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30、
ちょっと自信をなくす
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「ついたぜ、決着」
カイの言葉にナナは顔を上げる。この間、約1分。確かに、いつの間にか泥が撒き散らかされる音が止んだ。
「ナナちゃん、カイ君、終わったよ」
男声がし、外壁を軽くノックされた。落ち着いたその声は本当に戦いが終わったのだと実感した。だが、ここで困ったことができた。
「魔法解除の仕方がわからないのです」
いくら探しても、魔法を解除する方法がない。元からないのかもしれない。魔法をぶつけるのが正しいのかもしれないが、使用した魔法以外は読めないようになっている。何故こうなったのかはわからないが、魔法とはそれ程までに危険な品物なのだろう。
「なら、伏せて」
「おう」
カイに頭を押さえ付けられ、そのまま地面に倒される。
「そのままでいろよ・・・いいぞ」
ナナに覆いかぶさる形でカイも地に伏せる。上げようとした頭を押さえ付けられた時、風を感じた。眩しい光が、視界上部に入ってくる。
「よ、スゲー活躍で」
「邪気を払っただけだって」
茶化すカイの言葉に照れる防寒着の冒険者。この人、見知らぬ2人をあっさりと自分の領域に招き入れたことと言い、かなりのお人好しだ。軽く振って土を払うと背中の鞘に脳刀する。この土の壁を、魔力を持って堅固にした魔法の防御壁を、いとも簡単に斬り払った人物とはとても思えない。
続く
カイの言葉にナナは顔を上げる。この間、約1分。確かに、いつの間にか泥が撒き散らかされる音が止んだ。
「ナナちゃん、カイ君、終わったよ」
男声がし、外壁を軽くノックされた。落ち着いたその声は本当に戦いが終わったのだと実感した。だが、ここで困ったことができた。
「魔法解除の仕方がわからないのです」
いくら探しても、魔法を解除する方法がない。元からないのかもしれない。魔法をぶつけるのが正しいのかもしれないが、使用した魔法以外は読めないようになっている。何故こうなったのかはわからないが、魔法とはそれ程までに危険な品物なのだろう。
「なら、伏せて」
「おう」
カイに頭を押さえ付けられ、そのまま地面に倒される。
「そのままでいろよ・・・いいぞ」
ナナに覆いかぶさる形でカイも地に伏せる。上げようとした頭を押さえ付けられた時、風を感じた。眩しい光が、視界上部に入ってくる。
「よ、スゲー活躍で」
「邪気を払っただけだって」
茶化すカイの言葉に照れる防寒着の冒険者。この人、見知らぬ2人をあっさりと自分の領域に招き入れたことと言い、かなりのお人好しだ。軽く振って土を払うと背中の鞘に脳刀する。この土の壁を、魔力を持って堅固にした魔法の防御壁を、いとも簡単に斬り払った人物とはとても思えない。
続く
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