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冤罪少年の話
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「先輩……俺が、あの時つけた傷……」
俺は、目の前に座った隼先輩の顔と手首をガラス越しに見ていた。
「しばらくは痕が残ってたけど…色々治療したりしたら、今はこんなに目立たなくなったよ」
俺を安心させるかのように優しい笑顔のまま、隼先輩は綺麗な肌を見せてきた。
「先輩……俺…あのとき、先輩のこと……」
俺は思い出すだけでも吐きそうになるあの時の感情を、また思い出していた。
「海吏、もう大丈夫だよ。確かにすごく痛かったし苦しかったけど……海吏が今まで感じてきた辛さに比べたら、俺は全然我慢できるものだったから」
さっきと変わらず落ち着いた様子で俺の目を見る隼先輩は、俺の奥にある色んな隠し事をまるで見つけ出してそっと包むかのような言い方をした。
「でも俺……先輩のこと…あの日…」
「大丈夫だよ海吏。落ち着いて。本当に大丈夫だから。」
「だけどあの時……先輩は、俺と……」
「うん。あの日海吏と話したことに、俺はなんの嘘もついてないし今でも変わらないよ」
思わず溢れる涙が視界を曇らせる。
隼先輩が、あの日の俺を許しているということを、俺は信じられなかった……
「海吏……ずっと2年間、一人で何も言わずに過ごしてきたんだよね?海吏のことだから、色んな気持ちを押し込めて無理矢理乗り切ろうとしてたんじゃないかな?だから……」
隼先輩は俺の心を見透かしていた。
だけど、俺は色んな感情を無理矢理押し込めてきたのではない…
そう言いたかったのに、心から言えない自分がいた。
「だから海吏……今だけでもいいから、海吏が知ってる本当の事を…全部話してくれないかな?」
優しく問いかける隼先輩は、あの日のまま本当に何も変わっていなかった。
俺は、目の前に座った隼先輩の顔と手首をガラス越しに見ていた。
「しばらくは痕が残ってたけど…色々治療したりしたら、今はこんなに目立たなくなったよ」
俺を安心させるかのように優しい笑顔のまま、隼先輩は綺麗な肌を見せてきた。
「先輩……俺…あのとき、先輩のこと……」
俺は思い出すだけでも吐きそうになるあの時の感情を、また思い出していた。
「海吏、もう大丈夫だよ。確かにすごく痛かったし苦しかったけど……海吏が今まで感じてきた辛さに比べたら、俺は全然我慢できるものだったから」
さっきと変わらず落ち着いた様子で俺の目を見る隼先輩は、俺の奥にある色んな隠し事をまるで見つけ出してそっと包むかのような言い方をした。
「でも俺……先輩のこと…あの日…」
「大丈夫だよ海吏。落ち着いて。本当に大丈夫だから。」
「だけどあの時……先輩は、俺と……」
「うん。あの日海吏と話したことに、俺はなんの嘘もついてないし今でも変わらないよ」
思わず溢れる涙が視界を曇らせる。
隼先輩が、あの日の俺を許しているということを、俺は信じられなかった……
「海吏……ずっと2年間、一人で何も言わずに過ごしてきたんだよね?海吏のことだから、色んな気持ちを押し込めて無理矢理乗り切ろうとしてたんじゃないかな?だから……」
隼先輩は俺の心を見透かしていた。
だけど、俺は色んな感情を無理矢理押し込めてきたのではない…
そう言いたかったのに、心から言えない自分がいた。
「だから海吏……今だけでもいいから、海吏が知ってる本当の事を…全部話してくれないかな?」
優しく問いかける隼先輩は、あの日のまま本当に何も変わっていなかった。
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