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その生徒、都落ちにつき
仲良しこよし?②
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「まぁ痴話喧嘩はそのくらいにしておいてよ。そろそろ相手してもらってもいいか?」
「痴話喧嘩じゃねぇし。ったくしつけーな。」
「そっちがどう思てんのか知らんけど、傍から見たら痴話喧嘩にしか見えへんで?どうでもええけどな。」
「と、とにかく。拙者達と対戦をご所望なのでござろう?臨む所でござる!」
相対する二組。広い校庭には幸い彼等彼女等以外は誰も見当たらない。
「じゃあ……続きといくか!雷坂ァ!ふぅぅぅうんすっ!!」
金剛は一際大きな声を上げると、またもポージングを取り始めた。
しかし、今度は様子がおかしい。
「む……や、やや!?これはどういう事でござるか!?」
「……アイツの身体……どんどん大きく……!?」
歯を食いしばり、目を血走らせ、金剛の身体はみるみるうちに大きく、そして何よりも逞しくなっていく。
「ふっふっふ……!!見たか!?これが俺のガイスト、【ザ・マッスル】!!骨格筋は勿論、心筋や平滑筋、身体に存在する全ての筋肉を自由自在に操る事が出来る!!力こそが全て!!パワーこそ純粋な証明!!この愛する筋肉の前には、どんな敵も木端微塵に粉砕される!!」
まるで丸太のようになった両腕に両脚、華麗に割れているシックスパッドの腹筋、そこに添えられているように華やかな腹斜筋、そしてまるで翼でも生えるのではないかというくらいに肥大している背筋。
そしてこれでもかと全身には血管が浮かび上がっていて、その禍々しさにも思える姿に、雷坂と石黒はほんの少しだけだが冷や汗を流した。
「はーぁ……相変わらずグロテスクやなぁ……。これさえなければ、ちょっとはええ奴なんやけど。…まぁこれがなかったら、あんたがここに居る意味ないか。」
皮肉めいたフォローをしつつ、玉手はどこからともなくサヴァイヴァルナイフを取り出した。
「やや!?先程から気になってはござったが、一体何時取り出したのでござる!?拙者には急に現れたとしか!?」
「せやで?急に現れたんや。」
「……ハ?ドユコト?」
納得のいかない二人に、少し自慢げに玉手は語り始めた。
「ウチのガイスト、【ランダムボックス】の能力や。この腰の巾着が見えるやろ?これがウチのガイストツールや。」
大袈裟にそれに指を差しながら説明し始める。
「こんなチンケに見えるけど、容量はエグイねんで?ウチでも把握するのが大変なくらいに。しかもその対象の大きさは関係無し!ウチが入れたいと思ったもんなら入る!要するにウチは言うなれば、『歩いて喋くり倒す武器庫』みたいなもんやなぁ。」
クックック……とわざとらしく笑う玉手を見ながら、雷坂と石黒は目を見合わす。
「ほほぉ?」
「ふーん……ソユコトネ。」
そしてすぐに呆れたような顔をしながら、二人を見た。
「さぁ!俺達のガイストの説明はしたぞ!お前達のガイストを説明してもらおうか!?」
「……成程。貴公達のガイストはある程度は把握出来た。では我々も説明せねばなるまい……。」
前のめりに少し倒れ込んでいた雷坂が立ち上がる。
そして。
「……などと言うと思ったのでござるか?」
「何ィ?」
完全に見下したかのように顔で雷坂は二人を睨んだ。
「アンタ達……ケッコーっていうか、マジのガチでバカっしょ?え?マジでAクラスなんこれで?」
「どういう意味や……?返答次第じゃ手加減出来へんで?」
小馬鹿にする石黒にも、その二人は反応を示し逆に互いを睨み返す。
「どうもこうもないでござる。……これは校内ランキング戦であると同時に、ガイスト使いの戦闘でござるよ?何故わざわざ自分のガイストを敵に説明する必要があるのでござる?」
「「!」」
その瞬間、Aクラスの二人の顔つきが変わった。
「……アンタら……まさかウチらの能力を把握する為に、わざと仲が悪いような演技しとったんか!?」
「卑怯者め……!」
「なーに言ってんだが。頼んでも無いのに勝手に喋り始めたのはソッチじゃん?あと、あーし達が仲が悪いのはジジツだし。」
「んなんとぉ!?そこは演技ではなかったのでは!?」
「そんな訳あるか!アイツ等居なかったらまずはお前からシマツしてたわ!!」
再びいがみ合う二人を目にして、金剛は拳と拳をガツンと合わせた。
「……一杯食わされたってやつな訳だ。」
「まぁええわ。どうせ戦ったらわかる事や。後か先かっちゅうだけの話。」
「だから勝手な勘違いだっつーの。勝手に喋ってきたアンタらが悪い。」
「い、石黒氏?やっぱりさっきのは演技では?」
「ねぇーって言ってんだろ!こんの鉄屑頭が!!あーもーウザッ!!とっととコイツ等倒して終わらせる!そんで命とパフェでもつっつくべ!じゃなきゃ気が済まねーわ!」
頭を掻きむしりながら、石黒は一人戦闘態勢を取る。
「むむ……拙者も今日は傷ついたので、帰ったらお気に入りのアニメを見て寝るでござる……。」
しょぼくれた表情をしながら、雷坂も身構えた。
「……ほな?お手並み拝見といきましょか?」
「卑怯者に負ける気は無い。速攻でケリをつけてやる。」
挑戦者二人も、目つきを鋭くして構えた。
「……ぶっ潰す!」
「Sクラスの座、もろたりますわ!!」
「貴公ではちと厳しいでござるよ……!」
「奪えるもんなら奪ってみせろし!」
「痴話喧嘩じゃねぇし。ったくしつけーな。」
「そっちがどう思てんのか知らんけど、傍から見たら痴話喧嘩にしか見えへんで?どうでもええけどな。」
「と、とにかく。拙者達と対戦をご所望なのでござろう?臨む所でござる!」
相対する二組。広い校庭には幸い彼等彼女等以外は誰も見当たらない。
「じゃあ……続きといくか!雷坂ァ!ふぅぅぅうんすっ!!」
金剛は一際大きな声を上げると、またもポージングを取り始めた。
しかし、今度は様子がおかしい。
「む……や、やや!?これはどういう事でござるか!?」
「……アイツの身体……どんどん大きく……!?」
歯を食いしばり、目を血走らせ、金剛の身体はみるみるうちに大きく、そして何よりも逞しくなっていく。
「ふっふっふ……!!見たか!?これが俺のガイスト、【ザ・マッスル】!!骨格筋は勿論、心筋や平滑筋、身体に存在する全ての筋肉を自由自在に操る事が出来る!!力こそが全て!!パワーこそ純粋な証明!!この愛する筋肉の前には、どんな敵も木端微塵に粉砕される!!」
まるで丸太のようになった両腕に両脚、華麗に割れているシックスパッドの腹筋、そこに添えられているように華やかな腹斜筋、そしてまるで翼でも生えるのではないかというくらいに肥大している背筋。
そしてこれでもかと全身には血管が浮かび上がっていて、その禍々しさにも思える姿に、雷坂と石黒はほんの少しだけだが冷や汗を流した。
「はーぁ……相変わらずグロテスクやなぁ……。これさえなければ、ちょっとはええ奴なんやけど。…まぁこれがなかったら、あんたがここに居る意味ないか。」
皮肉めいたフォローをしつつ、玉手はどこからともなくサヴァイヴァルナイフを取り出した。
「やや!?先程から気になってはござったが、一体何時取り出したのでござる!?拙者には急に現れたとしか!?」
「せやで?急に現れたんや。」
「……ハ?ドユコト?」
納得のいかない二人に、少し自慢げに玉手は語り始めた。
「ウチのガイスト、【ランダムボックス】の能力や。この腰の巾着が見えるやろ?これがウチのガイストツールや。」
大袈裟にそれに指を差しながら説明し始める。
「こんなチンケに見えるけど、容量はエグイねんで?ウチでも把握するのが大変なくらいに。しかもその対象の大きさは関係無し!ウチが入れたいと思ったもんなら入る!要するにウチは言うなれば、『歩いて喋くり倒す武器庫』みたいなもんやなぁ。」
クックック……とわざとらしく笑う玉手を見ながら、雷坂と石黒は目を見合わす。
「ほほぉ?」
「ふーん……ソユコトネ。」
そしてすぐに呆れたような顔をしながら、二人を見た。
「さぁ!俺達のガイストの説明はしたぞ!お前達のガイストを説明してもらおうか!?」
「……成程。貴公達のガイストはある程度は把握出来た。では我々も説明せねばなるまい……。」
前のめりに少し倒れ込んでいた雷坂が立ち上がる。
そして。
「……などと言うと思ったのでござるか?」
「何ィ?」
完全に見下したかのように顔で雷坂は二人を睨んだ。
「アンタ達……ケッコーっていうか、マジのガチでバカっしょ?え?マジでAクラスなんこれで?」
「どういう意味や……?返答次第じゃ手加減出来へんで?」
小馬鹿にする石黒にも、その二人は反応を示し逆に互いを睨み返す。
「どうもこうもないでござる。……これは校内ランキング戦であると同時に、ガイスト使いの戦闘でござるよ?何故わざわざ自分のガイストを敵に説明する必要があるのでござる?」
「「!」」
その瞬間、Aクラスの二人の顔つきが変わった。
「……アンタら……まさかウチらの能力を把握する為に、わざと仲が悪いような演技しとったんか!?」
「卑怯者め……!」
「なーに言ってんだが。頼んでも無いのに勝手に喋り始めたのはソッチじゃん?あと、あーし達が仲が悪いのはジジツだし。」
「んなんとぉ!?そこは演技ではなかったのでは!?」
「そんな訳あるか!アイツ等居なかったらまずはお前からシマツしてたわ!!」
再びいがみ合う二人を目にして、金剛は拳と拳をガツンと合わせた。
「……一杯食わされたってやつな訳だ。」
「まぁええわ。どうせ戦ったらわかる事や。後か先かっちゅうだけの話。」
「だから勝手な勘違いだっつーの。勝手に喋ってきたアンタらが悪い。」
「い、石黒氏?やっぱりさっきのは演技では?」
「ねぇーって言ってんだろ!こんの鉄屑頭が!!あーもーウザッ!!とっととコイツ等倒して終わらせる!そんで命とパフェでもつっつくべ!じゃなきゃ気が済まねーわ!」
頭を掻きむしりながら、石黒は一人戦闘態勢を取る。
「むむ……拙者も今日は傷ついたので、帰ったらお気に入りのアニメを見て寝るでござる……。」
しょぼくれた表情をしながら、雷坂も身構えた。
「……ほな?お手並み拝見といきましょか?」
「卑怯者に負ける気は無い。速攻でケリをつけてやる。」
挑戦者二人も、目つきを鋭くして構えた。
「……ぶっ潰す!」
「Sクラスの座、もろたりますわ!!」
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