263 / 284
第20章 僕のこの恋は夏生色
No,262 亮ちゃん VS 夏生
しおりを挟む
【これは夏生が告白した後の話】
話は理久と夏生のキス・シーンからつづく──。
「オレにここまで言わせておいて、ただで済むとは思ってないよな?」
「うん……え?、いや……はい。
…………キスして?
………………ナッキー♡」
ソファーにゆっくり押し倒されて、夏生の熱い唇を受けた。
まるでメーテルリンクの童話のよう──世界中を探し回って戻って見れば、幸せの青い鳥は初めから自分の家にいたんだね。
歴野理久、春川夏生に完膚無きまで娶られました。
ここから先は秘密の花園──。
※──────────※
俺たちは熱いキスから始まって、あれよあれよと真っ昼間からラブリーな時間を過ごしてしまった。
俺は夏生に抱かれて(って一応姫だから)うっとり夕飯の支度も忘れてぼんやりしていた。
そしてゆらゆらと夕日が窓から差し込む頃になって、はたと夏生が覚醒した。
「理久、オレにはもうひとつ大事な用件が有ったんだ」
「うん、なに?」
「亮さんを呼び出してオレに紹介してくれないか?」
「え、亮ちゃん?……会ってどうするの?」
「決まってるだろ!男同士で話をつけるんだ!」
「え?あの……」
(一応、俺も男なんですけど)
とは言わなかった。
夏生の変化には気付いていた。明らかに男っぽい。
恐らくこの15年間、ずっと年下の体で相対していたのだからそのままではとても殻を破れない。
俺にあんな思い切ったプロポーズをするにはもう同等か、或いはそれ以上の体で行くしかないと判断したのだ。
夏生のそのへんの心境は容易に想像がつく。だって付き合いが長いから──。
ならば俺は「姫」にもなろう。てか、俺は案外嫌じゃなかった。
むしろ「ああ俺は姫だったのか」と納得してしまった。
今までずっと──理久姫は騎士夏生に見守られてた?
そう言う「システム」だと分かった以上、これからは夫を立てて仲好くしよう。
なぜって、実は夏生が男っぽく振る舞えば振る舞うほど、俺には健気に可愛らしく見えてしまう。せいぜい頑張って良い夫になってもらおう♪
亮ちゃんには「今東京から彼が来ている。紹介するから来ないか?」と誘った。
(彼って言ったって、今出来立てのホヤホヤなんだけどね♡)
亮ちゃんにも何か思うところが有ったのだろう。二つ返事で了解を得た。
指定した時間通りに亮ちゃんが訪ねて来た。正直どうなるのか?と気を揉んだけれど、案外紹介はスムーズに済んだ。
夏生は亮ちゃんに対し、いつもの「年下の可愛い顔」を見せた。
「亮さん、出来れば二人で話したいんですけど、ちょこっと飲みに行きませんか?」って、おいおい聞いていないぞ?!
出掛けるのか?
俺をおいて、亮ちゃんと二人で出掛けるのか?!
とぼけた顔で夏生に聞いた。
「夕飯はどうするの?」
「亮さんと食べるからいらない」
「そうなの?あのね、早く帰って
きてね♡」
って、俺も何だかこのやり取りが飯事みたいで面白くなってきた。
──悪乗りはいけない。
夏生は亮ちゃんを伴い、そのままふらりと出掛けて行った。
一体どこへ行ったんだろう?
いやそれ以上に、一体何を話しに行ったんだろう?
今回、突然夏生がやって来た理由は明らかに亮ちゃんが原因だと、それくらいは分かっている。
でも俺は夏生の想いを受け入れた。そしてさっき、この真っ昼間からちゃんと愛の契も交わした。
事ここに至って、亮ちゃんと波風立てる必要はもう無いんじゃないか?
(って、あれ?愛の契を交わす?
……何だか俺、言葉のチョイスが芝居掛かってるな?何の影響だ?)
まあ亮ちゃんにしても夏生にしても、悪酔いしたり暴力を振るったりのタイプではないからその辺は心配しなくてもいいか──と、俺はあんまり深刻には考えなかった。
案の定。
22時にも近い頃──亮ちゃんと夏生が仲好く一緒に帰宅した。
どうやら険悪にはならなかったようでひと安心。
夏生がドヤ顔で俺に言った。
「大丈夫、話はついた。
もう、亮さんの方から理久に手を出す事は無いから安心だ。理久も不自然に避ける必要はないけど、まあ、常識の範囲でのご近所付き
合いとわきまえて欲しい」
って、二人が何をどう話し合ったのかは知らないけれど、中々に夏生は頼もしい。
と思った瞬間抱き締められた。耳元に低い声でささやかれる。
「おまえまた……匂いに釣られてふらふら抱かれたりしたら許さないぞ」
「え?まさか……もう俺は夏生のものだから……亮ちゃんの匂いに惑わされたりしないから……」
「本当かな~?こうなってみると何だか理久って信用ならないな~押しに弱いからな~」
「夏生の方こそ、こうなってみると案外嫉妬深いんだね~」
「だってオレ、やっと理久と結ばれたんだ。理久の事が本気で好きだから……」
って、そのまま夏生がキスしようとするから──。
「やだ、酒臭いし汗臭い」
「なんだよ、亮さんはいい匂いでオレは臭いのか?」
「そうじゃなくて、風呂を用意しといたから……ね?一緒に入ろ?
あそこも、ここも……全部洗ってあげるから♡」
夏生がサッと顔を赤らめた。
「あ、うん……分かった……」
そのまま、夜のコースへと突入しちゃった♡
話は理久と夏生のキス・シーンからつづく──。
「オレにここまで言わせておいて、ただで済むとは思ってないよな?」
「うん……え?、いや……はい。
…………キスして?
………………ナッキー♡」
ソファーにゆっくり押し倒されて、夏生の熱い唇を受けた。
まるでメーテルリンクの童話のよう──世界中を探し回って戻って見れば、幸せの青い鳥は初めから自分の家にいたんだね。
歴野理久、春川夏生に完膚無きまで娶られました。
ここから先は秘密の花園──。
※──────────※
俺たちは熱いキスから始まって、あれよあれよと真っ昼間からラブリーな時間を過ごしてしまった。
俺は夏生に抱かれて(って一応姫だから)うっとり夕飯の支度も忘れてぼんやりしていた。
そしてゆらゆらと夕日が窓から差し込む頃になって、はたと夏生が覚醒した。
「理久、オレにはもうひとつ大事な用件が有ったんだ」
「うん、なに?」
「亮さんを呼び出してオレに紹介してくれないか?」
「え、亮ちゃん?……会ってどうするの?」
「決まってるだろ!男同士で話をつけるんだ!」
「え?あの……」
(一応、俺も男なんですけど)
とは言わなかった。
夏生の変化には気付いていた。明らかに男っぽい。
恐らくこの15年間、ずっと年下の体で相対していたのだからそのままではとても殻を破れない。
俺にあんな思い切ったプロポーズをするにはもう同等か、或いはそれ以上の体で行くしかないと判断したのだ。
夏生のそのへんの心境は容易に想像がつく。だって付き合いが長いから──。
ならば俺は「姫」にもなろう。てか、俺は案外嫌じゃなかった。
むしろ「ああ俺は姫だったのか」と納得してしまった。
今までずっと──理久姫は騎士夏生に見守られてた?
そう言う「システム」だと分かった以上、これからは夫を立てて仲好くしよう。
なぜって、実は夏生が男っぽく振る舞えば振る舞うほど、俺には健気に可愛らしく見えてしまう。せいぜい頑張って良い夫になってもらおう♪
亮ちゃんには「今東京から彼が来ている。紹介するから来ないか?」と誘った。
(彼って言ったって、今出来立てのホヤホヤなんだけどね♡)
亮ちゃんにも何か思うところが有ったのだろう。二つ返事で了解を得た。
指定した時間通りに亮ちゃんが訪ねて来た。正直どうなるのか?と気を揉んだけれど、案外紹介はスムーズに済んだ。
夏生は亮ちゃんに対し、いつもの「年下の可愛い顔」を見せた。
「亮さん、出来れば二人で話したいんですけど、ちょこっと飲みに行きませんか?」って、おいおい聞いていないぞ?!
出掛けるのか?
俺をおいて、亮ちゃんと二人で出掛けるのか?!
とぼけた顔で夏生に聞いた。
「夕飯はどうするの?」
「亮さんと食べるからいらない」
「そうなの?あのね、早く帰って
きてね♡」
って、俺も何だかこのやり取りが飯事みたいで面白くなってきた。
──悪乗りはいけない。
夏生は亮ちゃんを伴い、そのままふらりと出掛けて行った。
一体どこへ行ったんだろう?
いやそれ以上に、一体何を話しに行ったんだろう?
今回、突然夏生がやって来た理由は明らかに亮ちゃんが原因だと、それくらいは分かっている。
でも俺は夏生の想いを受け入れた。そしてさっき、この真っ昼間からちゃんと愛の契も交わした。
事ここに至って、亮ちゃんと波風立てる必要はもう無いんじゃないか?
(って、あれ?愛の契を交わす?
……何だか俺、言葉のチョイスが芝居掛かってるな?何の影響だ?)
まあ亮ちゃんにしても夏生にしても、悪酔いしたり暴力を振るったりのタイプではないからその辺は心配しなくてもいいか──と、俺はあんまり深刻には考えなかった。
案の定。
22時にも近い頃──亮ちゃんと夏生が仲好く一緒に帰宅した。
どうやら険悪にはならなかったようでひと安心。
夏生がドヤ顔で俺に言った。
「大丈夫、話はついた。
もう、亮さんの方から理久に手を出す事は無いから安心だ。理久も不自然に避ける必要はないけど、まあ、常識の範囲でのご近所付き
合いとわきまえて欲しい」
って、二人が何をどう話し合ったのかは知らないけれど、中々に夏生は頼もしい。
と思った瞬間抱き締められた。耳元に低い声でささやかれる。
「おまえまた……匂いに釣られてふらふら抱かれたりしたら許さないぞ」
「え?まさか……もう俺は夏生のものだから……亮ちゃんの匂いに惑わされたりしないから……」
「本当かな~?こうなってみると何だか理久って信用ならないな~押しに弱いからな~」
「夏生の方こそ、こうなってみると案外嫉妬深いんだね~」
「だってオレ、やっと理久と結ばれたんだ。理久の事が本気で好きだから……」
って、そのまま夏生がキスしようとするから──。
「やだ、酒臭いし汗臭い」
「なんだよ、亮さんはいい匂いでオレは臭いのか?」
「そうじゃなくて、風呂を用意しといたから……ね?一緒に入ろ?
あそこも、ここも……全部洗ってあげるから♡」
夏生がサッと顔を赤らめた。
「あ、うん……分かった……」
そのまま、夜のコースへと突入しちゃった♡
応援ありがとうございます!
41
お気に入りに追加
31
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる