているなんて全く思えない。

いつかは菜摘さんとの子供を授かりたいとは思っているけど……。

「隼は菜摘さんとの子供、何歳くらいで欲しい?」


僕が考えていることを見透かしたようなタイミングで村上くんが聞いてきた。


「うーん。想像も出来ないけど……。きちんと働いて菜摘さんと子供を安心して育てられるくらい地に足着けるようになってからがいいかな。」

「めちゃくちゃ現実的だなお前。大人みてぇなこと言いやがって。」

「そんなことないよ。……でも今の僕からだいぶ成長しないことには、どっちにしろまだまだ無理だよ。」


自分について振り返り、いつものように若干の自己嫌悪に陥りながら答えた。

僕は数年後には……いや1年後には、少しは変わっているのだろうか。

来年の今頃、少しは成長しているのだろうか……。
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