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一、Boy(?) Meets Girl(?)
1ー22、発動には条件がある。
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同時刻、青年幽霊と武藤を校庭まで連れてきた孟起は上からの突然の襲撃を受けていた。ただし、この表現は事実を少し捻じ曲げている。上から落ちてきたエバは身体中に切り傷があり、横腹に打撃跡がクッキリとうかんでいる。大方の予想通り、このエバは少年幽霊に打ち飛ばされた魔物そのものであった。
「誰だ。こんなところに吹き飛ばしたのは!」
少年幽霊だと知るものはこの場にもいない。
『仕方ない。加勢するか』
青年はそばに落ちていた長めの鉄パイプを構えた。青年の気が高まるのを見て孟起はある賭けに出ることにした。
「三分でいい。あの巨体をこっちに近づけないことできるのか。それでだけでいい」
エバの鱗は剣を通さないと言われるほど硬いが対抗策ないことはない。ただし、もうスットクがないため時間がかかるので、それまで防いてもらわなければならない。果たして青年幽霊にできるか。もし、術中に攻撃を仕掛けられたら防御できない分通常よりも大きなダメージを受けてしまう。
『ああ、任せてくれ』
考えるかと思いきや青年幽霊は即答した。強い光を宿した夜の海の瞳。孟起は彼の言葉の強さに賭けの配当を増やす。
ヒソヒソと話した後、孟起はエバから距離をとった。ヒュッと鉄の棒が空気を裂き、棒を構えたその姿に孟起は思わず感嘆する。棒術の基本的な構えだが、一分の隙もない。青年幽霊の表情が先程までとは異なり、鋭くなる。まるで研ぎ澄まされた切っ先のように。
青年幽霊の気迫に圧されてエバが怯むのを見て孟起は賭けに出たかいがあったことを確信する。
「こりゃ、十分くらいいけるんじゃないか」
などと言ってみたが、流石に長く任せっきりにはできない。銃をクルリと回し、銃口を地面に向けると地面に赤い魔方陣が出現する。
「一撃必殺といきますか」
ベルトに下げられた皮製の小さなポーチから大きめの弾丸を一つ取り出すと躊躇することなく宙高く放り投げた。
「終焉に猛るは炎の王。彼の序者、轟きし者の嘶きを今ここに」
目を閉じ、気を弾丸に集中する。足元の魔方陣が光を増し、渦と化した気は上昇すると宙に浮いた弾丸に次々と集結する。光と共に魔方陣も凝縮された弾丸を銃身に収めると全てを弾く青年幽霊に何とか攻撃を当てようと躍起になっているエバに狙いを定めた。
「出でよ、炎馬グルワディル」
銃口から飛び出した銃弾が炎に包まれ、次第にその形を変える。赤き炎の鬣を靡かせ、力強く地を駆ける闇の蹄をもつ強靭な四肢。世界の終焉の戦いの際、火聖王をその背に乗せ、戦場を駆け抜けた者。それが馬神 炎馬 グルワディルである。
「グルワディル、その力で敵を蹴散らせ」
炎を纏う豪馬は大きく嘶くと地面をけり、エバに向かって駆け出す。グルワディルが大きく跳躍したとき、エバの進行を喰い止めていた青年が素早く横に身を翻す。重心が前に移っていたエバは反動で仰向けになる。
「踏み潰せ、フレイムプレッシャー!」
炎の蹄の一撃はエバの硬い鱗を易々と打ち砕く。グルワディルの発した炎の渦に飲み込まれたエバは灰と化し、その灰も宙に消えてしまった。
「浄化完了。ったく、動きは鈍いくせに硬い。面倒な魔物だ。サンキュー、グルワディル」
『我と約束せし者の頼みだ。我が力、存分に使うがいい』
「だったら、召喚条件をもっと軽くしてもいいんじゃないか?」
『それでは我が品格が損なわれる。第一、他の者に示しがつかん』
「それにしては今回サービスよかったじゃないか?」
『何のことだ、我はいつもと変わらぬ。今度は前文も省略せずに唱えるんだな』
ありがとな、と孟起が鬣を二度軽く撫でると満足そうに鼻を鳴らしてグルワディルは帰っていった。
省略どころの話ではない。ある術を発動していない怠けた召喚だ。孟起自身もそのことを忘れて召喚用の魔導歌を唱えたのに、何故呼びかけに答えてくれたのか?いつもは術を使用したときにしか答えてくれない。理由は明白で召喚時の魔力不足。その術には気や魔力を大幅に上げる効果がある。他にも身体能力を高めたり、追加属性がついたりするなどの効果がある。
ただし、発動には条件がある。しかも、孟起一人では発動不可能の。
『素晴らしい技ですね。あれが召喚術ですか。初めて拝見させていただきました』
服についた砂を払いながら青年は微笑んだ。
『ですが、初対面とはいえ、戦闘時に嘘をつくのは感心できませんね』
「雑魚とはいえエバは魔物だ。そのエバを喰い止めるんだ。相当の実力者だろ。・・・・・・てめー、もしかして」
青年幽霊に銃を向けるとエバと対峙したときの表情はどこへやら、元の好青年の顔に戻っていた。
『もしかして何ですか?生きていた時に武術の訓練を欠かさなかった。それだけのことですよ。武術は日々の鍛錬の積み重ねからなります』
それだけで魔族と張り合えるなら苦労はしない。そう言いかけて止めた。
今の上司の前、今は無き国の兵士になって最初に配属された隊の隊長は気合だけで魔族を消滅させていたのを思い出したからだ。それに比べれば大したことない。
孟起が今の上司、玄劉と出会ったのは新設された彼の隊へ引抜を受けたからである。
ちなみに、応じた理由は面白そうだから。孟起の想像通り面白い人材が集まった。
そして、その時界が滅び、この世界に移り住んでしばらくした時、孟起たちの前に玄劉が現れ、また誘われた。
「おまえ、イノスって国知ってるか?」
『聞いたことありませんね。漫画やゲームで登場する国ですか?』
「何でそうなる」
『つい、そう思ってしまっただけですよ。なら、すでに戦争で滅びた国でしょうか』
「あの国が戦争なんかで滅びるかよ」
その国のあった時界の均衡が何かの拍子に崩れなければ、最強の国になっていただろう。それほど凄い人材で形成されていた国だった。戦争では負け知らずで、死人も最少で済んでいた。
続く
「誰だ。こんなところに吹き飛ばしたのは!」
少年幽霊だと知るものはこの場にもいない。
『仕方ない。加勢するか』
青年はそばに落ちていた長めの鉄パイプを構えた。青年の気が高まるのを見て孟起はある賭けに出ることにした。
「三分でいい。あの巨体をこっちに近づけないことできるのか。それでだけでいい」
エバの鱗は剣を通さないと言われるほど硬いが対抗策ないことはない。ただし、もうスットクがないため時間がかかるので、それまで防いてもらわなければならない。果たして青年幽霊にできるか。もし、術中に攻撃を仕掛けられたら防御できない分通常よりも大きなダメージを受けてしまう。
『ああ、任せてくれ』
考えるかと思いきや青年幽霊は即答した。強い光を宿した夜の海の瞳。孟起は彼の言葉の強さに賭けの配当を増やす。
ヒソヒソと話した後、孟起はエバから距離をとった。ヒュッと鉄の棒が空気を裂き、棒を構えたその姿に孟起は思わず感嘆する。棒術の基本的な構えだが、一分の隙もない。青年幽霊の表情が先程までとは異なり、鋭くなる。まるで研ぎ澄まされた切っ先のように。
青年幽霊の気迫に圧されてエバが怯むのを見て孟起は賭けに出たかいがあったことを確信する。
「こりゃ、十分くらいいけるんじゃないか」
などと言ってみたが、流石に長く任せっきりにはできない。銃をクルリと回し、銃口を地面に向けると地面に赤い魔方陣が出現する。
「一撃必殺といきますか」
ベルトに下げられた皮製の小さなポーチから大きめの弾丸を一つ取り出すと躊躇することなく宙高く放り投げた。
「終焉に猛るは炎の王。彼の序者、轟きし者の嘶きを今ここに」
目を閉じ、気を弾丸に集中する。足元の魔方陣が光を増し、渦と化した気は上昇すると宙に浮いた弾丸に次々と集結する。光と共に魔方陣も凝縮された弾丸を銃身に収めると全てを弾く青年幽霊に何とか攻撃を当てようと躍起になっているエバに狙いを定めた。
「出でよ、炎馬グルワディル」
銃口から飛び出した銃弾が炎に包まれ、次第にその形を変える。赤き炎の鬣を靡かせ、力強く地を駆ける闇の蹄をもつ強靭な四肢。世界の終焉の戦いの際、火聖王をその背に乗せ、戦場を駆け抜けた者。それが馬神 炎馬 グルワディルである。
「グルワディル、その力で敵を蹴散らせ」
炎を纏う豪馬は大きく嘶くと地面をけり、エバに向かって駆け出す。グルワディルが大きく跳躍したとき、エバの進行を喰い止めていた青年が素早く横に身を翻す。重心が前に移っていたエバは反動で仰向けになる。
「踏み潰せ、フレイムプレッシャー!」
炎の蹄の一撃はエバの硬い鱗を易々と打ち砕く。グルワディルの発した炎の渦に飲み込まれたエバは灰と化し、その灰も宙に消えてしまった。
「浄化完了。ったく、動きは鈍いくせに硬い。面倒な魔物だ。サンキュー、グルワディル」
『我と約束せし者の頼みだ。我が力、存分に使うがいい』
「だったら、召喚条件をもっと軽くしてもいいんじゃないか?」
『それでは我が品格が損なわれる。第一、他の者に示しがつかん』
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ありがとな、と孟起が鬣を二度軽く撫でると満足そうに鼻を鳴らしてグルワディルは帰っていった。
省略どころの話ではない。ある術を発動していない怠けた召喚だ。孟起自身もそのことを忘れて召喚用の魔導歌を唱えたのに、何故呼びかけに答えてくれたのか?いつもは術を使用したときにしか答えてくれない。理由は明白で召喚時の魔力不足。その術には気や魔力を大幅に上げる効果がある。他にも身体能力を高めたり、追加属性がついたりするなどの効果がある。
ただし、発動には条件がある。しかも、孟起一人では発動不可能の。
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