子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 240

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…兵士に案内される事、約10分後。


「ココが作戦司令部になっている。今の時間ならばアズマ中将はココにいるはずだ」


少し大きめの二階建ての民家に着くと兵士は軽く説明した後に中に入って行く。


「失礼します!アズマ中将に急報があるとの事です!」

「…急報だと?」

「何があった?」


二階への階段を登り、兵士はドアをノックした後に挨拶をして開けると用件を告げ…


部屋の中に居た中年や青年といった男達が真剣な様子で確認する。


「ここからは俺が…ありがとう、助かったよ。ご苦労さん」

「ああ。俺は持ち場へと戻る。ではな」


分身の俺が代わるように前に出てお礼と労いの言葉をかけると兵士は手を上げ返し、歩いて行った。


「なんだお前は?」

「見ない顔だが…伝達役の情報部隊か?」

「…アズマ中将は?」

「私」


室内で作戦会議中だったんであろう男達が不思議そうな顔で聞いてくるが分身の俺は無視して目的の人物の名前を尋ねると…


部屋の一番奥に居た女…見た目からすると多分俺と大して年齢の変わらなそうな20代前半の女性が答える。


「え、女?」

「私がカエデ・アズマ中将だけど…あなたは?」


分身の俺が驚きながら聞くと女性…見た目的には俺に近いので女子…いや、女の子?は自己紹介した後に問い返す。


「…マジで?補佐とかじゃなくて、マジで女性が司令官なの?」

「…貴様、帝国の兵では無いな…!」


分身の俺はライツの時と重ねながら確認するとおっさんが察したように警戒した様子で立ち上がった。


「あー、うん。今更バレたところで、って感じだけど…俺はラスタから魔法協会の援軍として来た」

「ラスタだと!?コイツ…!まさか…!」

「魔法協会の前線司令官を名乗った男か!」


分身の俺が素性をバラすと男達が全員驚きながら立ち上がり、臨戦態勢を取りながら女の子を庇うような形になる。


「くっ…!兵達は一体何をしていたんだ…!」

「敵がこんな懐まで迫って来るのを防げないとは…!」

「いやー、何回か名乗りを上げてるはずだけど意外とみんな気づかないものだね」

「それで?なにしにココへ?」


男達が警戒したように下っ端の兵士達を責めるように言い、分身の俺が世間話でもするように余裕の態度で楽観的に返すと女の子は座ったまま警戒したように問う。


「ああ、降伏勧告をするために。どうせコッチが勝つ事が決まってるんだから出来るだけ早く終わらせたいでしょ?」

「なんだと!?」

「負け惜しみを!今の状況見る限り苦し紛れの一発逆転に縋るようにしか聞こえんな!」


分身の俺の余裕を見せた笑いながらの発言に男達が反発しながら返す。


「…見ての通り今はとても受け入れられる状況じゃないんだけど…断った場合は?」

「まあ一騎打ちでも申し入れるかな?俺が勝ったら帝国側には完全退却してもらう」

「一騎打ちだと…?」

「こいつは驚いた…こんな馬鹿が世の中に存在したなんてな…」

「この状況で一騎打ちに持ち込めると思っているのか?」


女の子が警戒しながら断るように呟いて尋ねるので適当な感じで一騎打ちに持って行こうとすると男達が呆れたような反応になった。


「ちょっと待って。なんで私達が負けると思ったの?」

「…え?」

「え?…何かおかしい事言った?」


女の子の確認に分身の俺がマジかよ…と思いながら返すと女の子は不安そうに若干困惑した様子で聞いてくる。


「ちょっと待って、ココって作戦司令部じゃないの?もしかして現状を知らされてない?」

「…どういう事?ちゃんと分かるように説明してくれない?」


分身の俺が意趣返しのように同じ言葉を返して確認すると女の子は馬鹿にされたと感じてイラッときたのか、ちょっとムッとしたように返す。


「銃による攻めが通用しなくなった事の報告は来てる?」

「来てるけど…まさかソレだけで?」

「じゃあ中継基地が三ヶ所破壊された事の報告は?」

「三ヶ所?二ヶ所じゃなくて?」

「そうそう、昨日…日付的には今日?三つ目の中継基地が無くなった」

「なっ…!?」

「なんだと…!?」


分身の俺の確認に女の子が確認し返し、アッチから絡まれるように情報を話すと男達が驚愕した。


「分かる?中継基地を破壊出来ると言うことは、町も海岸の拠点も船も…いつでも破壊出来るって事だよ?」

「なっ…!?」

「た、退路が絶たれ、兵站が切れると…!」

「…じゃあ、なんで初めっからやらなかったの?なんで?」

「…!確かに!」

「いつでもやれるのならば、最初にやらない手は無い…!」


分身の俺が理解させるように言うと男達は狼狽えて慌て始め、女の子が冷静に少し考えて指摘すると男達はハッとした顔で立ち直るような反応をする。


「おおー、やるねぇ…そう簡単には脅しに屈しなかったか」

「そもそも本当にあなたの言った事が出来るのなら、わざわざこんな危険な真似をしてまで降伏勧告に来る必要が無い…つまり、あなたはココで私達に引いてもらわないと苦しい立場にあるって事じゃない?違う?」


分身の俺の嬉しく思って楽しみながらの発言に女の子は意趣返しでもするかのように、予想や想定を話して強気な感じでニヤリと笑いながら確認した。
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