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実は初めて
しおりを挟む「ふーん、人探しか・・・・」
「そうなのです。私よりも少し上の女の子っぽい少年から頼まれたのです」
「ティアラみたいな八方美人か・・・・・心当たりがないことはないが」
探し人は有名人のようだ。
「$%&#&%&」
「ああ、俺も探している奴らがいる。ついでに探してやるよ」
これは、勘違いされている。
「ついさっき逸れたばかりなのです」
「迷子かよ」
面倒な、と言った顔になった。これで様になるのだから美形って徳である。
「仕方がない、付き合ってやる」
ピーッと指笛を吹くと、黒くて大きな馬が現れた。巨大だが、目はとても優しい。
「自己紹介が遅れたな。俺はノツ。こいつは俺の愛馬のアペン」
ポンポンと撫でてやると黒い馬は嬉しそうに顔を摺り寄せた。
「疲れただろう。乗っていけ」
ひょいっと抱えられてアペンの背中に乗せられる。
「高ーいのです」
はしゃいでいると森の奥から空に向かって、一筋の光が走っていった。
「何なのです?」
「信号弾だな」
軽い身のこなしでノツはアペンに飛び乗った。ナナを胸に抱えると、手綱を操り、アペンを走らせる。木々が避けるような猛スピードでアペンは駆ける。ノツの腕の中で、ナナは魔法一覧を彼の胸で隠すようにそっと開いた。
続く
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