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1、始まりの逃避とウサギの国での活劇
カラスの血
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勢いよく飛び出した弾は暴れまくる大蛇の右目に打ち込まれ・・・・。
「よっしゃ、命中!」
「けど、寝ぇへんなぁ」
「・・・怒っている」
「ひょっとして藪蛇だったんじゃないの」
好き勝手町を破壊していた蛇の目が4人を捕らえる。攻撃を受けて明らかに怒っている。その目を見てレイカは思い出した。
「そぅいえば、蛇って視覚じゃのうてピット器官、熱を感知するセンサーで獲物の動きを追いはるって・・・言ってはった・・・・・・」
万事休す。そう思ったときだった。
「動きを止められれば何とできるか?」
「そりゃ、魔導歌唱える時間さえあれば強力な魔法はあるけど?」
「うちもまだあの迷惑者から得た魔力が十分にありますぇ」
「だが、どうするんだ。掻き集めた鎮静剤も効かなかったんだぞ」
「・・・大丈夫、絶対に死はしない。信じて」
その笑顔は柔らかな祝福を携えた天使のようだった。
「そういう顔をするときに任せるとろくでもない事やらかすからあんまり任せたくないんだが、今回だけだぞ」
「・・・イスカ殿とレイカ殿は避けた後魔導歌の演唱を。ロイズ殿は蛇の下の地面を陥没させてほしい」
「わかったわ」
「任してぇな」
「いいか、くれぐれも無茶するなよ」
「わかった・・・・・・来る!」
口を開けて突っ込んでくる大蛇。その牙からイスカはレイカを抱えて右に飛んで別の建物の屋根に下り立つと魔導歌を唱え始める。大蛇のほうを見て驚愕したロイズは反対に飛び、地面に下りた。
「あのバカ。無茶するなって言っただろうが!」
直前までロンに動く様子はなかった。あのままだと確実に攻撃を喰らっている。そして、見えたのだ。大蛇に片腕を食われたロンの姿が。
「ちっ、落ちれ、底なる元へ、カーヴィソイル!」
弾丸に魔力を込めて大蛇がいる真下の地面へと拳を放つ。一気に地盤沈下して大蛇の全身が地面より低くなる。
その衝撃で開いた牙の隙間からロンは脱出した。駆け寄ったロイズが手を伸ばすと負傷していない方の手で摑まった。引き上げる時にロンの体が異様に軽いことにロイズは気付く。どうやら調査の間また絶食していたらしい。
「無茶するなといっただろう。何考えてんだ!」
「・・・直接摂取させないと。片腕を丸ごと食べられればもう少し速いのだが」
「何がだ!」
「・・・廻りが」
「何の?」
「・・・毒。即吸収され効果を出す致死性の神経毒。あの大きさだから出血程度の量では死なないが、動きを止めるぐらいはなる」
「はいはい、おまえの血は凄い」
陥没した地面の中で大蛇が苦しそうにもがいている。どうやら、ロンが捨て身で飲ませた血液毒は効果があったようだ。次第に身を攀じる動作が緩慢になっていく。
「こっちも準備オッケーよ」
手を握り、魔導歌を唱え始めると2人の気は融合同調し、巨大な1つのエネルギーとなって大きく膨らんでいく。湧き上がる気がお互いを繋げる手とは反対の手に集中する。
「閃烈の如き光の炎よ!」
「幽豪たる闇の炎よ!」
「「2つの心の元に交われ、アソシエーションブラスト!」」
二人が生み出した光線が螺旋状に交わりながら蛇に向かって一直線に進み、大蛇の口の中に入ると巨大な爆発を起こす。火を生み出した龍神と彼に匹敵する強さを持つといわれた魔貴族、この世界を作り出した神そのものとセヴァーニブルの火を司るとされる魔族の貴族、双方から力を借りた術を融合した協合魔法の威力は凄まじく、城下町全てを吹き飛ばし巨大なクレーターをもう一つ作成した。
続く
「よっしゃ、命中!」
「けど、寝ぇへんなぁ」
「・・・怒っている」
「ひょっとして藪蛇だったんじゃないの」
好き勝手町を破壊していた蛇の目が4人を捕らえる。攻撃を受けて明らかに怒っている。その目を見てレイカは思い出した。
「そぅいえば、蛇って視覚じゃのうてピット器官、熱を感知するセンサーで獲物の動きを追いはるって・・・言ってはった・・・・・・」
万事休す。そう思ったときだった。
「動きを止められれば何とできるか?」
「そりゃ、魔導歌唱える時間さえあれば強力な魔法はあるけど?」
「うちもまだあの迷惑者から得た魔力が十分にありますぇ」
「だが、どうするんだ。掻き集めた鎮静剤も効かなかったんだぞ」
「・・・大丈夫、絶対に死はしない。信じて」
その笑顔は柔らかな祝福を携えた天使のようだった。
「そういう顔をするときに任せるとろくでもない事やらかすからあんまり任せたくないんだが、今回だけだぞ」
「・・・イスカ殿とレイカ殿は避けた後魔導歌の演唱を。ロイズ殿は蛇の下の地面を陥没させてほしい」
「わかったわ」
「任してぇな」
「いいか、くれぐれも無茶するなよ」
「わかった・・・・・・来る!」
口を開けて突っ込んでくる大蛇。その牙からイスカはレイカを抱えて右に飛んで別の建物の屋根に下り立つと魔導歌を唱え始める。大蛇のほうを見て驚愕したロイズは反対に飛び、地面に下りた。
「あのバカ。無茶するなって言っただろうが!」
直前までロンに動く様子はなかった。あのままだと確実に攻撃を喰らっている。そして、見えたのだ。大蛇に片腕を食われたロンの姿が。
「ちっ、落ちれ、底なる元へ、カーヴィソイル!」
弾丸に魔力を込めて大蛇がいる真下の地面へと拳を放つ。一気に地盤沈下して大蛇の全身が地面より低くなる。
その衝撃で開いた牙の隙間からロンは脱出した。駆け寄ったロイズが手を伸ばすと負傷していない方の手で摑まった。引き上げる時にロンの体が異様に軽いことにロイズは気付く。どうやら調査の間また絶食していたらしい。
「無茶するなといっただろう。何考えてんだ!」
「・・・直接摂取させないと。片腕を丸ごと食べられればもう少し速いのだが」
「何がだ!」
「・・・廻りが」
「何の?」
「・・・毒。即吸収され効果を出す致死性の神経毒。あの大きさだから出血程度の量では死なないが、動きを止めるぐらいはなる」
「はいはい、おまえの血は凄い」
陥没した地面の中で大蛇が苦しそうにもがいている。どうやら、ロンが捨て身で飲ませた血液毒は効果があったようだ。次第に身を攀じる動作が緩慢になっていく。
「こっちも準備オッケーよ」
手を握り、魔導歌を唱え始めると2人の気は融合同調し、巨大な1つのエネルギーとなって大きく膨らんでいく。湧き上がる気がお互いを繋げる手とは反対の手に集中する。
「閃烈の如き光の炎よ!」
「幽豪たる闇の炎よ!」
「「2つの心の元に交われ、アソシエーションブラスト!」」
二人が生み出した光線が螺旋状に交わりながら蛇に向かって一直線に進み、大蛇の口の中に入ると巨大な爆発を起こす。火を生み出した龍神と彼に匹敵する強さを持つといわれた魔貴族、この世界を作り出した神そのものとセヴァーニブルの火を司るとされる魔族の貴族、双方から力を借りた術を融合した協合魔法の威力は凄まじく、城下町全てを吹き飛ばし巨大なクレーターをもう一つ作成した。
続く
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