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気前のいいおばちゃんは太っている法則
しおりを挟む「やっと終わった!!」
解放されたのは昼を回った時だった。腹が減ったと駄々をこねるカイにもうこれ以上は情報を得られないと判断した隊長から帰って良しの許しが出たのだ。マスターはもう少し話があるからと留置所にて別れることとなった。
「お腹空いたぜ」
「なら、ご飯にするのです」
最近お肉が多いのでお魚がいい。見渡すと鮎っぽい魚の塩姿焼きが目に入った。
「お、嬢ちゃん、食べてくかい?」
恰幅のいいおばちゃんが手招きしてきた。
「美味しいのです?」
「もちろん、生きがいいよ。丁度いい焼き具合だよ」
確かに脂ののったいい匂いだ。
「2本ほしいのです」
「はいよ。20札」
安い。20円で鮎らしきものが買えた。
「美味しいっ」
「美味えっ」
白身魚なのにとてもジューシー。なのにくどくなく、川魚特有の生臭さもない。完璧な焼き具合だ。
「そのエンブレム・・・ひょっとして、マジスイの冒険者かい?」
ナナとカイは顔を見合わせて、首を縦に頷いた。
「それなら、この子の親父さん探すの引き受けてくれないかい?」
ぺこりと首を垂れたのは金髪碧眼の女の子だった。
続く
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