248 / 480
青年期 184
しおりを挟む
…それから二日後。
国の承認を得てガウ領が俺の手元に戻って来たので、さっそく『暴動を止めたら税率を前の時と同じく半分に戻す』という治安回復のための一手を打った。
「…大丈夫ですか?」
「何が?」
自室でのお姉さんの心配するような確認に俺は不思議に思いながら聞く。
「領内に周知しても直ぐには暴動は収まらないのでは?」
「ああ…まあ完全に収まるまでに4日ぐらいはかかるかな?」
「いくらなんでもそんな上手くいきます?」
お姉さんが確認するように尋ねるので俺は肯定しながら予想を話すとガウの様子が様子だからかお姉さんは否定的に返してくる。
「大丈夫大丈夫。そもそも暴動を主導してるのは俺の手の者だし」
「…えっ!?」
俺の返答にお姉さんは一瞬理解出来ないような顔をした後に驚く。
「だから遅くても一週間では沈静化するよ」
「…坊ちゃんも工作員を使ってたんですね…」
「ははは、当たり前でしょ。相手が使う手をコッチが使わない手はないからね」
俺が安心させるように言うとお姉さんは意外そうに呟き、俺は笑って肯定した。
「いつからですか?」
「最初から。ガウ領を没収される前から裏社会の人達には前もって指示を出してた」
「なるほど…こうなる事を見越して管理下に置いていたんですね」
「いや、今回の件はただ単にちょうど良かったからお願いしただけで、管理下に置いた元々の理由は普通に治安維持のためだよ」
お姉さんは俺の返答を聞いて誤解や勘違いするように納得し始め、俺は否定した後に訂正する。
「…でももし言う事を聞かずに暴動を続けた場合にはどうするんですか?」
「それは無い。と断言したいところだけど、他の貴族に懐柔されてる可能性も確かになくはないね。限りなく低いだろうけど」
「そうなった場合には猟兵隊を派遣して鎮圧に?」
「うーん…放っておいて良いんじゃないかな?他のところがどんどん沈静化していったら勝手に鎮まるだろうし」
お姉さんの最悪の事態を想定した問いに俺は否定的に返すも、お姉さんは対応を確認して来るので適当に答えた。
「…確かに。よく考えたらそうですよね」
「まあ裏切ったら裏切ったで粛清すればいいだけじゃん。領内の治安維持のために、ってルールを定めて資金を与えてんだから…ルールを破ったらそりゃそうなるよ」
「…な、なるほど」
納得するお姉さんに俺が処罰するような直接的な対応を話すと微妙そうな顔で返す。
その一週間後。
ガウ領の暴動も完全に無くなり、領内は前と同じくいつも通りの平穏な状態を取り戻したようなので…
ローズナー領に退避させていた人達をガウ領へと帰還させる事に。
もちろん『そのままローズナー領に残りたい』という希望者がいる場合は帰還させずにローズナー領へと籍を移してもらう。
「…おおう…これは…」
「どうかしました?」
俺が政府から送られて来た手紙を読んで呟くとお姉さんは不思議そうに尋ねる。
「コレ、国から。ガウ領の税金をウィロー伯爵の時の分まで倍払って欲しいんだと」
「えっ!?……ほんとだ…なんでこんな…?」
「国庫が苦しいか、三国に一気に攻められた時のために貯めておきたいか…まあどちらにせよあくまで『要望』だから『要求』じゃないんだよね」
俺は手紙を渡しながら内容を軽く話し、手紙を読んで驚くお姉さんに予想を告げながら強制では無い事を伝えた。
「強制じゃないのなら払う必要は無いのでは?」
「そう。コレは結構な賭けになるからね…国が恩を感じてくれるか、それともカモだと思って財布扱いしてくるか…」
「うーわー…これは難しい判断になってきますねぇ…」
お姉さんの確認に俺が肯定して、言われるがまま払った場合の結果が読めない事を告げると…
お姉さんも同意して考え込むように呟く。
「まあまだ時間はあるし、代行達の意見を聞いてから決めようか」
「そうですね。その方が良いと思います」
「流石に財布扱いされると困るからなぁ」
俺が判断を先送りする事を告げるとお姉さんも賛同し、俺はおどけてボケるように言う。
「いくら魔石を売却したお金があるとはいえ、無駄な消費を続けるといずれは無くなってしまいますし」
「…何があるか分からないから最低限の保険用の金だけは残しとかないといけないからね」
お姉さんは困ったように笑いながら国に献金しまくった後の事を注意するように話すので俺も賛同するように堅実な意見を返す。
「…しかし国…政府の方に恩を売れるのであれば、多少無理してでもお金を差し出した方が良いとは思いますが…」
「発言力や影響力が上がると色々と楽になったりするし」
「うーん…やはり判断が難しいですね…どう転んでもおかしくないだけに、どう転ぶか予想がつかない…というのが…」
…話は終わったと思いきや…
お姉さんが少し考えてメリット部分に言及し、俺が簡単に説明するように言うとまたしても考えながら呟いた。
「まあ一旦出し惜しむ、って言う手もあるけど。倍払う、って言ってから本来の分を納めた後にアッチから催促されて期限ギリギリに追加分を納める…みたいな」
「なるほど…焦らすわけですね!」
「そう。相手の出方次第では『そっちの態度が気に食わないんで追加はやっぱやめました』って拒否れるわけだし」
「…逆に強気に出る、と…流石は坊ちゃん!そんな駆け引きもあったとは!」
俺の結構ギリギリで危ない感じの駆け引きの方法を聞き、お姉さんは意外そうな顔で驚くように褒めてくる。
国の承認を得てガウ領が俺の手元に戻って来たので、さっそく『暴動を止めたら税率を前の時と同じく半分に戻す』という治安回復のための一手を打った。
「…大丈夫ですか?」
「何が?」
自室でのお姉さんの心配するような確認に俺は不思議に思いながら聞く。
「領内に周知しても直ぐには暴動は収まらないのでは?」
「ああ…まあ完全に収まるまでに4日ぐらいはかかるかな?」
「いくらなんでもそんな上手くいきます?」
お姉さんが確認するように尋ねるので俺は肯定しながら予想を話すとガウの様子が様子だからかお姉さんは否定的に返してくる。
「大丈夫大丈夫。そもそも暴動を主導してるのは俺の手の者だし」
「…えっ!?」
俺の返答にお姉さんは一瞬理解出来ないような顔をした後に驚く。
「だから遅くても一週間では沈静化するよ」
「…坊ちゃんも工作員を使ってたんですね…」
「ははは、当たり前でしょ。相手が使う手をコッチが使わない手はないからね」
俺が安心させるように言うとお姉さんは意外そうに呟き、俺は笑って肯定した。
「いつからですか?」
「最初から。ガウ領を没収される前から裏社会の人達には前もって指示を出してた」
「なるほど…こうなる事を見越して管理下に置いていたんですね」
「いや、今回の件はただ単にちょうど良かったからお願いしただけで、管理下に置いた元々の理由は普通に治安維持のためだよ」
お姉さんは俺の返答を聞いて誤解や勘違いするように納得し始め、俺は否定した後に訂正する。
「…でももし言う事を聞かずに暴動を続けた場合にはどうするんですか?」
「それは無い。と断言したいところだけど、他の貴族に懐柔されてる可能性も確かになくはないね。限りなく低いだろうけど」
「そうなった場合には猟兵隊を派遣して鎮圧に?」
「うーん…放っておいて良いんじゃないかな?他のところがどんどん沈静化していったら勝手に鎮まるだろうし」
お姉さんの最悪の事態を想定した問いに俺は否定的に返すも、お姉さんは対応を確認して来るので適当に答えた。
「…確かに。よく考えたらそうですよね」
「まあ裏切ったら裏切ったで粛清すればいいだけじゃん。領内の治安維持のために、ってルールを定めて資金を与えてんだから…ルールを破ったらそりゃそうなるよ」
「…な、なるほど」
納得するお姉さんに俺が処罰するような直接的な対応を話すと微妙そうな顔で返す。
その一週間後。
ガウ領の暴動も完全に無くなり、領内は前と同じくいつも通りの平穏な状態を取り戻したようなので…
ローズナー領に退避させていた人達をガウ領へと帰還させる事に。
もちろん『そのままローズナー領に残りたい』という希望者がいる場合は帰還させずにローズナー領へと籍を移してもらう。
「…おおう…これは…」
「どうかしました?」
俺が政府から送られて来た手紙を読んで呟くとお姉さんは不思議そうに尋ねる。
「コレ、国から。ガウ領の税金をウィロー伯爵の時の分まで倍払って欲しいんだと」
「えっ!?……ほんとだ…なんでこんな…?」
「国庫が苦しいか、三国に一気に攻められた時のために貯めておきたいか…まあどちらにせよあくまで『要望』だから『要求』じゃないんだよね」
俺は手紙を渡しながら内容を軽く話し、手紙を読んで驚くお姉さんに予想を告げながら強制では無い事を伝えた。
「強制じゃないのなら払う必要は無いのでは?」
「そう。コレは結構な賭けになるからね…国が恩を感じてくれるか、それともカモだと思って財布扱いしてくるか…」
「うーわー…これは難しい判断になってきますねぇ…」
お姉さんの確認に俺が肯定して、言われるがまま払った場合の結果が読めない事を告げると…
お姉さんも同意して考え込むように呟く。
「まあまだ時間はあるし、代行達の意見を聞いてから決めようか」
「そうですね。その方が良いと思います」
「流石に財布扱いされると困るからなぁ」
俺が判断を先送りする事を告げるとお姉さんも賛同し、俺はおどけてボケるように言う。
「いくら魔石を売却したお金があるとはいえ、無駄な消費を続けるといずれは無くなってしまいますし」
「…何があるか分からないから最低限の保険用の金だけは残しとかないといけないからね」
お姉さんは困ったように笑いながら国に献金しまくった後の事を注意するように話すので俺も賛同するように堅実な意見を返す。
「…しかし国…政府の方に恩を売れるのであれば、多少無理してでもお金を差し出した方が良いとは思いますが…」
「発言力や影響力が上がると色々と楽になったりするし」
「うーん…やはり判断が難しいですね…どう転んでもおかしくないだけに、どう転ぶか予想がつかない…というのが…」
…話は終わったと思いきや…
お姉さんが少し考えてメリット部分に言及し、俺が簡単に説明するように言うとまたしても考えながら呟いた。
「まあ一旦出し惜しむ、って言う手もあるけど。倍払う、って言ってから本来の分を納めた後にアッチから催促されて期限ギリギリに追加分を納める…みたいな」
「なるほど…焦らすわけですね!」
「そう。相手の出方次第では『そっちの態度が気に食わないんで追加はやっぱやめました』って拒否れるわけだし」
「…逆に強気に出る、と…流石は坊ちゃん!そんな駆け引きもあったとは!」
俺の結構ギリギリで危ない感じの駆け引きの方法を聞き、お姉さんは意外そうな顔で驚くように褒めてくる。
128
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる