心霊スポット動画配信者~幽霊を信じてなかった俺が動画配信者になるまでの話~

ゆりぞう

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初めて幽霊を視た日 前編

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「ーーーーーッ!?ーーーーーッ!!千春ちはるッ!!」

「ん?どうした?」

「どうしたじゃなくてさ・・・何回も呼んでたのにボーっとしてるから幽霊にでも憑かれたのかと焦ったわ。」

「いや、そういうわけじゃなくてさ。ここに来るのは中3振りだなって。」

「え!?この曰くだらけのキャンプ場に来た事あんの!?なにそれ、初耳なんだけど!」

「あれ?あつしに言ってなかったか?俺が初めて幽霊を見た場所の事。」

「あー・・・それってここの事だったのかよ。」

 俺達は趣味で色々な心霊スポットを訪れて動画を投稿している。俺は親の都合で県外の高校に進学してそこで篤と出会ったんだが、篤は俺が幽霊を見える事を知ると、自分の趣味である心霊スポット巡りに無理矢理連れまわすほどの心霊マニアだ。

お互いに社会人である俺達は休みの時には心霊スポットに突撃し、動画を撮影してサイトに投稿してお小遣い稼ぎをしている。これでも意外と人気のチャンネルで、登録者数は20万人を先日超えた。

 そんなある日、ひょんなことから俺の地元の話になって、俺の地元の心霊スポットを動画撮影したいと駄々を捏ねる篤に根負けした俺はここに連れて来たのだ。

「千春が初めて幽霊を視たっていう場所だろ?動画撮影する前にさ、曰くだったり千春が視た幽霊の話をもう一回聞かせてよ。」

「まぁいいけど・・・」



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「今日の夜さー〇〇市の化けトンいかね?」

「あそこのトンネルってマジで幽霊出るって話だぞ?本当に行くの?」

 中学3年の夏、部活動が終わって暇を持て余した奴らが、学校の放課後の教室でそんな下らない会話をしてるグループがいた。

 幽霊なんて存在しないって、俺はそんな連中を内心馬鹿にしてた。自分自身が視た事ないって言うのが1番大きいんだけどな。

千春ちはる。もうすぐ夏休みだけど、仲のいい奴で集まってキャンプにいかない?」

「別にいいけど・・・んでいつキャンプすんの?」

「3日後の午後にキャンプ場を予約する予定。千春が来るなら全部で4人だな。場所は〇〇キャンプ場な。」

「あー・・・あそこか。」

 場所は地元にあるキャンプ場で自然に囲まれていて、近くにはダムや子供が遊べる公園などがあり小学生の時に子供会で行った事がある場所だった。

 高校は親の転勤で県外に行くことが決まってたし、最後の思い出っていうわけでもないけどキャンプに行くことを了承した。

 3日後に現地集合といわれた俺はその日は家から近かった事もあり、着替えなどをリュックに詰め込み自転車で向かうことにする。

 事前に天気予報を確認してキャンプの日は晴れという事は分かっていたけど、いざその日になり晴れだと分かると安心するな。

 そんなことを考えながら自転車をこいで、目的地であるキャンプ場に到着した。

 森を切り開いたキャンプ場は夏休み真っ只中だというのに俺達以外には1人もキャンプをしている人がおらず以外と人気のないキャンプ場なんだなと感じた。

「千春ッ!こっちこっち!」

 俺を誘った張本人である拓哉が無駄にでかい声で話しかけてきた。隣にはクラスメイトの女子2名。

 夏だからなのか分からないけど、やたらと露出が高い服装と派手なメイクをしてるほうが咲。

 もう一人の女子は咲のように派手というわけでもなく、どっちかというと地味な女子であるサクラ。未だになんでこの2人が仲が良いのか良く分からない。

 時刻は夕方16時。俺達はテントなどを設置した後にバーベキューの準備をしていた。

「なぁ。このキャンプ場って俺達しかいないのか?」

「んー・・・どうだろう。この時間で居ないって事は俺達だけなんじゃね?つまり、貸し切りッ!夜も騒ぎ放題だぜッ!!」

「残念だったわね。あんたたちがそんな事言うから他にも来たみたいよ?」

 キャンプ場に入る為には必ず通らなければならない1本道がある。その道は俺達がいる場所から正面にあるんだが、その道を通ってくる3人家族が居た。

 両親と小学生低学年くらいの女の子。

 母親のカラフルな花柄のワンピースがこの時やけに頭にこびりついていた。

「でもテントを持ってるわけじゃなさそうだし、この上のコテージに泊まるのかな?」

 俺は忘れてたけど、今サクラが言った通りこのキャンプ場には入り口から右手に公衆便所がありその隣には階段がある。その階段を上るとコテージがあるわけだ。その家族は階段を上っていったのでどうやらコテージに泊まるらしい。


「お?やっぱり夜は騒いでも良さそうだな!花火も持ってきたし楽しみだなッ!」

「コテージに泊まるからと言って他のお客さんが居るのには変わりないんだから、騒ぐのはなしよ。そんな事より早く炭をおこしなさいよ。」

 咲は見た目は派手だけど意外と常識はあるようで、正論で拓哉を黙らせていた。
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