111 / 213
7人目:とある刑事の話
1
しおりを挟む
ここに来て、事態が急展開した。
「藤井海吏が、あの旭堂中学殺人事件の犯人じゃないって本当ですか……!?」
ある休日の夜、部下が驚いた声で俺に電話をかけてきた。
「いや、しかし……いろんな調査を重ねた結果、犯人が確定したんだぞ?」
「そうですけど、それが……実は元々、もう1人捜査線に浮上していた人物がいたんです……」
「誰だ……?」
俺は、ここで醍醐隼の名前を想定していた。
しかし………
「山内愛莉……あなたの娘さんです」
電話の向こうで響く部下の声が、やけに大きく俺の耳に届く。
「……は?愛莉が……?」
「はい。今、彼女の親友と醍醐隼が話しにきました。」
「そんなこと……戯言じゃないのか?」
「我々もはじめはそう思ったんですけど……彼らの話を聞いていくうちに、確かにあの事件にはいくつか不思議な点があったということを思い出しまして」
「………わかった。とりあえず向かう」
俺はそう言って電話を切って家を出た。
愛莉があの事件の犯人だ、と……?
それを醍醐隼が伝えに来た……?
部下が伝えてきたこの話を、俺はこのとき半ば本気で捉えていなかった。
だけど部下の言い方が妙に引っかかる部分も多かったから、とりあえず職場に向かって話を聞くことにしたのだった。
「藤井海吏が、あの旭堂中学殺人事件の犯人じゃないって本当ですか……!?」
ある休日の夜、部下が驚いた声で俺に電話をかけてきた。
「いや、しかし……いろんな調査を重ねた結果、犯人が確定したんだぞ?」
「そうですけど、それが……実は元々、もう1人捜査線に浮上していた人物がいたんです……」
「誰だ……?」
俺は、ここで醍醐隼の名前を想定していた。
しかし………
「山内愛莉……あなたの娘さんです」
電話の向こうで響く部下の声が、やけに大きく俺の耳に届く。
「……は?愛莉が……?」
「はい。今、彼女の親友と醍醐隼が話しにきました。」
「そんなこと……戯言じゃないのか?」
「我々もはじめはそう思ったんですけど……彼らの話を聞いていくうちに、確かにあの事件にはいくつか不思議な点があったということを思い出しまして」
「………わかった。とりあえず向かう」
俺はそう言って電話を切って家を出た。
愛莉があの事件の犯人だ、と……?
それを醍醐隼が伝えに来た……?
部下が伝えてきたこの話を、俺はこのとき半ば本気で捉えていなかった。
だけど部下の言い方が妙に引っかかる部分も多かったから、とりあえず職場に向かって話を聞くことにしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる