BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第37話 桐神、散る

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第3Q 残り8:35

舟栄    54
桐神学園  37


村上「ボールが重く、外のシュートも中のシュートも思いきりがなくなっている…頼みの櫻田は霧谷が動きに対応してきて…打つ手なし…か?」


桐神学園はなすすべなく速攻を許し、得点もできない。
宮藤監督はタイムアウトで劣勢を挽回しようとするが、神奈川でも屈指のオフェンスチームが後半、櫻田の最初のスリー以降5分間ノーゴールという憂き目を見た。


第3Q 残り4:43

舟栄    69
桐神学園  37


村上「信じられない…あの桐神学園がもう5分もノーゴールだ」


櫻田「……」

コート上の選手達も諦めかけていた。

ボールを運ぶ新海。

すると、櫻田が新海の方に突如走り出す。

霧谷「ハンドオフか…!」

新海、これを見て櫻田の方へドリブル。

だが櫻田は途中で止まり、親指で自分の後ろを指差し「行け」とジェスチャー。

新海「!!」

エースの櫻田がスクリーンをかけるとは思っていなかった近藤と霧谷、対応が遅れる。

新海、櫻田のスクリーンを使いフリーに。


櫻田「打て!」

新海、周りに誰もいない状態でリラックスしてスリーポイント。


スパァッ!


桐神学園メンバー「きたあ!」

「やっと入った!」



村上「驚いたな…」
(いつもチームメイトに得点をお膳立てしてもらってる櫻田が…仲間の得点をお膳立てする側にまわったか)


続いての桐神学園のディフェンス。

岩倉から霧谷へのパスに櫻田が反応。
パスカットはできずともボールの軌道を大きく変えた。

宮藤「ルーズボール拾え!」

佐藤がいち早くボールにダイブ。桐神学園ボールにする。

新海がボールを受ける。

新海「速攻!」

だが、舟栄は戻りが早い。
速攻はすぐに潰される。

櫻田「出せ!」

櫻田が今度はボールを受ける。

櫻田、霧谷に対しドライブ。
霧谷はしっかりと反応する。

櫻田、ドライブは1ドリブルのみ。
そこからバックステップでスリーポイントラインの外に出る。

霧谷「スリー狙いか…!」

霧谷、ブロックに飛ぶ。
が、ブロックが空を切る。

櫻田、バックステップからさらにフェイドアウェイ(ブロックを避けるために後方などに斜めに飛びながら打つシュート)でスリーポイント。

元々バックステップで距離ができていた櫻田と霧谷。
そこに櫻田のクイックモーションのスリーがフェイドアウェイで放たれた。
よほど運動能力と体格に差がないとこのシュートは止められない。

村上「櫻田は184㎝、霧谷は194㎝。逆に言えば『それしか差がない』という事もできるな」

このシュートが…


スパァッ!


桐神学園メンバー「よっしゃあ!」


第3Q 残り3:58

舟栄    69
桐神学園  43


櫻田「行ける、まだ行けるぞ!」

櫻田のスーパープレイが桐神学園を生き返らせた。



かに見えた。


スパッ!

「スリーポイントだああ!」

「嫌なところで決めた!」


決めたのは11番、本庄。


村上「舟栄でスタメン唯一の2年生…本庄か。下級生ながらこういうところで仕事ができる故だな」


桐神学園は櫻田を中心になんとか攻撃の糸口を掴んできたが、舟栄のエース霧谷、2年生ながら得点源の本庄が要所で得点をあげるため差がなかなか詰まらない。

しかも…

第3Q残り2分
ピピーッ!

審判「ディフェンスファウル!赤7番!」

宮藤「やっちまったか…」

インサイドの米田、4ファウル。
だが、それだけではすまなかった。


残り1分

ピピーッ!

審判「オフェンスファウル!赤5番!」
青木がオフェンス時、レイアップに行く時に相手ディフェンスを押し倒してしまいそれがファウルの宣告を受ける。

「桐神学園のインサイドが追い詰められた!」


暗雲立ち込める桐神学園メンバーをよそに第3Qが終了する。


第3Q終了

舟栄    78
桐神学園  51


村上「せっかく少しずつ波に乗ってきた矢先にファウルトラブルか…気の毒だが桐神学園はここまでか…」

第4Qに入っても変わらず堅実に攻め続ける舟栄。


桐神学園も櫻田を起点に追いすがるも、残り8分で青木が、残り6分で米田がファウルアウト。


残り約5分、舟栄は控えメンバーを投入する。

残り4:57

舟栄    88
桐神学園  59


櫻田「くそ…」
(屈辱だ…)


村上「勝敗は決したとみて控えを投入して経験を積ませる…か」

山下「村上さん!あっちの試合終わりましたよ!」


村上「おう、どうだった?」


Bコート 試合終了

七天王寺  87
後橋育英  75


村上「12点差、群馬1位が早くも消えたか」

山下「最後までもつれはしたんですけど、後橋育英がファウルゲームに行ったのを七天王寺がフリースローをきっちりと決めて逆にリードを広げて逃げ切りました」

村上「なるほどな、流れ次第でどっちとも言えないゲームだったってことか」

山下「はい。んでこっちは…舟栄の圧勝と」

村上「桐神学園も粘っていたんだがな」

山下「でも、こんな全国の強豪と試合できたことは桐神学園みたいな若いチームにはいい経験になったはずです」

村上「そうだな。ちなみにBトーナメントの方はどうなってるか知ってるか?」

山下「えっとですね…」
山下はトーナメント表を取り出す。



山下「あちらもAトーナメントと同じ日程でやっていますので、第1試合の終わり頃みたいですね」

その時、Bトーナメントの結果を他の記者が持ってきてくれる。

山下「えっと…茨城の秀英と千葉の千葉産大付属は秀英が約20点差で勝ちました。
もう1つの実蓮学園と法帝大付三の試合は延長になっているそうです」


村上「そうか…」


ブーッ!

AトーナメントAコート
試合終了

舟栄    95
桐神学園  65


観客「さすが昨年も関東王者の舟栄!圧勝だ!」



霧谷「圧勝…?これで?」

近藤「30点差だし、そう見えるだろうな」

霧谷「あの14番…櫻田って言ったっけか…」

永島「なんだ、お前が終わった対戦相手のこと気にするなんて珍しいな」

霧谷「今度対戦することがあったら、今日みたいに抑えられるかわからねえ。
いいシューターだし、エースとして点を取るだけでなく裏方にも徹することもできる…」

岩倉「それもいいけど次だぞ次!七天王寺はセネガル人のセンターに双子のいいシューターがいる好チームだぞ」

霧谷「ああ…次も勝とう」


コートは第2試合の準備に入っている。


一方、舟栄より早く早々にロッカールームに引き上げた桐神学園メンバーは…




櫻田「すみません…でした」

櫻田がみんなの前で頭を下げている。

櫻田「エースなんて言われながら俺は…」

米田「別にお前のせいじゃねえよ」

青木「むしろファウルアウトして最後までコートにいれなかった俺たちにも責任はある」

ガチャッ

ロッカールームの戸が開き、足を捻挫した長崎が松葉杖をつきながら入ってくる。

長崎「負けちまったか…」

櫻田「先輩…」

長崎「心配すんな、インターハイ予選には間に合うってよ」

一同、ホッとする。


櫻田「先輩…チームみんなの期待に応えられなくて…負けてしまって…すみませんでした」


長崎「…」

櫻田、涙を流す。

櫻田「先輩…俺は…」

長崎、櫻田の頭をくしゃっと撫でる。

長崎「1人で36得点も取った奴が泣くんじゃねえよ、みっともねえ」

櫻田「…」

長崎「確かに、俺たちの関東大会は終わっちまった…
でもな、まだインターハイ予選がある。勝ち進めば本戦がある。ウィンターカップ予選だってある。
泣くほど悔しかったら、もっとレベルアップして強くなってみせろ」

櫻田「先輩…」

長崎「お前はエースとしてよくチームを引っ張った。それに点を取るだけじゃなくて裏方にまわることもしたそうじゃねえか?
負けたのはお前だけのせいじゃねえ、俺たち全員に力が足りなかった。
またインターハイ予選まで一から出直そう」

櫻田「はい…」


桐神学園、関東大会初戦敗退。


To be continued…
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