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8ー20、カラス、のぼせる
エターナニル魔法学園特殊クラス
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一方、イスカは
「ロン、しっかりして」
湯当たりしたロンを介抱していた。結局、リトアと交代でお風呂に入ったのはいいのだが、普段シャワーで済ませている我慢強い人が訳有りで長時間浸かっていた。結果、茹蛸が一つ出来上がった。
「ロン君、無理は禁物だよ」
「・・・お風呂、熱い」
「源泉にでも浸かったの?」
「・・・・・・わかんない」
「ロンにしては珍しい失敗よね。次はあたしが入ってくるからちょっと休んでなさい」
「・・・了解」
介抱をリトアに頼み、イスカはお風呂に向かった。
「昼間っから風呂ってのも故郷に帰ってきたみたいね」
そして、大浴場のドアを開き、
「ウワァァァッァァァアアアアアァァァァ」
脱水場にいた男性客から悲鳴が上がった。気にせずに脱水場に入ろうとして、イスカは番頭に止められた。
「すみません、変身系の魔法は解除してからにしてください」
見る人が見ればすぐばれるイスカの変化術。精霊眼を持っているレイカが気付いていないのは、好意がなせる業か、現実逃避の賜物か。
「参ったなぁ。解除したくても解除できないのよね」
ポリポリと頭を掻く。レイカと出会う前に覚えた術は決して完成してはなかった。対応できたのは変身だけで解除を教えてもらう前に師匠は蒸発した。今でも理由は分からない。一度解除できたのだが、その時の感覚を忘れてしまった。
「仕方がない。リトア先輩と交代して・・・・・・」
そこまで呟いた時、イスカは振り返った。全身からドッと汗が噴き出し、瞳孔がカッと見開かれる。それはあの腕に会った時と同じ感覚だった。得体の知れない視線が背中に突き刺さった。
「嫌だ。あいつがいる!?」
「どうしたの、イスカく、ちゃん」
やはりリトアにはばれているようだ。
「レイカには黙っといて。って、それどころ、なような。そうでもないような」
そして、イスカは結論を出した。
「それほど大したことじゃなかったわ」
先程までの取り乱しがまるでなかったかのようにイスカはリトアが出したお茶を飲んだ。さらに落ち着いたイスカが言うことには、
「あそこ、幽霊がいるわよ」
「そうなのかな。レイカちゃんは特に何も言ってなかったけど」
「間違いないって、ほら鳥肌」
「・・・いる」
「ロンもそう思うよね」
「・・・不具合発生。霊的な障害」
「目撃情報はこれから調べるとしても、生霊かな」
「何でそう思うの?」
「まず、幽霊だと仮定して話を進めるよ」
幽霊は暗闇を好む。光は成仏の道しるべであるため、とも言われているが、はっきりした理由は解明されていない。死霊が暗闇に生存する事実だけがある。人工光でもこのことは言えるため、幽霊は光に弱いとされている。事実、浄化は光属性の魔法である。
「生霊も霊だから同じことが言えるんだけれど、生の側面も兼ね備えているから幽霊よりは光に強いんだ」
炎で代用できたらイスカは幽霊嫌いにならないだろう。打撃が効かないことも一因である。
「つまり、居そうな辺りを照明で照らせばOK?」
「幽霊が犯人ならそれで解決なんだけど・・・・・・」
リトアはまだ納得がいかないようだ。
「リトア先輩はどうして霊の仕業だと思わないのよ」
「この辺りは幽霊を歓迎する風潮があるからかな。幽霊付きなだけで物件価値が上がっているし」
「・・・・・・」
イスカには信じられないことだった。
「それにこの周辺は幽霊が見える土地だから」
「そっか、普通に女将さんとか気付いていてもよさそうよね。とりあえず、レイカに霊視してもらおっか」
「そうだね。こればかりはどうしようもないかな」
さっそく、レイカに電話を掛ける。4コールで出た。
『イスカはん、どないしたん?』
「ちょっと霊視してもらいたいのよ」
『そっちでどすか?霊おらへんかったと思うけど』
「それがいるのよ。大浴場に!」
『・・・わかった。けど、大浴場外にはおらへんかったから』
「ごめん、何が言いたいのかわかんない」
『先輩に聞けば分かるよ。こっちの霊視ももうちょっとで終わるからそしたら帰れる』
「わかったわ。けどくれぐれも無理をしないようにね」
『はいな』
電話を切るとイスカは深い溜息を吐いた。
「どうしたのかな?」
「レイカすぐに戻れないって」
「そっか、残念だったね」
並べられていくご馳走を遠い目で眺めながらリトアは言う。6人前くらいはありそうだ。
続く
「ロン、しっかりして」
湯当たりしたロンを介抱していた。結局、リトアと交代でお風呂に入ったのはいいのだが、普段シャワーで済ませている我慢強い人が訳有りで長時間浸かっていた。結果、茹蛸が一つ出来上がった。
「ロン君、無理は禁物だよ」
「・・・お風呂、熱い」
「源泉にでも浸かったの?」
「・・・・・・わかんない」
「ロンにしては珍しい失敗よね。次はあたしが入ってくるからちょっと休んでなさい」
「・・・了解」
介抱をリトアに頼み、イスカはお風呂に向かった。
「昼間っから風呂ってのも故郷に帰ってきたみたいね」
そして、大浴場のドアを開き、
「ウワァァァッァァァアアアアアァァァァ」
脱水場にいた男性客から悲鳴が上がった。気にせずに脱水場に入ろうとして、イスカは番頭に止められた。
「すみません、変身系の魔法は解除してからにしてください」
見る人が見ればすぐばれるイスカの変化術。精霊眼を持っているレイカが気付いていないのは、好意がなせる業か、現実逃避の賜物か。
「参ったなぁ。解除したくても解除できないのよね」
ポリポリと頭を掻く。レイカと出会う前に覚えた術は決して完成してはなかった。対応できたのは変身だけで解除を教えてもらう前に師匠は蒸発した。今でも理由は分からない。一度解除できたのだが、その時の感覚を忘れてしまった。
「仕方がない。リトア先輩と交代して・・・・・・」
そこまで呟いた時、イスカは振り返った。全身からドッと汗が噴き出し、瞳孔がカッと見開かれる。それはあの腕に会った時と同じ感覚だった。得体の知れない視線が背中に突き刺さった。
「嫌だ。あいつがいる!?」
「どうしたの、イスカく、ちゃん」
やはりリトアにはばれているようだ。
「レイカには黙っといて。って、それどころ、なような。そうでもないような」
そして、イスカは結論を出した。
「それほど大したことじゃなかったわ」
先程までの取り乱しがまるでなかったかのようにイスカはリトアが出したお茶を飲んだ。さらに落ち着いたイスカが言うことには、
「あそこ、幽霊がいるわよ」
「そうなのかな。レイカちゃんは特に何も言ってなかったけど」
「間違いないって、ほら鳥肌」
「・・・いる」
「ロンもそう思うよね」
「・・・不具合発生。霊的な障害」
「目撃情報はこれから調べるとしても、生霊かな」
「何でそう思うの?」
「まず、幽霊だと仮定して話を進めるよ」
幽霊は暗闇を好む。光は成仏の道しるべであるため、とも言われているが、はっきりした理由は解明されていない。死霊が暗闇に生存する事実だけがある。人工光でもこのことは言えるため、幽霊は光に弱いとされている。事実、浄化は光属性の魔法である。
「生霊も霊だから同じことが言えるんだけれど、生の側面も兼ね備えているから幽霊よりは光に強いんだ」
炎で代用できたらイスカは幽霊嫌いにならないだろう。打撃が効かないことも一因である。
「つまり、居そうな辺りを照明で照らせばOK?」
「幽霊が犯人ならそれで解決なんだけど・・・・・・」
リトアはまだ納得がいかないようだ。
「リトア先輩はどうして霊の仕業だと思わないのよ」
「この辺りは幽霊を歓迎する風潮があるからかな。幽霊付きなだけで物件価値が上がっているし」
「・・・・・・」
イスカには信じられないことだった。
「それにこの周辺は幽霊が見える土地だから」
「そっか、普通に女将さんとか気付いていてもよさそうよね。とりあえず、レイカに霊視してもらおっか」
「そうだね。こればかりはどうしようもないかな」
さっそく、レイカに電話を掛ける。4コールで出た。
『イスカはん、どないしたん?』
「ちょっと霊視してもらいたいのよ」
『そっちでどすか?霊おらへんかったと思うけど』
「それがいるのよ。大浴場に!」
『・・・わかった。けど、大浴場外にはおらへんかったから』
「ごめん、何が言いたいのかわかんない」
『先輩に聞けば分かるよ。こっちの霊視ももうちょっとで終わるからそしたら帰れる』
「わかったわ。けどくれぐれも無理をしないようにね」
『はいな』
電話を切るとイスカは深い溜息を吐いた。
「どうしたのかな?」
「レイカすぐに戻れないって」
「そっか、残念だったね」
並べられていくご馳走を遠い目で眺めながらリトアは言う。6人前くらいはありそうだ。
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