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エピソード22、カメラとボスエネミー

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 森の奥深く、ダンジョンの最深部だろうそこで繰り広げられている光景は、あまりに悲惨で、残酷で、残念な光景だった。
「「「キャアキャアキャアキャア!!」」」
 歓喜の悲鳴を上げている3人のプレイヤーの目の前で、
「キャアアア、もう無理もう無理。ロムってないで助けてってば」
 中央に咲き誇る巨大花の触手につかまれ、今にも飲み込まれそうな男性プレイヤー。それを取り囲み、スマホのカメラを向けながら黄色い悲鳴を上げているPTプレイヤーだろう3名。風と水の魔法使いと格闘家と剣士によって、魔女裁判のような、そんな不気味さがある光景が繰り広げられていた。花のモデルはウツボカズラだろう。大きな口を開けてプレイヤーを飲み込もうとしている。
「あれがクダモノか!?」
「「違う違う」」
 確かに見た目がグロイ果物は存在する。悪魔の目玉に見えるガーナの実。ザクロや無花果は無数の粒が集まっているので苦手と言う人もいる。アケビやパッションフルーツも見た目が苦手な人がいる。
 だが、あれは花である。高等植物の繁殖をつかさどる器官が花である。果物とは、食用となり、水気の多い、草木の実のことである。
「おそらく、最奥にいるボスエネミーね。ゴブリンリーダーと同じよ。能力は違っているけれど」
 この説明を私は5秒後、後悔することになる。
「よし、イくぞ!」
「うむ、参ろう!」
 赤い鈍足(防御や威力重視は装備が重いため、どうしても素早さが下がってしまうのだ)を追い抜いて水色の彗星が通り過ぎていく。真っ直ぐに真っ直ぐに、一片の迷いもなく、ロムっている3名に完全に不意を衝いて、彗星拳は見事な巻き込みを発生させて、ウォル諸共背後の大樹に勢いよく突っ込んだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 You are GAMEOVER!
 You are GAMEOVER!
 You are GAMEOVER!
 データ×3が光となって彼方に飛んでいく。いったい何が起こったのか、即座に理解できた者はこの場にいなかった。この場からいなくなった4名も何が起きたか、わからなかっただろう。撮るのに夢中でこちらの存在自体に気付いてなかったようだし。
「勝ったぞ!!正義は勝つだね!!!」
 高々に拳を掲げたウォルの後ろで大樹が折れた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・あ、そういう事」
 パチンと指を鳴らす。
「今回のボスは2足歩行じゃないのよ」
「へ?」
「ボスはあっち」
 ビシッとウツボカズラもどきを指さす。指し示す先を見たウォルが一言。
「・・・やっちまった?」
「・・・そのようだな」
「・・・オトナしくしてるぜ」

                                 続く
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