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10ー8、ウサギ、罰は当たらないだろう
エターナニル魔法学園特殊クラス
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「結局これ何なのかしら?」
「話からして危険物の可能性が高いなぁ」
「落としたりしない限り大丈夫だと思うよ」
「リトア先輩はその薬全部飲むの?」
「うん、必要量渡されたんだと思うから」
先程からポリポリと口に運んでいるが、瓶の中身は一向に減る気がない。二人も飲もうとしたが、リトアに止められた。
「量ないなら一気に成長するから服を調達してからの方がいいと思うよ」
「「あ、そっか」」
露出癖はない。自室に戻って箪笥を漁るも大人になるなんてこと想定外なので服があるはずがなかった。売店も閉まっているし、成人したとしてどの程度成長するかは未知数である。途方に暮れていると、ドアがノックされた。
「二人とも準備できたかな?」
入ってきたのは金髪碧眼の美人だった。細工のようなユルフワの髪、細みの体、ない肩幅、ない胸。ロンが髪を染めたのか、と始めは思ったが、
「その物言いはリトア先輩ね」
「・・・そうかな?」
「ロンはんやと、『・・・そう?』って言いはるよ」
「あははは、やっぱり無理があったかな」
「・・・そう」
横からロンが顔を覗かせる。黒髪長髪の美人さんである。こっちは本当に女性にも男性にも見える。どちらも美しいということには変わりない。二人とも180cm以上あるからモデル顔負けである。特にリトアは着る人を選ぶ細身の黒服を綺麗に着こなしている。
「リトア先輩、よく服があったわね」
すると、リトア先輩は言い難そうに言葉を濁した。たぶん、依頼の時に必要な時があったのだろう。弾のことと言い、かなりの金をロイズにぼったくられている気がしてならない。その分も含めて稼いでいるとしたら、そこいらのギルド員より多い計算になる。
「・・・その、偶に」
耐性できたのかな、と口元を抑えて呟いていたので間違いない。
「服ないかもしれないと思って」
「貸してくれるの!?」
「サイズが合えばだけれど」
「・・・自分も」
「恩に着るわ」
受け取った紙袋の中身をちら見すると黒かった。そういえば、リトアはこの色の服しか着ていない。着こなせないとカッコ悪い系の服じゃないだろうかとイスカは困った。
チラッとレイカの方を見る。ちょっと想像しても罰は当たらないだろう。カーレント産日本人なので天身長童顔は当たり前。あまり成長は期待できない。特に胸。
続く
「話からして危険物の可能性が高いなぁ」
「落としたりしない限り大丈夫だと思うよ」
「リトア先輩はその薬全部飲むの?」
「うん、必要量渡されたんだと思うから」
先程からポリポリと口に運んでいるが、瓶の中身は一向に減る気がない。二人も飲もうとしたが、リトアに止められた。
「量ないなら一気に成長するから服を調達してからの方がいいと思うよ」
「「あ、そっか」」
露出癖はない。自室に戻って箪笥を漁るも大人になるなんてこと想定外なので服があるはずがなかった。売店も閉まっているし、成人したとしてどの程度成長するかは未知数である。途方に暮れていると、ドアがノックされた。
「二人とも準備できたかな?」
入ってきたのは金髪碧眼の美人だった。細工のようなユルフワの髪、細みの体、ない肩幅、ない胸。ロンが髪を染めたのか、と始めは思ったが、
「その物言いはリトア先輩ね」
「・・・そうかな?」
「ロンはんやと、『・・・そう?』って言いはるよ」
「あははは、やっぱり無理があったかな」
「・・・そう」
横からロンが顔を覗かせる。黒髪長髪の美人さんである。こっちは本当に女性にも男性にも見える。どちらも美しいということには変わりない。二人とも180cm以上あるからモデル顔負けである。特にリトアは着る人を選ぶ細身の黒服を綺麗に着こなしている。
「リトア先輩、よく服があったわね」
すると、リトア先輩は言い難そうに言葉を濁した。たぶん、依頼の時に必要な時があったのだろう。弾のことと言い、かなりの金をロイズにぼったくられている気がしてならない。その分も含めて稼いでいるとしたら、そこいらのギルド員より多い計算になる。
「・・・その、偶に」
耐性できたのかな、と口元を抑えて呟いていたので間違いない。
「服ないかもしれないと思って」
「貸してくれるの!?」
「サイズが合えばだけれど」
「・・・自分も」
「恩に着るわ」
受け取った紙袋の中身をちら見すると黒かった。そういえば、リトアはこの色の服しか着ていない。着こなせないとカッコ悪い系の服じゃないだろうかとイスカは困った。
チラッとレイカの方を見る。ちょっと想像しても罰は当たらないだろう。カーレント産日本人なので天身長童顔は当たり前。あまり成長は期待できない。特に胸。
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