7 / 24
その2 湯けむり殺人とかまじ勘弁
3
しおりを挟む
どこかの小学生探偵は外出する度に事件に遭遇しているそうだ。とはいっても所詮そんなのは創作の世界、ご都合主義のようなものだ。
……って、思ってたけど、こうなったらな。
ようこさんの死によって旅館は騒然となった。
警察が来たことによって治まったものの、一時はどうなることかと思ったぜ……。
そして鑑識の人が現場検証をしているなか、ヤンキーみたいにガラの悪そうな刑事(背広じゃなかったら補導されてそうだ)とインテリ系な刑事さん(ドラマに出てきそうなおっさん、って雰囲気)から事情聴取を受けることになった。
「――では、まずは発見時の様子をお聞きしましょう」
「…………」
「刑事さんが見たのとあまり変わってませんよ。部屋のなかは水浸しで、真ん中の辺りでようこさんが倒れていた」
「して、なぜ殺されていると分かったのでしょう? 刺殺ではありませんので遠目に見ればわからないと思いますがね」
このインテリ刑事(←命名、俺)はなかなか鋭いな。いつぞやの小太り刑事より有能そうだな。
「根拠は二つあります。まず一つ目は倒れていた場所です――」
ようこさんが倒れていたのは部屋の中央。そして頭が何もない壁の方を向いていた。心臓発作か何かで倒れたのだとしたら、それは何かをしている途中であるはずだ。
机で作業をしているなり、本を取りに行くなり、色々と、な。
そうした行為の途中だったら倒れ方もその行為を思わせる場所を示唆していてもいいはずだ。机の側で、本棚の近くで。しかし何もない中央に倒れていた。
つまり襲われた可能性が出てくる。
「――まぁこれは後付けなのですが……そして二つ目、これは単純です。顔が水面に浸かっていたからです」
「なるほど……そう言うことでしたか。実に合理的だ」
「――んな事言ってて、本当はお前が犯人だからじゃないのか!?」
ヤンキー刑事(←命名、俺)が疑いの目を向けてきた。当然っちゃ当然なんだがな。
「こら、失礼でしょう……スミマセン。彼はまだ新人なものでして――ちなみに、他に変わった点はありませんでしたか? 些細なことでいいですから」
「…………」
「扉が開かなかった、ってことですかね」
「鍵がかかってたんじゃないのか?」
ヤンキー刑事から小太り刑事と同じ雰囲気がしてるな。
「にしてはノブはしっかり回りました。それに強くタックルしたら開きました」
「……分かりました。それと最後に、お二人のアリバイを聞きたいのです」
「…………」
「ええ、何時ごろでしょうか?」
「――午後5時頃、何をしていましたか?」
……は?
「それって……17時、ですよね?」
「ええ」
「その時間は……」
アリバイを聞くってことは死亡推定時刻が判明しているということで。
一応解剖が終わってから正確な時刻はでるものらしいが。
少なくとも……その辺の時間ってことだよな?
「丁度彼女とチェックインして……ようこさんと話をしています」
俺の一言が捜査を混乱させてしまったのか、とりあえず解放された。
が、薫は終始無言で、まばたきするとき以外顔が動かなかった。
そのせいか、布団に入ってからも全然眠くならない。
「……ねぇ」
普段の彼女からは想像できないか細い声がもれた。
「……そっち…行っていい?」
「好きにしろ」
しばらくすると、布団の中に薫が入ってきた。
ぎゅっと俺に抱き付いてくる。
か弱くて、助けを求める子供のようだった。
「どうして…………?」
「……なにが?」
「どうして……ようこは、殺されてなくちゃ、ならなかったの……?」
「さあな」
「っ……何で…………っ!?」
「警察が、その内調べてくれるだろうよ」
「あんたたって……探偵ならっ」
「ボランティアじゃないんだ、ただ事件を解決するだけじゃ意味がない」
「やっぱ…あんたは」
「猫探し、浮気調査、推理、依頼さえありゃ何だってするのが探偵って仕事だ」
これだけ言って気付かなきゃ……どうしようか。
「だったら……依頼するわ! ようこの無念を…晴らしてっ」
「……受けたぜ、その仕事」
すすり泣く声が聞こえた気がするけど、聞こえなかったことにしよう。
――――次の朝
あんな事件があった翌日なのだ。朝食は質素なものだった。
昨晩は泣き疲れたのか、薫はビックリするほどよく食べていたよ。
腹ごしらえが済んだら、調査開始だ。
「――よし、いくつか質問するから正直に答えてくれ」
「わかったわ」
「まず一つ目、ようこさんはどんな人だった? 些細なことでもいい」
「そうね……とても、お節介で、世話好きで…裏表がないから、みんなに好かれていたわ…………」
「つまり、誰からも恨まれたりとかはない、と?」
「そうね……。少なくとも、学生時代はいなかったけど……ただね、ようこは中退したの。理由は教えてくれなかったけどね」
高校中退……俺と同じなのか。
が、これで少しだけ道が見えてきたな。
「もしかすると、その中退が今回の事件に繋がるかもしれない……かもな」
「偶然かわからないんだけど、丁度その時期にようこのお父さんが亡くなってるの」
「じゃ家を継ぐために……?」
「かもね」
チッ……振り出しか。
「じゃ、二つ目だ。今回の旅行の目的だ」
「それは……言っても怒らない?」
「むしろ言わない方が怒るぞ」
「……ようこからの依頼なの――――」
事の発端は数ヵ月前。薫がようこさんと電話をしていたときの事だそうだ。ひょんなことから俺の話題になったらしい。
恐らくは大捏造された俺の評判を聞いたようこさんがこう言ったのだという――解決してほしい事件がある、と。
それは5年前、彼女の父親が自殺したという事件なんだそうだ。いくつか不審な点があったのだが、状況証拠により捜査は自殺の結論で終了したらしい。それに納得してないから真相を解き明かしてほしい、って依頼だったんだと。
「――黙ってて悪かったけど…友達からお金取りたくないから、ね」
「オーケーオーケー、事情はよーくわかった。んじゃ、例の5年前の事件を掘り下げてみようか」
「ちょっ……なんでそっちが先なのよ!?」
「理由は二つ。俺がすっっっごく気になったのと――ようこさんが殺された原因と関わりうるからだ」
「え……?」
「考えてみろ。もし彼女の主張通り、他殺だったら?」
「真犯人は困る……?」
「なるべく穏便に、場合によっては最悪の手段を用いての口封じ。俺ならそうするがね」
「じゃようこは……」
「5年前の真犯人に殺されたかも、だ。案内してくれ」
案内されてやってきたのは、外れにある納屋。
木製の扉は取り外されて……いやむしろ壊れているが、それはなかった。
「ここで、首を吊っているところを発見されたそうよ」
扉は一枚のスライド式、鍵は左側にある。
俺は鍵の箇所を確認してみる。無傷のようだ。
「つかえ棒で内側から扉を押さえてあったらしくて…それが自殺とされた根拠なの」
「てことは、扉はピクリとも動かなかったと?」
「さすがにそこまではわからないけど……」
「扉に棒を立てかけてロックする方法もあるんだが……それだと確実性が無いよな……」
木製のドア、これはほぼ地面すれすれの――場合によっては地面に触れる配置にあったのかもしれない――そしてあと、
「――その日の天気は?」
「え? ……確か…………詳しく覚えてないけど、曇か雨、少なくとも晴れてはいなかったわ」
「もし、その日の天気が雨なら、これは――他殺だ」
密室が自殺の根拠なら、それを崩せばいいんだ。
このトリックには雨であることが重要だ。
犯行の手順は簡単だ。納屋に呼び出し、殺害し、自殺に偽装する。
後は後は内側につかえ棒を用意し、扉を閉めるだけで心理的な密室が完成する。
雨による浸水で、扉が膨張し開かなくなる。
扉が開けばつかえ棒に目が行き、それが原因だと錯覚する。
ようこさんの部屋の扉が開きにくかったのも同じ原因だろう。
「――シンプルだけど、わからないもんだろ?」
「じゃ、じゃぁ……雨だったとしたら…………?」
俺は頷いてみせた。
「――5年前の真犯人が、今回の犯人でもある」
……って、思ってたけど、こうなったらな。
ようこさんの死によって旅館は騒然となった。
警察が来たことによって治まったものの、一時はどうなることかと思ったぜ……。
そして鑑識の人が現場検証をしているなか、ヤンキーみたいにガラの悪そうな刑事(背広じゃなかったら補導されてそうだ)とインテリ系な刑事さん(ドラマに出てきそうなおっさん、って雰囲気)から事情聴取を受けることになった。
「――では、まずは発見時の様子をお聞きしましょう」
「…………」
「刑事さんが見たのとあまり変わってませんよ。部屋のなかは水浸しで、真ん中の辺りでようこさんが倒れていた」
「して、なぜ殺されていると分かったのでしょう? 刺殺ではありませんので遠目に見ればわからないと思いますがね」
このインテリ刑事(←命名、俺)はなかなか鋭いな。いつぞやの小太り刑事より有能そうだな。
「根拠は二つあります。まず一つ目は倒れていた場所です――」
ようこさんが倒れていたのは部屋の中央。そして頭が何もない壁の方を向いていた。心臓発作か何かで倒れたのだとしたら、それは何かをしている途中であるはずだ。
机で作業をしているなり、本を取りに行くなり、色々と、な。
そうした行為の途中だったら倒れ方もその行為を思わせる場所を示唆していてもいいはずだ。机の側で、本棚の近くで。しかし何もない中央に倒れていた。
つまり襲われた可能性が出てくる。
「――まぁこれは後付けなのですが……そして二つ目、これは単純です。顔が水面に浸かっていたからです」
「なるほど……そう言うことでしたか。実に合理的だ」
「――んな事言ってて、本当はお前が犯人だからじゃないのか!?」
ヤンキー刑事(←命名、俺)が疑いの目を向けてきた。当然っちゃ当然なんだがな。
「こら、失礼でしょう……スミマセン。彼はまだ新人なものでして――ちなみに、他に変わった点はありませんでしたか? 些細なことでいいですから」
「…………」
「扉が開かなかった、ってことですかね」
「鍵がかかってたんじゃないのか?」
ヤンキー刑事から小太り刑事と同じ雰囲気がしてるな。
「にしてはノブはしっかり回りました。それに強くタックルしたら開きました」
「……分かりました。それと最後に、お二人のアリバイを聞きたいのです」
「…………」
「ええ、何時ごろでしょうか?」
「――午後5時頃、何をしていましたか?」
……は?
「それって……17時、ですよね?」
「ええ」
「その時間は……」
アリバイを聞くってことは死亡推定時刻が判明しているということで。
一応解剖が終わってから正確な時刻はでるものらしいが。
少なくとも……その辺の時間ってことだよな?
「丁度彼女とチェックインして……ようこさんと話をしています」
俺の一言が捜査を混乱させてしまったのか、とりあえず解放された。
が、薫は終始無言で、まばたきするとき以外顔が動かなかった。
そのせいか、布団に入ってからも全然眠くならない。
「……ねぇ」
普段の彼女からは想像できないか細い声がもれた。
「……そっち…行っていい?」
「好きにしろ」
しばらくすると、布団の中に薫が入ってきた。
ぎゅっと俺に抱き付いてくる。
か弱くて、助けを求める子供のようだった。
「どうして…………?」
「……なにが?」
「どうして……ようこは、殺されてなくちゃ、ならなかったの……?」
「さあな」
「っ……何で…………っ!?」
「警察が、その内調べてくれるだろうよ」
「あんたたって……探偵ならっ」
「ボランティアじゃないんだ、ただ事件を解決するだけじゃ意味がない」
「やっぱ…あんたは」
「猫探し、浮気調査、推理、依頼さえありゃ何だってするのが探偵って仕事だ」
これだけ言って気付かなきゃ……どうしようか。
「だったら……依頼するわ! ようこの無念を…晴らしてっ」
「……受けたぜ、その仕事」
すすり泣く声が聞こえた気がするけど、聞こえなかったことにしよう。
――――次の朝
あんな事件があった翌日なのだ。朝食は質素なものだった。
昨晩は泣き疲れたのか、薫はビックリするほどよく食べていたよ。
腹ごしらえが済んだら、調査開始だ。
「――よし、いくつか質問するから正直に答えてくれ」
「わかったわ」
「まず一つ目、ようこさんはどんな人だった? 些細なことでもいい」
「そうね……とても、お節介で、世話好きで…裏表がないから、みんなに好かれていたわ…………」
「つまり、誰からも恨まれたりとかはない、と?」
「そうね……。少なくとも、学生時代はいなかったけど……ただね、ようこは中退したの。理由は教えてくれなかったけどね」
高校中退……俺と同じなのか。
が、これで少しだけ道が見えてきたな。
「もしかすると、その中退が今回の事件に繋がるかもしれない……かもな」
「偶然かわからないんだけど、丁度その時期にようこのお父さんが亡くなってるの」
「じゃ家を継ぐために……?」
「かもね」
チッ……振り出しか。
「じゃ、二つ目だ。今回の旅行の目的だ」
「それは……言っても怒らない?」
「むしろ言わない方が怒るぞ」
「……ようこからの依頼なの――――」
事の発端は数ヵ月前。薫がようこさんと電話をしていたときの事だそうだ。ひょんなことから俺の話題になったらしい。
恐らくは大捏造された俺の評判を聞いたようこさんがこう言ったのだという――解決してほしい事件がある、と。
それは5年前、彼女の父親が自殺したという事件なんだそうだ。いくつか不審な点があったのだが、状況証拠により捜査は自殺の結論で終了したらしい。それに納得してないから真相を解き明かしてほしい、って依頼だったんだと。
「――黙ってて悪かったけど…友達からお金取りたくないから、ね」
「オーケーオーケー、事情はよーくわかった。んじゃ、例の5年前の事件を掘り下げてみようか」
「ちょっ……なんでそっちが先なのよ!?」
「理由は二つ。俺がすっっっごく気になったのと――ようこさんが殺された原因と関わりうるからだ」
「え……?」
「考えてみろ。もし彼女の主張通り、他殺だったら?」
「真犯人は困る……?」
「なるべく穏便に、場合によっては最悪の手段を用いての口封じ。俺ならそうするがね」
「じゃようこは……」
「5年前の真犯人に殺されたかも、だ。案内してくれ」
案内されてやってきたのは、外れにある納屋。
木製の扉は取り外されて……いやむしろ壊れているが、それはなかった。
「ここで、首を吊っているところを発見されたそうよ」
扉は一枚のスライド式、鍵は左側にある。
俺は鍵の箇所を確認してみる。無傷のようだ。
「つかえ棒で内側から扉を押さえてあったらしくて…それが自殺とされた根拠なの」
「てことは、扉はピクリとも動かなかったと?」
「さすがにそこまではわからないけど……」
「扉に棒を立てかけてロックする方法もあるんだが……それだと確実性が無いよな……」
木製のドア、これはほぼ地面すれすれの――場合によっては地面に触れる配置にあったのかもしれない――そしてあと、
「――その日の天気は?」
「え? ……確か…………詳しく覚えてないけど、曇か雨、少なくとも晴れてはいなかったわ」
「もし、その日の天気が雨なら、これは――他殺だ」
密室が自殺の根拠なら、それを崩せばいいんだ。
このトリックには雨であることが重要だ。
犯行の手順は簡単だ。納屋に呼び出し、殺害し、自殺に偽装する。
後は後は内側につかえ棒を用意し、扉を閉めるだけで心理的な密室が完成する。
雨による浸水で、扉が膨張し開かなくなる。
扉が開けばつかえ棒に目が行き、それが原因だと錯覚する。
ようこさんの部屋の扉が開きにくかったのも同じ原因だろう。
「――シンプルだけど、わからないもんだろ?」
「じゃ、じゃぁ……雨だったとしたら…………?」
俺は頷いてみせた。
「――5年前の真犯人が、今回の犯人でもある」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
【完結】「別れようって言っただけなのに。」そう言われましてももう遅いですよ。
まりぃべる
恋愛
「俺たちもう終わりだ。別れよう。」
そう言われたので、その通りにしたまでですが何か?
自分の言葉には、責任を持たなければいけませんわよ。
☆★
感想を下さった方ありがとうございますm(__)m
とても、嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる