178 / 480
青年期 114
しおりを挟む
…それから更に一週間後。
王都の滞在期間が一月になり、新年も迎えたので俺らはロムニアに向けて出発する事に。
「ん?はいはーい」
北門を通過中に馬車のドアがノックされるので俺はドアを開けて用件を尋ねる。
「なあ、あたしも連れて行ってくれないか?」
「え?いやでも…」
馬に乗った女性が馬車と並走して同行を申し出てくるので、俺は王様の護衛は?と思いながら困惑しながら返す。
「陛下からの依頼でね。ロムニアの動向を探るついでにあんたがこの国に戻って来たら直ぐに報告して欲しいんだと」
「…見張りってこと?」
「ソレに近いかな?帰りに王都に寄るよう説得してくれ、とも言われたし…まあ、強制ってわけじゃないから無理に…とは言わないよ。断られたらあたしはそのまま陛下の側に戻るだけさ」
女性は理由を話した後に俺の確認に肯定しながら同行を拒否られた場合の対応を告げた。
「…うーん…傭兵団に加入するならいいけど…今護衛として同行してる令嬢や商人達みたいな客員扱いはなぁ…」
「分かった、じゃあ猟兵隊に加入する。あたしもこう見えて昔はハンターだったからね」
俺が困りながら呟くと女性はスッパリと決断してハンターのライセンスを取り出して見せてくる。
「へー、ハンターだったんだ。じゃあ次の村でみんなに紹介するからこれからは猟兵隊の一員としてよろしくね」
「ああ。あたしはこれでも腕に自信があるから存分に頼ってくれ」
俺はライセンスを見て意外に思いながら返し、加入を受け入れて挨拶すると女性がガッツポーズするように力強く拳を握って笑う。
「…だったら早速で悪いけど令嬢の護衛をお願いしていい?顔見知りがいると安心するだろうし」
「任せときな」
「あ。ちょっと待って…コレ」
「バッジ?」
「団長である俺の。もし他の団員達に疑われて何か言われたらソレ見せて」
「分かった。ありがとう」
俺が指示を出した後に空間魔法の施されたポーチから取り出したバッジを渡すと女性は受け取った後にお礼を言って令嬢の下へと移動した。
ーーーーーー
「団長。村に着いた」
「お。ありがと」
辺りが暗くなり始めると馬車のドアがノックされて団員の一人が報告し、俺はお礼を言いながら馬車から降りる。
「みんな集合!」
そして馬車の屋根に乗って大声で団員達に集まるよう呼びかけた。
「もう知ってる人もいると思うけど、まだ知らない人のために報告がある!団員が一人、増える事になった!まあ詳しくはまた後で、って事で以上!隊長達以外は一旦解散!」
今回は急に加入したので手続きも後回しになる…という例外だったので、俺は団員全員に簡単な報告をして馬車の屋根から降りる。
「まあそういう事だから」
「そういえば令嬢の護衛の方に見ない顔がいたな…」
「なんでも国王陛下の護衛をしてたんだって」
集まってきた隊長達に俺がそう告げると隊長の一人が思い出すように呟き、令嬢の護衛を担当していた隊長は事前に聞いていたんであろう事を話す。
「国王の護衛!って事は近衛兵じゃないの!?なんでそんな人が傭兵団に…?」
「あー…いや、雇われの護衛で近衛兵とかではなかったんだけど…」
他の隊長が驚くと女性が気まずそうに訂正した。
「とりあえずココに居るのが団員達100名からなる部隊を指揮する隊長達。まあ厳密には100人以上いるんだけど…」
「そういや猟兵隊って何人いるんだい?1000名を超すとは聞いたけど、正確な数字までは知らないからさ」
「君を入れて今は1209名だね」
俺のザックリした簡単な説明に女性がふとした疑問を聞き、隊長の一人が答える。
「1200!結構な大所帯なんだね」
「そうそう。だから部隊には副隊長や補佐とか軍みたいな感じで運用してる」
「へえ…まあ人数が多くなれば纏めるのも大変だし…うん、理に適ってると思うよ」
驚く女性に更に説明を続けると意外そうに呟いた後に考えるように納得しながら理解を示した。
「ウチはハンターの集まりだから多分他の傭兵団とは色々と勝手が違うと思う。だからしばらくの間は適当な部隊に入って雰囲気とかに慣れてもらうよ」
「ああ、問題無いよ。新人らしく頑張るさ」
「一応実力は申し分無いから…後は人を纏める能力さえあればまた部隊を新設して隊長を任せたいと思ってる」
「!?本当かい!?」
俺が一定期間下積みしてもらう事を告げると女性は笑って受け入れるので先の予定を話すと嬉しそうに驚きながら確認してくる。
「…国王の護衛ともなれば腕も相当なものだろう…今度俺と手合わせをしないか?」
「望むところだ」
「ならば俺も頼む」
「じゃあ僕も」
「僕も僕も!」
隊長の一人が申し出て女性が笑顔で快諾すると他の隊長も乗って来て試合の予約を取り付け始めた。
「…まあ後の詳しい事は周りから聞いて。みんなちゃんと答えてくれるはずだから」
「分かった。団長、これからよろしく頼んだよ」
「じゃあ話は済んだところで飯行こうか」
俺は腹が減ってきたので話を切り上げた後に車のドアをノックしてお姉さんを呼んだ。
「話は終わりました?」
「うん。みんなで夕飯食いに行こう」
「分かりました。…あ、私も隊長の一人で、他人を回復出来るレベルの回復魔法が使える人達を集めた医療部隊の隊長を任されてます」
「え!?」
これからよろしくお願いします。と、車の中で話を全部聞いてたんであろうお姉さんが女性に自己紹介するように説明する。
「…大魔導師様がいればもはや怖い物なんて何も無いね」
「でも死なない程度にね。後から聞くと思うけど、ウチは使い捨てや使い潰すようなやり方は認めてないから」
女性の安心したような発言に俺はちょっと強い口調で釘を刺すように注意しながら返した。
王都の滞在期間が一月になり、新年も迎えたので俺らはロムニアに向けて出発する事に。
「ん?はいはーい」
北門を通過中に馬車のドアがノックされるので俺はドアを開けて用件を尋ねる。
「なあ、あたしも連れて行ってくれないか?」
「え?いやでも…」
馬に乗った女性が馬車と並走して同行を申し出てくるので、俺は王様の護衛は?と思いながら困惑しながら返す。
「陛下からの依頼でね。ロムニアの動向を探るついでにあんたがこの国に戻って来たら直ぐに報告して欲しいんだと」
「…見張りってこと?」
「ソレに近いかな?帰りに王都に寄るよう説得してくれ、とも言われたし…まあ、強制ってわけじゃないから無理に…とは言わないよ。断られたらあたしはそのまま陛下の側に戻るだけさ」
女性は理由を話した後に俺の確認に肯定しながら同行を拒否られた場合の対応を告げた。
「…うーん…傭兵団に加入するならいいけど…今護衛として同行してる令嬢や商人達みたいな客員扱いはなぁ…」
「分かった、じゃあ猟兵隊に加入する。あたしもこう見えて昔はハンターだったからね」
俺が困りながら呟くと女性はスッパリと決断してハンターのライセンスを取り出して見せてくる。
「へー、ハンターだったんだ。じゃあ次の村でみんなに紹介するからこれからは猟兵隊の一員としてよろしくね」
「ああ。あたしはこれでも腕に自信があるから存分に頼ってくれ」
俺はライセンスを見て意外に思いながら返し、加入を受け入れて挨拶すると女性がガッツポーズするように力強く拳を握って笑う。
「…だったら早速で悪いけど令嬢の護衛をお願いしていい?顔見知りがいると安心するだろうし」
「任せときな」
「あ。ちょっと待って…コレ」
「バッジ?」
「団長である俺の。もし他の団員達に疑われて何か言われたらソレ見せて」
「分かった。ありがとう」
俺が指示を出した後に空間魔法の施されたポーチから取り出したバッジを渡すと女性は受け取った後にお礼を言って令嬢の下へと移動した。
ーーーーーー
「団長。村に着いた」
「お。ありがと」
辺りが暗くなり始めると馬車のドアがノックされて団員の一人が報告し、俺はお礼を言いながら馬車から降りる。
「みんな集合!」
そして馬車の屋根に乗って大声で団員達に集まるよう呼びかけた。
「もう知ってる人もいると思うけど、まだ知らない人のために報告がある!団員が一人、増える事になった!まあ詳しくはまた後で、って事で以上!隊長達以外は一旦解散!」
今回は急に加入したので手続きも後回しになる…という例外だったので、俺は団員全員に簡単な報告をして馬車の屋根から降りる。
「まあそういう事だから」
「そういえば令嬢の護衛の方に見ない顔がいたな…」
「なんでも国王陛下の護衛をしてたんだって」
集まってきた隊長達に俺がそう告げると隊長の一人が思い出すように呟き、令嬢の護衛を担当していた隊長は事前に聞いていたんであろう事を話す。
「国王の護衛!って事は近衛兵じゃないの!?なんでそんな人が傭兵団に…?」
「あー…いや、雇われの護衛で近衛兵とかではなかったんだけど…」
他の隊長が驚くと女性が気まずそうに訂正した。
「とりあえずココに居るのが団員達100名からなる部隊を指揮する隊長達。まあ厳密には100人以上いるんだけど…」
「そういや猟兵隊って何人いるんだい?1000名を超すとは聞いたけど、正確な数字までは知らないからさ」
「君を入れて今は1209名だね」
俺のザックリした簡単な説明に女性がふとした疑問を聞き、隊長の一人が答える。
「1200!結構な大所帯なんだね」
「そうそう。だから部隊には副隊長や補佐とか軍みたいな感じで運用してる」
「へえ…まあ人数が多くなれば纏めるのも大変だし…うん、理に適ってると思うよ」
驚く女性に更に説明を続けると意外そうに呟いた後に考えるように納得しながら理解を示した。
「ウチはハンターの集まりだから多分他の傭兵団とは色々と勝手が違うと思う。だからしばらくの間は適当な部隊に入って雰囲気とかに慣れてもらうよ」
「ああ、問題無いよ。新人らしく頑張るさ」
「一応実力は申し分無いから…後は人を纏める能力さえあればまた部隊を新設して隊長を任せたいと思ってる」
「!?本当かい!?」
俺が一定期間下積みしてもらう事を告げると女性は笑って受け入れるので先の予定を話すと嬉しそうに驚きながら確認してくる。
「…国王の護衛ともなれば腕も相当なものだろう…今度俺と手合わせをしないか?」
「望むところだ」
「ならば俺も頼む」
「じゃあ僕も」
「僕も僕も!」
隊長の一人が申し出て女性が笑顔で快諾すると他の隊長も乗って来て試合の予約を取り付け始めた。
「…まあ後の詳しい事は周りから聞いて。みんなちゃんと答えてくれるはずだから」
「分かった。団長、これからよろしく頼んだよ」
「じゃあ話は済んだところで飯行こうか」
俺は腹が減ってきたので話を切り上げた後に車のドアをノックしてお姉さんを呼んだ。
「話は終わりました?」
「うん。みんなで夕飯食いに行こう」
「分かりました。…あ、私も隊長の一人で、他人を回復出来るレベルの回復魔法が使える人達を集めた医療部隊の隊長を任されてます」
「え!?」
これからよろしくお願いします。と、車の中で話を全部聞いてたんであろうお姉さんが女性に自己紹介するように説明する。
「…大魔導師様がいればもはや怖い物なんて何も無いね」
「でも死なない程度にね。後から聞くと思うけど、ウチは使い捨てや使い潰すようなやり方は認めてないから」
女性の安心したような発言に俺はちょっと強い口調で釘を刺すように注意しながら返した。
153
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる