少年は魔王の第三子です。 ~少年は兄弟の為に頑張ります~

零月

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第1章

ⅩⅥ

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「久しぶりだな」

椅子に座り、フレンドリーに満面の笑みで話し掛ける紫髪の少年

「あぁ久しぶりだな、陛下。もう帰っていいか?」 

「お前のこと大嫌いだから」と言い睨む、
フードを深く被った少年

「駄目だ。何の為にお前を呼んだと思っている。」

「ふん、お前ら人間のことなど…
あいつらのことがなければ知ったことではない」

ぼそりと小さく呟く少年は、今にも目の前の少年を殺しかねないほどに殺気を放っていた

「…はぁ、お前は相変わらずだな。
まあ、こうなることは分かっていた。
お前がこの仕事を遣りきれば一時の暇をやろう」

「あいつらも一緒なら良い」

「ああ、分かっている。それで、やってもらいたいことはだな……」


*****

フードを深く被った少年は、王宮の長い廊下を早足で歩いていた
不穏な言葉を呟きながらーー

「あいつ、いつか殺す…」


少年は勢いよく頭を上げたかと思うと急に歩く速度を落とし始めた
向かいから歩く人影を見つけたからだ

「…これは宰相様お疲れ様です」

「あぁお疲れ様です、騎士団長殿。
また聖竜様にお会いに行かれるので?」

フードを深く被っているため表情は見えないが、
少年は陛下と呼ばれる少年に会っているときよりも明るく丁寧に宰相なる青年へと返事をしていた

「はい、聖に会いに向かっていました」

「やはりそうでしたか。
騎士団長殿、聖竜様にまた浄化をお願いしたいのですが伝えてもらっても宜しいでしょうか?」

「はい、解りました。しかと伝えておきます」

「いつもすみませんね」

少年は一礼をするとまた歩き始め、宰相が見えなくなるとまた速足で進み始めた

「宰相か…あいつはまだマシだな
それにしても…陛下あいつはオレをいつまで使うつもりだ?
うざすぎて殺しそうなんだが…」

廊下の端にある扉の前まで来ると少年はノックもせず勢いよく開けた

「聖龍、来たぞ!」

部屋の中に居た聖龍と呼ばれる青みがかった白い鱗を持つ龍は大声で呼ぶ少年の方へと頭を向ける

マスター

少年は聖龍の下へ駆け寄ると体の鱗や角を撫で回しながら怪我がないか問いかけていた

「主、心配し過ぎだよ。
ミューアレラ達が居るんだ、大丈夫だよ」

「そうかもしれんが…オレはお前が心配なんだ」

「大丈夫。もうあんな失敗しないよ」

「またあんなことがあったら次こそは人間を滅ぼすぞ」

「ありがとう、主。でも我らも主が心配だよ。」

聖龍は少年に頭を擦り寄せる

「オレは大丈夫だ」

そんな聖龍の様子に苦笑したが、少年は心配するなと言うかの様にハッキリと断言してみせた

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