エターナニル魔法学園特殊クラス

シロ

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10ー9、ウサギ、頭を抱える

エターナニル魔法学園特殊クラス

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「と、とりあえず、あたし風呂場使うね」
「ほな、うちはトイレ使うわぁ」
バタンと閉めて、イスカは頭を抱えた。ばれていると思うが、イスカは男子である。成長すれば、普通に考えて男になる。それも、おそらくレイカが一番苦手とする、筋骨隆々なムキムキマッチョマンに。
「今更行かないなんて言えないし」
後悔先に立たずとはまさにこのことである。とりあえず、成長剤を口に放り込む。噛むと苦そうなので丸呑みする。ドクリと心臓が大きく鼓動を立てた。あまりの激痛に目を閉じる。それはすぐに収まった。ゆっくりと顔を上げる。そこには堀の深い男性の顔があった。想像通りと言えば、その通りである。父親似の顔だ。気が強そうなの以外は。
「問題は変化術が成長対応してくれるかよね」
狐の師匠から気合で習った変化術。これによりイスカは女の子になっていた。それもこれもこの濃い顔とごつい身体を隠すため、レイカに怖がられないためである。
「とりあえず、やってみよっか」
窓を開けて近くの木から葉っぱを一枚千切ると頭に乗せた。
「よっと」
バック転をして(そこそこ広いバスルームでよかった)術を完成させる。ボムっと音を立てて身体が変化した。いつもの顔が大人び、身長も数センチ上がっただけだった。大人の女性になった。成功である。ガッツポーズをする。この半端ない達成感、癖になりそうだ。
「これで問題はなくなったわ」
意気揚々と袖に腕を通す・・・・・・ビリッ。前腕部で閊えて破れるとかどれだけ。ズボンは履くまでもなく、だった。
「ごめん、入らない」
Sサイズは無理だ。Mもおそらく上腕二頭筋でアウト。
「・・・待ってて」
風の音がした後、ドアの隙間から別の紙袋が差し出された。中には何かが書かれたTシャツとどこかで見たことがあるようなズボンが入っていた。
「これロイズのよね」
男性物なのでちょっと大きいが、先程よりは断然マシである。Tシャツにジーパンとかなりラフな姿になった。余ったウエストをベルトで締める。梅雨時期なのでちょっと寒いが、目的地はもう暑いだろうからちょうどいいかもしれない。等と思いながらドアを開けると、そこにはイスカの好みドストライクの女性がいた。
 

                                 続く
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