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蜂蜜ゲットだぜ
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服に付いた土を掃う。
「ありがとうございます、冒険者の方々」
膝を付き、深々とお辞儀をする女王とその家臣と働き蜂達。一国中の人が首を垂れるその光景は、小さな優越感を芽生えさせた。
「誰も死んだ者はおりません。この感謝、どう表せばいいのやら」
「でしたら、蜂蜜ください」
「え?」
一瞬素に戻るほど、意外なものだったらしい。そんなに入手困難な品物なのだろうか、蜂蜜。スッと差し出された瓶(100ccくらい)を戸惑いながら受け取る。働き蜂達が一斉に飛び立ち、家臣に支えられながら立ったクイーンビーの腕の中には白くて小さな赤子がスヤスヤと眠っていた。
「あ、あの、蜂蜜は我が国の特産品ですが、お礼としましては、その、余りにも価値が違い過ぎます」
「厄災退治は仕事なので、気にしないでください」
「冒険者って大変なのですね」
「いや、これはた、光の神官としての仕事だよ。メインは厄災除去とアンデット退治」
「神官って大変なのですね」
「仕えている神にもよるけれど、うん、大変だね」
妖精使いで良かった、と安堵するナナであった。
巣に貯蓄してあった蜜は全て汚染されたため、働き蜂達が夜通しで収取復興している間、クイーンビーの警護も兼ねて近くの洞で一泊することになった。
続く
「ありがとうございます、冒険者の方々」
膝を付き、深々とお辞儀をする女王とその家臣と働き蜂達。一国中の人が首を垂れるその光景は、小さな優越感を芽生えさせた。
「誰も死んだ者はおりません。この感謝、どう表せばいいのやら」
「でしたら、蜂蜜ください」
「え?」
一瞬素に戻るほど、意外なものだったらしい。そんなに入手困難な品物なのだろうか、蜂蜜。スッと差し出された瓶(100ccくらい)を戸惑いながら受け取る。働き蜂達が一斉に飛び立ち、家臣に支えられながら立ったクイーンビーの腕の中には白くて小さな赤子がスヤスヤと眠っていた。
「あ、あの、蜂蜜は我が国の特産品ですが、お礼としましては、その、余りにも価値が違い過ぎます」
「厄災退治は仕事なので、気にしないでください」
「冒険者って大変なのですね」
「いや、これはた、光の神官としての仕事だよ。メインは厄災除去とアンデット退治」
「神官って大変なのですね」
「仕えている神にもよるけれど、うん、大変だね」
妖精使いで良かった、と安堵するナナであった。
巣に貯蓄してあった蜜は全て汚染されたため、働き蜂達が夜通しで収取復興している間、クイーンビーの警護も兼ねて近くの洞で一泊することになった。
続く
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