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第2章 思春期男子の性と生理
No,28 思春期はわちゃわちゃ
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【これは現在のお話】
こんにちは、現在の理久です。
ここまで、とても恥ずかしい僕の思春期のお話をしました。
はっきり明言しておきますが、マモル兄ちゃんは決してゲイではありません。
ただ、思春期の男児と言うものは同性同士のワイ談やおふざけだけでも、十分にわちゃわちゃと興奮するものなのです。
おそらく当時、マモル兄ちゃんが自慰を知る事になった経緯にも、何かしら友達同士での興奮の伴う行為が有ったのではないか?と予想は出来ます。
実は、思春期の男児同士でのそのようなエピソードは珍しくもなんともありません。
五木寛之の「青春の門」でも、主人公が先輩の手で自慰を教わる場面があります。
──まあ、でもそれは後で思ったこと。
あの忘れられない「秘密の夜」の翌朝。何事も無かったように朝飯を食って、いつものように一緒に遊んだ──。
それ以降、あの夜の出来事は一切話題に出た事もありません。
忘れたのか?
忘れた振りをしているのか?
その後もそんな素振りも匂いも感じさせず、マモル兄ちゃんは若くして恋愛結婚して、三人の子供にも恵まれています。
現在は立派に本家の当主です。
冠婚葬祭で顔を合わすと、マモル兄ちゃんはいまだに僕を、自分の子供達にこう紹介します。
「俺には男兄弟がいなかったから、この理久叔父さんとは兄弟のようにして育ったんだ」って。
僕もいつもこう返します。
「君達のお父さんは子供の頃、そりゃ絶世の美少年だったんだよ」って。
マモル兄ちゃんはまんざらでもない風で、今でもさっと顔を赤らめて微笑んでくれます。
マモル兄ちゃんは覚えているかな?
実は、これを書いていて思い付いた事があります。
僕はハッキリと「自分は面食いではない」と言えるけど、なぜか昔から色白な人にはドキリとしてしまいます。
「ナルシシズムか?」と思っていたけど、案外原因はマモル兄ちゃんかも知れません。
マモル兄ちゃん……
好きだなぁ♪
思春期の男児は、わちゃわちゃと色々な事をやらかします。
実は女性に対する興味より一歩先に、まず自分自身の身体に強い関心を抱く事は心理学的にも言われています。
自分自身の身体とは、つまり同性の身体です。かたち、大きさ、発毛の具合。何より成長の過程、自分と比べてどうなのか?
こっそり親しい者同士で見せ合ったり触り合ったりは、決して特殊な行為でも異常な行為でもありません。
ましてそれが原因で同性愛の指向に傾くとは、まあ、絶対にないとは決め付けられないけれど、普通には考えにくいと思います。
なぜならこう言う行為こそが、いわゆる「男社会」の形成過程だとする考えもあります。いわゆる「裸の付き合い」と言うやつです。
「団結を強める」との目的からこのような行為が伝統化し、それゆえに「体育会はゲイの巣窟」と揶揄される向きもありますが、それこそ大きな誤解です。
大概は男社会で過剰に美化される「男同士の連帯感の無理矢理な構築」でしかありません。
「広々とした所で連れションをすれば仲好くなれる」とか「喧嘩して殴り合えば親友になれる」なんて話と同等の幻想です。
トランスジェンダーの子などは、身体が男子でも心は女子な訳だから、当然こんな男社会の迷信的行為を嫌悪します。
修学旅行の男風呂でさえ拒否したとの話を聞いた事があります。
さあ、いよいよ何を言いたいのか自分でも分からなくなってきたぞ?
そろそろ潮どき──。
実は論点ぶれぶれのこの流れ、全ては大人になった理久の照れ隠しでありました。
てへてへ……
こんにちは、現在の理久です。
ここまで、とても恥ずかしい僕の思春期のお話をしました。
はっきり明言しておきますが、マモル兄ちゃんは決してゲイではありません。
ただ、思春期の男児と言うものは同性同士のワイ談やおふざけだけでも、十分にわちゃわちゃと興奮するものなのです。
おそらく当時、マモル兄ちゃんが自慰を知る事になった経緯にも、何かしら友達同士での興奮の伴う行為が有ったのではないか?と予想は出来ます。
実は、思春期の男児同士でのそのようなエピソードは珍しくもなんともありません。
五木寛之の「青春の門」でも、主人公が先輩の手で自慰を教わる場面があります。
──まあ、でもそれは後で思ったこと。
あの忘れられない「秘密の夜」の翌朝。何事も無かったように朝飯を食って、いつものように一緒に遊んだ──。
それ以降、あの夜の出来事は一切話題に出た事もありません。
忘れたのか?
忘れた振りをしているのか?
その後もそんな素振りも匂いも感じさせず、マモル兄ちゃんは若くして恋愛結婚して、三人の子供にも恵まれています。
現在は立派に本家の当主です。
冠婚葬祭で顔を合わすと、マモル兄ちゃんはいまだに僕を、自分の子供達にこう紹介します。
「俺には男兄弟がいなかったから、この理久叔父さんとは兄弟のようにして育ったんだ」って。
僕もいつもこう返します。
「君達のお父さんは子供の頃、そりゃ絶世の美少年だったんだよ」って。
マモル兄ちゃんはまんざらでもない風で、今でもさっと顔を赤らめて微笑んでくれます。
マモル兄ちゃんは覚えているかな?
実は、これを書いていて思い付いた事があります。
僕はハッキリと「自分は面食いではない」と言えるけど、なぜか昔から色白な人にはドキリとしてしまいます。
「ナルシシズムか?」と思っていたけど、案外原因はマモル兄ちゃんかも知れません。
マモル兄ちゃん……
好きだなぁ♪
思春期の男児は、わちゃわちゃと色々な事をやらかします。
実は女性に対する興味より一歩先に、まず自分自身の身体に強い関心を抱く事は心理学的にも言われています。
自分自身の身体とは、つまり同性の身体です。かたち、大きさ、発毛の具合。何より成長の過程、自分と比べてどうなのか?
こっそり親しい者同士で見せ合ったり触り合ったりは、決して特殊な行為でも異常な行為でもありません。
ましてそれが原因で同性愛の指向に傾くとは、まあ、絶対にないとは決め付けられないけれど、普通には考えにくいと思います。
なぜならこう言う行為こそが、いわゆる「男社会」の形成過程だとする考えもあります。いわゆる「裸の付き合い」と言うやつです。
「団結を強める」との目的からこのような行為が伝統化し、それゆえに「体育会はゲイの巣窟」と揶揄される向きもありますが、それこそ大きな誤解です。
大概は男社会で過剰に美化される「男同士の連帯感の無理矢理な構築」でしかありません。
「広々とした所で連れションをすれば仲好くなれる」とか「喧嘩して殴り合えば親友になれる」なんて話と同等の幻想です。
トランスジェンダーの子などは、身体が男子でも心は女子な訳だから、当然こんな男社会の迷信的行為を嫌悪します。
修学旅行の男風呂でさえ拒否したとの話を聞いた事があります。
さあ、いよいよ何を言いたいのか自分でも分からなくなってきたぞ?
そろそろ潮どき──。
実は論点ぶれぶれのこの流れ、全ては大人になった理久の照れ隠しでありました。
てへてへ……
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